皇室と国家の行方を心配する往復メール(一)

 友人の鏑木徹さん(一級建築士事務所 空工房代表)から、メールをいただいた。皇室と国家の行方を心配した内容であった。私も応答した。多くのかたがたにご関心のあるテーマと思われたので、二往復分の内容を公開する。

鏑木さんから西尾へ

西尾先生
突然メールいたしますことお許しください。
坦々塾生の鏑木徹です。

秋篠宮殿下が「皇族は少ないほうがよい」と御発言されました。
昭和天皇が三笠宮様を疎んじておられたという話や、今上天皇も皇族にしては大胆な発言が多すぎる寛仁親王など三笠宮家の方々に不信感を持たれている結果が、秋篠宮殿下の御発言に繋がっているのではないかと考えます。

もしこの考え通りに皇室が天皇直系のみとなったら、工作機関の皇室破壊・日本崩壊工作がやり易くなります。

いずれ天皇が平民宣言され、慈善団体のひとつとなられるのではないでしょうか。
ある会合で皇族系の慈善団体の方が、北朝鮮擁護のスピーチをされるのを聞いたことがあります。すっかり皇族系の能天気さが厭になりました。

すでに雅子妃による皇太子家工作はほぼ完成されつつあり、天皇皇后への工作も大分進んでいる様に見えます。

雅子妃の精神病は、西尾先生がおっしゃる通り仮病ではないでしょうか。
多分に小和田家を経由するコミンテルン等の工作ではないでしょうか。
今、大東亜戦争時のフランクフルト学派コミンテルンの工作を書いた若狭和朋さんの本を読んで衝撃を受けています。

雅子妃は病気を理由に皇太子を巧妙に籠絡し、愛子様を洗脳し、そして天皇皇后の孫可愛さの優しい心につけ込んでいる気がします。

たぶん、皇太子を身近には近づけないのでしょう。お労しい限りです。

愛子様不登校のモンスターペアレントのごとき雅子妃の行動は、皇室を貶める工作のひとつではないでしょうか。

国民の心を平民の情感レベルで皇室に近づけることで、結果、神々しい天皇(皇室)観がどんどん無くなっていきます。

そして国連施設などに出入することも、もし健常者であったならば大変な非難が起こり通うことは不可能になるでしょう。

日本崩壊を狙う勢力は天皇を落とすのが一番だと知り尽くしています。
昨今の男系女系の皇位継承問題も、何か仕掛けられているような気がしてきます。
それに乗って詰り合う、小林よしのり・桜チャンネル水島社長を見ていると、参院選を前にして保守陣営の分断を操作されているような気がしてなりません。

この前の西尾先生の講義で、これから先生の扱うテーマは国体及び政体の話になると推察しました。
そして天皇の御親政の再現に言及されるのではないかと思っております。

もはや日本は、政治家の精神が腐敗してしまい、政体・政治形態の変更に着手しなければ、閉塞状態から抜け出せないのではないかと思います。

今回の平沼新党も下手をしたら、自民党、民主党と同じ様な政党がもう一つ出来た、ということに成らないでしょうか。

以上、最近の思いを述べさせて貰いました。

私は今風邪を引きまして、苦しんでおります。
気候の変わり目で体調維持が難しい時期です。
先生は皆にとっても大事なお体ですので、体調に十分お気をつけ下さい。
失礼いたしました。

鏑木徹 拝

西尾から鏑木さんへ

鏑木徹様

 メールをありがとうございました。率直なお言葉で書かれてあり、あっあっと思いながら一息に読みました。衝撃的な内容でした。

 とりわけ「いずれ天皇が平民宣言され、慈善団体のひとつとなられるのではないでしょうか。」の一行に目が釘づけになりました。そこまでお考えになっているのですね。

 私などはまだ甘く、夢想的です。無理のないかたちでの旧宮家の復活や眞子様・佳子様とのこれも無理のないかたちでのご縁組が実現すればいいが、とまだ楽天的に考えています。しかし貴方がすでに仰せの通り、天皇家の側がそれをもう望んでいないのかもしれませんね。

 なにしろ情報不足なのです。秋篠宮家が学習院ではなくお茶の水附属の幼稚園を選ばれたのも、真意は分りません。東宮家の愛子内親王と共学になるのをお避けになった、というのが一番有力な理由かと思っていますが、それもわれわれ一般民衆の考えかもしれません。そうではなく、眞子様がICUに進学された例も含めて考えて、皇族の行かない一般の普通のコースを理想としていて、それが貴方の言ういわゆる「平民宣言」の準備なのかなと思うと空恐ろしいですね。ですが、単純に三年保育の幼稚園を求めたということにして余計なことは考えないでおきましょう。

 でも、皇室が旧皇族を避け「天皇直系」のみとなったら、貴方のいう通り先細りするだけであり、ますます工作機関の破壊工作はやり易くなるというのは本当のことですね。工作機関は今はコミンテルンではなく、中国系であったり、アメリカ系であったり、宗教系であったり、いろいろです。皇室の外務省支配を私は憂慮しています。それから何度も書いてきましたが、長期にわたる雅子妃のたった一人の担当医による情報独占は恐ろしいのです。

 それからまた、貴方のいう通り、いまその時期でもないのに、小林よしのりさんや水島総さんが男系女系の皇位継承問題を論争し合うのは妙ですよね。悠仁親王殿下がいらっしゃるので、いま急ぐ問題ではないと世間は考えているでしょう。秋篠宮家の眞子様佳子様にずっと皇族のまゝでいてほしいと私も思いますので、皇室典範改正はこの点早く手を打ってもらいたいのですが、このことと女系天皇是非論はまったく別の問題ですから、にわかに最近女系天皇を求める声が一部で高くなっているのはなぜか奇妙に思えてなりません。誰かがあせっているのでしょうか。

 ご文章で分らない個所があるので教えて下さい。皇族系の慈善団体の方による北朝鮮擁護のスピーチとは、誰がいつ何を語ったのですか。若狭和朋氏の本は、私はまだ十分に読みこんでいないのでちょっと分らなかったのです。どの本のどのページに何が書かれてあるのですか。少し引用して教えて下さい。それから、私の方からはTHEMIS 2月号の次の記事をご紹介しておきます。

 雅子妃が父の小和田恒氏を尊敬し、完全にその精神的影響下にあるという関係者の言葉を紹介したあとで、

 そんな状況におかれた皇太子ご夫妻と小和田家の内情に目をつけたのが、中国共産党を中心とする対日工作部隊である。前述したように中国政府は、「日中国交正常化40周年‘12年」に向けて皇太子ご夫妻の訪中を水面下で働きかけているのだ。

 亡くなった中川昭一氏が生前、こんなことをいっていた。

 「モスクワ時代、小和田家のアパートにはレーニンの写真が飾られていたという。中国政府がこの情報をどう使うか考えると怖い・・・」

 裏情報にも長けていた中川氏の予測が、杞憂に終わればいいのだが。

 寒かったり暑かったり気候不順の折、一日も早く風邪を治して下さい。
 お元気で。

                西尾幹二

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