オバマ・習近平会談、皇室の新しい兆し、そして私の新刊(二)

 『週刊新潮』6月20日号に「『雅子妃』不適格で『悠仁親王』即位への道」という目をみはらせる巻頭記事が掲げられている。日本の歴史の中で「幼帝」というのは何度もあった。小学生、中学生でも天皇に即位できる。摂政をつければ問題はない。今上陛下、皇太子、秋篠宮の三人による頂上会談が昨年来つづいていて、そこで煮つまった案だという内容の記事である。週刊誌といえども、ここまで書く以上、それなりの証拠があってのことであると思う。

 皇后陛下が雅子妃を見放した、という書き方である。何かとんでもない事件があってとうとう事ここに至ったのかもしれない。宮内庁も官邸も動いているという書き方だが、宮内庁長官はそんなことはない、と直ちに新潮社に抗議した。記事では雅子妃だけでなく、皇太子に対する両陛下の失望が公然と語られている。さりとて、皇太子は短期間でも一度は即位しないと、日本の皇室のあり方として具合が悪い。秋篠宮は兄弟争いの図を避けるために、即位を辞退している。かくて「幼帝」の出現ということになる。

 私の読者ならお分りと思うが、以上の流れは本当かどうかはまだ分らないのだが、実現すれば大筋において私が書いてきた方向とほゞ一致している。私はすべての焦点を「雅子妃問題」に絞って書いてきた。だから批判や非難も受けた。そして、雅子妃に振り回される皇太子の不甲斐なさにも再三言及してきた。私は「廃太子」(橋本明氏)とも「退位論」(山折哲雄氏、保阪正康氏)とも違う立場だった。そして、何度も天皇陛下のご聖断を!と訴えた。ついに「ご聖断」が下りたのだとしたら有難い。「幼帝」というアイデアは陛下以外の誰が出せるであろう。正夢であってほしいと祈っている。

 『週刊文春』6月13日号にも重大な記事がのっていた。読者アンケート1500人で、皇后にふさわしいのは雅子妃38%、紀子妃62%という結果を報じていた。皇室問題をアンケートで論じるのは間違いだが、各週刊誌とも堪忍袋の緒が切れた趣きがあるのが面白い。雅子妃は今月18日に予告していた被災地お見舞いをまたまたキャンセルした。

 私の新刊『憂国のリアリズム』のリアリズムというところに注目していただきたい。この本も6篇の私の皇室論を収めている。読んでいる方も多いと思うが、あらためて題名と出典だけを書いておく。

『憂国のリアリズム』の第四章「皇族にとって自由とは何か」
「弱いアメリカ」と「皇室の危機」(THEMIS)
「雅子妃問題」の核心――ご病気の正体(歴史通)
背後にいる小和田恒氏を論ずる(週刊新潮)
正田家と小和田家は皇室といかに向き合ったか(週刊新潮)
おびやかされる皇太子殿下の無垢なる魂
  ――山折哲雄氏の皇太子退位論を駁す(WiLL)
皇后陛下讃(SAPIO)

 私は皇室問題について書くのはもうここいらで止めよう、と思って、WiLLの担当者に昨日その話をしていた処へ、本日、『週刊新潮』の驚くべき記事に出合ったのである。

 間もなく出版される『憂国のリアリズム』と併せ読んで、問題の落ち着くところが何処であるかを皆様も占っていたゞきたい。

 『週刊新潮』の記事内容の続報を知りたい。

追記: 皇室典範の改正報道に抗議  「朝日新聞」6月14日号より

 内閣官房と宮内庁は連盟で13日、宮内庁長官が皇位継承をめぐる皇室典範改正を安倍晋三首相に提案したと報じた「週刊新潮」の記事は「事実無根」だとして、同誌編集部に抗議文を送り、訂正記事の掲載を求めた。風岡典之宮内庁長官は記者会見で「このようなことは一切なく、強い憤りを感じている」と述べた。菅義偉官房長官も会見で「皇位継承というきわめて重要なことがらで国民に重大な誤解を与える恐れがあり、極めて遺憾」と語った。週刊新潮編集部は「記事は機密性の高い水面下の動きに言及したものです。内容には自信を持っております」とコメントしている。

「オバマ・習近平会談、皇室の新しい兆し、そして私の新刊(二)」への8件のフィードバック

  1. 陳腐な意見と自覚しつつあえて普段考えていることを投稿いたします。
    wikipediaの西尾先生の紹介で「皇室論をタブー視していた言論界で西尾があえてそれに踏み切った意志の背景には、かつて西尾が私淑していた三島由紀夫が皇室論のタブーに少しも怯まなかったことへの深い敬意を認めることができる」と記載されていることに同感で、先生の勇気あるご発言に敬意を持っております。ただ一庶民の意識として個人的には、三島由紀夫の天皇論は多彩ですが、三島の理想とする天皇論があって、それが達成されない場合にはむしろ天皇など無いほうがよいとも受け取れるような一途な信念には、ある種の暗さを感じてしょうがない、逆に明治の時代の知識人(たとえば岡倉天心は草鞋が西洋の靴に変わっても日本人の旅は続いている、天皇が和服から洋服に変わっても天皇家は連綿と続いている、と形容したような)の明るさと比べて、この昭和の偉大な知識人の掘り下げは天皇論の進化なのだろうか退化だろうかと感じたことがあり、以降は日本人としてまったく思考停止状態にありました。ありきたりな意見ですが、男系継承が聡明な日本人の方々の結論であるならば、側室制度は無理でもバイオテクノロジーは何らかの助けになるのではないだろうかと思います。恐れ多いですが雅子妃殿下には同情を禁じえない(東京駅で皇室から出てけと罵倒されたニュースを聞いたときは涙がでました)、少しでも良い方向に御回復されると同時にこの事態は今後の教訓として生かしていただきたい。他人事みたいな書き込みですが、後世の日本人の評価にも耐えうるような聡明な判断がなされることを祈っております。

  2. 幼帝の即位後の次の一手は男系の皇室の血を引く在野の男子を皇室の女性に婿いりさせて宮家を創ることだと思います。皇統連綿を確保することです。なぜなら人智を超えた存在の皇室を日本人は守りつつずけるべきです。

  3. 皇太子ご夫妻は京都にお住まいしていただき家族のだんらんを楽しむべきです。公務をすっぽかすような人は皇室典範を改正してやめてもらうべきです。

  4. >仁王門さま
    何時もコメントありがとうございます。

    個人的な直感ですが、バイオテクノロジーを拒否されているのでは・・・・と思います。

    本当に皆が安心できる何らかの決断が欲しいところですね。

  5. 西尾さんはタブーなく皇室の為を思い、皇室のために諫言出来る数少ない言論人だと思っています。
    どうか皇室についてのお考えを、さまざまな媒体でこれからも書き続けて欲しいです。

    オランダでの惨憺たる状態(所作による腹の皺、華やかな場所での宮中服・10年選手の黄ばんだ絹、出国直前まで一緒にいたにも関わらずまたしてもオランダでの小和田)を見せ付けられた国民は
    もはや「回復」は望んでないです。
    50歳にもなる中年女性が、同じ文春で一年にもわたり連載されている「ザ・プリンセス雅子妃物語」という、本人に許可されなければ決して公開できないような恨みつらみ極まる駄文(卵管に管を通すなどの細かい治療・検査の内容や宮内庁の人間が言ったとされるアホのような言動)を許している時点で、彼女に「皇族」という生き方は「ない」と思います。

    皇太子もふたたびスペインで、苦しみながら昔からの人々が伝えてきた巡礼の道で「楽しくあるけました♪」「色んな場所で、雅子も一緒なら思い出作りが」と、皇太子としてはもうダメとしか言いようがないコメントを晒しています。
    彼にとっての「新しいやりがいのある公務」が「思い出作り」ということなのでしょう。
    両陛下が血のにじむような努力で築かれてきたこの平成の祈りの皇室は全否定され、「お前らの税金で豪遊して思い出作りすることこそ至高」というようなバカセレブ皇室像を、私たちは受け入れなければいけないのでしょうか?

    新潮に載った幼帝案は、①皇太子自らが会見で公開、言葉は悪いが言質をとること②雅子妃自体のセカンドオピニオンと愛子内親王の状態をはっきりさせ、女帝論などとんでもない事をしらしめること③さらに悠仁殿下の負担を軽くする為、旧宮家の男子に皇籍復帰してもらうこと
    が不可欠だと思います。

  6. > 亜栗鼠さま
    コメントありがとうございました。

    ところどころ、言葉遣いをもう少し配慮なされば、説得力が増すように感じます。

  7. 天皇の自由な意思による「譲位」というものが安易に認められてしまうととんでもないことになりませんか?

  8. こんばんは、
    いつも意義深い記事、関心をもって読ませて頂いております。
    最近「脚力が衰えて」こられたとのこと、心配しております。
    歩けなくなったら後は寝たきりへと一直線です。
    どうか毎日の歩行運動を欠かさず、お元気でお過ごしください。
    いまわが国にとっても、われわれにとっても剣が峰の大切な時期と思っております。
    先生の言論、ますます大事になってきております。
    心よりご健康を祈ります。

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