『中国人に対する「労働鎖国」のすすめ』評(二)

 アマゾンの書評を掲示します。「閑居人」さんのご自身の体験に基く論評をまことにありがとうございます。この本がよく読まれ、日本の外国人政策が変わることを期待しているのですが、さてどうでしょうか。こういう現実的なテーマになると、私が痛切に感じるのは言論の無力ということです。悲しいかな、益々その感を深くしているのは私が老人になったからであろうか。いつまでも晴れない濃霧の中を歩いている思いがしている毎日です。

閑居人

1980年代、ヨーロッパを何度か旅行したとき、強く印象に残ったのは「アフリカ・アジア系移民」の問題だった。「多民族共生社会」というものが生半可なものではないということを実感した。バックパッカースタイルで安宿を泊まり歩いていたこともあるかも知れない。特にドミトリースタイルの雑居ルームで外国人と一緒になると文化の相違に戸惑うことが多かった。身の危険を感じて一晩まんじりともしなかったこともあった。そのため、当時、「ストロベリーロード」でデビューした石川好氏と著者との外国人労働者を受け入れるか否かという議論は、特に興味深かった。本書の後半部は、1989年に公刊されたものの再録であるが、今、読み返して見ると、石川好だけではなく、堺屋太一、高畠通敏等より広範な議論であったことを再認識させられる。

元北京語通訳捜査官だった板東忠信氏が「正論」5月号に書評を寄せている。普通の中国人が犯罪を犯したときに取り調べに対してつく「虚言」に通暁した氏は、端的に問う。「あなたは、商道徳や衛生観念の違う異民族が握る回転寿司を食えるか?」その通りである。中国では、下水の汲み上げで再生される「地溝油(ドブ油)」が日常生活の50%に及ぶ。毒餃子事件もあった。中国人が食べない猛毒食品が日本のスーパーやコンビニ弁当、総菜で出回っている。その中国人が日本で働いたらどうなるか。中国人研修生の殺人事件を見れば、彼らと関わること自体危険であることが分かる。長野での聖火リレーにおける中国大使館がらみの傍若無人、不法な集団生活保護申請。民主党政権が崩壊したからいいものの、もうしばらく続いたら日本は崩壊するところだった。

本書は、そういった危険性を具体的に指摘する。
ここで考えたいことは、そのことに対する具体的な対応策である。外国人による不動産取得の制限。既に売買が成立した新潟の中国公使館用地の登記阻止。これまで売買された外国人所有土地で不法行為が行われていないかの監視。中国人留学生の制限。(著者が経験しているように奨学金を中国大使館がピンハネしている)日本での「就学・労働ビザ」、「日本永住権」審査の厳格化。(これは鳩山政権で大幅に緩和された。元に戻すべきだ)出入国管理の厳格化。「対中国」に関する様々な制限立法を正面から行い、半官半民で「外国人労働者の就学就労と滞在の適正化を図るための検討委員会」を設置して積極的に提言させたらいい。この議論が高まるほど、中国の反発も出てこようが、一方で目先の利益を失いたくない妥協も出てくるはずである。対外関係とは、こういった「力」のやりとりであろうし、その際、世論は最大の武器になるはずだ。

なお、著者は「あとがき」で河添恵子「豹変した中国人がアメリカをボロボロにした」(産経新聞出版2011)を取り上げ、「本当に怖いのは、その国の『幸福=価値観』が内側から破壊されることだ!」という河添氏の指摘を強調している。「多民族共生国家」といった観念的な言葉に日本人が安易に同調することは、危険である。なぜなら、中国、韓国に代表されるように、日本に対する屈折したコンプレックスと攻撃衝動を持つ国家がそのねらいを隠そうともせず存在するからである。

 また「ダニエル」さんも拙文の中の本題から外れたエピソードに目を向けて下さいましてありがとうございました。

ダニエル (東京都)

刺激的なタイトルが目につき書店で購入。凄い本でした。
日本の移民問題について日ごろ自分が漠然と思っていたことが的確な言葉で解説されていて、痒いところに手が届く論述が快感。一晩で一気に読んでしまいました。

いつの頃からか「新しい歴史教科書をつくる会」について聞かなくなったと思っていたのですが、中国人スパイの李春光と中国当局の謀略で壊滅させられたという驚愕の事件の顛末が記されています。
まるで物語のような話ですが著者自身が代表を勤めていた団体の話ですから事実でしょう。
内容に説得力もあります。

中国が移民を使って計画する日本侵略の最先端は想像以上に厳しいものでした。
読むことで知見がぐんと拡がりました。

「『中国人に対する「労働鎖国」のすすめ』評(二)」への5件のフィードバック

  1. 東日本大震災の時、坂東忠信氏が現地を取材した様子を、チャンネル桜で放映していました。それによると、東北だけでも約3万人のシナ人がいるということでした。
    東北だけではなく、北陸・関西・中国地方等々全国の地方都市も同じであって、こんな田舎に、と思われる地域にもシナ人留学生がいることは、現地の人々の方がよく知っていると思います。

    河添恵子氏が雑誌WILLで書かれた、シナ人移民についての報告も衝撃的でした。カナダの高級コンドミニアムに入ってきたシナ人は、窓に真赤なカーテンを掛けたり、ゴミ出しルールなど理事会で決められた規則を守らないため、次々と白人居住者が出ていくという事態が起きたなどが記述されていました。

    アメリカにいたことのある友人からも同じような事を聞いたことがあります。庭付きの戸建に住むアメリカ人なら、熱心に芝生の手入れをしますが、シナ人が引っ越してくると、庭をコンクリートに変えてしまうそうです。理由は「面倒くさいから」。嫌気がさした隣人のアメリカ人は、引っ越してしまうということです。

    また少し前、富裕層のシナ人の間にアメリカで出産するのが流行しているというニュースを見たことがあります。理由は子供にアメリカ国籍を取得させるためです。出産前後の数か月間、妊婦の世話をするのはもちろんシナ人で、彼らは、シナ人妊婦や子供の生活の面倒一切を見るホテルを経営しているのです。
    経営者のシナ人は、自分たちは税金を払っているのだから、アメリカにとってもいいことだろうと答えていました。
    それに対して共和党のある議員は、こんなことが続くとアメリカの貧困層の福祉が阻害されるので、何らかの措置が必要だとコメントしていました。当然のことでしょう。
    東京でも、都営住宅に住むシナ人が、住宅を購入し出て行った後も、来日した親戚に引き続き住まわせているケースを知っています。

    これだけシナ人を始めとする、外国人と日々接して生活するようになった現代、様々なプレッシャーを感じながら生きている日本人は少なくないと思います。
    問題は西尾先生が指摘するように、社会全体がこうした問題を真正面から取り上げようとしているか、報道もされているか、ということだと思います。

    昔ある書物で、「安易なヒューマニズムを人々に押し付けることは、後に悲惨な結果を招くことになる」と読んだことがあります。
    私たち戦後世代は、外国人を差別するな、などと教育されてきました。しかし現在発生している民族間の様々な摩擦は、我々日本人が我慢に我慢を重ねてきた結果なのではないでしょうか。

    外人タレントが跋扈する最近のテレビ番組ですが、マスコミ業界の意とは裏腹に、案外庶民は冷たい目で彼らを見ているのではないかと感じます。

    NHKのニュース番組で、朝っぱらからゲラゲラと声を上げて笑う女子アナ。ヒュンダイの車を使っていることで話題となった朝の連ドラ「あまちゃん」。主人公と親友が着るチマチョゴリそっくりの舞台衣装、男性の前で平気であぐらをかいたり、膝立てして朝鮮座りする中年の海女たち。
    最初は面白がって見ていましたが、すべてに違和感を感じて、もう見るのを止めました。

    まだ日常では静けさを保っているかのような我が国ですが、さまざまな場面でマグマが噴出しかけているのを、心ある人は確実に感じているはずです。

  2. あわせて下記も読めば日本で何が起こっているか非常によくわかると思います。すでにどこかで引用されていたら御免なさい。
    「 あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ [単行本]鳴霞 (著), 千代田情報研究会 (著) 」

    大変僭越ですが、西尾先生、鳴霞さんにアプローチされて対談されたら如何でしょうか。本書への「閑居人」さんのAmazonコメントを引用させていただきます。
    (以下、閑居人さんのコメントを引用)
    「誤解を恐れず言えば、中国共産党とは、政党や政府ですらなく、十三億の民衆を共産主義というイデオロギーで洗脳し続ける、巨大な『カルト集団』なのである。集団の目的のためには、謀略も殺人も情報操作も戦争も行う。それが『中国共産党』の正体である。」(107ページ)著者は、そう断言して憚らない。

    松下政経塾や鹿野農林水産大臣、農林水産会社、サプリ関係会社を手玉にとって、一億六千万と情報、農産品をせしめた「李春光」は、「TPP交渉参加」阻止のために民主党政権奥深く工作を進めていた。しかし、著者に言わせれば、「スパイ天国・日本」の実態はその程度の《軽い》ものではないという。在日中国人、及び十二万人を超えた「帰化中国人」が日常情報収集に当たり、駐日大使館のコントロール下にある。中共は、近年、彼らを「日籍華人」と呼び、「日籍華人連誼会」という組織を作って統括するようになった。彼らの多くは中共の洗脳が十分に解けていない状態にあり、しかも、家族や係累が大陸にいるために中共を恐れ、日本国に忠誠心を持っていない。
    著者は、例えば、この「日籍華人」の代表格として、菅直人政権の官房副長官だった『福山哲朗』を挙げる。昭和50年に父、弟とともに帰化した彼は、元の名前を「陳哲朗」という。「彼は、『従軍慰安婦」解決促進法案の提出を推進したり、その前の鳩山政権では外務副大臣として『東アジア共同体』を進めようとしたりしたが、普天間基地問題では最後まで「少なくとも県外」に拘り、日米関係を崩壊寸前まで追い込む原動力となった」(27ページ。なお、福山は普通「在日」として扱われることが多いが、ここでは著者の記述に従った。)
    民主党に巣くった「日籍華人」は、福山だけではない。議員の「配偶者」、或いは「議員秘書」として情報工作をした例を、著者は実名を挙げて具体的にその工作の次第を描く。著者がこのように具体的に書けるのは、著者が「あとがき」で断っているように「千代田情報研究会」という背景があるからだ。この「研究会」の実態は詳らかではないが、知っていても書けない大手新聞政治部記者やフリーランサーの集まりだろう。現役ではない、公安OBなどが入っている場合もある。著者が、果敢に実名を挙げて具体的に書けるのは、「名誉棄損」で訴えられても戦えるだけの確証をそろえているものと考えることが妥当である。

    「あとがき」によれば、著者は、瀋陽生まれの「満州族」である。祖父母は「満州国」時代を体験しており、日本軍の廉直さに対する敬意には並々ならぬものがあったという。中国共産党のエリートコースを歩んだ著者は、しかし、縁あって日本人と結婚し、25歳で来日した。通訳として仕事をしているうちに痛感したことは「日本人がいかに易々と中国人に騙されるか」ということである。2002年「月刊中国」を立ち上げ、中国の本当の姿を伝えようと考えたという。

    多分、女性であるが故に、本書では、日本の「ファーストレデイ」たちの軽率な行為も取り上げられ、辛辣に批評される。
    鳩山幸が北朝鮮系のイ・ソジンといううがい薬みたいな名前の「韓流俳優」にぞっこんだったことは広く知られているが、二ヶ月に一度、会食を重ねてきたことは「ファーストレディ」の品格を貶めている。(断っておくが普通の日本人の男なら、鳩山夫人の歌う「さくらさくら」など聞けたものではない。その俳優も、余程、気味が悪かったものと同情したくなるくらいだ。だが、「工作」は確実に遂行されていたことだろう)
    安倍昭江も同じである。安倍の自民党幹事長時代、「京劇俳優」に夢中になり、その俳優の「招待」で中国で国賓並みの歓待を受けたことも、知っていて書けない政治部記者たちがぼやいていたことである。(このことは最近週刊誌でようやく報道された。一介の京劇俳優が国賓並みの招待ができるわけがない)ただ、こういった女のすることに、日本人の男は、比較的寛大だ。惻隠の情を持って書かないことを誇りとする。しかし、著者は「女」である。内閣総理大臣安倍晋三が、昭江夫人を伴って、2007年4月24日、「CNN」のインタビューを受けた。資本提供を受けて中国よりになっていた「CNN」は、「従軍慰安婦に日本軍が直接関与した事実はないとおっしゃってますが・・・」と安倍に尋ねると、昭江は「あなた、そんなこと言ったんですか?」と言った。国際関係に影響することを事情を知りもしない妻が言及すべきではない。著者は、「対中国ODA復活」を幹事長時代の安倍が行ったことについて、安倍夫人の「京劇俳優との関係」からの関与を示唆する。
    著者に言わせれば、これらのことは「ハニートラップ」の一種なのだ。男だけが、ターゲットにされるわけではない。「妻たち」もターゲットにされるのだ。

    「中国の女」の実態についての著者の指摘はさらに厳しい。中国共産党幹部の「氏・素性の良い」娘たちが、日本のクラブホステスをして情報を集めているという。麻生太郎の行きつけのクラブには、その手の女の子たちが張り付けられていた。「ワターシ、ニホンゴワカラナーイ」という女の子たちが、政財界の要人の会話をメモして、中国国家公安部に情報を渡していた。著者によれば、こうした女の子の手にかかって勝てる男は滅多にいない。偶然を装って近づいてきた中国人の女に意気投合して、同行したホテルで薬を飲まされ機密書類をコピーされたケースもある。
    著者は、言う。「西太后」は、20番目の愛人だったが、ライバルをことごとく蹴散らして、正室である「東太后」を毒殺し、権力を握った。これが「中国女の本質だ」。著者も元々は中国人の女性だろうからそこまで言わなくてもいいのではないかと思うのだが、易々とハニートラップにかかる日本人の男に対する義憤があるのだろう。

    内容を紹介しきれないのが残念である。「朝日新聞」は「人民日報」と業務提携しており、社内に「支局」があることで有名である。しかし、朝日新聞そのものが中共の外交政策の「支局化」している実体が、論説主筆若宮啓文を例に取り上げられる。若宮は「中国の理解者」くらいのつもりでも、相手側は「コードネーム」を振っていることだろうし、利益供与の積み重ねも記録されているだろう。中共が倒れたら、そういった極秘資料が大量に売りに出されるに違いない。日本の政治家、官僚、財界人、新聞記者、研究者、文化人・・・余りの多さにびっくりすることになるかも知れない。そのとき、「訴追」できるかどうかは別にして「スパイ防止法」は一刻も早く成立させねばならない。反対する輩には一言「何か、困ることでもあるんですか」と言えばいいだろう。
    最近、柏原竜一氏の「中国の情報機関」(祥伝社新書)が発行された。この本も良い本であるが、本書からは「一日も早くスパイ防止法の制定を!」という切実な感情が、伝わってくる。
    (引用終わり)

  3. >黒ユリさま
    コメントありがとうございます。

    移民問題は深刻ですね。今はまだいいのですが、これが一定の割合を超えたときが問題で、その時はもう遅いのですから、真剣に考えたいものです。

    >仁王門さま
    コメントありがとうございます。

    反日人間が多すぎます。
    スパイ防止法が出来たら、どれだけの人数が対象になることでしょうか。

    平和ボケしている場合じゃないですね。

  4. むかし学生時代に有名な芸能人トルコ系亡命者名前がでてきませんが帰化するまでの体験をテレビで見た記憶があります。そのときにいみじくも吐露したことばは日本人なることはこれほど大変なんです。みなさんも日本人にうまれとことを幸せと思ってほしい。しかるに石平氏が指摘する帰化することがカード購入の順番待ちみたいに安易になっている現状を憂います。中世ヨーロッパで都市市民になることがどれほど大変だったか、日本人になることと同じくらい難しいと渡部昇一先生が指摘されたことを思い出します。ましてシナでは都市戸籍と農村戸籍が画然としてあります。

  5. 安倍政権のアキレス腱は妻ですね。朝日新聞社内に人民日報とニュウヨークタイムスの支局があり反日新聞ですね。崩壊後の癒着やハニートラップの実態が暴露された時彼らはどんな顔をするのか今から興味津々です。日中国交回以前に友好使節で行った連中も夷荻懐柔の術策にはまっていたはずです。

仁王門 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です