村山秀太郎の選んだ西尾幹二のアフォリズム(第十二回)

61)ドイツとイタリアは、・・・・極端に細分化された地方分権意識をもっていた。(中略)民族統一が、排外的ナショナリズムの理念を必要とせざるをえなかった。

62)意識的に全体感情が強調されるということは、すでに「全体」が失われた証拠。

63)善かれ悪しかれ、日本は素朴な平和民族であり、自己完結の小世界である。お人好し集団が冷たい風に当たれば、たちまちカッと逆上するし、敗北すれば萎縮してもう手も足も出ない。

64)われわれ(日本人)は外国を「敵」として意識するよりも、「師」として意識することのほうが多く、(中略)文化的に劣った野蛮民族との闘争や戦乱からははじめから免れていていたのである。これも「海」の果たした役割である。

65)処罰する力のない弱い体制は、成員を保護する力においても弱い。成員にしっかりした保護を与える体制ほど、異端者や反逆者への加虐性も遠慮なく強まることになる。

出展 全集第一巻ヨーロッパの個人主義
61) P327上下段より
62) P328下段より
63) P330上段より
64) P332上段より
65) P337上下段より

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