阿由葉秀峰が選んだ西尾幹二のアフォリズム(第十八回)

(2-30)かくて、歴史は「思い出」だということになる。人間が何かを思い出す。まさしく何かを思い出すのであって、何でもかんでもを思い出すのではない。一番思い出す価値のあるものだけを思い出す。

(2-31)現代は神なき時代である。人間の権力感情は野放しであり、それにけりをつける神が存在しない以上、俗物とそうでないもの、すなわち贋物と本物の区別をつける判定者はどこにもいない。自分の価値は自分で証明しなくてはならない。これは不可能にきまっている。誰もが俗物に陥らざるを得ない所以である。

(2-32)福田恆存においては文学と政治が一体化していた。だから政治と文学を混同するなと言いつづけることも可能だったのである。ある意味で時代が一体化を許していたことは否めない。

(2-33)鋭敏な知性の持主であればあるほど知性の限界というものを知っている。

出典 全集第2巻 「Ⅱ 続編」
(2-30) P278 上段 「行為する思索」より
(2-31) P291 下段 【福田恆存小論六題】「福田恆存(二)」より
(2-32) P311 下段 【福田恆存小論六題】「高井有一さんの福田恆存論」より
全集第2巻 「「Ⅲ 書評」より
(2-33) P341 下段 「竹山道雄『時流に反して』」より

「阿由葉秀峰が選んだ西尾幹二のアフォリズム(第十八回)」への4件のフィードバック

  1. ◇◆日本永住権取得が容易すぎる◆◇
    「日本列島は日本人だけのものではないんですから」と
    発言した首相を出した某政党の政権統治の2010年に、日
    本の永住権取得条件が緩和され、例えば、日本人の外国
    人配偶者は3年以上滞在すれば、前科があって無収入でも
    無条件で取得できるようになりました。その結果偽装結
    婚が横行するようになりました。

    一方デンマークでは、婚姻による永住でさえ厳しい審査
    が実施され、永住許可が下りないことが多くなりました。
    例えば、在住7年後から申請可能ですが、7年間の間に1
    回でも移民統合省が設定する基準や条件を満たさなかっ
    た場合はノーカウントとなり、1年目からのやり直しとな
    ります。その他多くの厳しい条件があります。さらに永
    住権どころか、配偶者ビザ自体発行されない場合もあり
    ます。例えば、コペンハーゲン郊外のブロンビューにあ
    る施設でデンマークに関するテストを受けて、合格しな
    ければ配偶者ビザ自体発行されません。その上、24歳以
    下、60歳以上の外国人配偶者には居住ビザすら発給され
    ません。

    これには人口侵略戦略国中国も業を煮やし、デンマーク
    に政治的圧力をかけています。デンマークの事例は、日
    本にとっての対人口侵略法の参考になります。

  2. アフォリズムシリーズ、やっぱりいいですね。
    いろいろ読んでいると、感じることは、言葉というのは「探す」のではなく、なにかに「ぶち当たる」ような瞬間なのではないかと感じます。
    一つの衝撃が人間を根底から変えることができるもの、それが「アフォリズム」なんじゃないかと思います。

    哲学ならば更に何かが融合しなければならない。でもアフォリズムは普段の日常生活に適応できる柔らかさが存在している。しかも限定的だからわかり易い。即応する読み手が感じるものがあれば成り立つ形式であることが、アフォリズムの真骨頂なのかもしれないと感じた次第。

  3. スペインは、日本以上の少子化と労働力不足が深刻で、移民で補おうとしました。その結果、90万人いた外国人移民が、親族を呼び寄せて、10年で570万人に増加。移民も人間ですから病気になるので医療費が必要になります。これが、重い負担になります。
    そこへきて、経済危機です。当のスペイン人自身が職がなくて困っているのに移民に職があるはずもなく、ゴミ箱をあさる移民ホームレスが国中で大勢います。
    今やスペイン政府は、移民に向かってお金を挙げるから帰ってくれといっています。移民の追い出しに必死なのです。
    最近では、短期滞在の査証も難しく、日本の商社マンが商用のために短期滞在しようと査証を申請したら却下されました。
    何とかして移民の数を減らそうと躍起になっているわけです。
    程度の差張っても、各国は同様です。
    要するに、今頃になって移民受け入れだの、平成の開国だの言っている移民推進派は、世界的に見れば、頭が周回遅れ、それも100周くらい遅れているのです。
    今や、グローバルトレンド(世界的傾向)は、「移民鎖国」なのです。

  4. トインビーの指摘した移民によるチャイナの平和的侵略行為が日本が標的にされています。あの首相がしたことが後々になって社会保障費などにはねかえってきます。一刻も早く法改正をすべきです。憲法9条の改正よりも先です。安手のヒュウマニズムは不要です。むかしロシア革命のときカザフスタンから亡命してきたロイジェームスというタレントが日本に帰化するときの困難さを一時間番組でみました。昭和40年代のころです。新宿でロシアバーがありました。西口線路に張り付いた小路で通称ションベン横丁と言われてました。そこの白系露人の女性が帰化した時の困難さ人権蹂躙ものの審査のされかただっようです。日本人であることのありがたさを感じるべきです。渡部昇一先生がお書きになった本で数十年前で題名は忘れましたが中世ヨーロッパの都市民になることの大変さと似通っていると指摘されていました。私見ですが戦国時代の堺などもそのような気がします。あまりにも安易な帰化を認めると禍根を残します。日本のパスポート世界で一番信頼されていることも傍証になりますね。とにかく移民鎖国をすべきです。

あきんど へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です