この国はよく持ちこたえているとむしろ不思議に思える。アメリカと台湾の通報で日本は中国原潜の侵入を知ったらしい。侵入船が海域を離れてからやっと海上警備行動を発令するというおっかなびっくりの政府の措置を国民は笑ったが、この件を調べていて、私は石垣島、宮古島、与那国島が台湾のすぐ東側にあり、台湾防衛の拠点であることにあらためて強い印象を持った。
中台戦争が始まれば、日本のこの三島を中国はただちに予防占領するだろう。アメリカの空母を近づけないようにするための、原潜による海域調査こそが中国の狙いである。
それよりも、この件を調査中に私が知って愕然とした新しい事実がある。日本と台湾との空域を分けるラインが日本の領土である与那国島の上空を通っている。自衛隊機は与那国島に近づけない。近づけば台湾空軍がただちにスクランブルをかけるからである。自分の国の上空を平和時にすでに外国空軍に制せられている。
関係者と話をしていて、異口同音に聞くことばは、日本の自衛隊はイラクやアフガニスタンに、また各地のPKOに、出て行く余裕はないということである。三島を含む西南諸島は丸裸である。自衛隊の事務連絡所が宮古島にあるだけで、隊員はひとりも駐留していない。
焦点の西南諸島に自衛隊員を割く余裕がなく――こう公言されている――なんでイラクやアフガニスタンに行く余裕があるのか。と言っているうちに、財務省が隊員と艦船を削減した。かの担当の女性財務官は災害出動は自衛隊の仕事ではないと言ったそうだ。これは正論である。わずかに抵抗するかのごとく、自衛隊は札幌の雪祭りへの協力の小さな部分を辞退したとの報に接する。どうせなら雪祭りからの全面撤退をすればいいのに、そして国民に危機を知らせればいいのに。しかし「愛される自衛隊」などという欺瞞に溺れているのは自衛隊自身なのである。災害出動なども止めてしまえばいいのだ。
以上述べたことはいずれみな戦後60年の惰性を克服できず、「昔の名前で出ています」という調子のマンネリでやっていて、恥じる処がない現われである。
いよいよ新しい扉を開けようとすると、手がすくんでドアの把手に手がかからない。いよいよ新しい歌を歌おうとすると、口は自ずと昔のリズムを口ずさんでいる。それが今の日本である。
その様なこと、前から分かっていても、西尾幹二先生が言わなければ聴衆は納得しない。有り難きかな。
閑人さん、ひさしぶりですね。
当たり前のことを、何度も何度も言わなくてはならないんですね。今年も書き込みよろしくお願いします。
西尾先生、新年おめでとうございます
良くぞこの事を日録に書いていただいと、ある種感慨の念しきりです。
ずっと歯痒く思っておりました。
この事は、知らない人のほうが多いと思います・・・戦争に負けて、占領が終わってもほったらかしのままになっています、この部分は。
要するに、米軍占領時のADIZ(防空識別圏)のまま放置・・・沖縄は返還され主権は我が国に戻ったのに・・・
佐藤氏は功名心に駆られて目をつぶったと仄聞します・・・角栄氏は、中国に対して同じ愚を・・・小泉氏は今また同種の事(国家・国民に対する裏切り)を対北朝鮮でやるのでしょうか?
お隣の韓国の金大中氏もやっています・・・
この事は、もっとたくさんの人に知っていただきたい。
大きな声で言って欲しい・・・李登輝さんは個人的には好きですが、我が国の主権を侵害する国・人は、そして改善要求に応じない奴は敵です。
ただ、我が国の政府・該当機関の方が具体的に改善要求をする意志があるのかどうか、何にためらっているのか・・・
平和ボケもいい加減にして欲しい。
見やすいように、その部分だけ抽出してみました。
参考資料:第161回国会 外務委員会議事録 抄録(該当箇所を抜き出し、マーキングしてあります)
http://nishio.main.jp/gaimu3.html
上記外務委員会で質問をした谷本議員のブログ該当ページ
http://www.t-tanimoto.net/diary/0410/20041021.html
これが、我が国の現実です。
また、一度沖縄に行けば分かりますが・・・離着陸の時、極端な低空飛行をします。
何も知らない人は、「地上の景色が良く見えていいね」なんて言っています・・・何をのんきな。
低く哀しい沖縄の空:嘉手納(かでな)空軍基地
http://www.tiu.ac.jp/~kuwabara/onstreetwatch01.htm
地図
http://www.tiu.ac.jp/~kuwabara/okinawamappg.htm
国境の島に自衛隊を
http://naha.cool.ne.jp/nanao320/topics/topics08.htm
Web engineer 様
貴重な資料の数々をありがとうございました。ネットをはじめて、こういう情報に接しられる機会の到来をまっていました。
ぜんぶプリントアウトして、精読します。感謝します。
ネット新装のご努力にも遅ればせながら、御礼もうしあげます。
西尾先生机下
過分なるお言葉ありがとうございます。
私どもがいくら声を大にして言っても蟷螂の斧の感が強く、この西尾先生のサイトのような閲覧者の多い場所で、
しかも、先生自らが正論を語っていただけることの影響力たるや、計り知れないものがあると存じます。
サイトのアクセスデータを取って驚愕いたしました、トップページのカウンターは日録のトップページのみ、しかも360分以内の同一の方からのアクセスはカウントしておりませんが、このサイト全体へのアクセスは一日平均7,700件余り、データ転送量は一週間で10億バイトにも達しています。
http://nishio.main.jp/log1.html
このような事柄に、私どもが少しでもお役に立てましたなら幸甚です。
Web engineer拝