(上映がおわって)
西尾先生ありがとうございました。皆さんの御協力により、大変盛会となりました。本日の参加者は380名を越えたと思います。有り難うございました。 本日、埼玉大学の長谷川三千子先生は別のシンポジウムに出ておられるので残念ながらご欠席となりましたが、月刊誌『Voice』五月号、つまり4月10日発売号で、長谷川先生と西尾先生とが、『江戸のダイナミズム』をめぐる徹底討議を行っていますので、一週間後に雑誌がでたら、ご注目下さい。月刊誌『Voice』でございます。 さて、あっという間に時間が流れてしまいました。
ここでお二人から中締めのご挨拶を一言ずつ頂きます。拓殖大学日本文化研究所所長、評論家の井尻千男(いじり・かずお)先生、東北大学名誉教授、田中英道先生、ご登壇よろしくお願い申し上げます。
井尻先生と西尾先生は古い友人でもあり、「文学と政治」という、かつて時代を画(かく)したテーマを、ともに語り合える数少ない友人のおひとりだそうです。
それでは井尻先生、御願いします。
男たちの数寄の魂 井尻 千男 (2007/04) 清流出版この商品の詳細を見る |
井尻千男氏のご挨拶
ご紹介いただきました拓殖大学の井尻でございます。
あっというまに中締めの挨拶ということでございますが、この会場に西尾先生とお付き合いの古かった方は当然、学生時代からの友人も沢山きていらっしゃると思います。私はジャーナリストとしてかなり早く、西尾先生のヨーロッパ像の転換でしたかね、その頃、椎名町の木造アパートに新婚所帯を持っておられた西尾先生、その頃からおそらく40年くらいになりましょうか、ずっと西尾先生の仕事を下の方から眺めていた人間にすぎません。
しかし、私なりにこのニーチェの研究家である西尾先生が、いつどういう形で、日本の方に回帰してくるのかということに関心がありました。ニーチェ伝上下二巻の大著を出した、これでニーチェを卒業して、これからが西尾先生の日本回帰といったら単純すぎますが、ヨーロッパと日本を繋ぐ、あるいは今度のように、シナ文化を三つの拠点から眺めた大きな仕事、その中心がまさに文献学です。ニーチェが非常にこだわっていた、古代ギリシャのディオニソス、そういう形で西尾先生が日本回帰といいますか、回帰というよりも、もっともっと大きな比較の中で、日本文化が如何に突出していたかということを示してくださいました。
あの大変大事な年表と、人の文献考証学の始まった年代の比較なぞ、表を見ただけでも、ぞくぞくするようなものでした。そういうことで、私は西尾幹二先生を中心にしながら、新しい日本学、新日本学が今、勃興しつつある、そんな風に思っております。私自身も裏方として、この新日本学の勃興に、少々でも関われることが出来れば幸いと思っております。そういう意味で、西尾先生の永年の業績に感謝すると共に、これからの日本学の一大拠点を作ることで、西尾先生のこれからの人生を送っていただきたいという私のお願いで、中締めの言葉とさせていただきます。
どうも今日はありがとうございました。西尾先生、本当におめでとうございます。
みなさん、ありがとうございました。
井尻先生、ありがとうございました。
つづく