晩春のひととき

永いあいだ、このブログに自筆の原稿を欠いてきました。近況報告をいたします。

「GHQ焚書図書開封」のTV放映を終了させました。第200回と第201回において、「最終講義」(その一)(その二)を録画し、終結篇としました。TV放映はこれで終りますが、現在11巻まで出ている書物のほうは、あと4巻くらいは出せるだろうと思います。

焚書図書は無尽蔵に存在すると思われるかもしれませんが、声を出して読み上げ、文字を追って読んでいたゞいて内容がすぐ分るタイプの本がもう見つからないのです。チャンネル桜所蔵本は2500冊くらいあります。随分さがしましたが、難しい本ばかりで、紹介しづらいのです。本さがしに疲れました。使い易い、いいテキストがあれば、放送はいくらでも続けられるのですが・・・・・・。

それでも200回はわれながらよくやったと思います。テレビ側も最終回にきれいな花を捧げてくれました。

雑誌『WiLL』が分裂するという騒ぎが起こりました。私はライターとして対応を迫られました。勿論、私は中立です。6月号としてはご承知のように『月刊WiLL』と『月刊Hanada』という、互いによく似た二誌が登場しました。私は

どちらにも協力しました。立林昭彦編集長も花田紀凱編集長も永いお付き合いで、ともに友人です。困ってしまいました。

当ブログ「日録」の筆を久しく絶っていた理由のひとつはこの件がどういう結果になるか分らなかったからで、知った情報は公開できなかったからです。

『WiLL』6月号では加地伸行氏との対談を行い、8年振りに皇室問題について発言しました。『月刊Hanada』6月号には「現代世界史放談」と題した約40枚のエッセー(16ページ)を出しました。「連作」と言われていますが、『正論』で連載をしていますので両方できるかどうか分りません。たゞ、この「放談」はいろいろ工夫がなされていて、読者の皆さんは40枚あってもあっという間に読み上げてしまうでしょう。そういう声もすでに聞こえています。

『正論』6月号には500年史の連載第16回目が出ます。前回までに取り上げた「北太平洋」の地政学的特異性と江戸の鎖国との関係を論じています。4月24日つくる会東京支部主催の講演会でお話しした「鎖国とヨーロッパ」はこれを踏まえたものでした。

当ブログに力作を寄せて下さいましたBruxellesさん、どうもありがとうございました。あなたのブログTel Quel Japonは素晴らしく面白い内容なので、リンクが張ってありますから、読者の皆さんは是非クリックして見て下さい。とても勉強になります。また今後とも過去のブログ内容の紹介をよろしくおねがいします。

3月末まで今年は寒さがこたえました。やっと今、暖かくなりホッとしています。私の健康はいろいろ問題がありますが、決定的で重大な問題はありません。ひきつづき仕事に精を出します。

全集は第13巻『日本の孤独』が刊行され、次の『少年記』をめざして整理が進められています。最近うれしいのは全集の途中から全巻購読の予約を申し込んで下さる方が少し増えて来たことです。大変ありがたいことだと思っています。感謝申し上げます。

「晩春のひととき」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。
    数日前、東京西郊の街にて西尾様とおぼしき方をお見かけしました。
    どこかで見たなあ..と考えて、ここにたどり着きました。
    (もしかしたらお人違いかもしれません)

    一見平和に見える日本、それはたぶん多くの日本人が血を流して
    守ってきたいただいたおかげで、今も昔も、ギリギリの危機的状況には
    変わりがないんだと感じております。

    奇しくも明日は昭和の日。
    昭和天皇崩御の際には、私は皇居前で泣き、ぬかずいていた人達のことが
    全く理解出来ないでいました。
    いまは、あそこまで勁い天皇が日本史の中にもそうそういらっしゃらなかったのでは
    と考えています。
    死ぬよりも辛い生、というものがこの世にはあると思います...

    時間はどんどん流れていきます。
    昭和二十年から、もう71年目になります..
    どうか、これからもお体をお労りになりながらも、日本と日本人のために
    ご活躍されることを心からお願い申し上げます。

  2. 大変ご無沙汰しております。(以前に何度かコメント投稿させて頂いた仁王門という者です。)
    お元気そうで大変嬉しいです。
    西尾先生の著作では、最近は「GHQ焚書図書開封 11(維新の源流としての水戸学)」を読ませていただき、大変勉強になりました。
    「GHQ焚書図書開封」は200回もあったのですね。お疲れさまでした。私は視聴しましたのがまだ一割くらいでしょうか。今後時間をかけてすべて拝聴したいものです。
    これは西尾先生の金字塔のひとつだと思います。是非とも永久保存して頂きたいものです。
    今後もいろいろな雑誌や著作で先生の力作が読めるのを楽しみにしております。
    (『月刊Hanada』は、正直なところ雑誌名に笑ってしまいました)
    大変僭越でございますが、くれぐれも御無理などなさらないよう、ご自愛ください。

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