西尾幹二全集刊行記念講演会のご案内
西尾幹二全集第8巻(教育文明論) の刊行を記念し、12月8日 開戦記念日に因み、下記の要領で講演会が開催いたしますので、是非お誘い あわせの上、ご聴講下さいますようご案内申し上げ ます。
記
大東亜戦争の文明論的意義を考える
- 父 祖 の 視 座 か ら -戦後68年を経て、ようやく吾々は「あの大東亜戦争が何だったのか」という根本的な問題の前に立てるようになってきました。これまでの「大東亜戦争論」の殆ど全ては、戦後から戦前を論じていて、戦前から戦前を見るという視点が欠けていました。
今回の講演では、GHQによる没収図書を探究してきた講師が、民族の使命を自覚しながら戦い抜いた父祖の視座に立って、大東亜戦争の意味を問い直すと共に、唯一の超大国であるはずのアメリカが昨今権威を失い、相対化して眺められているという21世紀初頭に現われてきた変化に合わせ、新しい世界史像への予感について語り始めます。12月8日 この日にふさわしい講演会となります。
1.日 時: 平成25年12月8日(日)
(1)開 場 :14:00
(2)開 演 :14:15~17:00(途中20分 程度の休憩をはさみます。)
2.会 場: グラン ドヒル市ヶ谷 3階 「瑠璃の間」
3.入場料: 1,000円 (事前予約は不要です。)
4.懇親会: 講演終了後、サイン(名刺交換)会と、西尾幹二先生を囲んでの有志懇親会がございます。ど なたでもご参加いただけます。(事前予約は不要です。)
17:00~19:00 同 3階 「珊瑚の間」 会費 5,000円
お問い合わせ 国書刊行会(営業部)
電話 03-5970-7421
AX 03-5970-7427
E-mail: sales@kokusho.co.jp
坦々塾事務局(中村) 携帯090-2568-3609
E-mail: sp7333k9@castle.ocn.ne.jp
『WiLL』1月号(11月26日発売)に私が関係する仕事がたまたま二本載る。私の単独の評論(1)は決していい題ではないが、花田さんに押し切られた。六人関与の現代史研究会の討論原稿(2)ははるかに重大な内容である。分量が多いせいもあって5ヶ月待たされてやっと掲載される運びになった。今月のは前半である。
(1) 「17歳の狂気」韓国
バスジャック犯を念頭に置いている。東北アジアを銃砲火器をもつ暴力団に囲まれた一台のバスと見立てている。仲間と思っていたバスの乗客の一人がとつぜん理性を失った。そういう譬えで語られている。
(2) 柳条湖事件日本軍犯行説を疑う
西尾幹二・加藤康男・福地淳・福井義高・柏原竜一・福井雄三
この現代史研究会の討論はかっては四人であった。討論は『歴史を自ら貶める日本人』(徳間書店)という一冊の本にまとめて本年世に送り出した。今回から6人体制とする。
今回の討論の主役は加藤康男氏である。氏は張作霖爆殺事件をひっくり返す画期的な本を出して山本七平賞奨励賞をもらっている。
私は戦後の日本史学者のやったことは100パーセント疑わしいと思っているので、これに断固として挑戦している人が出てくるとともかく嬉しい。加藤さんを応援するし、ここで彼の仕事の口火を切ることができたことは光栄である。私はコーディネーター役に徹している。
『正論』1月号(12月1日発売)には私の連載が掲載される。
(3) 戦争史観の転換 第6回「ヨーロッパ500年遡及史」②
本日やっと校正ゲラを修正して戻した。毎月30枚である。30回連載される予定である。だから思い切って歴史展望の尺度を大きくしている。
今回はポルトガルである。誰も考えたことがない、知られていない中世以来のポルトガル史にわが近現代史を解く鍵の一つがある。これを精密に追い、かつ面白い読み物として語っている。
ヴァスコ・ダ・ガマがニュルンベルク裁判や東京裁判に深く関係しているなどと誰が考えたであろう、と今ひとりほくそ笑んでいる。スペインのインカ帝国、アステカ帝国破壊史はよく知られているが、ポルトガルのことは本当にあまり知られていない。
今月はほかに全集第9巻「文学評論」の再校ゲラの戻しをした。大変な分量であった。
12月10日ごろに思い切った長い表題の新刊の単行本も出すが、次回に詳しく報告する。
講演、刺激的な内容になりそうで実に楽しみです。「私は戦後の日本史学者のやったことは100パーセント疑わしいと思っている」。90%疑わしいとかではなく100%疑わしいと言い切るところが西尾先生の魅力です。戦争直後を振り返ると、戦争で傷つき自尊心を徹底的に失った日本人を昭和天皇が8年間の全国巡幸により激励され、さあ日本の再建に取り掛かろうと国民の心も刷新されようとしていたころ、共産主義者は歴史学や社会科学という机上の玩具を手にいれ、学問の権威に従順な国民をいかに洗脳しようかと手ぐすねひいて待っていました。西尾先生も何度も使われた「第二の敗戦」のはじまりですね。GHQの主導による反日政策を契機に共産主義者たちは反日学問の濫造にとりかかり、マスコミ・教育・文化などへの破壊的な浸入を開始しつつありました。共産主義者どもは真正の共産主義者をのぞき、その大部分は戦前・戦中に勇ましいことを言って国民を煽った連中です。戦前から自由の価値を洞察していた真に自立的な日本人は戦前の国粋主義にも戦後の共産主義にも洗脳されませんでした。日本では、新聞や教科書では絶対に知ることができないことが日本の真実です。
今から何年も前、日本企業や日本人がどんどんと中国へ経済的進出しつつあったころ、西尾先生は「戦前の中国への進出も当時の日本人にとっては今と同じような感覚だったかもしれない。戦前の中国進出は過ちだったと断言する日本人は多いが、現在の中国への経済進出も間違っていたという時代が来ないとは限らない」と述べておられたのが印象深いです。どの時代の日本人も未来を手探りで生きており、単純に現在の価値基準で過去を裁断してはならないことは考慮する必要がると思います。
もし真に自由で自立的な日本人により、戦後の歴史学が構築されていたら、現代のように謝罪と屈辱まみれの日本になっていないことは、ほぼ断言できます。マッカーサーも戦後になってアジアの日本が退いた真空地帯において共産主義勢力の破壊的浸透を目の当たりにして、戦前の日本がアジアという暗黒大陸で何と直面して何と闘っていたのかを瞬時にして悟りました。本来の日本人であれば、ここで「やっと理解してくれたかよ。アメリカさん」ということで、中国や北朝鮮に対しても慎重に構えて、中国共産党に依拠するような訳のわからない歴史蒸し返しなど起こらなかったでしょう。実は歴史認識において何十年も起こってきたことは、なにもかも戦後に誕生した共産主義者という一大勢力すなわち反日左翼が壮大にしかけた「トリック」なのです。彼らは、まず共産主義を美化して歴史の最終発展段階ではかならず共産主義体制に進化するという説を唱えて一段階目の捏造歪曲を行いました。次にその一段階目の捏造が怪しくなりはじめると、それをカムフラージュするため二段階目の「日本原罪論」を唱えました。
おそろしいのは東京裁判で裁かれなかった日本の植民地(この用語異論あるかもしれませんがとりあえずこう呼びます)さえも日本人は外交的謝罪対象にしてしまったことです。反日左翼が長年かけて「西洋の植民地も将来謝罪すべき時代がくる、日本も謝罪すべき」と日本人を説得していったのです。ところが日本が何から何まで謝罪したことにより、欧米は「いや私たちの植民地は日本とは違う」と言い張り、欧米側も「日本と一緒にされてはたまらない」と日本を断罪する風潮が強まりました(この点、現代の慰安婦問題とあまりにソックリです)。こうなるのを反日左翼はとっくの昔に計算しつくして日本を「謝罪の鬼」に仕立て上げました。いつのころからか日本の政治家はボンクラになってしまい、反日左翼の扇動に乗ってしまいました。
社会党の村山が非武装中立論も国旗国歌反対も思い切って撤回するから、その代わりに歴史認識では社会党の意向を通させてもらうと首相になったころから自民党政治家も、これで日本の左右対立は止揚され歴史的和解に到達するのだと詰まらない幻想を持ち、すっかりだまされてしまいました。
以上のことは、戦後日本の共産主義勢力を先祖とする異様な反日左翼の生み出した「私たちの国、日本は救いようのない悪者なのだから世界中に謝辞して許してもらえ」と思わざるをえないように日本人を錯覚させた心理的トリックなのです。実はまぎれもなく「日本原罪論」は共産主義者が自分たちが共産主義が破滅してもオピニオンリーダーとして日本で生き残るための一種の保険であったのです。壮大なトリックであり詐欺であったのです。朝日新聞やNHKなどがその詐欺の全面的協力者です。日本では、新聞や教科書には絶対に載らないことがないことが日本の真実です。トリックは徹底しています。たとえば憲法9条を世界の有識者がどう見ているかなどは一切報道しません。いっぽう捏造キャンペーンが世界的に成功した慰安婦や靖国に関しては四六時中、海外の見解を受け売りにして報道しています。非武装憲法などそもそも国家の生きる権利を放棄したものであるし、公海上の安全保障でさえ他国にタダ乗りするものであるから滑稽きわまりないものであることが海外の見解ですぐにわかってしまうから、憲法9条に関しては一切世界的な見解を黙殺して国民に知られないように情報操作してきたのです。
最後に、突拍子かもしれませんが、戦後歴史学の権威がいかにデタラメであるかという点に関して、現代起こっている精神医学の権威のゆらぎとのアナロジーを感じざるを得ません。日本では自殺者が3万人と深刻な実態がありますが、そのうち7000人以上が鬱病など精神病とされ、その自殺はなんと精神科の処方する医薬が原因の一つかもしれないと疑いをもたれているのです。大量に処方される精神科医薬を飲むことにより廃人同様になるケースがあり、それを鋭く告発している医師もいます。(詳細は「内海聡」氏などの名前でYoutubeやネット検索をしてみてください)
もちろん真面目な学徒として良心的な研究を行っている歴史学者や精神科医はいるでしょう。けれども総体的には一体どういう状態であるのかというのが問題なのです。私が共通点を感じるのは、どちらの権威も他力本願的なこと。たとえば精神科医は医薬というものに頼る、いっぽう日本の歴史学者は中国や韓国の怒りに頼る(というより中国や韓国の怒りをしつこく煽ってきたのですが)。
精神科医で思い出しましたが、南京大虐殺を日本軍の悪魔的な民間人大量虐殺と決め付け、日本軍のかかっていた精神病はこれだと推測した精神科医がいたことを知っている日本人はいますか。また南京虐殺の実行者だけでなく、南京大虐殺を否定する日本人に対してまで精神的な病いと決め付けて診断をくだしたことがあったのを知っている日本人はいますか。ほんとうにむかしはひどかったです。
世界的にはどちらかというと道徳的に立派であると見込まれている日本をおとしめるために、道徳的に日本をおとしめるために南京大虐殺を持ち出して「日本人とは実はこういう事件に象徴される民族なのだ」と吹聴してまわる悪質な外国人および反日日本人がいました。実は、慰安婦騒動の本質は、戦前・戦中日本人から構成される旧日本軍はレイプ魔の軍隊であると烙印を押すことです。自国を守るために命をかけて闘った先人をレイプ魔と言われて承服する民族は歴史上どこにもありえません。日本人がどうしてここまで落ちぶれたかを考察するとき、上記の壮大な心理的トリックのことを多くの日本人に理解して肝に銘じてほしいです。(あまり推敲せず衝動で書いた長文、誠に失礼しました)
西尾先生によってスペインの海洋覇権の意味が解き明かされた蒙を覚まされた思いがしました。ポルトガルの東アジアに対する影響の解明を楽しみにしています。