春の近況報告

 4月29日、春の叙勲で瑞宝中綬章というのを頂きました。御祝辞、御激励に厚く御礼申し上げます。

 本年5月に予定されていることを以下に列記します。

 『人生について』と題した新潮文庫の5月新刊が出版されました。解説は伊藤悠可氏です。この本はすでに皆さまご存知の『人生の深淵について』の同一本です。「長寿について」という一文を新に書いて「あとがきに代えて」としました。

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 連載続行中の『正論』の6月号(5月1日発売)ではまたまた連載を休みました。代わりに「中国、この腐肉に群がるハイエナ」(30枚)を書きました。ハイエナは西欧諸国のことで、とりわけイギリスのことです。ロンドンのシティを論じました。

 5月4日(月)午後8:00~9:55(BSフジ生放送)の「プライムニュース」に出演します。テーマは「昭和を創った人たち――三島由紀夫」で、共演者は村松英子さんです。約2時間に及ぶ番組で、時間を気にせずかなり話せると思います。三島の自決と日本の核武装断念の関係について語ります。

 5月6日(水)の私の「GHQ焚書図書開封」(日本文化チャンネル桜)の時間帯に「GHQ日本人洗脳工作の原文発掘――関野通夫氏と語る(一)」を放送します。

日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお続く占領軍の心理作戦 (自由社ブックレット) 日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお続く占領軍の心理作戦 (自由社ブックレット)
(2015/03/11)
関野通夫

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(二)は5月20日です。話題をよんだ「自由社ブックレット」の関野著「日本人を狂わせた洗脳工作――いまなお続く占領軍の心理作戦」をめぐって行われた対談番組です。翌日にはYou Tube になります。

 5月後半に私の全集第11巻『自由の悲劇』(第12回配本)が刊行されます。共産主義の終焉、ソ連の消滅という1989-91の劇的事件にそのつど私が心震わせ、歴史と未来を論じた一巻です。今の情勢はすでに予言されています。

 加藤康男著『昭和天皇、七つの謎』の書評を産経新聞に出します。

 私の全集の新しい内容見本が作成されます。全集はいま半分を越え、残りの11冊をどう読んでいたゞくかの大切な岐路に立たされています。

「春の近況報告」への4件のフィードバック

  1. 西尾先生、晴れの叙勲、誠におめでとうございます。(本当は、文化勲章の方が相応しいと存じますが)、天皇陛下から賜る栄誉であり、衷心よりお慶びを申し上げる次第でございます。
     そして、先生への御祝は、時機正に半ばに達しました「全集」を、更に多くの方々に普及することに尽きると存じますので、新たな内容見本が出来上がったことを機に、微力を尽くしたいと考えております。

  2. 西尾先生の叙勲の御祝いについて、現在、坦々塾(西尾先生を囲む勉強会)を中心に「満腔の気持ちを込めて、ささやかな記念品(原稿用紙)を、ワンコインを寄せ合って、お贈りする呼びかけ」が始まっています。
     共鳴・共感されるお方は、この呼びかけの幹事・浅野正美さん(m-asano@fujiya-camera.co.jp)にご連絡下さい。

  3. 瑞宝中綬章のご受章おめでとうございます。
    ニーチェ研究や文芸批評、歴史哲学、政治提言など西尾先生のされてきたお仕事は一級に値すると思います。一般の日本人にも理解できるような論理的で明快な著述が先生の特徴ですが、それは内容について妥協しているというようなことではなく、人間にとって切実なことを真摯に考えて誠実に表現されようとされてきた結果であると想像しております。
    西尾先生が西欧文明の深遠と対決したニーチェから出発されたことは象徴的であると思います。西尾先生も含めて日本人のニーチェに対する深い洞察はその後の世代ではたとえば齋藤孝氏など教養ある人々に受け継がれていると思います。
    (学問には疎遠な素人でありますので筋違いでありましたら申し訳ございませんが)当初ニーチェという外国の思想家から出発されたと思われますが、以前に全集のうち文芸評論を拝読したとき文芸批評の対象の割合の多くが日本人作家で占められていることに少し感慨を覚えました。
    もちろん西尾先生にとっては日本人であるとか外国人であるからという区別はあまり無くご興味のあるものを批評対象とされたのだと思いますし、三島由紀夫のように外国人文学者を積極的に批評対象にした作家が西洋かぶれとか言いたいわけではありませんが、路傍に咲いた花に目をむけさせるように無名の作家も含めて多くの日本人作家に(辛らつな批評ケースも含めて)光を当てていることに感銘を受けました。
    最近では小林よしのり氏との対談シーンをネット動画でちらっと拝見しましたが、西尾先生の頭脳はいささかの衰え?もなくフル回転していることを知り大変嬉しく思いました。
    GHQシリーズは動画も含めて日本にとり貴重な財産です。

  4. 「長寿について」の一文は心にしみます。
    「人生について」をお読みになった方は、先生の別著「人生の価値について」もぜひ一読することをお薦めします。
    読むたびに新しい発見があり、なるほどそういうことかと納得させられます。だから何度も読み返したくなります。
    本の中にいったいどんな仕掛けがしてあるのかさっぱりわかりません。

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