もうひとこと申し上げる

 私より若い私の友人に青山学院大学教授の福井義高さんがいる。彼は会計学がご専門で歴史家ではないのだが、日本の歴史学者は歴史を知らないので、こういう人の発言が一番ありがたい。私と彼との『正論』誌上での対談は全体の三分の一だけすでにここに掲示されている。間もなく残りも提出する。

 日本の自虐的な歴史観、世界を鏡に自国の過去を「反省」ばかりしているわが国のほゞ全知性を蔽っている歴史観について、あるとき福井さんは「あれは皇国史観ですな」と仰言った。

 「皇国史観」の定義はここでは戦後悪口でいわれている言葉の用い方に合わせて自己満足史観のこと、自国が世界の中心で自国の善と美があまねく世界四方を照らし、世界史を動かして行くという普遍思想である。東南アジアの島々に神社を作ったなどもその現われである。神道にはそのような普遍性はない。ないところに強みもあると考えるべきである。

 戦後を支配した歴史思想、ことさらに自国の軍隊の欠点をあげつらい、罪と悪の日本史を仕立てて、日本はここで間違えた、あそこで判断を誤った、としきりに言い立て相手の軍隊の罪や悪をほとんど見ようとしない歴史観は、自己満足史観で、日本が正しい道を歩んでいたら戦争は起こらなかった、という前提に立っている。日本が道徳的に立派だったら、相手の軍隊も道徳的に立派に振舞い、戦争は避けられ、世界史の歩みは変えられた、という仮説の上でものを言っている。傲慢である。

 これこそまさに「皇国史観」の再来であろう。福井さんはそういう意味のアイロニーをこめて言ったのだと思う。けだし名言である。私より若い世代にこういうリアリストが出現したのが私にはうれしい。

 戦前も戦後も日本人の大半は世界の現実が見えない。最高学府の知性にも見えていない。戦争は相手があって初めて起こる、という子供にも分る常識から出発していない。反省と自己批判から出発している。しかもそれによって自己の誠実を証明し、自己の美化を企てている。救いがたい自閉的性格である。ここに普遍思想の生まれる土壌はない。

 戦前の「皇国史観」もまたマルクス主義が出現しなかったら生まれなかった反動的近代現象であって、日本文化の本来性に発していない。戦前も戦後も、日本知性の陥った過誤の性質は同質である。日本の知性のどうにも救いがたい欠陥である。

 最近、皇室問題がしきりに論じられるが、皇室が危機にあるからだと思う。私は日本文化の柱に皇室への崇敬があると信じているが、ここからだけでは普遍性は出てこない。「神仏信仰」という言葉があるように、日本人の信仰は「神」と「仏」の二重性によって支えられてきた。天皇もまた歴代仏教の信徒だった。地上の神と超越神との二重性である。後者は見えない遠い異国の唐天竺に浄土を求める心事にも発している。

 日本人が古代中国や近代西欧に理想のモデルを求めたのは、超越信仰の一種ではないだろうか。これがないと皇室も危うくなる信仰のパラドックスがあるのではないだろうか。アメリカは「見えない遠い異国の唐天竺」の代用になり得ないことが最近明らかになったわけだ。

 ならば何が「超越神」となるのであろうか。すぐには答の出てこない難問で、今の日本はその未解決の混迷の只中にある。皇室問題がしきりに取沙汰されるのもその不安の表現である。

「もうひとこと申し上げる」への22件のフィードバック

  1. 従来のスミス理解は、原子論的経済人の自由競争に任せれば、最も効率よく資源配分が行われ、国民生活も豊かになるというものです。こういう枠組みの中で「見えざる手」が神の予定調和論として受け止められてきました。ライプニッツのモナド論のような理解ですが、カントは密度の相違論でもってこれを退けます。それに先立って、スミスは分業⇒機械化による労働密度の向上による価値増加⇒所得増加を主題としました。しかしその労働密度の度合の計算は人知の及ぶところでなく、市場取引による相互評価に任せるべしと唱えました。これがスミス市場論の主眼ですが、まともには理解されずにいます。そういう状況の中で、スミス市場論の非現実性を改めて強調することに、どういう意味があるでしょうか。その錯誤の付けはやがて自分に跳ね返ってきます。このスミス市場論をより正確に理解し、それを踏まえて経済建設を行う国が、やがて栄えていくでしょう。ただし、その間の複雑な政治・外交等の諸問題を適切に切り抜けていくことが前提になることは言うまでもありません。

  2. カント『純粋理性批判』に次の文章があります。
    「ある思弁家のもとでは多様性の関心(種別化の原理に従う)がより多く働き、別の思弁家のもとでは統一性の関心(集合の原理に従う)がより多く働く。かれらのいずれもが自分の判断を客観の洞察から得たと信じているが、その判断はやはり単に二つの原則のうちの一方の原則により多く固執するか、あまり固執しないかということに基づいているのであって、これらの原則はいずれも客観的根拠に基づいているのではなく、単に理性の関心に基づいているにすぎない……。」(B694-5)
    これと同様な観点は歴史vs理論のように無数にありますが、認識方法論の最高傑作と目されているカントから引用させてもらいました。

  3. ヨーロッパの個人主義など以来の西尾先生ファンです。
    矛盾を鋭く指摘しながら皮相な解決策に走らずに読者に深く思考することを
    求めるスタイルに若いころ大変感銘を受けました。
    かなりのボリュームのあるニーチェは実家の本棚に眠っておりますが、
    そのうちぜひじっくり読みたいと思っている書籍のひとつです。
    日本の知識人がどのように西洋に対峙したかで(明治では夏目漱石などが
    挙げられますが)、現代日本では西尾先生が紛れなく代表的知識人のひとり
    だと思っております。
    政治的発言については学問の成果というよりも、ある時代を生き抜かれた
    ひとりの日本国民の告白として見ております。
    (知識人の方々は学問と人生観に本来大きな乖離があってはならない
    ようなので政治的発言をされる際には大きなプレッシャーであるのでは
    ないかと勝手に想像しております)

    日本人は世界から見るとかなり真面目です。それが強みでもあり、
    弱みでもあります。弱みというのは権威に弱いというのがひとつです。
    本物の権威であれば従うべきでしょうが、ニセモノの権威というものが
    あります。日本の戦後でニセモノの権威といえば何かというと典型的には
    共産主義に毒された学者や教育者、それと訳のわからない報道機関です。
    (筆頭は従軍慰安婦を捏造したり、中国共産党の言うがままに日本の
    戦争犯罪を書き散らかした朝日新聞でしょう)

    権威に弱い日本人はこれら勢力により甚大な洗脳と被害を受けました。
    歴史も相当に偽造されました。たとえば物理学の教科書でニュートンの
    古典力学を教える際に、運動の第1、第2、第3法則を教えるのは当たり前
    です(俺は第3法則が好きだから第3法則だけ教えるなんて有り得ません)が、
    歴史学などでは巧妙に歴史的出来事や要素を選別して、読み手
    の印象を特定の一方向に導くことが容易にできます。イデオロギーをもった
    人間は悪意をもってそれを徹底的にやり抜きます。
    一例をあげると日韓併合前の李氏朝鮮がどのような悲惨な社会であったや
    深刻な国際環境であったかを完全黙殺して、日本側の非だけをとりあげる
    などです。共産主義者は日本歴史のすべてに渡って、権力者の非だけを
    偏向的に選別するなど、それこそやりたい放題の歪曲を行いましたが、
    日本人は、学者が言うことはそれなりに正しいという権威盲信があるため
    単純に信じきって言いなりになってきたのです。朝日新聞と偏向学者が
    歩調をあわせて捏造して日本人が徹底洗脳された例が、まさに西尾先生が
    批判された従軍慰安婦騒動です。西尾先生のような素晴らしい頭脳を
    従軍慰安婦問題批判などに消費することなどは本当にもったいないことです。

    下記は従軍慰安婦騒動の経緯をネット等で調べて、「従軍慰安婦問題の
    発生経緯は完全に朝日新聞が主導権をもっていた、政治家は朝日新聞が
    扇動した世論の言うなりなるしかなかった」という経緯であったことを
    確信して朝日新聞を告発したものです。
    (機会を見つけてネットに投稿し続けています。多くの日本人が
    このような告発を行って朝日新聞を追い詰めることを願います)

    (★従軍慰安婦騒動について朝日新聞を徹底的に告発してください)
    大部分の日本人、韓国人が慰安婦という言葉など聞いたこともない
    1991年に 朝日新聞は突然、吉田清治や金学順などを使って
    従軍慰安婦キャンペーンを はじめました。実は、その前年までに、
    朝日ジャーナルに洗脳された日本の 市民運動家が韓国に行き、
    「韓国人慰安婦は日本政府を訴えれば多額の賠償金を獲得できる」
    と日本政府への訴訟を煽っていました。朝日新聞はその運動と
    呼応するように従軍慰安婦のキャンペーンを始めたのです。

    朝日新聞が取り上げた加害者代表の吉田清治、被害者代表の金学順
    はいずれも悪質な捏造または歪曲でした。まず吉田清治ですが、
    朝日は、済州島で多数の女性を強制連行して慰安婦にしたという
    吉田のホラ話を記事で何度も紹介して吉田を一躍有名にしたのですが、
    これは完全なつくり話でした。吉田は、 戦時中に中国で阿片の密売を
    したため刑務所に入れられていたような胡散臭い人物ですが、
    朝日新聞は勇気ある告白をした旧日本軍人と持ち上げたのです。
    (ちなみに吉田清治は地方の共産党員であった)

    金学順さんも日本軍の慰安所で働いていたのは事実ですが、
    日本軍に強制連行されたのではありませんでした。それ以前に
    行われていた証言で、家があまりに貧しかったため14歳で売春宿に売られ、
    さらに17歳のとき義父によって日本軍の慰安所に連れていかれたと
    いうことが判明しています。いずれも、きちんと調査をすれば
    強制連行はデマだと判明するはずでしたが、慰安婦に賠償すべき
    理由づけとして、朝日新聞は彼らを意図的に利用したのです。

    不審に思った日本人たちの調査により、吉田清治の化けの皮がはがれ、
    さらに金学順の実像が知られ、慰安婦と同一視された挺身隊も
    全然関係なかった事が 明白になり、日本軍が朝鮮で組織的に女性を
    強制連行して慰安婦にしたことはあり得ないことが確実になると、
    朝日は著しく論点を変えて、日本軍が慰安所の運営に関わったこと自体が
    賠償の対象となると主張し、民間業者の慰安婦の 募集の仕方が人道的で
    なかった責任は旧日本軍にあると非難し始めました。

    朝日新聞の容赦のないキャンペーンと、他の日本のメディアも追随し、
    その後 海外メディアの無責任な便乗により、この従軍慰安婦問題は
    国連でも大きな 話題となり、韓国との関係もより一層悪化して、
    欧米諸国でも反日活動家に頻繁に利用される題材となりました。
    遂には米国議会で慰安婦は20世紀最大の 人身売買であるとの非難決議が
    採択され、海外在住の日本人子弟までもが学校 で罵倒されました。
    結局は朝日の報道が最悪な形で海外に飛び火したのです。

    信憑性の低い怪しい証言で日本相手に裁判を起こそうとする自称慰安婦が
    海外メディアの注目を集め、米国がアフリカの黒人を片っ端から連れて
    きて奴隷にしたように、日本の軍隊が片っ端から女性を慰安婦にした
    とされ、その数は何十万人にものぼると広く信じられました。調査により
    日本軍の慰安所は欧米などの軍隊の慰安所と大差ないことがわかって
    いますが、いまだ 海外の反日キャンペーンで悪質なデマが横行しています。

    当時の日本軍の慰安所と海外の外国軍隊の慰安所は運営の実態としては
    大差がありません。さらに、たとえば米国軍隊によって慰安婦として
    酷使され苦痛を受けたと訴える韓国人慰安婦もいます。また終戦時の
    米軍相手の日本人慰安婦の悲惨な証言なども残されています。
    なぜ日本だけがこのような世界的騒動に巻き込まれたかというと、
    朝日新聞の存在が相当に大きいのです。
    従軍慰安婦問題の論点を強制連行から日本軍の慰安所関与にすり替えた
    のも朝日新聞ですが、その際も記事で悪質きわまりない印象操作を
    行いました。

    従軍慰安婦問題の論点を強制連行から日本軍の慰安所関与にすりかえる
    記事は首相が韓国を訪問する直前のタイミングを狙って朝日が発表しました。しかもその記事は、日本の首脳を韓国への謝罪に仕向けるため、
    歴史資料を歪曲して意図的に印象操作を行っていました。軍が慰安所を
    経営する悪徳経営者を取り締まるために出した通達を、軍の慰安所への
    不当な関与だとすりかえたのは一橋大学教授ですが、それを記事で
    一次史料で軍の悪質な慰安所関与が証明されたと偽装しました。

    朝日記者は本多勝一元朝日記者の行動を模範としていました。本多らは
    中国で、中国共産党が用意した証人の証言をほとんど裏もとらず、
    日本軍や日本企業が 大虐殺したというホラ話をこれでもか、
    これでもかと朝刊で垂れ流しました。
    旧日本軍からの抗議も黙殺し、裁判に訴えられても方向転換しません
    でした。その多くは現在では捏造であることが証明されていますが、
    その後、米国でアイリスチャンの「レイプオブ南京」がベストセラー
    になるなど途方もない歪曲につながり、米国人が容易に慰安婦で日本を
    批判する根拠にもなっています。

    従軍慰安婦のキャンペーンに熱中した朝日記者の一人は報道だけでは
    満足せず、「従軍慰安婦の最高責任者として昭和天皇は有罪である」
    との判決を下した民間模擬裁判を開催しました。この裁判は海外の
    人権運動家を招いて開催されましたが、日本の一般世論からは相当に
    かけはなれた、このような執念深い怨念と歴史認識をもった人間が、
    朝日新聞の記者として活動していたことを理解して、はじめて
    この従軍慰安婦騒動の心理的背景がわかります。

    (参考)
    朝日は1991年以降に狂ったように従軍慰安婦の記事を発表しました。
    下記は日本人の方が調べた統計です。
    「朝日新聞に掲載された『従軍慰安婦』という語を含む記事の件数」
    (年)(記事件数) 出来事
    1986(S61)  3
    1987(S62)  2
    1988(S63)  4
    1989(H01)  6   
    1990(H02)  8 (この年まで何十年間は慰安婦記事は数件程度)
    1991(H03) 110  ソ連崩壊。吉田清治の手記が朝日新聞に掲載
    1992(H04) 622  金学順証言を歪曲するなどやりたい放題
    1993(H05) 350

  4. 最後が途切れたので再掲をお許しください
    ーーーーーーーーーーーー

    (参考)
    朝日は1991年以降に狂ったように従軍慰安婦の記事を発表しました。
    下記は日本人の方が調べた統計です。
    「朝日新聞に掲載された『従軍慰安婦』という語を含む記事の件数」
    (年)(記事件数) 出来事
    1986(S61)  3
    1987(S62)  2
    1988(S63)  4
    1989(H01)  6   
    1990(H02)  8 (この年まで何十年間は慰安婦記事は数件程度)
    1991(H03) 110  ソ連崩壊。吉田清治の手記が朝日新聞に掲載
    1992(H04) 622  金学順証言を歪曲するなどやりたい放題
    1993(H05) 350

  5. 下記は韓国人の方が調べた韓国「東亜日報」の慰安婦記事件数です。
    年度  日本軍慰安婦  米軍慰安婦
    に関する記事数 に関する記事数
    1951-55   1 件     17 件(朝鮮戦争)
    1961-65   0 件     56 件(日韓条約交渉/反日デモ多発)
    1971-75   5 件     39 件(千田夏光が「従軍慰安婦」造語)
    1986-90   5 件      8 件(89年吉田捏造本韓国語翻訳)
    1991-95  616 件★     3 件(91年朝日新聞慰安婦捏造記事)

    ※朝日新聞を筆頭とする醜い従軍慰安婦キャンペーンがはじまって
     韓国マスコミでも飛躍的に記事が異常発生したことがわかります。

  6. >星野彰男さま
    何時もコメントありがとうございます。

    >仁王門さま
    コメントありがとうございます。

    データで見ると、そこに恣意が働いたことが一目瞭然ですね。

    朝日新聞が未だにクオリティペーパーだなんて、信じられません。

  7. Bruxelles さまのコメントです。
    ==========
    この本を今一度正面に立てて、多くの方に論じ合っていただきたいので、再びコメントさせていただきます。(今回は脱線話になりますが)

    今の時点でこの日録の最新記事は2013/5/9 木曜日に記事。
    ー日本の自虐的な歴史観、世界を鏡に自国の過去を「反省」ばかりしているわが国のほゞ全知性を蔽っている歴史観について、あるとき福井さんは「あれは皇国史観ですな」と仰言った。ーと始まる
    皇国史観論者とはー戦後を支配した歴史思想、ことさらに自国の軍隊の欠点をあげつらい、罪と悪の日本史を仕立てて、日本はここで間違えた、あそこで判断を誤った、としきりに言い立て相手の軍隊の罪や悪をほとんど見ようとしない歴史観は、自己満足史観で、日本が正しい道を歩んでいたら戦争は起こらなかった、という前提に立っている。日本が道徳的に立派だったら、相手の軍隊も道徳的に立派に振舞い、戦争は避けられ、世界史の歩みは変えられた、という仮説の上でものを言っている。ー
    また皇国史観論者とはー戦前も戦後も日本人の大半は世界の現実が見えない。最高学府の知性にも見えていない。戦争は相手があって初めて起こる、という子供にも分る常識から出発していない。反省と自己批判から出発している。しかもそれによって自己の誠実を証明し、自己の美化を企てているー
    確かにそうだと思う。コルクがピッタリビンの蓋にはまるように、確かにそうだと思う。唸ってしまうほどに。
    ただこの皇国史観論、がどのような文脈で上からここに流れ着いてきたのか、よくわからない。
    ひょっとしたら(多分そうではないと思うけれど)「現代史研究会SPチャンネル桜」(2013/4/29 月曜日)の3時間番組で西尾先生が2分間ほどおっしゃった「北朝鮮は日本とは敵対していなくて、本質は関東軍が建設した国家だ」という説、を仮に真実と見た場合、それを信奉し(その説)に乗っかって実行動をしている人たち、を指して「皇国史観論者」だとする、というふうに論理が繋がっているとすれば、これまたとても、わかりやすいし、大変面白い。ここに書かれた皇国史観論者は、必ず(神の国大日本帝国よ永遠なれ)というノスタルジー病にかっかっているはずだからだ。現実のとんでもない世を(自己の誠実を証明し、自己の美化を企てて)生きるためには、、自己満足的夢やプライドを、鎖国的状況に隔離し続け、テコでも動かさず、固定し続けなければならない。故にその病とともに皇国史観論者は動かない時を生きることができる…
    何を言ってるの?って?
    いや別に、ちょっとくどくど言ってみただけです。もっとわかりやすく言うと、2013/5/9 木曜日の日録に現れる皇国史観論者は、この本「保守の怒り」は絶対に理解できないだろうし、そもそも、まず最初から読もうとしない、手にも取らない、ということです。回り道になりましたが、直前の1行をもって、この本の紹介に代えさせていただきます。どんな人におすすめというより、どんな人が「嫌がるか」という、逆説的推薦です。(それにしても長い、これはマナー違反かもしれない。)

  8. >Bruxellesさま
    このブログは昔の記事にコメントされた場合、そこにたどりつくのが至難の業なので、最新のエントリーにコメントを勝手に再掲させていただきました。

  9. Bruxellesさまの「保守の怒り」コメントです。
    =============
    タイミングがずれてのコメントお許しください。
    この本(保守の怒り)は今こそ再読されるべきではないかと思います。
    ちょうど今「安倍晋三氏への期待で沈黙させられた保守」のところを読んでいます。P.66から抜粋
    西尾:…はっきり言って拉致の官僚化を実行しました。西岡力氏たちを巻き込んで、政府の中に拉致問題を取り込むことをやりました。中山恭子を議員にしました…盛り上がっていた拉致問題の熱気は、安倍政権以降一気に冷え込みました。
    平田:…なぜなら拉致は北朝鮮だけの犯罪ではないからです。早くから警察は事実を掴んでいました。捜査の発展を阻止したのは政府、つまり自民党です…拉致は左右の協働犯罪なんです…
    これ一つをとってもすごいインパクトのある内容です。コメント欄、満杯になって欲しいです。
    ここの部分を取り上げたのは、西岡力氏のwikipediaに、自称“現代朝鮮研究者”、救う会会長と有りながら「靖国神社反対や日本の侵略戦争責任追及などの活動を行なっている」と紹介されていて、以前に吃驚したことを思い出したからです。西岡力氏が拉致問題に取り組まれているのは、日朝国交正常化という西岡氏の究極の目的のためであるとしたら、何か違う、拉致問題は拉致被害者の救出とご家族の苦悩の終焉のためにこそ取り組みかつ解決すべきだと思うのです。
    平田氏の御発言には「左に…右に…」と協働犯罪の具体的主体者の実体名が続いています。まずP.66だけでも多くの方に議論していただきたくて、書き込みさせていただきました。

  10. 奥様、お手数お掛けいたしました。有難う御座います。
    以下は内容が少しそれますが、新しい情報です。西岡氏に偏見を持ってはいけないと思い、更に調べてみました。
    ・・・・・・・・・・
    2007年1月30日You Tube「西岡力 日韓歴史問題の真実」を見るとさすが専門家、特に慰安婦問題の存在否認は完璧な論証でした。半島との友好を心から願っている方だとよくわかります。それは素晴らしいことで、決して否定すべきことではない。ただ「日本の植民地支配」「心の痛む申し訳ない歴史が存在した」という西岡氏の非洗脳者的善悪観が、残念ながら見えてしまうのです。否、もっと客観的に申し上げましょう。
    西岡氏のBlog「西岡力ドットコム」に出ている2013年5月10日の「趙甲済氏の安倍晋三総理インタビュー」5本をご覧ください。このinterviewは2013年3月1日、総理公邸書斎で行われ、月刊朝鮮2013年4月号に掲載されたものとのことです。西岡氏にとっては、まさに月光仮面のような安倍氏の国民ヒーロー的発言が、嬉しかったのでしょう。クリックしてお読みになることをお勧めします。なぜなら安倍氏がどのような期待の神輿に乗っているか、それなりの視力で見ればよくわかるからです。詳しくは書きませんが2,3書き出します。
    1.半島との領土問題には決して軍事力を行使しない、と明言。2.慰安婦や歴史問題に関して関しては過去の政府と同じ見解を持っている、心が痛むと明言。3.50年60年と節目の時に談話があったように、もし自分の内閣が2015年も存続していれば、同じように談話を発表する心づもりでいる、と明言。4.Kポップや韓国ドラマで国民親善の強化を図りたい、と明言。5.対北制裁強化と南北統合のため半島有事の際の韓国支持のお約束、の明言…
    私が書き出すより、皆様ご自分でblogにお出かけになってお読みになって、ご自分の視力で理解されるのが一番だと思います。
    西尾先生の日録、2013/4/24 水曜日に再録されている「慰安婦問題謝罪はやがて国難を招く」という2007年4月の過去記事、その中の最後の方に西尾先生は「私は安倍政権で憲法改正をやってもらいたくない。不安だからである。」と書かれている。何事も断言できる問題ではないが、国軍を有する場合は、米韓に挟まれて(国益に反する)戦争目的のために日本人の人命と国富をさらし者にして貢ぐような真似だけはして欲しくない。

  11. >日本人の信仰は「神」と「仏」の二重性によって支えられ
     てきた。天皇もまた歴代仏教の信徒だった。地上の神と超
     越神との二重性である。
    ——-

    超越神について、福田恆存が、人工衛星に喩えて、宇宙という
     はるか上空から見ると、よく見える、みたいなことを書いていた。
     確かに、日本人には、超越的視点が、薄いというか弱い感じ
     がする。
      であるから、日本人には超越神への視線が必要なのかもしれない。
     しかし、日本人はそれを望んでいないような気がする。

     日本人が望んでいるのは、むしろ「箱庭」なのかも知れない。
     渡辺京二「逝きし世の面影」によると幕末明治初期、外国人が
     日本を評して「箱庭」で劇をやってる、みたいに評したらしい。
      明治維新は、なにか重要なものを失ったに違いない。

     仏教は、超越神というか、むしろ超越界というのかな、
     ユダヤヘブライに比べてなにか焦点が定まらないようなきもする。
     超越界に、自分自身が身を置きたいとか。

     
      

  12. ピンバック: 西郷隆盛
  13. わが民族の超越神に相当するのが、山本七平師が日本教で指摘した人間ではないかと思います。

  14. >Bruxellesさま
    西岡力さんのブログなんですね、確かめてみたいと思います。

    >神様さま
    なかなか・・・・のハンドルネームですね。
    日本人は「かみさま」という言葉と「GOD」の神を
    上手に分けることができなかったから、いろいろ誤解されていますね。

    >西郷隆盛さま
    西尾先生に刺激?されての論考、ご苦労様です。
    人は自分の場で、自分の言葉で考えることが大切ですね。

    >山本道明さま
    もう少し詳しくご説明くださいませんか。

  15.  奥様、確かに西尾先生に刺激されての論考です。
    『国民の歴史』を読んで以来、特にここ数年は先生の論考に刺激を受けっぱなしですが、先生のちょっとした一言から、なかなか言葉にならなかった、先生のそれとはまた違った自分の文明観を言葉にしていくことにしました。
     これも先生の言論の徳かと思います。

     

  16. 山本七平師の日本人とユダヤ人創世記に相当するのが漱石の草枕でありこの世は所詮人間が創ったものであり、神の被造物としての人間ではない。私なりに考えると常に西洋の思想特にユダヤ系の思想家は神の義をこの世に実現しようと考える預言者的な性格をもっています。国産み神話などいかにも人間的なおおらかさに満ちています。語録に相当するものがありません。せいぜい近代に入って明治天皇の和歌の御製くらいが日本国民の指針になっている。池田大作さんの死後に備えて信者用に語録をつくり衰退を防ぐ手を打ってあるかの宗教ぐらいですか。あの戦闘性は多分日蓮の語録をもとにしている日本人では例外な思想だと思います。ユダヤ人が流亡の民になつたときに
    ユダヤの経典類が編纂されたと指摘しています。あくまでも24歳に読んだ記憶をもとにしています。日本人もそのような民になったときに日本教を明確に意識します。宗教を意識しないほどしみついた教義を我々は持っている。なんとならば、食物禁忌が厳然とある。家庭の台所に蛇が料理されるために籠に入っているようなことはない。人間というものが基準となって伸縮自在融通無碍に変化する。たとえば何かあった時に人間はそいうもなじゃない。あるいは人間とはそういうものでない。彼はキリスト者あるいは他の宗教の信者でも日本教徒キリスト派あるいはマルクス派という形でなければ日本社会に受け入れられないと指摘しています。私なりに付言すれば俳句はたしなむ外国人はいても三十一文字の和歌を歌う人は見たことがありません。
    連綿と日本人に通底する心美意識が日本人の資格要件だと思います。渡辺昇一先生のご指摘の和歌の下の平等古今万葉万葉でも詠み人知らずあるいは山がつきこり遊女でもよければ選ばれている。多分どの国文化圏でもそれが維持されるためには平等原理あるはずだと思います。スターリン時代のソ連は恐怖の下の平等原理その司祭としてのかれによって統治されていました。彼とても例外ではなくです。フルシチョフが仲間と休日に訪ねたら逮捕しに来たのかと怯えたそうです。私が言はんとすることは日本は人間がこの世をつくり和歌が支えた異質の文明と言いたいのです。

  17. 訂正します。人間とそいうものじゃない。あるいは人間とはそんなもんさ。にしてださい。

  18. 慰安婦問題にひとこと勝新太郎の兵隊やくざ(有馬頼義作より)日本映画チャンネルでシリーズをしばらく放映したときあっけらかんとした実態がわかりました。私思うに一番愛国心があったのは彼女たちでした。日本の軍隊は世界で一番清潔な軍隊だったと思います。なんとなれば、性病の蔓延による戦闘力の低下を防ぎ、自前でかかえ宣撫工作がうまくいくようにした。軍隊の性処理のストレス解消による円満化を意図した。ナポレオンの時代より一定の公式があった。兵卒は17名で一人の軍隊娼婦を共有し将校は7名で一人だそうです。トルイストイの戦争と平和に戦場娼婦の実態が描かれていたと記憶しています。弁解ですが出展にあたらずメールしています。また戦争体験者によれば朝鮮の慰安婦は兵隊さん兵隊さんと優しくしてくれたそうです。日本人慰安婦は将校下士官相手だつたそうです。私思うに一番愛国心があったのは彼女たちでした。

  19. ピンバック: 西郷隆盛
  20. ピンバック: 西郷隆盛
  21. ピンバック: 西郷隆盛
  22. ピンバック: 西郷隆盛

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