小泉首相批判について (三)

それでも世間では、小泉首相は今までの首相がともかく誰もやらなかったことを幾つかなしとげたと思っているいる人がいまだに案外多い。他に代れる人がいないのだからとにかく相対的にましなこの人を降ろす理由はない、と。

 それから、小泉首相を追いつめると民主党を利し、民主党と公明党が連立を組む最悪の政権を心ならずも作り出してしまう結果になると心配する向きもある。

 さらに、小泉政権の解消が北朝鮮との国交正常化を食い止める結果に必ずしもつながらないのではないかと問う人もいる。また日本が国交正常化をしてもしなくても、金正日政権の存続には直に関係がなく、中露韓の三国が金正日政権の維持にひきつづき貢献するだろうとの予測を述べる人もいる。

 また、小泉首相は北が拉致や核をめぐるピョンヤン宣言を忠実に実行しない限り、これ以上どんな援助もしないし、巨額の資金を北に渡すことはしないと再三言明しているので、さほど心配は要らないと安心している人も多い。それでいてピョンヤン宣言に拉致のことも書かれていなかったし、首相が会談で核査察を問い糾さなかったことも人々はとうに忘れている。

 つまり、意見の大勢は小泉首相に任していてもまだまだ安心で、かりに退任に追いこんだとしても、そのあとに不安のない、より良いシナリオが思い浮かばない、という点におゝよそ一致しているのではないか。

 これらの人々に私は次のように申し上げる。

 小泉首相はもともと人間的に無責任であぶない政治家だった。そしてその個人的な冒険を好む、お坊ちゃんの遊び人体質のあぶなさが、今米大統領選の近づく国際情勢下のここへきて一段ときわ立ってきているようなので、ここいらで手を引いてもいらいたいと希望しているのである。

 私はにわかにこう言い出したのではない。前から同じ観察をしてきている。『男子、一生の問題』を読んだ方は、その4章の「ノルウェー旅行で買った一枚の地図」のくだりを覚えておられるであろう。地図を買って自分の旅の中の位置がはっきり分った経験から、正しい言葉やぶれない言論が地図と同じようにいかに必要かと述べた箇所である。

 小泉首相の第一回訪朝(2002年9月17日)から半年以上経たあたりで以下の文章を私は書いている。

==================

小泉首相は拉致の二文字どころか、核問題や核査察について何一つ宣言文に言及せずして、言われるままに黙って調印してのこのこ帰ってきた。

 私は小泉訪朝の日に、この事実をすでにはっきり問題視している。未来が見えない人間は、動物のように一寸先をしか見ずに、本能だけで生きている。テレビのキャスターたちの間抜けづらが思い出される。言葉や思想がどうしても必要な所以(ゆえん)である。

平成15年(2003年)2月21日、全日空ホテルで国際日本フォーラムの緊急提言委員会が開かれ、イラクと北朝鮮をめぐるアメリカ支持のアピールを採択して、私も署名した。その席上、田久保忠衛氏が、「ピョンヤン宣言で小泉首相が核のことを取り上げずに、10月16日にアメリカからたしなめられるという一件があったが 、年が変わっていまごろになって日本が核を騒ぎ出しても、「だから前に言ったじゃないか」とブッシュに言われそうで、まことにバツが悪い」と発言し、同席者は皆そうだと思った。

言葉と思想を持つ人間は先をきちんと見ている。政治家にそれがない。ことに小泉首相にそれがない。彼が日本人をどこへ連れて行くのかわからないのでじつに不安である。

 私たちは霧の濃いノルウェーの山と湖のただ中をさまよっている感じがする。

 何とかして一枚の地図が欲しいものだ。真の言葉の果たすべき役割がこれである。しかしマスコミが広がって、情報が多く、贋物の言論がはびこり、われわれは蹌踉(そうろう)と砂漠の中を歩いているような不確実性にさらされている。(120-121ページ)

===============

 以上の通り、私は最初から小泉首相が日本をどこへつれていくのか、支持率が高く独裁的な人であるだけに不安でならなかった。2004年5月22日の再訪朝で金正日に個人的に脅迫された節があると睨んで、いよいよもうダメだ、日本は本当に危いと思い出した今までの経緯は私の複数の論説で分ったであろう。

 小泉首相の国際外交判断力は昔の金丸信と変わらない。彼が拉致の5人をとり戻したことは事実だが、あれは北に忠実な4人を選び、米兵がらみの1人を加えて、向こうから投げて寄越した北の謀略で、日本の世論がすぐ北へ戻りたがった彼ら5人を守ったのであり、首相の功績ではまったくない。世論が燃えなかったら小泉氏は5人をすぐ北へ戻したろう。小泉内閣になってから「誰もやらなかったことを幾つかなしとげた」事実はない。「改革」は掛け声だけで、なにもまだ成果がなく、タイム・イズ・オーバーである。

 先の参議院選挙の期間中、小泉総理は「構造改革の成果がようやく出て来た、景気が回復して来た」と改革の成果を盛んに強調していたが、内実は「構造改革な景気回復」であり、米国、中国への輸出の増加によるものと分析されている。

 私はしみじみ最近、貧富の格差がこの5、6年で広がったと感じている。規模の大きい資産家が出現し、次々と邸宅を建てている反面、リストラで子供を高校中退させるローン破産者も激増している。大企業、中堅、中小企業という企業間格差、また都市と地方の景気回復の格差が広がる一方である。

 小泉政権をこのまま続ければ、自民党は確実に次の選挙で民主党に政権を渡すことになる。リベラル左翼から旧社会党まで含む民主党の政権を私は望まない。また、小沢一郎氏の無責任な渡り鳥的行動をも支持しない。早く自民党内で首相交替の手を打ってもらいたい。 

小泉退陣で、安倍政権になお間があるなら麻生太郎氏も、平沼赳夫氏、高村正彦氏もまだいて、民主党政権なんかにはすぐにならない。小泉首相はアメリカの意向も国民の反対も無視して、北朝鮮に大金を支払うようなことはない、と思っている人が多いが、小泉氏に限っては分らない。にわかに何をするか分らない。

 金正日政権の存続はたしかに小泉政権の動向とは関係ない。たゞ日本の国内は国家観をもち世界がもっとよく分っている政治家を指導者に頂いておいた方が安全である。

 半島には近く激変があり得る。北朝鮮が一番恐れているのはアメリカではなく、中国とロシアかもしれない。中露に敵対して、一転してアメリカに依存し、アメリカ軍の駐留を求めるという思ってもみない展開をしないとも限らない。戦争なしで北朝鮮に突然星条旗が立つかもしれない。ジェンキンス氏はひょっとしたら金正日のブッシュ宛の密書を携えた使者かもしれない。彼はなぜあんなに簡単に日本行きを承諾したのか。

 しかしそれは金正日が民主主義というものの力を誤認した場合で、簡単に起るとも思えない。たゞし、中国とロシアに金正日は心を許していないはずで、追いつめられて何が起こるかまったく分らない。過日の中国からの金正日帰路に起こった駅爆破テロは、中国の仕業か、北の内部の反体制派の仕業か、それが分らないので、米情報部は必死に調査中だろう。いづれにせよ、米対中露をめぐる激しい水面下のつばぜり合いが起こっていると思う。

 いよいよ何か決定的なことが起こったとき、日本が尻軽になって北朝鮮とアメリカの両方に瞞され、利用されるということがあってはならない。また、核つきの統一朝鮮の成立を許してもならない。

 目まぐるしいこれらの動きに小泉氏はいずれにせよ耐えられる器ではない。

 なお、さいごに付言しておくが、いよいよ次は蓮池薫氏が口を開く番である。洗いざらい彼があの地で高い立場で経験し、知り得たいっさいを文章にし、本にし、公開すべきである。彼と地村氏にはそれをする義務がある。

(8月3日午後加筆修正)

「小泉首相批判について (三)」への1件のフィードバック

  1. この記事へのコメント
    連続三回の「小泉首相批判」は、目の前に垂れ込める濃い霧を吹き飛ばす、「烈風」でありました。マスメディアや小泉さん自身の卓越した「目くらまし」に翻弄され続けております。コイズミさんの代わりはいますが、拉致された数百人の日本人の代わりはいません。内閣の一つや二つつぶれても日本国は大丈夫でしょう。国益を忘れずに進むべきです。
    Posted by MoMotarou100 at 2004年08月01日 16:28
    小泉首相擁護発言の多くは、過去の出来事と現在の国際情勢を踏まえた上での発言なのですが、西尾氏の発言の根拠は不明瞭でその論調はマスメディアそのもののように思える。

    TBSや朝日などは過去一貫して「北による拉致などはない、北朝鮮を貶める陰謀だ」と主張してきました。民主党の構成員である議員にも一貫して拉致を認めてない人たちが多数居ました。岡田氏に限って言えば「(最初に帰国した)5人を北朝鮮に帰さないという政府の決断は間違いだ。」「(北朝鮮に)帰る、帰らないは彼らの意思で、政府が決定すべきことではない」「北朝鮮の話を国会でするのは北朝鮮に失礼だ」と発言しています。マスコミや民主党、左よりの人たち、そしてマスコミの論調に翻弄されている保守層までも小泉バッシングに余念がありません。そして、これら小泉バッシングに走る人たちの中には、日本政府より北朝鮮のほうが信用できるともとれる発言が見られることも珍しくはなく、そしてその批判の内容がマスコミの論調そのものであることも同じく珍しくはない。先日の訪韓の際に「拉致問題、核問題などの問題を解決しない限り日本は北朝鮮を支持しない」と発言し、それを聞いていた韓国政府関係者を青ざめさせた(何故青ざめたかは理解できますよね?)小泉首相と、今なおも北朝鮮擁護の姿勢が見れるマスメディア(そもそも、拉致問題で北朝鮮を強く非難しているメディアは少なく、拉致問題の後処理は日本に問題があるとしている)、このどちらの発言が信用できるかとした場合、西尾氏はメディアだとする。果たしてそれは正しいのか。北朝鮮は正しく日本が間違っているのか。

    そもそも、小泉首相のどこが悪いと言うのだろう。外交に疎いような事をかかれているが、先のG8での成果をご存じないのだろうか、それとも知った上で非難しているのだろうか。まさか、各国の長とへらへら笑いあっている姿が問題だなどとは言うまい。前回「国交正常化を急いでいるから駄目だ」とおっしゃっていましたが、それはマスコミの作り上げた虚像であることは前に述べたとおりです。この1点を見ただけでも、失礼な発言かもしれませんが、氏の小泉首相批判は根拠のなく、メディアや半小泉勢力の発言によるミスリードに翻弄された妄言と言わざるを終えない。小泉氏が駄目だと言うなら、その根拠となる行動や発言を示すべきではないのか。そして、誰ならばよく、どのようにすればいいのか示すべきではないのか。

    某大型掲示板では「嘘を嘘と見抜けない人には(掲示板は)難しい」とある。これは掲示板だけではなくTVや新聞、書籍、何気ない日常会話にも当てはまる。つまり、すべての情報は真実とは限らない、それが正しい情報か確かめる必要があると言うことを示しています。多くの人は与えられた情報を頭から信用し、正しいかどうかを確かめない。とくに、肩書きが立派であればあるほどその人の発言を信用する、信仰する(なぜかトップの首相の発言は信用しないようですが)。特にTVや新聞の情報は政治的に平等でかつ正しいと妄信している人に多いように見受けられます。しかしその信仰が正しくない”証拠”はいくらでも見当たる。氏はもう一度、一時情報から洗いなおしてみる必要があるのではなかろうか。
    Posted by タロウ at 2004年08月01日 22:52
    私は西尾氏とは違う視点で小泉総理は就任当時から批判的であった
    小泉総理は有効な経済政策を放置し、日本を不況のままに置いている。
    それはつまり国民の事を顧みない事を意味する。
    先頃、経済的理由からの自殺が急増しているという報道もあった
    国民を不幸にしている総理に存在価値など有ろうはずもない

    まあ正男君VIPで帰した時点で外交も駄目だなぁと思ったけれど
    国民が拉致をされた国に2回もこちらから出向き、相手に賠償請求もしなければ
    非難もしない
    特定失踪者は多数居るというのに・・・これではいつまで待たされるのか?
    Posted by fff at 2004年08月01日 23:45
    揚げ足取りで申し訳ありませんが

    >ピョンヤン宣言に拉致のことも核のことも書かれていなかったことを人々はとうに忘れている。
    …本当に平壌宣言をよく読みましたか? 拉致のことは書かれていませんが、核のことは書かれています。
    http://www.dprknta.com/polotics/il-cho.html
    >双方は朝鮮半島の核問題の包括的な解決のために、該当するすべての国際的合意を順守することを確認した。
    …いずれにせよ、
    >3、 双方は、国際法を順守し、お互いの安全を脅かす行動をしないことを確認した
    …上文に「拉致問題」「核問題」が抵触していることは誰の目にも明らかであり(マスコミ連中にはどうだか知りませんが)他の方々は其の事を知っているから安心しているわけです。

    >小泉首相の国際外交判断力は~
    …ちゃんと「日朝首脳会談後の記者会見」を読みましたか?
    http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/05/22press.html
    >また、安否が不明の方々、行方不明等、この問題について、日本の家族の方々はまだ生きていると信じておられるのだから、この方々について直ちに、改めて、本格的な再調査をするように約束を求めまして、これも同意を得ました。
    核およびミサイルにつきましては、私から、完全な核廃棄が不可欠であると、国際的検証がまた必要であるということを、金正日委員長に伝えました。金正日委員長も朝鮮半島の非核化が目標である、六者会合を活用して平和的解決に向けて努力をしたい、という表明がありました。また、ミサイルについても、発射実験のモラトリアムの再確認をいたしました。
    …素人目でも、以上から分かる事は「拉致再調査・核凍結の約束」を北朝鮮がしたという事です。国際政治の場で約束を破る事は、国家の「死」に繋がります。

    >世論が燃えなかったら小泉氏は5人をすぐ北へ戻したろう。
    …起こった事柄にIFなぞを加えてもらうのは止めて頂きたい。これではマスコミの印象操作となんら変わりありません。

    >「改革」は掛け声だけで、なにもまだなく、タイム・イズ・オーバーである。
    …自民党内部の改革は進んでいるようですが。
    http://d.hatena.ne.jp/onigirinonotan/20040713#p2
    上記のページによると、親中国の橋本派が-11議席と確実に弱体化し、また連日報道されている橋本派献金事件で、もはや見る影もありません。
    http://news.goo.ne.jp/news/sankei/shakai/20040717/SHAK-0717-01-04-56.html

    最後に一つ。タロウ様と重複しますが、批判を行うのなら行うで裏付けをして頂けませんか? それが出来ないのなら発言などして頂かなくて結構です。
    貴方ほどの博識が斯様な裏付け無しの軽率な発言を行うのは真に残念です。
    僕は小泉信者ではありませんので、批判すべきことは批判しますし、評価すべきことは評価します。
    最後に、このような意見もありますので、ご参考までに。
    http://yasz.hp.infoseek.co.jp/index.html
    自分とはまた違う意見をご覧になり、それを検証してみるのも如何でしょうか。
    Posted by 火叢 at 2004年08月02日 00:54
    有効な経済政策というがいったい何なのであろう、小泉氏を批判するとき必ず出てくる「もっと有効な政策」とは言葉の上では素晴らしいが一切具体性がない。テレビや新聞でも動揺の論調がなされるが、具体的な話は余り多くない。そもそも、それほどまでに素晴らしい政策があるなら過去の首相がすでにやっていただろう。現時点で地方の景気は余り回復していないことは多くの人が知っている、しかし回復している地域もある。そのさは、政府が餌(補助金)をくれるのを口を大きく開けている地域か、そうでないかの差が大きい。不況から脱していないとはいえ多くの業界で回復傾向が見え始めていることは、経済関連のニュースなりを調べてみれば分かることだ。

    自殺者の時計データを見ると、バブル崩壊と消費税導入が引き金でその数が激増し、徐々に増えているのが実情。増えている経済的理由と言うのは正確には、いわゆる、高利貸し系金融機関にお金を借りて雪達磨式に借金が増え、返済できなくなった人の事を指す。おそらく、誰が首相であったとしても増えるであろう。そして、今後も増えるであろう。首相を批判するからには、決定的な解決策があるのでしょう。是非、首相官邸のHPから意見を送ってみてはいかがだろうか。まさか、解決策がないお話なのにもかかわらず、解決できない首相を批判しているわけはないだろうと信じる。

    金氏を拘束しておきながら開放した原因は、当時の外務省と田中真紀子氏に責任が多かったと考えるのが妥当であろう。当の田中氏も秘書給料を理由にきっぱりと切られ、いまやテレビで首相の悪口を言うだけの政治家に成り下がってしまった。私の意見としては当然の報いであろうと考える。

    一国の首相が、他の国に乗り込み損害賠償と謝罪を求めるなどと言った愚行をするのは中国と韓国だけで十分だ。そもそも、外交の場で、特に独裁体制の国で、相手を名指しし非難する人が外交を上手く行えるとは思えない。非難され、互いの国民の感情が悪化するからといって、相手国に折れるのは、20世紀の日本だけであって欲しい。外交とは駆け引きで、騙し騙しあいで成り立っている。相手をおだて、経済支援という餌をちらつかせ、拉致被害者を奪還したのが小泉首相である。
    Posted by タロウ at 2004年08月02日 00:56
    07月28日の小泉首相批判について(二)で
    西尾先生の下記のような発言がありましたが

    >家族会は最近、民主党の岡田代表を頼りにし始めている。

    「(拉致被害者)5人を(北朝鮮に)返さないと政府が決める必要はない」

    岡田氏はかつてこのような冷酷な発言をしていましたよね
    確か諸君の平成15年12月号の横田夫妻と救う会の佐藤会長の対談で、
    岡田氏が今でも発言を撤回していないと佐藤会長が指摘すると
    横田早紀江さんが「発言を撤回しなかったのか」驚いているくだりが
    あったと思いましたが、その後なぜあのような発言をした岡田氏を
    家族会が頼りにするようになったのか、私が調べた限りどこの
    マスコミの報道にもないし、検索しても見つからないので
    教えていただけませんか?

    Posted by 小村益次郎 at 2004年08月02日 14:00
    >>タロウ殿
    就任して3年経ってまだデフレ。これで十分かと思うが
    株価も未だ就任当時より低い
    デフレの弊害については以下を参照願いたい
    http://bewaad.com/archives/themebased/reflationfaq.html
    http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9426/QA031017.htm
    http://www.geocities.jp/pcs06083/intage.htm

    景気回復策については↓を
    http://allabout.co.jp/career/economyabc/closeup/CU20020630A/index.htm
    まともな経済政策については故小渕首相がやっておられた。
    残念ながら道半ばにして倒れてしまったが

    田中真紀子が金正男を帰したがっていたのは事実のようだが、
    問題は政府がそれを認めていたかどうかだ
    認めていなかったとしたら、そもそもVIP待遇で帰す事は出来ないだろうし
    仮に田中真紀子の暴走としても、そうであるなら金正男返還と田中真紀子更迭が
    ほぼ同時でないとおかしいと思うのだが

    それから、小泉支持派の方は自公融合をどう考えているのか?

    質問等有れば掲示板の方にお願いする

    Posted by fff at 2004年08月02日 23:40
    今回の西尾氏の小泉首相批判、もちろんいろいろ首肯ける点も多いの
    ですが、一方で状況や世論を正確にとらえていない面もあると
    思います。

    まず、小泉首相の個人的資質についてですが、これは郵政相時代や
    エイズ薬害事件での対応を見ても、あの土下座パフォーマンスをした
    菅直人と同じくらい、信用のできないいいかげんな人格である
    ことは、多少人を見る目がある人なら誰でも見抜いていることで
    あろうと思います。
    ただし、一方で、彼は支持率が下降しかけたときに見せるパフォーマンスが
    うまい。これまでも支持率が落ちきってしまう前に、なんからのヒット打を
    ものにしてきました。北朝鮮に拉致を認めさせたのは、やはり非常に大きな
    功績だったと思います。これによって、多少北に同情的だった人でも
    さすがに、あの国はだめだということをはっきり悟ったのですから。
    こういう功績は、是々非々で認めていかないと、小泉追い落としは
    成功しません。

    最後に私が西尾氏に伺いたいのは、では誰が次期首相にふさわしいかと
    いうことです。まだ期が熟しているとはいえませんが、自民党内を
    見回しても、主流派閥には西尾氏が満足しそうな政治家はいないと
    思います。唯一、石原慎太郎という選択がありますが、これはまだ
    自民党に抵抗が強いのではないか。相当苦しくならないとこの一手は
    打てないのではないか。しかし、石原慎太郎なら国民とも一体になった
    前向きの政権が可能という気がします。
    現在の不況は、将来に対する心理的不安によるものが大きいので、
    信頼できる政権は経済的にも上向きの効果をもたらすと思います。

    小泉首相の悪口も結構ですが、それはみんな周知のことなので、
    ぜひ、では誰に、どういう政権が望ましいかについて西尾氏の意見が
    伺えればと思います。

    Posted by 松田 at 2004年08月03日 01:05
    >fff殿

    >それから、小泉支持派の方は自公融合をどう考えているのか?

    小泉支持派は自公融合を避ける為に、『自民党単独過半数であるべき』が基本主張。

    民主党と自民党が拮抗すれば、公明党がキャスティングボード握るのは自明の理。
    自民苦戦になれば当然票田である公明に接近するのも、組んだ当初から判りきっていた事。

    反公明を鮮明にするならば、反自民ではなく逆に自民党の勢力を強くしなければ
    切るものも切れないと判るはず。それを反自民で解決しようと考えるなど思慮が足りない。

    それに民主党と公明党は、外国人参政権で超党派で合意している。
    また、政策面で似通った部分も多い。
    つまり、反公明だから民主党を支持するというのは、正に愚の骨頂。
    民公融合の可能性も予測できないならば、天下国家を語るには未熟だろう。

    「麒麟も老いれば駑馬にも劣る」というが、反小泉を掲げる保守は
    一度顔を洗って、周りをよく見なおした方が良いではないだろうか。

    反小泉の論拠はどれも感情論か人格攻撃であり、実際に彼がした功績に対して
    是々非々で論ぜなくなった時点で、幻想的平和主義ならぬ幻想的愛国主義に
    染まってるに過ぎない。向いてるベクトルが違うだけで、現実を見ていない所は
    左翼主義者と根は同じである。それとも保守論壇とは所詮その程度なのか?

    聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥ともいう。
    一時情報に当たらず、二時情報を鵜呑みにするようでは、お里が知れるというもの。
    意固地に固執するよりも、冷静になって判断を変える事は恥ではない。

    それを思想的敗北などと思うのなら、象牙の塔に引き蘢っておればよい。
    Posted by 田中 at 2004年08月03日 01:38
    >>田中殿
    私は民主支持ではない。小泉批判だが自民支持派だ
    反公明を掲げるなら自民を強くしなければならない、まさにその通り
    しかし小泉政権である限り自民の勢力は弱まるばかりだ
    昔からの自民党の支持基盤を小泉政権が壊しつつある。
    このまま行けば3年後には確実に自公連立解消、民公連立政権誕生だろう
    それは先の参院選を見ても明らかである
    自民の勢力を強くするのであれば小泉は落とさねばならない

    この辺に関しては応援掲示板で書いてあるので、
    反論等あればそちらにお願いする
    Posted by fff at 2004年08月03日 07:25
    1でも書きましたが、じゃあ、誰が首相として相応しいのか?
    私とて積極的に小泉首相を支持している訳ではありません。
    確かに言えることは岡田克也代表は論外だと言うことだけですね。
    小沢氏も自衛隊撤退発言をした程ですからとても首相の器では
    ないと私は判断しています。

    なんら代案を示さない記事を書くのならそこらへんの雑誌記者でも
    やることであって卑しくも正論/諸君!、文芸春秋に度々寄稿して
    いる保守論壇の論客の書くことではありません。記事としては
    余りにも程度が低すぎます。とても西尾氏の記事とは思えません。

    もし、どうしても小泉下ろしをお望みなら、せめて誰が次期首相
    に相応しいかと言うことを示して貰いたいですね。その前に
    朝日新聞などに巣くう反日左翼勢力を叩きつぶすのが先決だと
    思いますがどうでしょうか?保守同士の議論はそれからでも
    遅くは有りますまい。
    Posted by abusan at 2004年08月03日 10:47
    >家族会は最近、民主党の岡田代表を頼りにし始めている。

    この程度の認識ですか?貴方の拉致被害者に対する認識とは。
    家族会が岡田代表を頼りにしているとは到底考えられない。
    安倍幹事長を頼りにしているというのなら話は分かりますがねぇ。

    そもそも岡田代表は「5人を北朝鮮に戻せば良い」と発言した程
    であり、到底、拉致被害者の立場で考える人とは思えませんね。
    もっともこのことは嘉納の様な極左を比例候補として当選させた
    ことからも判るのですが。

    電脳補完録あたりで民主党の動きを読み直して欲しいですね
    http://nyt.trycomp.com:8080/modules/news/

    全くシロウトじゃあるまいしって。
    Posted by abusan at 2004年08月03日 11:16
    小泉総理の解りにくい点は”日本という国家を再建させる””日本という国家を破壊する”というどちらの勢力からも戦略が成り立ってしまうところにあるように感じます。

    8月13日に靖国参拝、自虐的な談話
    近年ようやっと靖国に行く総理が出たんだからいいではないか!
    >仮面保守を装って保守系のガス抜きと支持を集めさせよう。自虐的史感の刷り込みは続けているわけだから良しとしよう。

    自民党をぶっ壊す
    次々と抵抗勢力をつぶしていくじゃないか!今は抵抗勢力をつぶしつつ自民党を維持していくしかないだろう
    >唯一の保守政党を衰退させれば後はこちらの思いのまま、我々の日本支配は着々と進んでいる、予定どうりだ。

    日朝平壌宣言
    直接的には拉致に言及していないが、よく分析していくと間接的に拉致と核の事も書いてあるし外務省があのざまだから今はこれで良しとするべきだろう。
    >植民地支配謝罪の文言は入れたしこれで半永久的に特権の確保はできた。

    朝鮮総連への挨拶/朝鮮総連大阪本部への強制捜査
    徐々に総連包囲網が狭まっている、小泉内閣になって初めて闇に切り込んだ。やはり小泉内閣だ、総連への挨拶は釣りだろう?
    >一部には小泉を疑っている勢力もいる、ガス抜きもかねて査察を入れておこう。予定調和だ。

    外国人永住権の法案の審議開始
    公明の力が増したからしょうがないが審議の段階でつぶしてくれるだろう。または会期終了で廃案に追い込むんだろう。
    >審議までたどり着いたから良しとしよう、後一押しだ。

    中国、韓国へのビザ申請区域の拡大とビザ免除の検討
    地方の経済再建とか何とか博だかのためにやるんだろう?一度痛い目みないとわからないのかね?
    >永住外国人地方参政権とビザ免除、これさえあれば北朝鮮崩壊後は韓国のパスポートを発給することで難民はすべて日本に合法的に送り込めるし地方自治区を完成することができる。カジノ議連の設立?我々は合法的に国と地方の財政を手に入れたから好きにしてくれ。

    確かに小泉総理には芯の通った思想信条がないように感じられます。二つの勢力の戦略を考えた場合に”日本という国家を破壊する”勢力に荷担していると感じた者は早期に退陣させようとし”日本という国家を再建させる”勢力の人間だと感じているものは支えようとする。支えなければ保守勢力が衰退してしまうではないか、なぜ支えない!
    これに関しては”保守勢力の維持という戦略の中での小泉おろし”でないところにジレンマがあるように思います。

    いや”海保の増強、PSI演習の実施とかその他いろいろやっているではないか!小泉内閣になってはじめて動き出したでしょう!”
    永住外国人地方参政権とビザ免除による無制限の移住、自治区の設立が最終目的であればその他のことなどどうでもよいことです。
    いや日本版CIAの設立も検討してるではないか?合法的な移住計画が実行できればその後はおとなしくしてれば良いしゆくゆくは国政選挙にも進出可能ですからね。

    私も以前に”日本という国家を建設する”勢力の側からの投稿をさせていただきましたが、反対勢力の側に立って見直してみると?と感じる部分もあります。もちろん上記以外にも”日本という国家を建設する”勢力が支持できる事はたくさんあると思います。しかし彼が””日本という国家を破壊する”勢力の一員であったなら本当に恐ろしいですね。もちろん上記はすべて幻想ですが。

    さてどうしたらいいでしょうか?

    Posted by とうりすがり at 2004年08月03日 23:36
    本筋ではないですが、すこし気になったので。
    西尾氏をふくめて、ここでは朝日新聞などのマスコミを左翼的と評することが
    多いようですが、もちろん彼らは左翼でもなんでもなく、ただの優等生です。
    一番とおりのいい、世間に反撥されない、おりこうさんに見える
    言説を縫って書いているだけで、彼らに主義主張などあろうあずも
    ありません。
    優等生は、教科書に書いてあることをうまくまとめて、いい点をとって、
    いい会社に就職して、いい暮らしをすることだけを考えているので
    あって、なにが正しいとか、そういうことはどうでもいいのです。
    もちろん、西尾氏はそういうことをわかった上で、左翼という言葉を
    使っているのでしょうが、一般の人が誤解しやすいので、サヨクと
    書くべきでしょう。

    また、自虐史観と一般に言いますが、もちろん彼らは自分のこととして
    戦前日本の歴史を捉えているのではありません。都合の悪いことは
    全部他者のこととして抛り出して、他人を非難するという形で責任転嫁
    しているわけで、こういう心理的投影、外在化を「自虐」という言葉で
    あらわすのは適当ではない。無責任史観とか連合国史観、勝者同一化史観
    とでも言うべきなのでしょうが、いまいちいいネーミングではないですね。
    敗戦国民はおしなべて、こういう心性に陥りやすいわけで、大衆を相手と
    する新聞としては通りがいいわけですね。
    しかし、朝日が批判する内容は、だいたい朝日新聞社自身に一番当てはまる
    内容なので、いくら優等生でもたちが悪い。人間で言ったら、東條英樹が
    戦後になって軍国日本を批判しているようなもので。
    これと戦争中、アメリカに協力した社会主義者たちが占領憲法を擁護する
    のはまた別の問題でしょうね。(あ、おれも右翼っぽくなってる)

    Posted by 松田 at 2004年08月04日 00:59
    本来の趣旨とかけ離れた書き込みを行っており恐縮です。これで消えます。
    私は上記で”永住外国人地方参政権とビザ免除による無制限の移住、自治区の設立が最終目的であればその他のことなどどうでもよいことです”と書きました。これに”国交正常化、米国の北朝鮮人権法案、日米同盟”を加えて追記します。
    小泉総理は拉致問題と核の問題この両方が解決されないと国交正常化は行わない”と言われています。
    米国の北朝鮮人権法案では韓国での拉致問題の解決”も謳っています。北朝鮮にとっては極めて不利な状況です。ここからもっとも北朝鮮に有利なシナリオを考えてみます。まず核問題に関しては日米同盟の要であります、アメリカはけして妥協しないでしょう。この点においては日本と韓国はアメリカに従います。次にどこかのタイミングで日本政府と韓国政府が拉致問題は解決されたと宣言します。これで日本側の正常化条件、北朝鮮人権法案もクリアーできた事になりオールクリアーです。アメリカからの援助も受けられることになります。
    ここに永住外国人地方参政権とビザ免除による無制限の移住、自治区の設立ができていた場合を加えると、アメリカの国益を害さない状況で北朝鮮の人間を合法的に日本に送り込むことができます。
    何が言いたいのか?北朝鮮という国はなくなりますがそのエッセンスは日本に移住でき、いように日本をむさぼれるわけです。でもそんなこと不可能だろう?日本政府与党には積極的に選挙権を与えようとしている政党があり、また韓国政府も積極的に成立させようとしていますよね。現在の韓国政府の親北ぶりは北に乗っ取られたのではないか?というくらいですよね。つまり積極的に選挙権を与えようとしている政党が日本政府であった場合には可能になります。韓国政府にしても見かけ上米国支持をしておけばいいのですし拉致問題には極めて消極的ですよねなんでかなー(今現在はそんな風に見えます)。日米同盟は核問題解決で守られたわけですから、これにて米国、乗っ取られた日本政府、韓国、北朝鮮の利害が一致します。思いのほか自衛隊のイラク派遣に積極的なのは日米同盟の維持に役立ってますね、確か裁判員制度も熱心に推奨してたんでしたっけ?裁判員は”選挙人名簿”に記載されている人から選ばれるんでしたっけ?このとき日本人ではない人が選べれていたら日本人ではない被告には有利になったりするんでしょうか?
    この後はひたすら日米同盟の堅持さえすれば米国の利益に反しないのでやりたい放題ですよね。尚且つこの政府が成立した時点で完全小選挙区制も実施すれば政府も維持できてすばらしい世界が始まりますね。つまらない三流小説の受け売りで妄想です。では

    Posted by とうりすがり at 2004年08月04日 02:48
    コメントには固有のHNでお願い致します。

    本日の朝刊(中国新聞 8/4)

    北朝鮮支援 第一弾52億円相当
    政府計画年内供与 食糧12万5000トン

    与党内では「安否不明者の再調査問題で北朝鮮が誠意ある示さない限り、安易に行うべきではない」(閣僚の一人)との慎重論があるが、首相の約束を実行することで再調査で前向きな回答を引き出す方が得策と判断した。
    Posted by 年上の長谷川 at 2004年08月04日 09:32

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