「人権擁護法」という狂気の法案 (その五)

お知らせ

 先日、横浜関内で行いました講演会の模様の放送が、日本文化チャンネル桜であります。

前編 平成17年3月17日(木)夜12時~1時
後編 平成17年3月18日(金)夜12時~1時

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「人権擁護法」という狂気の法案 (その五)

 今日16日に私の目に入った重要な三つの情報をお届けする。Aは他のネットにすでに流れているようだが、日録のコメントにあったのを採用する。長文だが、多くの人が読む必要がある。

A――10日の自民党法務委員会の討議内容の記録。

B――法務省に電話で問い合わせた人の対話(その四、にある)の続篇。再度の対話の試みの結果。

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A
人権擁護法案の自民党法務部会の経過報告について

3月10日 自民党法務部会 人権擁護法案審議経過
(出席議員40名強)

部会長 平沢勝栄議員(推進派・衆・東京14区)

○最初に古賀誠議員から、今国会に提出したいという強い思いを込めた挨拶があった。

次に人権擁護局長より、法案の説明を7点に絞って説明あり。

○法務省の外局とすること、現行の法律は廃止すること、人権委員はあらゆる人権救済を行うことや調停したり法廷に訴えたりする作業を行うこと、報道問題については2年内に検討すること、この法案は5年を経過したら見直しを行うこと、

部会長より以上のような案を15日の閣議に提出したい旨告げられ、議員より発言

古川禎久議員(反対派・衆・宮崎3区)
(資料1枚あり)差別はあってはならない。しかし4点ほど、疑義がある。

○「人権侵害」という定義があいまい。曖昧なままでは、罰則規定もあるので、表現の自由に抵触する虞あり。

○2万人の人権委員の選定過程が不透明。「特定の団体」とされているが、どのような団体を指しているのか分からない。法の下の平等に触れる可能性あり。

○出頭要請や立ち入り検査、勧告、公表などをする、とあるが、これは社会的な制裁になる。裁判所を通さずにこれを行使することは、憲法との関係に照らしてどうかと思われる。

○法務省の外局に置くとのことで司法権能を持つことになる。わが国には司法制度があるのだから、その拡充をはかればよいではないか。別に作るのは不自然である。三権分立に反しないか?城内 実議員(反対派・衆・静岡7区)
(2枚資料あり)石川議員が本質をついた質問をされたと思う。

○立法趣旨は賛成である。が、疑問がある。
○2条に「その他の」とあるが、あらゆることが人権侵害が対象となってしまう。
○3条2項には人権侵害の「予防」もできることになっているが、これも疑問である。

○人権侵害の基準は当事者によって基準が違う。なんびとも申し出ることができる、となっているが、どういう客観的な基準が考えられるのか。
○22条3項について、住民であれば人権委員になれる、となっているが、在日外国人でもなれるということか?また、人権を保護するような団体から選ばれるとあるが、例えば朝鮮総連などはどうなのか?それに入るのか?
○84条に公私の団体の緊密な連絡、とあるが、朝鮮総連や従軍慰安婦の裁判などを行った団体などは緊密な連絡を取り合う団体となるのか。
○憲法33、34、35条に関連するが、令状無しで立ち入り検査まで行えるのは権限を与えすぎではないか。
○訴えられた者が結果的に人権侵害していない、ということになったら、その人はどう救済されるのか?信用回復は難しい。訴えられた者の人権も守られなければならない。
同和と在日の人が同時に互いを訴えたら、どうするのか?
○似非同和などが、人権委員会に訴えるぞ、と脅す可能性も懸念される。

以上について法務省答弁
○人権の定義の曖昧さについて
定義は人間に備わった権利、として一定にあり明らかである。国際条約などにもあるとおり。
○不当な差別の曖昧さについて
差別の定義は憲法14条にある。
○罰則規定について
行政罰ではないし、直接強制力ではない。民事の罰則だから問題ない。
○国籍条項について
各地の実情に応じて外国人も任命しろと言われて、こういう規定にした。

外国人が公務員になるというような公権力行使の立場に就くことはできないが、相談に乗るという人権委員にはなってもいいと思う。ただし、立ち入り調査をする権限などは与えられない。

○三権分立について
独立行政法人だから司法制度を補完するものだから問題なし。

○特定の団体について
朝鮮総連などは現行法と同じ扱いである。ただ、人権委員を選ぶとき、議会にかけ、弁護士会などにも相談することになっている。朝鮮総連などが人権団体に該当するかと言われれば一概には言えないが、それが人権に関係する団体かどうか、という基準で決まることである。外国人の多い所などでは、そういう団体から選ばれる可能
性はあるし、そういう余地は残すべきだと思う。

佐藤剛男議員(推進派・衆・福島1区)

○古賀会長に感謝申し上げている。2002年、自分も部会長をやったが、刑務問題が浮上していたので、やれなかった。

○野党は人権委員会を内閣府に置け、とその当時は言っていたが、古賀会長の努力でここまで来れたことを感謝する。各論はあるだろうし、報道機関問題凍結という問題はあるが、今回は国会に提出すべきである。国連にも人権委員会があるし、それを活用して推進すべきである。

佐田玄一郎議員(不明・衆・北関東)
○古賀先生に敬意を表している。

報道によるプライバシー侵害は、根本的におかしいと思っている。朝日・NHK問題を糾明しているが、きめつけ報道がひどい。メディアの削除を野党は主張しているが、凍結してほしい。

大村秀章議員(推進派・衆・愛知13区)
○ぜひ成立させてほしい。個人情報保護法案の時もマスコミ規制2法案と言われて、マスコミの問題は落として成立させた。この際、削除しないと成立しないのではないか。

○人権委員会を法務省におきたい気持ちは分かるが、解同の人が自分の所にも来るが、彼らも面子があり退かないので、内閣府で通せばよいではないか。亀井郁夫議員(反対派・参・広島)

○自分の所に広島から何本も電話が来た。泣くような声で、慎重にやってほしいという電話だった。

○差別はいけない。しかし、部落解放の問題は、広島ではひどかった。部落解放からのつるし上げで

30人も自殺者が出た。同和の予算も莫大についていたが、黙って耐える期間が長かった。

○かつては教育県だったのに、日本で最低になり、暴力は一番になった。

○3年間でやっとここまで正常化した。

○広島の懇談会において「団体との緊密な連携をもって」という言葉が入っていたために、教育に解放同盟が介入した。

○今回の法案が通れば、また悪夢がやってくる。

○マスコミも警察も部落から脅されつるし上げられたのだ。だから自殺者が出ても報道されなかった。

「公私の連絡を取って」の「私」などは大変なことになる。

○人権擁護局が今あるのに、そこでなぜ人権救済をやれないのか。

古賀誠議員(人権問題等調査会長)
○一部の団体のため、という誤解があるようだ。自分のところにもそういう批判がきている。決してそうではない。大臣の諮問機関で議論されて答申されたものだ。

○修正すべきは修正されなければならないだろう。しかし、一部の団体のため、という誤解を解いてもらわねば先には進めない。

法務局長
○広島でのことに自分はかかわった。警察には屈するな、とハッパをかけた。

衛藤晟一議員(反対派・衆・比例九州)
○何もできなかったじゃないか。

法務局長
○いや、だいぶ良くなった。

柴山昌彦議員(反対派・衆・埼玉8補)
○先ほどの説明では外国人は相談に乗るだけ、とのことだったが、それはちゃんと条文に書いてあるのか?

○権力が付与されるのだから人選についての透明性をはかってほしい。

○法務省外局にするのは現実的だろうが、古川・城内先生の指摘は杞憂ではないと思う。
法務省
○外国人は中央の委員にはしない。一般調査と救済は分けてある。

早川忠孝議員(反対派・参・北関東[埼玉4区])

○富山県庁にいた時代、似非同和にあたった。亀井先生のご指摘どおり、
○大変だった。古川・城内さんの指摘は正当である。運用する上で危ないことになると思う。その重大性を分かった上で法案を考えるべきである。渡辺博道議員(推進派・衆・南関東比例)
○賛成したい。個人情報保護法にかつてかかわった。マスコミ問題は削除してほしくない。

谷 公一議員(反対・衆・兵庫5区)
○30年前、地元兵庫で八鹿高校事件というのがあり、関わってきた。亀井先生の気持ちが分かる。国は解同に主体性を持ってあたっていない。

○法案の趣旨は賛成だが、運用が心配である。城内・古川さんと同じだ。

佐藤 錬議員(反対派・衆・九州比例)
○冒頭で若手の城内・古川さんが資料を配布したが、純粋な気持ちで出したのに、真剣に法務省は答えなかった。文書で答えるべきだ。答弁もなめたような言い方だった。

○また「その他」「予防」「おそれがある」と言った文言に懸念がある。ちゃんと我々にも分かるものを提出するべきだ。

衛藤晟一議員(反対派・衆・九州比例)
○趣旨は賛成だが、大分でも解同問題があった。時間をかけて正常化してきた。
○人権は葵の御紋になる虞がある。誰も文句がいえないからだ。
○しかし、本当にそれで弱い人が救われるのか?逆になりはしないか?
○また女性戦犯法廷などの団体なども入ってくるだろう。どうするのか?
○自分はこの法案には反対だ。
○外国の人は住まいの問題とか今大変な目にあっている。現行法で守ってあげられるはずなのに、それができてない。
○今までの(広島や大分や・・の)経緯・歴史から見て、法ができても、その趣旨は守られないだろう。

自見庄三郎議員(推進派・衆・福岡10区)
○自分は野中さんの下で懇話会のメンバーだった。選挙区田川市の全日本同和会は自民党と友好的な団体である。
○解同はかつて共産革命でしか救われないと言ってたが、ソ連の崩壊で方向性を変えた。自民党を支持してくれるようになったのだ。
○似非同和と人権を守る団体とは分けて考えるべき。そういう意味で、この法案は進めるべきだ。
○メディア規制を公的にしないのは日本だけだ。規制すべき。
○城内・古川議員の意見は、初めて聞く理論だった。

小林興起議員(反対・衆・東京10区)
○この法案は反対すべきものではないが、問題として挙げられたことを考えるべき
○正常化した広島に、我慢してくれとは、言えないじゃないか。
○今の救済措置ではいけないのか?
○マスコミの問題と人権救済の話は分けて考えるべき。
○今どんな救済をしなくてはならないか、というような具体的な資料を法務省に出してほしい。
○人権の名において、宗教裁判のようなことが行われてはならない。
○訴えられた側の人権侵害を救えるのか?

山谷えり子議員(反対派・参・比例)
○不安を持っている。人権は愛と慈しみと関係すること。
○参画条例では苦情処理委員会などが作られているが、例えば埼玉では男女別校をやめさせたいと動いたが、27万人の反対署名が提出されたりした。区別は差別だと言って、林間学校で男女が一緒に寝たり、トイレの表示の色を同じにして混乱がおきたり、小学生にセックスのやり方を教えるなど、とにかく非常識である。それを東
京都がチェックして116人の教師が処分されたら、このことで教育の機会が奪われたと言って、8000件の人権救済申し立があった。(こういうことになってしまう)

?議員
○内閣府に置くべき。人選については、団体というのは懸念があるので、個人ベースにしてほしい。

荻生田光一議員(反対派・衆・東京24区)
○古川・城内議員の意見を精査してほしい。不透明な人選をやめてほしい。
○人権団体かどうかの判断は、誰がやるのか?
○「当該委員会の意見を聞いて」とあるが、曖昧である。

森岡正宏議員(反対派・衆・近畿比例)
○人権があまりにも広く捉えられている。山谷さんのご指摘のように、悪用されている。

○教科書の問題に自分は取り組んでいるが、地元では「人権問題を扱っている教科書は○○だからこれを使え」という圧力がかけられている。
○このままこの法案を上にあげることには反対だ。よく吟味してほしい。

古屋圭司議員(反対派・衆・岐阜5区)
○この問題について、かつて真剣に議論してこなかったことを反省している。
○具体的な指摘があったのだから、考えるべきではないか。
○理想的に運用ができないという指摘があった。納得できる案を出してほしい。
○このまま法案を出してほしくない。メディア問題は、本来この問題とは違うことだと思う。

田中議員
○趣旨としては、国家的な救済ルールなのだろうから賛成だが、具体的な事例を挙げて附則すべきだろう。
○訴えられて何でもなかった人のことをどうするのかは、大事な問題だと思う。

衛藤晟一議員
○児童虐待や外国人のことなど、各論的に検討してほしい。山谷さんの人権は愛と慈しみと切り離せない、という言葉があったが、愛と慈しみがこの法案からは感じられない。
○偉そうに上からやるととんでもないことになる。今の法体系でやれないことを挙げてみるべきだ。

古屋圭司議員
○司法制度で不十分なことをまずやってみてほしい

亀井郁夫議員
○広島は困る。光が見えたのに、本当に困る。自民党は壊滅してしまうだろう。
○法案を急がなくてもいいじゃないか。

法務省
○指摘いただいたことを検討する。

古賀誠議員
○たくさんの意見に、法務省は文書で答えてほしい。スケジュール的に今国会で、とやってきた。
○先生方にそれを承知してほしい。上にあげて委員会で修正しながら妥協点をみつけたい。

衛藤晟一議員
○部会の中で検討しなきゃおかしい。

古賀誠議員
○議論してるじゃないか。

部会長
○委員会の審議で行えばよい。

多数の議員
○それはおかしいじゃないか。

部会長
○法案として出させてほしい。

古屋圭司議員
○3月中旬をこえても出したケースもあるのだから、出すのは先でもいいじゃないか。

○異論のある中で出すべきではない。真摯な議論をすれば野党も納得するだろう。

古賀誠議員
○是非提出させて下さい。

部会長
○手続きとしては出させてほしいという古賀さんの意見だがどうでしょうか。

大勢の議員
○平場でこれだけの意見がでてるんだから。

部会長
○政審の場に出させてほしい。

大勢
○だめだ。

城内 実議員
○(法務省に向かって)「曖昧とはいかがなものか」といっただろう!人権侵害だ!(と机を叩く)

笹川 尭議員(推進派・群馬)
○これで総務会にもって行かれても困る。金曜日か火曜日に部会を持ったらどうか。

部会長
○では、今日、政審にもっていくのはやめる。散会。
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まとめ

【推進派】
古賀 誠(衆・福岡7区) 人権問題等調査会会長 http://www.kogamakoto.gr.jp
平沢勝栄(衆・東京14区) 法務部会会長 http://www.hirasawa.net
佐藤剛男(衆・福島1区) http://www.satotatsuo.jp
大村秀章(衆・愛知13区) http://www.ohmura.ne.jp
渡辺博道(衆・南関東比例) http://www.hiromichi21.com
自見庄三郎(衆・福岡10区) http://www.jimisun.com
笹川 尭(衆・群馬2区) http://www.e-sasagawa.com

【反対派】
古川禎久(衆・宮崎3区) http://www.furukawa-yoshihisa.com
城内 実(衆・静岡7区) http://www.m-kiuchi.com
亀井郁夫(参・広島) http://www.kamei.com
衛藤晟一(衆・比例九州) http://eto-seiichi.jp
柴山昌彦(衆・埼玉8補) http://www.shibamasa.net
谷 公一(衆・兵庫5区) http://www.tanikouichi.jp
佐藤 錬(衆・九州比例) http://www5.ocn.ne.jp/~satoren
小林興起(衆・東京10区) http://www.kobachan.jp
山谷えり子(参・比例) http://www.yamatani-eriko.com
荻生田光一(衆・東京24区) http://www.ko-1.jp
早川忠孝(反対派・参・北関東[埼玉4区])http://www.hayakawa-chuko.com/profile/index.html
森岡正宏(衆・近畿比例) http://www.m-morioka.com
古屋圭司(衆・岐阜5区) http://www.furuya-keiji.jp

【不明】
佐田玄一郎(衆・北関東比例) http://www.sata-genichiro.jp
この議事録をまとめた方によると反対派となっていますが、どうやらニュアンスが違うような気もします。
(推進派と勘違いして送られてきた抗議のメールが百科事典並みの厚さになったと又聞きで伝え聞いています。聞くところによると法案反対派だそうですが、私なりに引き続き調べてみます)
(以上は出席議員40名強のうち判明分のみ)

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B
電話突撃隊出張依頼所65 より
970 :外国人参政権に反対します ◆BJuB7ha/rA :05/03/15 22:30:21 ID:nm56Y+P8
電突の勇士の皆様、こんばんは。3/15 法務省(0 3 3 5 8 0 4 1 1 1)に、人権擁護法案の件で電話しました。
昨日の報告の確認と、追加の質問をしようとしたのですが、

私:人権擁護法案について質問がある。法務省さんに何回か電話して説明してもらったため、法案の
  概要は理解できたが、まだ不明な点が何点かある。それを教えて欲しい。
法:人権擁護法案については、まだ国会に提出されていないので、質問等にお答えすることはできない。

私:今日、自民党の法務部会に説明したのだろう? その法案について質問したいのだが。
法:まだ国会に提出されていないので、質問等にお答えすることはできない。

私:自民党の法務部会を通過したら、すんなり成立するのではないか? 野党は賛成しているのだから。
  それでは遅い。法務部を通過する前に法案の概要を理解させてほしい。
  具体的には「人権委員、および人権擁護委員は、外国人でもなれるのか」こういった事が聞きたい
  のだが?
法:・・・、質問を受け付けることはできない。申し訳ない。

対応してくれた人は女性でした。言葉は丁寧なのですが、全く取りつく島が無い状態でした。
昨日は詳細に回答してくれたんですが、何があったんだろうか?
今日、法務省に電話された方はおられますか?
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978 :外国人参政権に反対します ◆BJuB7ha/rA :05/03/15 22:46:27 ID:nm56Y+P8
>>973
ありがとうございます。

何回かトライしたのですが、ブログに書きこめない‥。

西尾様、このスレを見ておられますか?
とりあえず、このスレで返答させていただきます。

私の電突報告ですが、ご自由にお使いください。
少しでも多くの人に、人権擁護法案の危険さを知っていただきたいと思います。

法務省が急にダンマリになったのは、西尾氏のブログで紹介されたからかも
しれません。
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980 :マンセー名無しさん :05/03/15 23:07:13 ID:YaeTaWGT
>>978-979

西尾様
>>970も同時に掲載してください。国民の声、質問を
権力を使い押し潰そうとする証拠であり、この法案の
如何わしさを露わす論拠ともなります。

「「人権擁護法」という狂気の法案 (その五)」への7件のフィードバック

  1. 人権擁護法案の自民党での議論ですが、気になるものを見つけましたので要約して貼り付けます。
    ※原文を見たい方はこちらhttp://www.amaochi.com/yae_log064.html#050315

     -要約貼り付けここから-

     この前お話ししました人権擁護法案の自民党での議論ですが、今日15日の朝、自民党本部で、この法案についての2回目の部会が開かれました。
     で、今回も会議のお話をお伺いするコトができましたので、またまたご報告したいと思います。
     
     ところで、どうも2chには、前回の部会の発言録がアップされていたようでして、正直こうされると敵いませんですから(笑)、今回は特に注目すべき2点をピックアップしてご報告しようと思います。

     まず一点目。
     現在、自民党の広報本部長を務められ、その関係で「朝日新聞の問題報道に関する調査プロジェクトチーム」の座長もなさっていらっしゃる佐田玄一郎先生
    http://www.sata-genichiro.jp/
    が、前回に続き今回も大演説を行われたそうです。

     その関係で佐田先生は、同法律のメディアも法律の対象内とする条項をマスコミの反対が強いからという理由で凍結し、しばらくは適用外のまま法律を施行しようとしているコトに対して、大反対の立場をとっておられます。

     曰く「調べたら、電話帳の厚さぐらい朝日新聞の“不祥事”が出てきた。これは明らかに人権侵害ではないか」とのコト。
     それはそれで今後の佐田プロジェクトチーム座長のご活躍を期待したいところですが、おどろくのは、この後発言された内容です。
     
     上記のように、メディア条項に関して佐田先生はこの法案に反対されておられるのですが、前回の同部会においてそのように反対の意見を言ったところ、次の日から大量の抗議メールが佐田先生宛に送られてきているんだそうです。

     曰く「電話帳の厚さぐらい抗議メールが来ている」とのコト。
     電話帳の厚さが大好きな佐田先生ですが、しかし、これは一体どういうコトなんでしょうか。
     
     というのも、佐田先生はメディア条項に関して反対しておられるのです。
     それなのに、「人権侵害を救済しようとしている法案に反対するのは人権侵害だ」みたいな内容で抗議のメールが来るんだそうです。
     こんなのとても常識を持っている人がおくってくるメールとは思えません。
     日本をより良くしていこうと議論しているのに、全く中身を見ずに、ただ反対しているという表面的な結果だけをもって人格攻撃する人が、残念ながら日本にたくさんいるのです。

     もし佐田先生が、朝鮮総連や部落解放同盟などに対しての反対表明をされているのでしたら、この手の関係者からの批判は理解できないコトもないのですが、しかし佐田先生はメディア条項に対しての法案反対表明です。
     どうしてそれが「差別」になるのか、理解に苦しみますよね。
     
     そもそもこういう人たちがいるからこそ、この法案には慎重論が続出するのです。

     まさに佐田先生に批判をしている人というのは、「人権」というモノを盾にして、自分たちの主張に反対する人間は全て「人権侵害者」だとレッテルを貼って、全ての異論を許さないという空気を作ろうとしているのです。

     これこそ“差別”のハズです。

     今まで朝鮮総連や部落解放同盟がやってきた悪行がまさにこのようなコトであり、だからこそ自民党の部会では、その実例をもって法案に反対していらっしゃる先生がたくさんおられるのです。

     メディア条項の佐田先生にもそんなメールが「電話帳のように」来ているのですから、
    おそらく亀井郁夫先生http://www.kamei.com/や
    衛藤晟一先生http://eto-seiichi.jp/など、
    正面から反対されておられる先生方にはもっとたくさんの批判メールが届いているのだと思われます。

     まさかわざとそんな「差別を盾にした人権侵害の実例」を分からせるためにこんな無茶苦茶メールを送っているワケではないでしょうし、そのメールの送り主がどのような立場の人間か分かりませんが、しかしそれが一般人だとしたら、一般人の中にも「差別を盾にした人権侵害」をしようとしている人がたくさんいるというワケでして、そしてその事実だけでも、この法案に対して慎重に考えなければならない理由になるんじゃないかと思います。
     
     いかに人権という言葉が凶器になりうるか、またここにひとつ実例が出来たワケです。

     佐田先生には、特に朝日問題に対しての応援メールもいっぱい来ているそうでして、全てご本人が目を通しているとおっしゃっていたそうですから、是非是非応援メールを出しましょうー(笑)
     
     
     さて、もう一点です。
     これは一期生の城内 実(きうち みのる)先生http://www.m-kiuchi.com/
    が出された情報でして、どうも前回の部会で反対の主張をしたところ、その主張に賛同したある方が、
    城内先生にこのようなタレコミメールをしてきたんだそうです。
     

                          2005年(平成17年)3月10日
     松岡 勲 他1名 殿
     
                          大阪弁護士会 会長 宮崎 誠
     
              処分結果について(通知)
     
     平成15年9月29日付、貴殿より申告の人権侵害救済申立事件について、当会人権擁護委員会において調査の結果、下記のとおり処理いたしましたので、ご通知致します。
     
                    記
     
     1.高槻市立柳川中学校校長に対し、勧告書を提出する。
     
                                     以上
     
     
     
                           2005年(平成17年)3月10日
     高槻市立柳川中学校 校長 竹下幸男 殿
     
                           大阪弁護士会 会長 宮崎 誠
     
                   勧告書
     
     今般、高槻市立柳川中学校の教員であった松岡勲氏、吉田英明氏から当会に対し、人権救済の申立があり、当会人権擁護委員会において慎重に調査いたしました結果、貴殿に対し、以下のとおり勧告します。
     
     第1 勧告の趣旨
     生徒の「思想・良心の自由」を実質的に保障するためには、入学式及び卒業式における「君が代」斉唱の際、斉唱や起立が強制されるものではなく、「歌わない自由」「起立しない自由」を有することを事前に説明する等して十分に指導する慎重な配慮が望まれるところ、貴殿による事前説明は実施されず、生徒の「思想・良心の自由」に関する配慮が不十分です。
     貴殿に対し、入学式及び卒業式における「君が代」斉唱につき、生徒に「思想・良心の自由」に関する事前説明を実施する等、生徒の「思想・良心の自由」を尊重して十分配慮されるよう勧告します。
     
     (以下略)

     
     
     全文はこちらに別で載せておきますが、ちょっとこれ読んでみてください。
    (省略)
     もの凄く滅茶苦茶な内容なんです。
     というのも、この文書は人権委員会の「勧告書」ですから、なんらかの「人権侵害」があったので改善しろという趣旨のモノなのですが、ではなんの人権侵害があったのかと言えば、なんと、中学校の校長が卒業式等の場において「君が代」を「歌わない自由」があると生徒に事前説明しなかったので、それは人権侵害である、と言っているのです。

     生徒に対して「君たちは君が代を歌わなくてもいいんだよ」と事前に言わなかったのは人権侵害なんだそうです。
     
     これはまさに、なんでもかんでも自由とか権利とか言って、そして人権とか言って、それを盾に自分の主張を押し通そうとしている、見事な例と言えるでしょう。
     
     しかしこれを、なんと弁護士会がやっているのです。
     弁護士会が正式に、国歌斉唱をしなくていいと事前説明しなかったというコトは人権侵害であると認定しているのです。

     しかもこれは、何十年も前に出されたモノではなくて、つい5日前に出されたモノなのです。

     この法律が出来たら人権委員会から不当に人権を侵害されるのではないかという危惧があって、いま慎重論がたくさん出ているワケですが、しかし実際には、法律の後ろ盾による大きな権限がないだけで、すでに今現在、人権委員の暴走による人権侵害が起こっているのです。

     もう一度言いますが、この勧告書は現在進行形の勧告書なのです。
     
     人権擁護法案では、弁護士会の役割がとても大きいモノとなっています。

     法案第22条の2では
     
     前項の人権委員会の委嘱は、市町村長が推薦した者のうちから、当該市町村を包括する都道府県の区域内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、行わなければならない。
     
     とありますように、弁護士会が委員の選定に大きく関わりますし、また同条3では
     
     市町村長は、人権委員会に対し、当該市町村の住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者及び弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから、当該市町村の議会の意見を聴いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。
     
     と、弁護士会からも委員を選出するコトが出来るようになっています。

     そもそもこの22条によって、どうして人権委員は人権団体の構成員から出さなければならないコトになっているのかと、それは部落解放同盟などを前提にしているのではないかと、大きな疑問が生まれているワケですが、しかししかし、その最も権限が大きな弁護士会そのものがこの体たらくなのですから、お話になりません。

     このままでは、大阪弁護士会のようなイっちゃった人たちの意を汲むような常識をわきまえない自分たちの主張のコトしか考えていないような団体からの構成員からしか人権委員が選定されない可能性が非常に高いと言わざるを得ないのではないしょうか。
     
     マスコミとかはなぜか国籍条項にこだわっているみたいですが、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050315-00000992-jij-pol
     しかし何度も言ってますように、議員の先生方は、解同などが委員に選出され、権限を持つコトによって、人権という言葉を盾にして、自分の主張への反論を封じるために、人に差別者の烙印を押すような、そんな事態が起こるのではないかという危惧を持っておられ、それが法案反対の最も大きな動機になっているのです。

     そして解同などによるこのような事例は過去にたくさんあるワケです。

     それなのに、その上に、要注意団体である解同ではなく、一番マトモだと思われていた弁護士会そのものが現在進行形でこの体たらくなのですから、こんな現状でこの法案に賛成できる方がどうかしているのではないかと言えてしまうのはないでしょうか。
     
     他にも、例えば、人権委員が誤って人権侵害者だと認定してしまっても、通常通りの賠償請求は出来ると今日法務省は言っていたそうですが、もしそれで問題がないのであれば、そもそもこの法案の意味は全くないワケです。

     現行法では早急に人権侵害に対して擁護できない事案があるからこそ、新しい法律を作ろうとしているのに、人権委員による人権侵害はほったらかしでいいと言ってしまっているのです。
     こんなバカな話はないのではないでしょうか。
     
     人の社会的地位を全て失わせるほどの大きな権限をこの法律は持っているワケですが、しかしそれに対して、運営の規定がかなり荒かったり雑だったり大まかだったり、人権委員会に対するチェック機能が全く無かったり、コトによっては、人権委員会に法律が大きな権限を与えるコトによって、さらに大きな人権侵害を生む可能性をこの法案は持っているワケです。

     この法案はザルだらけなのです。

     これらのザルの目を一つ一つ全てを埋めない限り、この人権擁護法案は、通してはならない法案だと言えるでしょう。
     
     今日の法務部会では、前回に比べて3~4割り増しぐらい議員の先生方が出席されたようで、法案賛成派の先生達も多く来られていたそうなのですが、それでも6~7割は反対意見で占められていたそうです。

     このように、議論すればするほど、この法案の問題が噴出していますので、結局今日も、次回また部会を引き続き開くというコトで散会したそうです。

     いよいよ今国会で提出できるかどうか微妙になってきましたが、まだまだ予断は許しません。
     これからも注目していきたいと思います。

    -貼り付けここまで-

    今でさえ、【「君が代」を「歌わない自由」があると生徒に事前説明しなかったので、それは人権侵害である】と、とんでもない屁理屈をのたまう弁護士さんたち・・・
    もし、人権擁護法案ができたら・・・「バカか!」と言って笑い飛ばせなくなるんですかね。

    ところで、佐田玄一郎議員はやっぱり明確に推進派とは言えない気がしてきました、これを読むと。

    そこら中に反対派と安易にレッテル貼りされた文章が出回ってるらしいですが・・・まあ、ここで訂正したものを取り上げていただいたので、少しは両論併記になったかもしれません、ありがとうございます。

    人権擁護法案が通ってしまったら、こういう安易なレッテル貼りで人権委員なんかにやられてしまうんでしょうかね、その場合の名誉回復は担保されているんでしょうか。

    佐田さんの件は、未だわかりづらいので引き続き自分なりに調べてみます。

  2. 西尾さんに「人権擁護法の盲点」をぜひ取り上げていただきたく投稿します。

    この法案はマスコミは差別対象から
    除外されてますが、マスコミで働く人と
    その家族は含まれている。

    という点を。

    よろしくお願いしたします。

  3. マスコミは高をくくっている。前回の法案をマスコミ力で跳ね除けたと言う自負があるから。
    マスコミ規制の凍結が解除されようとした時は同じく自らの力で切り伏せる事が出来ると信じているから。
    しかしそこに、動かすべき世論は既に、無い。

  4.  たいしたコメントはできませんが。

     賛成派と反対派の議員による根競べになるということですね。
     先に音を上げた方が負けることになります。
     そうすると、長期戦になるということでしょう。

     こちらが真剣になればなるほど、相手ははぐらかしてくるでしょう。
     それだけエネルギーを浪費することになります。

     まずは、あまり意気込みすぎないで、深呼吸して心を落ちつかせることが大切ではないかと思います。
     正義はこちらにあるのですから、まずは悠然と構えることが大事です。

     それと、いやでもストレスがたまるでしょうから、これをいかに上手く発散させるかということも重要です。
     下手にストレスをためすぎると、健康を損ねることにもなりますからね。

     手っ取り早いのが、お酒を飲んで発散するということですが、事が事だけに、ついつい深酒をするということになるでしょう。
     泥酔して失態を犯すというのは、今ではシャレにならない状況ですので、これは絶対に慎まなくてはいけません。
     それに、あまりアルコールの量が多くなっても、健康を損なうことになるでしょう。
     女の人で発散するという方法もありますが、近頃は世間の目も厳しくなっているので、そうそうおおっぴらにもできません。

     そうなると、手っ取り早い方法としては、歌を歌うこと、つまりはカラオケをするということになりますでしょうか。
      鬱憤がたまった時には、続けて何曲も歌っていると、いつの間にか気分が晴れるものです。
     最適な方法としては、ほろ酔いになるくらいにアルコールを入れて、バーの女の子とデュエットをするという構図でしょうか。
     相手の女の子に気持ちよく何曲もデュエットに付き合ってもらうためには、チップもはずむ必要があります。
     ただし、あくまでもデュエットをすることのみにとどめて、それ以上の下心を起こすことは禁物であります。

     その他、何かストレス発散に効果的な方法を色々と考えて、長期戦に備えることだと思います。
     とりあえずは、反対派議員の健康チェックから始めるべきではないでしょうか。

  5. 西尾先生、はじめまして。(リアルではご挨拶しているのですが、おわかりでないとおもいますので。)

    申し訳ございません。TB誤って関係のない「反韓買う人々」を貼ってしまいました。おまけに訂正で貼った 「言葉狩りと人権(マイノリティ利権)擁護法案」が二重になってしまいました。お手数ですが、削除よろしくお願いします。

  6. ++++++++++++++++++++++++++++++
     法案通過を阻止するための対策を考えるにあたって、とりあえずはどのような問題に対応するのかということを整理してみました。

    ①反対派の結束を固める
     切り崩しを狙ってくるので、反対派の議員はなるべく定期的に意見交換をして、お互いに問題意識を高めて、結束を高める必要あり

    ②法務官僚への対応
    のらりくらりと逃げ口上で対応してくるのをどうするか。
     へりくつをこねることに長けているので、議論でどれだけ問い詰めても、かならず逃げ口上を考えてくるので、むきになって追い詰めようとしてもエネルギーの浪費にしかならない。
     言葉遊びだと思って、とりあえず相手の言葉に難癖をつけ続けるしかない。
     簡単に言い負かせないと思えば、相手もちょっと嫌な気持ちにはなるだろう。
     どれほど効果があるかは分らないが、時には相手が言葉に窮することもあるかもしれない。
     少しでもひるんだら、その気を逃さずとことん追い詰めて精神的に疲れさせる。
     尻尾を出すまでは根気よく異議を唱え続ける。

    ③賛成派議員に対して
     とりあえずは、相手のことをもう少し知らないと対応策は考えられない。
     反対派の議員個人個人と、相手に議論を吹っかけるのではなく、とりあえずは話をよく聞いて、相手がどのような考えで賛成しているのかをしっかりと把握することが肝要。
     どうしても説得できない石頭もいるだろうが、中には説得できるかもしれないと思える議員もいるはず。

     賛成派と一くくりに見ないで、一人一人の議員の特性をつかむことが大事。
     これは反対派にもいえることで、反対派だから大丈夫だとは思わないで、一人一人の考えをちゃんと把握して、この人は大丈夫だけどこの人はまだ思考が甘いと思う議員には、もっと理解を深めるために働きかける必要もある。

    ④一般の人たちの理解
     法案の問題点を訴え続けていくしかないが、できれば反対派議員の卓見を評価するような書き込みがあるといい。
     ただ反対派だからがんばってというだけでなく、これだけしっかりと問題を認識しているのだから、また、他でもこのような立派な行動をしている政治家なのだから応援しようといった方が説得力を増す。
     ちなみに、古屋圭司議員(衆・岐阜5区)は、日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会の会長を務められていますね。
    ++++++++++++++++++++++++++++++

  7. はじめまして。福岡で保守系国民運動を行っておりますなめ猫♪と申します。

    10日の部会の議事録は内密の内容のように思います。時間も経過したとはいえ、ブログでそのままご紹介されるのはいかがなものなのでしょう?既にあちこちで全文転載したりしているようですが、問題に気がついて削除するところもでてきています。

    今後の運動などを考えると問題があると思いまして若輩の身ですが一言申し上げたいと思いました。

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