「人権擁護法」という狂気の法案 (その八)

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「人権擁護法」という狂気の法案 (その八)

 17日付で拉致議連の会長平沼赳夫氏の名において、人権擁護法案を否定する拉致議連としての明確な反対声明が出された。私の11日付コラム「正論」と趣旨においてほゞ同一であるが、拉致議連が態度を表明したということに意味がある。

 これをみても単に「メディア規制条項」だけを外せばよいというほどの内容の法案ではなく、自由と民主主義を根底において侵害している法案である。「人権」という語に踊らされてこういう根本的なことが分らなくなる法務省の官僚の担当官僚、法務大臣、関係自民党議員たちが愚かというを越えて、私には空恐ろしい。

 19日、産経と朝日にそれぞれ考えさせる内容の18日の出来事の報道があった。

産経新聞・人権擁護法案、与党懇話会に差し戻し 
産経新聞・これも人権侵害? 全国弁護士会、次々「勧告」
朝日新聞・人権擁護法案、今国会の成立困難に 国籍条項で調整難航

 
以下に拉致議連の声明文を掲げておく。

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◆拉致議連が人権擁護法案で緊急声明  平成17年3月17日

人権擁護法案に対する緊急声明

 三年前に提出され、「メディア規制法」と批判を浴び、廃案となった人権擁護法案が国会に再び提出されようとしている。国民の生命と財産を守ることが国および政治家の責務との信念を持ち、北朝鮮による国家犯罪である拉致問題の解決のために被害者および家族の視点で活動してきた我々は、本法案が拉致被害者支援活動、さらには自由主義・民主主義の根幹である「自由な言論」までも侵害する可能性があると強い懸念を感じている。

 我々は、出生や国籍などを理由にした人権侵害は許されないと考えていることは言うまでもなく、本法案が目指している本来の趣旨である人権侵害に対し、救済措置を施すことに何ら異論はない。しかし、本法案は下記のような重要な問題を含んでいる。

この懸念が完全に払拭されるまで、本法案を国会に提出すべきではない。

 まず第一に、

 本法案では、「人権侵害」の定義があまりに曖昧である。第二条で「人権侵害とは不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」と規定しているが、これでは「人権侵害とは人権侵害である」と言っているのと同じではないか。

 さらに「助長」や「誘発」までも救済措置の対象とされており、拡大解釈の余地があまりにも大きい。新設される人権委員会が「人権侵害」と認定する段階で、恣意的な解釈が可能であり、健全な言論活動は著しく侵害され、「言葉狩り」が横行する危険がある。

 例えば、北朝鮮の拉致問題への対応を批判したり、経済制裁を求めることまでも、在日韓国・朝鮮人への人権侵害を助長したと解釈されてしまう危険性がある。

 第二に、

 本法案は人権侵害に関する情報収集や被害救済・予防活動を行う人権擁護委員を全国で2万人委嘱されることを定めているが、その選考があまりに不透明である。

 市町村長が「弁護士会その他人権の擁護を目的とし、または支持する団体の構成員」のうちから推薦することになっているが、国籍条項はない。破壊活動防止法に基づき、いまだに公安調査庁の調査指定団体となっている朝鮮総連の関係者が委員になる可能性は否定できない。

 また、北朝鮮などと連動して活動している日本の市民団体や特定の政党の影響を排除するための規定も見あたらない。

 第三に、

 人権委員会は人権侵害の特別救済手続きとして、出頭要請、押収、立ち入り検査など、いわゆる3条委員会としての強制力を持つ。法務省は「令状主義に反するものではない」と説明しているが、国民に畏怖、抑圧し、自由な言論を妨げることにつながる危惧は払拭できない。

 第四に、

 現行法上の人権擁護委員は、政治活動が禁止されているが、本法案上は、積極的な政治活動のみが禁止されているに過ぎない。

 まずは、ADRの充実や現行人権擁護委員の権能強化など司法制度改革を推進し、本当の権利侵害を受けた弱者が迅速かつ簡便な救済策を受けられる制度を充実していくべきである。

 以上われわれ「拉致議連」として、「人権擁護法案」は慎重に取り扱うべきであることを声明する。「表現の自由」は民主主義の根幹であり、すべての国民が有する権利である。我々はこの民主主義を守るために毅然とした姿勢を貫くことをここに誓いたい。

「拉致議連」(北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟)  会長 平沼 赳夫

「「人権擁護法」という狂気の法案 (その八)」への3件のフィードバック

  1. すみません。 こちらが新しいスレッドだったのですね。
    間違って16日に投稿してしまいました。
    改めてこちらに投稿します。

    ●~『人権擁護法案』成立後の未来~●

    東京都が公務員(管理職)への在日外国人の登用を
    制限しているのは最高裁で合憲とされたが
    人権擁護委員が、これを『人権侵害』と認めた場合
    都庁及び関係施設、そして『人権侵害』を合憲とした
    最高裁判所も立ち入り調査の対象となるでしょう。

    もちろん、公務員(管理職)への在日外国人の登用を
    制限した都知事、裁判官や登用の制限に関係した
    全ての人々に対し尋問が行われる様になります。

    第 四十四条
     人権委員会は、第四十二条第一項第一号から第三号までに
    規定する人権侵害(同項第一号中第三条第一項第一号ハに規定する
    不当な差別的取扱い及び第四十二条第一項第二号中労働者に対する
    職場における不当な差別的言動等を除く。)又は前条に規定する行為
    (以下この項において「当該人権侵害等」という。)に係る事件について
    必要な調査をするため、次に掲げる処分をすることができる。

      一  事件の関係者に出頭を求め、質問すること。

      二  当該人権侵害等に関係のある文書その他の物件の所持人に対し、その提出を求め、又は提出された文書その他の物件を留め置くこと。

      三  当該人権侵害等が現に行われ、又は行われた疑いがあると認める場所に立ち入り、文書その他の物件を検査し、又は関係者に質問すること。
    http://www.moj.go.jp/HOUAN/JINKENYOUGO/refer02.html

  2. こんにちは。人権擁護法案関連の話題ですので、こちらに投稿いたします。

    人権擁護法案についての情報の補足です。

    民主党のHPによりますと、民主党と部落解放同盟は、人権擁護施策の推進に関する政策協定に基づき、選挙協力を行なうことを約しています。

    以下、民主党のHPより、民主党と部落解放同盟との政策協定の内容を引用します。
    http://www.dpj.or.jp/seisaku/sogo/BOX212.html

    引用はじめ====
    1998年6月11日

    政策協定合意書
    第18回参議院比例区選挙において、民主党と部落解放同盟中央本部は、下記の政策協定内容にもとづき、選挙協力を行うものとする。
    民主党は、政策協定の事項について、その具体化に尽力するとともに、部落解放同盟中央本部は、民主党比例区選挙候補者の当選にむけて取り組みを推進するものとする。

    民主党代表・菅直人
    部落解放同盟中央本部執行委員長・組坂繁之

    政策協定基本内容

    1. 日本国憲法の理念および「同和対策審議会答申」の基本精神を踏まえ、部落問題の根本的かつ速や かな解決と差別のない民主社会の発展に寄与することを目的とする「部落解放基本法」制定実現に むけて積極的に取り組む。

    2. 日本国内に存在するアイヌ民族、在日韓国・朝鮮人、障害者、女性、婚外子、HIV感染者などに対する差別の撤廃をすすめるとともに、日本の人権政策確立にむけて積極的に取り組む。

    3. 「人権擁護推進審議会」における論議の促進と、「差別意識解消にむけた施策のあり方」についての「中間報告」提出を求めるなどの具体的な活動および「人権フォーラム21」などの取り組みに積極的に協力する。

    4. 「部落解放基本法」を具体化した、地方自治体での「部落差別撤廃条例」や「宣言」制定に積極的に協力する。
    5. 狭山事件の再審開始にむけて、全証拠開示や事実調べ要求など、公正な裁判の実現にむけた具体的な活動に積極的に取り組む。

    6. 「人権教育のための国連10年国内行動計画」の具体化と、「行動計画」の見直し、補強に取り組む。また、地方自治体における「推進本部」の設置や「行動計画」策定に積極的に協力する。

    7. 新「部落解放総合計画」の策定に協力し、「人権のまちづくり」を積極的にすすめる。

    8. 世界人権宣言50周年記念の取り組みに積極的に協力するとともに、国際人権諸条約の批准促進や「反差別国際運動(IMADR)」の活動推進に取り組む。

    引用おわり===

    自民党推進派議員とも同様の協定があるのかもしれませんね。

    以前こちらに投稿した事実と考え合わせますと上記の政策協定の中味には多くの疑問があるのですが、このように民主党が自分のHPに公約の内容としてきちんと公開していること自体は評価するべきであると思います。

  3. どうやら、人権擁護法案の集会が行なわれることになったようです。

    ☆人権擁護法案の集会告知!!

    「 人権擁護法案を考える緊急大会(仮称) 」
    日時 平成17年4月4日(月)18:30開会
    場所 日比谷公会堂 入場無料
    登壇者等、内容は後報
    主催 人権擁護法案を考える市民の会

    http://www.dela-grante.net/michelin/up/so/No_4450.jpg

    http://nishimura-voice.seesaa.net/より引用

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