西尾幹二の近況報告(読者の皆様にコメント欄もお願いします)

 西尾全集はその後一体どうなっているのか、との問い合わせが最近多くなってきたと版元から伝え聞きました。お答えします。

 西尾全集は余すところあと2巻になったとお伝えしてから1年有余、新情報が出せず、ご心配とお怒りはしごく当然のことでございます。

 集積された残りの原稿が余りに多く、2巻ではとうてい収まりがつかないことが判明し、読者の皆様へのご負担のお願いを予めお願いを申し上げることにも関連し、版元の英断により次のように決まりました。

第21巻① 現代日本の政治と政治家(印刷完了、目下再校正中)
 〃  ②  天皇と原爆(印刷中)
第22巻① 運命と自由(編集完了、4月には印刷開始)
 〃  ②  神の視座と歴史/年譜、その他、各種記録/

 この20年の著者65才~80才の最も力を発揮したシャープな文章が蒐められた26冊の評論集・単著・書き下ろしの単行本を解体し、第21巻~第22巻の4冊に組み替え、編成し直しました。例えば『平和主義ではない脱原発』は『運命と自由』の巻に所を得ています。先の大戦のテーマは『現代日本の政治と政治家』を経由して、『天皇と原爆』の巻で止めを刺しています。

 しかしながら大変申し訳ないのですが、多くの方から高い評価をいただいている『GHQ焚書図書開封』は全集には1冊も収録することができませんでした。

 まだ私は85才で、書きつづけていきます。収録できなかった作品を今後どうするかは、読者の要望のいかんで決まると、版元との相談会で語られています。残された私の時間は限られています。全集継続には大変な労力を要します。少しでも多くの新しい未知の作品を書いて、残された全集化の仕事は後世に委ねたいとの思いもあります。皆様はどうお考えになるでしょうか。コメント欄を版元も注目しています。