『女系天皇問題と脱原発』書評

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宮崎正弘の国際ニュース早読み(メルマガ)より

西尾幹二&竹田恒泰『女系天皇問題と脱原発』(飛鳥新社)
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 これは論壇への爆弾、コントロバーシャルな問題提議の書である。
 いきなり竹田氏がこう切り出した。
 「(女系天皇をすすめている左翼系や反体制文化人が多いが)もしかすると彼らは最終的に皇室の廃絶まで考えているのではないかと思うんです。と言いますのは、彼らの言う、いわゆる女系なる天皇が成立したら、それはもはや天皇ではないと言えるわけですから。女系天皇の誕生で、万世一系の皇統はこれで終焉を迎えたのであって、もはや国民と同じ血筋だ、という話になって、皇室をなくすための先鞭をつける」。 
 対して西尾さんは、『正論』や『WILL』での議論を踏まえて、
「天皇家に基本的人権を持ち込むのは、戦後民主主義的な一連の破壊主義の思想と切り離せないものがある」とずばり本質を抉る。
 ふたりの議論は白熱し、永田町と官界と皇室関係者のあいだで、如何なる「暗闘」があったかを紹介しているが、その凄まじき陰謀的な動きを知ると、ここまで日本の中枢が腐っているかが具体的に人名もでてくるので、手に取るようにわかり愕然となる。
 この二人は或る問題では論敵だったが、こと女系天皇と原発では奇妙に意見の一致を見る。
「不安と希望の間を行ったり来たりしながら深まる考察」と銘打たれた本書は、いずれにしても論壇に仕掛けられた紙の爆弾である。

「『女系天皇問題と脱原発』書評」への1件のフィードバック

  1. お二人の論戦は面白かった。男系の男子これを継ぐいう皇室典範の危機を乗り越えた秋篠宮ご夫妻に謝意を表します。私がこの年の歌会始で詠んだ歌を見て彼は男子を産む決意を詠んでいると直感し期待したとうりなったと内心快哉を叫びました。後講釈に思わないでください。

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