九段下会議の歩みと展望 (五)

 

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   《来月の評論》

   特集 閉ざされた言語空間と「戦後神話」---60年目の再検証    「正論」9月号

     ___ 知られざるGHQの「焚書」指令と現代の「焚書」 30枚

          特集執筆者  上記論文の私のほかに石井英夫、林道義、和田秀樹、西岡力、新田均

やっと書きあげました。写真もいれます。

マンガ嫌韓流   山野車輪     晋遊舎 ¥1000
  
        5ページのコラム「外が見えない可哀そうな民族」を寄稿しました。
       旧稿改作です。

       コラム執筆者は西村幸祐、大月隆寛、下條正男の各氏。

       マンガ本体はよく描かれていて、私も知らぬこと多く、何箇所かで、
       衝撃をうけました。

九段下会議の歩みと展望 (五)

 今度日本の会社法改正(*1)が行われたわけですが、私が心配しているのは、中国が日本の企業に襲いかかってくる日が来るのではないかということです。その場合、技術を持っている日本の企業を買ってですね、技術だけさらって行って、従業員はみんな解雇しちゃうなんてことを中国はやりかねないと思うわけです。それに対応する日本の司法制度が、果してちゃんと機能しているんだろうかという疑問が最近沸き起こっていて、日本の裁判官のダメさ加減という問題が一つあるんです。ホリエモンの騒ぎの時に、クローズアップされた問題でございますけれども、リーマンブラザーズに何百億もうけられるなんておいしい話が転がっている国なんて、日本だけでしょう。

 中国はこの10年くらいしか市場経済の経験がなくて、そういう意味では全く資本主義国としては小学生みたいなのに、まるで大人のような対応で世界の市場に乗り出している。そういうことが可能になっているのは、ごく少数の人間が支配権を握ることができて、人民を安く使えるというシステムが稼動しているからだろうと思います。

 では、いつまでそういうことが可能になるんでしょうか。という問題が一つと、もう一つはアメリカがいつまでそれを許すんだろうかという問題があります。僕はどうも、後者に疑問がある。非常に不安がある。つまり、アメリカは中国の現状を利用しようと考えていて、暴露しない、あるいはこれをとことん叩きのめすと言う考えを持っていない。

 つまり、アメリカは中国の特権階級と手を結んで、利益をせしめようとしているという風に考えた方が、今の停滞した情勢を説明するのに分り易いと思っております。それが非常に心配で、先行を不透明にしている。先ほど言っているように、どうもアジアでは戦争をしない、戦争はしないどころか、アジアの悪と手を組むかもしれない、そして日本はいつ梯子を外されるか分らないという憂慮すべき思いも感じられる。表向きはアメリカは北朝鮮人権擁護法とか言ってですね、全体を一挙に動かそうとしている。北朝鮮人権擁護法は立派でしたが、そういうことをやると言ってですね、なかなか実行しないんです。

 北朝鮮を爆撃すると言ってみたりしても、口だけですね。しかもあれ、爆撃だけされたら非常に困るんで、私は望んでいない。爆撃をするんだったら、海兵隊がきちんと上陸して平壌を占領して欲しい。それだったらば爆撃してもいいと思うのですが、爆撃だけされたら朝鮮半島は完全に反米一色になっちゃいますから、そうしたら、中国の意のままになってしまいますから。僕は爆撃なんていうのは、とんでもないんで、是非ともソウルにクーデターが起こることを期待しています。ソウルのクーデターをアメリカがうまく利用するようになってほしいと、勝手に思っているわけなんです。それも夢物語で、今のところはわかりませんが、そういうことが起こる可能性も刻々と近づいているような気も最近はないわけではありません。

 しかし状況の変化をアメリカに期待しているというのも我ながら情ない話です。

 以上いろいろ申し上げましたが、もう一つこれに加えて、私が憂慮しているのは、日米構造協議以来、アメリカの日本改造計画というのが、非常に露骨で、細目にわたりしかもドラスティックで、大体平成7年くらいから日本の国内への手の突っこみ方が激しくなってくる一方です。アメリカは日本のありとあらゆる分野に手をつっこんで、注文をつけている。

 「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基く日本国政府への米国政府要望書」(2004年10月)というのをご存知ですか。電気産業から医療体制、薬品製造、商法、教育、なにからなにまで注文をつけている。われわれが世界に誇るべき医療保険制度、これはアメリカなんかとは比較にならないほど日本の方がいい。アメリカは医療保険制度はだめなんです。貧民切捨て政策ですから。それにもかかわらず、アメリカ式の導入まで求めてくるというような理不尽なことである。郵政も勿論そうなんです。郵政改革ももちろんアメリカの介入の結果ですけれども。

 そういうことで、大体、今日は持ってきておりませんけれど、すべてペーパーでておりますから、これ全部ペーパーは隠してやっているんじゃないんですよ。もう米政府は全部、中国政府もそうなんでしょうけれども、全てのデータをわれわれが丁寧に読めばみんな分る仕組みになっている。突然起こる話じゃなくて、何年も前に起こっている話で、何年も前にアメリカは文章にして出しているんです。それを日本が読み解いて、そして警告して、これこれはNOだというそういうことがないできた。なくて日本の金融庁も経済産業省も、すべてのお役人が唯々諾々と言われたとおりの法案を、毎年のようにあげているわけですよ。イギリスのサミットの後にも日米のこの面の書類の交換が行われているはずです。

 すべてアメリカの言いなりになっているというのが現状でありまして、これは私が一回論文に書きましたように、日本企業の株価をどんどん下げていって、アメリカの株価との落差がものすごく大きくなったところで、三角合併ということをやらせる。日本の株式会社を買い取るという、つまり一番日本の株価を下げ、アメリカの株価との大きな差ができるまで準備を整えて、10年ぐらいの忍耐で、あるいは15年ぐらいの時間をかけ、そして怒涛のごとく、アメリカが日本の買取を始めるんではないか。つまり日本の産業がすっかりアメリカに買い取られて、主体性を失ってしまうんじゃないかというような恐怖を私は抱いている。いいかえれば米中二つの谷間の中で、虎視眈々とこの国は狙われているというのが、私が憂慮している最大の問題です。

 そういう怖いアメリカに日本は安全保障の面で、中国に対抗するために全面的に頼らなくてはならないという矛盾した、絶望的な状況にあることは誰しも知る通りの現実であります。

*1)
民法や刑法と異なり、「会社法」という名の法典が存在していたわけではない。
しかし、平成17年に会社法分野における商法の大改正が行われ、商法第2編、有限会社法、商法特例法を一つの法典にまとめ、「会社法」として独立することとなった。(2005年6月29日成立

*)
リーマン・ブラザースの一連の取り組みによる利ザヤは100億~200億の間とされている。

「九段下会議の歩みと展望 (五)」への2件のフィードバック

  1.  この記事とは直接関係無いのですが、
    こんど25日に男女共同参画基本法の改定に向けた、参画会議の答申が
    でたようです。どうも「過激な性教育の“周知徹底”」が盛り込まれた
    との噂があるのですが、どうなのでしょうか。
              ーー「新・国民の油断」愛読者を代表して。

  2. 「マンガ嫌韓流」の著者のHPより

    (転載開始)
    2005/7/27 今日のぐだぐだ
     皆様、お買い上げありがとうございます。さて、「マンガ嫌韓流」情報。

    朝日、読売、産経など主要紙全てに広告を断られたそうです。理由はわかりません。
    本日の東京スポーツに記事が掲載されました。
    文春から連絡があり、記事の掲載を見合わせることになったらしいです。
    「ムハハのたかじん」(関西テレビ)で紹介されるらしいです。

    ええと、ぐだぐだ日記の日付けの件ですが、1日早く記載しております。

    http://propellant.fc2web.com/index.html
    (終わり)

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