若い三候補者応援の旅

明日9月1日19:00~日本文化チャンネル桜に出ます。

報道特番
《西尾幹二が郵政改革を斬る!!》

当日録でも、チャンネル桜の許可の下、動画を配信する予定です。

 私はこの夏、たまたま二着の夏服をしつらえた。なぜ二着かというと、二度つくりに行くのは面倒だからである。そしてまた、一度つくると何年もつくらない。

 よれよれになるまで着て、また慌てて二着または三着をいっぺんにつくる。不精なのである。

 大分、宮崎、静岡を二日で回る真夏の衆議院議員候補者応援の旅は汗だらけになりそうである。私は着古したよれよれの服を着て行こうとしたら妻に叱られた。

 二着のうち一着はまだ着衣に及んでいない。着ないで秋になりそうである。来年の夏にはもうその新しい服を着ることが出来ない身になっているかもしれないではないか、と妻は言った。

 これは嫌味でも皮肉でもない。私は二度重病で倒れている。

 私は手を通していないチャコールグレーの新しい夏の背広を着て、長距離の旅に出た。

 私はこの旅を自分から発起した。無駄なことをする、止めなさい、とは妻は言わなかった。黙って送り出した。

 8月15日の靖国の境内で日本会議事務局総長の椛島(かばしま)有三氏に私が今度の選挙で守りたい六人の名を挙げた。椛島氏の意中の名とぴったり一致した。私は応援に行きたいと言った。協力しましょう、と氏は言った。

 日本会議やつくる会やモラロジーやキリスト教幕屋や自民党県連、市議会議員、その他関連団体の方々が行く先々で私を迎えて、案内してくれた。椛島氏や同会議の松村氏が大分で待っていて下さった。

 旅に出る前日の26日夜中に、『Voice』10月号の原稿25枚が終った。23日に岩手から帰った直後だったので、執筆時間は正味二日間だった。いつもこんな風に時間の綱渡りをしている。いつまで体力がつづくだろうか。

 『Voice』は〆切りから発売まで2週間もかかるという作者泣かせの例外的な雑誌である。26日は最終〆切りで、雑誌の発売日は9月10日である。内容がいい雑誌なのに、『正論』や『諸君!』に立ち遅れがちな理由は多分この日程の不合理にある。

 9月10日では何を書いてももう11日の選挙投票日に影響を与えることはできない。私はコピーを作成し、3人の候補者にせめて読んでもらおうと、三つの封筒の中にそれを入れ旅の鞄に収めた。

 27日の夜羽田空港ホテルに泊まって、28日13:00~15:00、大分市でE氏激励講演会。それから列車で3時間半かかって宮崎、乗り継いで都城まで45分。幹線を外れると、列車は旧式で汚れている。日本の鉄道は決して生き返っていない。民営化は末端を貧寒とさせる見本である。

 F氏激励講演会は20:00~21:00。ここまで椛島さんも同行、かつ熱弁をふるわれた。終って椛島さんは夜行で大分に帰られるので、彼の方が大変だなと思った。私は支援者たちと芋焼酎で乾杯。候補者たちの武運を祈る。

 都城の宿で『Voice』編集部から電話が入り、拙論のタイトルが正式に決まった。すなわち「狂人宰相、許すまじ」。

 この論文は臨床心理学の某教授との合作である。織田信長との比較論でもある。しかし、約4分の3はエコノミスト各氏の意見をも引例して郵政民営化をめぐる経済学上の議論を基礎に置いている。勿論、法案を私なりに緻密に読んで分析している。

 翌29日朝、車で鹿児島空港へ。そこからJALで中部国際空港に降り立った。二人の関係者が迎えて下さった。この空港は初見参である。

 空港から長距離バスで2時間浜松へ。飛行機の中でも、バスの中でも私はたゞひたすら眠っていた。浜松でまた迎えの方がおられて、浜北市へ約40分かけて運んでもらった。

 たくさんの人たちの熱意は私のためではない。候補者のためである。彼らを当選させたいという多くの人の熱い思いが結実した現われである。

 18:00~20:00K氏激励講演会。会場は三つどこも満員で、感情の高ぶりに満ち溢れていた。

 三候補者の様子、状況、観測、見通し等は読者の関心でもある処と思うが、今は書かない。たゞ三氏ともに活力に満ちて、元気だった。

 帰京した翌日8月30日に選挙戦が全国一斉に正式に始まった。衆議院の選挙に応援の無償の講演会を自分から希望して行うなどは私の人生でも初体験である。私に体力の余裕があるわけではない。私の時間はとても切ないほどつねに足りない。

 なにものかへの私の憤りがたゞごとではないことだけは理解してほしい。

 私の講演会に呼ばれた人たちは候補者を支援する各団体の活動家たち、協力者たちである。だから熱心だし、私の話も分ってくれる。

 それにくらべ、候補者が相手にするのは大衆である。さぞ大変だろうな、と同情する。

 帰京して日録を見たらコメント欄に私の所論を読まずに、日録の文章にだけ反応している人が多く、『Will』の拙論をきちんと読んで論評して下さった方はわずかひとりであるのを残念に思った。

 日録はご覧の通り私の郵政民営化批判の論述展開の場ではない。私の論述は、再度確認しておくが、次の通りである。ぜひこれを読んで論評してほしい。
 
 ・小泉「郵政改革」暴走への序曲(20枚)『Will』10月号
 ・小泉首相の「ペテン」にひっかかるな(6枚)『正論』10月号
 ・狂人宰相、許すまじ(25枚)『Voice』10月号。

 尚、私は31日に文化チャンネル桜で「郵政民営化の正体」を単独スピーチ録画してもらう。放映時間は先方に任せる。

 さらに、東京でも講演をする。以下の通りである。

緊急集会!―郵政と拉致と教育を考える―

●登壇者:西尾 幹二氏(評論家)
       西岡 力 氏(救う会副会長)
       椛島 有三氏(日本会議事務総長)
●日 時:平成17年9月4日(日)
      午後2時開場 2時半~4時半
●会 場:ゆうぽうと 6F会議室「菖蒲(あやめ)」
      Tel 03-3494-6339
      東急池上線大崎広小路駅徒歩1分
      JR・都営地下鉄五反田駅西口徒歩5分
●主 催:郵政と拉致と教育を考える東京都民の会
●後 援:日本会議東京本部
●参加費:無料
●お問合わせ:〒153-0042目黒区青葉台3-10-1-601
        Tel 03-3476-5695
        Fax 03-3476-5612(担当:藤井)

9/1一部修正

「若い三候補者応援の旅」への3件のフィードバック

  1. 西尾先生、暑い中、応援行脚ご苦労様でした。
    私もこの方たちこそ日本に必要な政治家だと信じております。
    国家観の欠落した首相によって抹殺させてはなりません。
    人権擁護法案が秋にも再提出される可能性があります。
    古賀誠が執行部に媚びへつらい、自説を曲げ、自民党公認を姑息にも得たのは、このことの目論見のためでしょう。
    また公明党の選挙協力をありがたがってる自民党執行部に、この法案の危険性などどうでもいいことのようです。
    私も、当該選挙区民ではないけども、おばさんたちのお茶の時間に世間で言うところの「造反議員」の中に、新党に属さない、日本の宝である政治家さんがいらっしゃることを伝え、人権擁護法案の危険性も話すことで応援したいと思っております。

  2. 先ほどチャンネル桜見終えました。

    あれも言いたい、これも言いたい・・・・西尾先生は、盛りだくさんの内容をお話になりました。

    早く動画がアップできればいいと思っています。
    (うちのはなぜか録画できないので、ちょっと事情が複雑です)

おばさん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です