『WiLL』誌上で私が三人の現代史研究家、福地惇、福井雄三、柏原竜一の三氏とくりひろげた「昭和史」論者への批判的討議がまとめられ、本になりました。年末に刊行され、いまやっと店頭に出ました。『自ら歴史を貶める日本人』という題で、徳間書店刊、¥952です。
「はじめに」と目次をご紹介します。文字通り「徹底批判」ですが、かたわら笑いあり冗談ありで、堂々と楽しみつつ論難しています。手に取ってご覧になって下さい。きっとこれは買わなきゃ損だと思う一冊です。しかも安い値段です。
1月の私のGHQ焚書図書開封の時間を利用して、この本について私と福地惇氏のフリーなトークが2週にわたって行われます。これも1月中に放映され、You Tubeにも出す予定です。お楽しみ下さい。
はじめに
どういうわけか「昭和史」というのがはやっています。半藤一利氏の同名ベストセラーを筆頭に、秦郁彦氏や保阪正康氏や北岡伸一氏らは早くからこの分野をプロパーな舞台に活躍していましたし、そこに加藤陽子氏が新たに加わって、それぞれの特色を出して、読書界の表面を賑やかにしています。
私たち四人はかねてから彼らの仕事ぶりに何となく腑に落ちないものを感じていました。日本は外国と戦争したわけですから、外国の歴史を考えないで自国史を語れません。彼らは、戦争は相手があっての話なんだということが全然わかっていない。
彼らの思考は日本史だけの狭い座標軸で、小さなコップの中で水が波騒ぐように旋回して空回りしているように見えます。
スペインやポルトガルの地球規模の拡大はひとまず措くとしても、オランダ、フランス、イギリスの西力東漸(せいりょくとうぜん)、ロシアとイギリスによるユーラシアの南北分割の勢い、アメリカの太平洋への闇雲の伸長は、「昭和史」叙述のいわば前提条件です。歴史を見るのに空間的視野の広がりを持つ必要がある所以ですが、時間的視野の広がりを持つことも必要です。歴史を短く区切ることはできません。何年から何年までが暗黒時代だったと区切るとすれば、そこには政治的意図があります。昭和3(1928)年あたりから歴史が変わったように言うのは東京裁判の要請からくるもので、占領軍がかねて日本史にそれを求めてくるのは、16世紀からの西欧のアジア侵略を視野に入れさせないためであることをしっかり留意しておくべきです。
私たちがこの本を通じて読者の皆様にぜひとも認識を改めてもらいたいと願っているのは近代日本の戦争の評価ということです。それは公認の歴史教科書に書かれていることとは逆であります。先の大戦争は日本が主導して起こした戦争ではなく、日本は無理やりと言ってもいいような状態で戦争に巻き込まれたことが現実の姿です。
それから中国大陸のことを考えるなら、非常に早い時期から混乱の極みにあった地帯で、そこへ日本が入りこんでいったがゆえの混迷と政策のまずさは区別されねばなりません。内乱は中国史の常態であるのに、今取り上げたかたがたの「昭和史」は中国をまともな国家のように描いています。いくつもの政府があった大陸を、一つの主権国家のように扱っています。たしかにそのような乱れた中国を日本人がバカにしたのは事実ですけれども、だからといって「侵略」ということにはなりません。日本は中国を何とか普通の国にしようと努力して、扱いかねて、手こずって、火傷をしたのです。戦争をしたがってのは中国人のほうでした。とくに都市部の中国人がそうでした。
われわれは英米とソ連が手を組むという理屈に合わぬ敵を相手にして戦ってしまったわけですが、ナチスドイツの台頭を阻もうとして二つの異質の勢力が手を結んだあの戦争は、キリスト教ヨーロッパ文明の内部の宗教的な動機を宿した「内戦」だったのではないでしょうか。日本は国家以前のような中国に介入するべきではなかったけれども、西洋の宗教戦争とも本来は無関係でした。
しかしあの時代には孤立を守っていることなどできなかった。世界に背中を向けていれば、間違いなく日本民族とその列島は列強の餌食になったことでしょう。われわれの先人たちは必死に生きたのです。近代日本人はまさに大変な危機に遭遇させられて、防御対応に並々ならぬ努力を重ねたのでした。
アメリカ占領軍(GHQ)史観、勝者の裁きの歴史観をわが国の近現代史に当て嵌めて全く恥じることを知らない当代の「昭和史」論者たちは、これら先人の歩みを裁くことに急で、その辛苦に涙することを知りません。私たち四人は彼らの歴史の書き方に疑問と懐疑をずっと抱いていました。平成20年ごろに「現代史研究会」を起ち上げて、言論誌『WiLL』で討議を重ね、平成20(2009)年9月号から平成23(2011)年12月号までに、つごう11回に及ぶ討議を公開して参りました。
この期間、私たちを支え励ましてくださった『WiLL』の花田紀凱編集長とスタッフの皆様に厚くお礼申し上げます。
以下ここにその全討議の内容をあらためてまとめて一括し、ご紹介する次第です。
平成24年12月3日
自ら歴史を貶める日本人観 ◎ 目次
第1章 捻じ曲げられた近現代史
第2章 日米戦争は宗教戦争だった
第3章 加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は青少年有害図書
第4章 半藤一利『昭和史』は紙芝居だ
第5章 北岡伸一『日中歴史共同研究』は国辱ハレンチの報告書
第6章 日中歴史共同研究における中国人学者の嘘とデタラメ
今西尾先生の本「天皇と原爆」を読み返しているんですが、それに関連する話題を拾おうと思って、近現代史に関する情報を漁っています。
正直多くの日本人はこの近現代史を認識していません。そこには様々な原因がありますが、私の場合には一言で「面白くない」が大きな理由でした。そしてそのことから「なんだか複雑怪奇でよくわからない」という意識に陥り、ついには「どうせ自分が生きている現代に一番近い歴史なんだから、細かいことにこだわらなくても大雑把に把握していればいいじゃん」という、なんとも恥ずかしい認識に陥っていたんです。
しかしよくよく考えてみると、現代に大きく影響を及ぼしている歴史を、全く無視してしまっているということの恐ろしいこと恐ろしいこと・・・。
おそらく多くの国民が私と似たような現象の中に埋没しているんじゃないかって思えてなりません。これは戦後教育が大きく影響を与えているわけですが、しかしそれだけではないでしょう。何か日本人特有の意識の足りなさがあるんじゃないかと思います。
そのヒントになる現象が、実はこの近現代史には随所に起こっていて、先の大戦に至るまでの国民の失敗を紐解いていくと、その原因らしきものが見えてくるように思うんです。
一言で日本人がどうしても陥りやすい心理を表すとしたら、向かうところの敵の心理を読み間違える性癖に尽きるんじゃないかと思います。これからの日本人がそのことをもっと深く認識しなければ、結局80年前と同じ道を歩んでしまう。
そこでキーになる認識を私なりに羅列したいと思います。
これはこれから起こりうる悲劇を避けるための大切な国民共通認識になると確信しております。
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1・・・「増税は景気回復前は絶対反対」
(理由)多くの国民の関心事は、将来の年金制度がはたして大丈夫なんだろうかという 不安をいだいている現実を逆手にとって、半日勢力を梃子にその不安解消の方法論として増税を流布した政治家は、間違いなく将来の日本の起こりうる悲劇を招き入れる因子となりうる。よって、しばらくは増税は断固反対という立場を支持しなければならない。経済問題の大柱は「景気回復」をどれだけ早急に成し遂げられるかにある。
2・・・「日銀総裁選びと次期参議員選挙で安倍氏が勝利できるかが政治的大きな課題」
(理由)反日因子に近い状況下にある現在の日銀だが、喫緊の課題である景気回復策をまったく無視し続ける現在の日銀を、現総理である安倍氏が牛耳らなければ、彼の掲げる景気回復策の成功は見込むことが困難である。我々国民は現在の日銀の権力をあまりにも見過ごしし続けてきた。安倍氏は自分の信頼できる人物を選ばないと、策はそこから瓦解する覚悟を持つべきである。さらには衆議院での大勝は参議院での過半数がセットされて安泰であり、安倍氏への不満因子がこんご選挙に向けてどう対抗してくるかが見逃せない。特に注意しなければならない点は、少数党達の自民党への擦り寄りである。
安倍氏ははっきりと支持勢力を増やさなくてはならない。なぜなら、少数党は反対勢力因子である以上、いくら衆議院で可決されても、参議院で反対されれば彼が目指す策は実現できない。今回の選挙でターニングポイントを得ていたのは、間違いなく公明党であり、公明党の思惑通り選挙日も決まり、公明党はがっちりと勝利を手にした。しかしはたして公明党は安倍氏の味方だろうか。それは間違いなく「NO」と言える。公明党はどんな政局でも自分たちの不利な方向への誘導はなさない。日本最大の組織政党である公明党は、基本姿勢が反戦イデオロギーで成り立っている。いざとなったらどんな反日政党よりも反対行動を貫く。しかも恐ろしいほどに決断がスピーディーなのだ。油断は許されない。しかも最近の保守層はそのことを見落としがちである。
3・・・「外交問題は事細かに対応し、外務大臣の選任を見誤るな」
(理由)今日本が置かれている国際情勢は日本がどんな立ち位置にあるのか、この判断が大切である。先の大戦で完全に失敗を招いた部門は外務大臣の選任であったことを教訓としなければならない。その名は内田外務大臣である。過去の外務大臣を列挙して最悪の大臣と言える。明治・大正・昭和の三時代を任務し、日本をアメリカと戦う導きを示した張本人だと断定できる人物である。
一般的に現代の日本人は軍部の判断が誤って敗戦へと突き進んだという認識が強いが、実のところはそうではなく、内田氏は過去6回も失敗を課してしまったと言われている。その彼の代表的失敗例は満州事変での判断だと言える。
詳細は↓をご覧あれ(必読)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E5%BA%B7%E5%93%89
彼の最も有名な言葉は・・・
>「国を焦土にしても満州国の権益を譲らない」
であり・・・それに対し当時の外交評論家は・・・
「1920年代の国際協調の時代を代表する外政家である内田の急転向は、焦土外交として物議を醸した。当時の外交評論家清沢洌は「国が焦土となるのを避けるのが外交であろう」と批判した。」
歴史には盲点というものが数多くあるが、こんなに重要な事実を知らなかった国民がどれだけ存在しているか、今こそ再確認するべきである。
外交は防衛の第一歩であり、その重責は計り知れない。GHQは戦後もこの点を日本に負わせ続け、米国は日本の政治的外交姿勢の腰を折り続けてきた。
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以上三点が今後の政治局面での国民の重要問題である。
基本的にマスコミは安倍氏に対して反対姿勢であり、ことごとく彼の政策にいちゃもんをつけるはずである。国民は騙されてはいけない。自分の判断が重要である。そしてもう一つ見落としてならない点は、保守といものの認識である。
これが意外に厄介である。ただここで重要なのは、お気楽保守の増大である。そしてもっと重要なのは、左翼化していることに気づかない保守である。
私は以前から安倍氏を総理適任反対論を言い続けてきた立場である。なぜなら彼は外交を得意と言いながら真っ先に中国詣でを実施し、米国の反感を買ってしまった。
私は彼が基本としている政治姿勢の甘さをそこに見たのである。おそらく当時彼は周辺にあまり良いとは言えない人材しかおらず、醜態を晒す原因はそこにあったのだろうと予測する。しかし今回はそこをどう修正してきたか、一応大きな課題ではあるが、他に人材がいない以上彼に期待するしか他にないという現状なのだ。
彼なら甦えってくれるだろうという期待を込めての判断である。
幸い多くの保守層の支持を得ているようだが、しかし問題はやはりどのメンバーで政局を乗り切るかにある。内田康哉のような人間を、もしも自分の細胞に組み込んでしまったら、取り返しのつかない事態を生む。
そんな危険性は残念ながらゴチャマンといるのが現実である。政治家だけではない評論家や学者の中にも大勢いる。
彼はどんな大きな問題よりもそこに神経を尖らさなければならないのである。
戦前の対シナ問題について最近と言っても数年ですが疑問点が自分なりに、解決することができました。自国の国力に数倍する大陸に対する武力行使の戦費調達の原資が阿片だったことが数冊の本を読み代表的には著者佐野眞一氏阿片王(満州の夜と霧)ですが10代の頃から年来の疑問に終止符をうてました。なぜ児玉機関が海軍の戦争物資調達の軍商としての、信用の裏付けが多分阿片であり敗戦時に持ち帰った貴金属類実際は宝飾品が鳩山自由党の結党資金になった。戦後の保守の今一つ釈然としない理由だと思います。米国民主党の結党資金が推察ですがセオドアルーズベルトの先代あたりが阿片売りつけと奴隷貿易(苦力)でしこたま儲けたことにある。米民主党の政権の時に日米関係はぎくしゃくする理由もう一つはキリスト教の布教もありですか。なにか双方共通しますね。私の持論ですが日米関係は対シナを関数として常に動いているペリーが来て以来ですが!
1.戦前の対シナ問題について最近と言っても数年ですが疑問点が自分なりに、解決することができました。自国の国力に数倍する大陸に対する武力行使の戦費調達の原資が阿片だったことが数冊の本を読み代表的には著者佐野眞一氏阿片王(満州の夜と霧)ですが10代の頃から年来の疑問に終止符をうてました。なぜ児玉機関が海軍の戦争物資調達の軍商としての、信用の裏付けが多分阿片であり敗戦時に持ち帰った貴金属類実際は宝飾品が鳩山自由党の結党資金になった。戦後の保守の今一つ釈然としない理由だと思います。米国民主党の結党資金が推察ですがセオドアルーズベルトの先代あたりが阿片売りつけと奴隷貿易(苦力)でしこたま儲けたことにある。米民主党の政権の時に日米関係はぎくしゃくする理由もう一つはキリスト教の布教もありですか。なにか双方共通しますね。私の持論ですが日米関係は対シナを関数として常に動いているペリーが来て以来ですが!
チャーチルの側近が書いた伝記になぜスターリンと手を組むのか?それはヒットラーと戦うためには悪魔とだって手を組まなければ勝てない。私が18歳のときに読んだ記憶をもとにしています。ヒトラーは英国とことを構えたくなかったチャーチルの英雄意識の標的にされた(小室直樹)手元にはありません。
山本道明のハンドルネーム008man
メールアドレスm.yamamoto008@jcom.home.ne.jpに変更します。1月7日より