お知らせ3件 追記有り

1、 講演  

 西尾幹二講演会
日 時:11月11日(日)午後1時開場 1時半開演
演 題:小林秀雄と福田恆存の「自己」の扱いについて
場 所:ホテルグランドヒル市ヶ谷
参加費:¥2000
主 催:現代文化会議(電話03-5261-2753に事前に申し込んでください。座席数が限定されているためだそうです。)

2、 対談  

 西尾幹二 VS 福井義高(青山学院大学教授)
  『正論』12月号(11月1日発売)
  徹底検証対談 アメリカはなぜ日本と戦争をしたのか(上)
――世界救済国家論とオールドライトの思想――

3、 新刊 

  西尾幹二・青木直人『第二次尖閣戦争』
祥伝社新書
11月2日店頭発売
1章 正念場を迎えた日本の対中政策
2章 東アジアをめぐるアメリカの本音と思惑
3章 東アジアをじわじわと浸潤する中国
4章 やがて襲いくる中国社会の断末魔
5章 アメリカを頼らない自立の道とは

追記

 10月31日(水)路の会が開かれ、講師の孫崎享氏が新刊のベストセラー『戦後史の正体』と同じ題のテーマでお話して下さった。参集した会員は桶谷秀昭、高山正之、冨岡幸一郎、宮崎正弘、黄文雄、川口マーン恵美、西村幸祐、田中英道、藤岡信勝、伊藤悠可、倉山満、入江隆則、尾崎護、三浦小太郎、山口洋一、福島香織、北村良和、木下博生、大島陽一、佐藤松男、仙頭寿顕(文春)、小島新一(産経)、力石幸一(徳間)ほか徳間関係者数氏。

 孫崎氏はGHQが戦後日本語をやめて英語を公用語に、円をやめてドル(軍票)を通貨にせよと対日要求したことに身をもって抵抗し、日本を守った外相重光葵(まもる)、以下愛国者の系譜を強調して語ったが、これはとても共感をよんだ。

 総じてアメリカに対し主体的であろうとした日本外交の物語は共感をよぶ。たゞ鳩山由紀夫の「せめて県外移転」を同じ主体外交と氏が捕らえるのには少し違和感があった。

 孫崎視は領土問題に関して「先占の理論」(先に占領している方が勝ち)はもう古く、国際司法ではこれは植民地時代の名残りとみられていて、今では決め手にはならない。決め手は条約にどう書かれているかであるという。

 日本の戦後の領土問題はポツダム宣言受諾から始まる。同条約第8条で日本政府はカイロ宣言を受諾している。同宣言には日本周辺の諸島の帰属は連合国が決めると書かれていて、しかも「日本が中国から盗んだ領土」という文言があり、今後中国が有利であり、尖閣も北方領土も日本固有の領土という言い方は国際的に適用しないことになろう、等々。

 当然ながら会員から異論が続出した。

 日中間での「尖閣棚上げ論」はもともと日本に有利な考え方で、日本が率先してこれをくつがえすのは愚かであり、武力紛争になってもアメリカは介入しない、という氏の持論もくりかえされた。「棚上げ論」に立ち戻りたいというのは氏だけではなく、多分外務省の総意だろう。

 しかし「棚上げ論」は日本が壊したのではなく、中国が日本襲撃の機会を狙っていて、ことここに至ったのだと私は解釈している。私はそういう見方だとこのときにも述べた。

 孫崎氏と私とはアメリカへの不信と警戒において共有する側面があるが、中国観ではほとんど一致しない。中国を巨大市場とし、未来は中国にあるとの経済人に似た考えが孫崎氏にあるが、私はそう考えていない。

 尖閣問題についての私の考えは、昨日刊行されたばかりの西尾幹二・青木直人『第二次尖閣戦争』を見ていたゞきたい。

 路の会の今日の参集者は二十二名を越え、活発な論争が展開された。

追記の追記

 孫崎氏との間でオスプレイをめぐる論争もあった。彼は沖縄の米基地反対運動と同じタイプの考え方を述べたので、私や西村幸祐氏や高山正之氏らが反論した。

 私が沖縄にオスプレイが配備されたことは尖閣対策の一つであろう、と言ったら、孫崎氏は色をなして反駁し、オスプレイは尖閣防衛のためにあるのではなく、アメリカの世界戦略のためだけにあるのであって、尖閣のために使われることは絶対にないと断言した。

 私がなにかで読んだのだが、と断って、沖縄のオスプレイ配備で自衛隊は中国の上陸部隊よりも30分以上早く尖閣に着くことができる、と書いてあったと述べたら、福島香織さんが中国側がいまそのように計算して、オスプレイに脅威をかんじているのは事実、と言った。

 沖縄本島における、中国の侵略に対する警戒心や恐怖心のなさに私はつねづね驚いている、とも言った。沖縄県庁は中国のスパイに支配されているのか、それとも沖縄住民は血統的に中国系が大半で、中国領になった方がよいと思っているのか分からない、これは謎だ、と私は言ったが、孫崎氏のそれへの反論はなかった。

 沖縄人が全員オスプレイに反対で反米闘争は全土を蔽っているといわんばかりの孫崎氏の見解に対し、現地を見て来た西村幸祐氏はそんな事実はなく、反米闘争は沖縄の外から来た左翼運動団体に牛耳られ、メディアが押さえこまれているだけで、住民はまったく違う自由な考え方を持っていると証言した。

「お知らせ3件 追記有り」への2件のフィードバック

  1. 「孫崎氏と私とはアメリカへの不信と警戒において共有する側面があるが、中国観ではほとんど一致しない」と、ごく控えめに書かれておりますが、それどころではなく、先生と孫崎氏は根本において全く異質な方ではないでしょうか?
    米に関しての考え方も、その成り立ちから異なると考えます。
    先生は日本および日本人の立場からのそれであるのに対し、氏のアメリカ批判は日本人あるいは日本国の立場を装ったシナ共産党の立場からモノを言っているようにしか思えません。
    沖縄における講演では「沖縄独立論」に非常にシンパシーをもっている口ぶりでした。
    オスプレイ反対でもそうでしょう、とにかくシナの嫌がることはやらない、というスタンスで一貫しています。
    ところで私は沖縄県人ですが、孫崎氏は何度も沖縄に来てその空気も体感してるんじゃないかと思いますが「沖縄人が全員オスプレイに反対で反米闘争は全土を蔽っている」といいます。
    しかし、そんなことは絶対ありませんね。
    むしろ、時を追うごとにオスプレイが国防に有効であるという漠然とした政府の説明よりも、東北におけるトモダチ作戦に見られたような離島や北部での災害救助に役立つのではないか、との期待感も一般的に県民にはあるのです。
    オスプレイに関する琉球新報、沖縄タイムズの論調は県民にとって、もはや過去のものになりつつあるのが現状かと思います。
    その点、西村という方は、よく本当の民意を浚っていると思いました。

  2. オスプレイの能力は従来のヘリの2倍のスピード3倍の積載能力と4倍の航続距離占めて24倍の戦闘能力を1機につき持っている。これを配備するということは間切れもなくアメリカが尖閣を守るという意思表示と受け取ります。これに対して適切に回答しなければシナに沖縄を押さえられアジアの制海権はシナ人に盗られると思います。海洋国家として生きていくのが日本の幸福を選択することです。

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