晴天続きの正月

 1月6日、韓国に対しスワップ協定の協議停止にまで踏み込む制裁がなされたのは良いことだった。「慰安婦像」のプサン設置には、日本政府もよほど腹にすえかねたのであろう。これで相手が目を覚ますはずもなく、予想されている通り日韓関係はこれからも永くこじれるだろう。しかしまずは仕方がない。

 2015年末の日韓合意がやがてこうなることは分っていたはずだ。それなのになぜあんな甘い合意、日本の「犯罪」を認めるような言葉も残す合意に走ったのだろう。あそこはゆっくり腰を据え、忍耐し、「朝日」の記事取り消しもあって局面が変わったことを踏まえて、じっくり応答すべきではなかったか。

 あのあわてた合意はオバマの要請に応じての措置であったのであろう。何でもアメリカの言いなりであることが一連の外交でまた再び明らかになった。

 安倍外交について世間の評価はいいようだが、私は反対だ。米上下院議会での硫黄島を出した安倍演説は良かった。良かったのはあの一件だけで、つづく70年談話、日韓合意、オバマ広島・安倍パールハーバー交換慰霊は私にはやらなくてもいいこと、先走り、あらためての日本の悪の自己承認、アメリカの理不尽な襲来への歴史的追及をいっさい伏せてしまった敗北の表現であったと思う。

 私は世間が言うのと違って、プーチンへの接近は良かったと思っている。対露接近はやらなければ永遠に誰も手をつけないテーマだ。会談中の北方領土からのミサイル撤去を求めなかった弱腰はいただけないが、ロシアと組もうとする姿勢は大胆かつ現実的で評価するべきだ。しかし対米・対韓外交は安倍政権の失敗つづきと私はみている。

 尚、月刊誌2月号に次の私関係の記事がある。
(1)世界の「韓国化」とトランプの逆襲(Hanada)
アメリカの「韓国化」にも触れられている。ドイツも射程に入れている。
中韓の対日攻撃の思想的根拠はドイツである。
(2)中西輝政氏とび対談・歴史問題はなぜ置き去りにされているのか(正論)
安倍外交への疑問において二人は大筋一致した。
長い間すれ違っていた中西・西尾の関係だったが、ここで肝胆相照らす仲となった。

 当ブログへのコメントは(1)(2)を読んでそこでの問題提起に対応して語っていただきたい。茶化すような短文や私の提言とは縁のない長文がよくあるが、ご遠慮いただきたい。

「晴天続きの正月」への12件のフィードバック

  1. 安倍首相の評価は、今年こそ憲法改正、旧皇族の皇籍復帰を実際に推し進めるかどうかに懸かっていると思う。しかし、年頭記者会見で「経済第一」と述べた姿は、今年も歴史戦を封印し、西尾先生の所謂「アメリカ占領民主主義史観」に乗ってゆくと言明したものではないか。
    70年談話や日韓合意は、残された文面を見れば日本の歴史を冒瀆し祖先の魂を売り渡したものとする他はない。これを安倍晋三という保守陣営が待望した政治家が行ったこと、それをどう飲み込めばよいのか。ここまで退却して総理大臣として祖国を深く傷つけた以上、そこに、当然、アメリカとの大きな取引があり、覚醒した政治家であるはずの安倍晋三が、なんら将来的な成算なく、かくも取り返しのつかない愚行に身を染めるはずはないと判断留保をしてきた人は多いであろう。
    しかし、一旦発せられた70年談話も日韓合意の文言も消えることはない。「今も共産主義の思想に発する歴史観を信奉する勢力が国内に根強く残っている中で、中国が『昭和天皇は侵略戦争の責任者だ』と繰り返し言っている。そんな時に、首相談話という形で日本の政府文書が自ら『侵略だった』と繰り返し言うという構図が、いかに危ういか」。中西先生の言を軽く扱うことはできない。安倍首相は何と引き換えに悪魔に魂を、日本を売ったのか。
    多くの問題点が置き去りにされたTPP協定、外国人受け入れ拡大と不法滞在者の増加、英語教育の小学校導入、観光客4千万人構想、カジノ解禁、こういう政策に眉を顰めている国民は少くないはずである。この流れが、憲法改正と皇籍復帰を実現する意志と両立するものなのか。
    雑誌hanada2月号の対談「希代の戦略家 安倍晋三」で産経新聞の阿比留記者が言っている。「一部の保守派からは感情的な安倍批判が見られるのですが、全く理解できません」「慰安婦問題などでも総理の進め方を批判する人がいますが、では安倍総理以外でここまで進んだ人がいたのでしょうか。河野談話の検証チームを作り、談話を有名無実化させた。他の誰にあのようなことが期待できたのか、批判している人たちに訊きたいぐらいです。左派・リベラル勢力と一緒に安倍批判をしている保守派の人たちは、一体何を考えているのかと不思議で仕方がない。成果を一度に求めず、いまのように『漸進主義』を継続していけばいい」。
    しかし、検証の後に、岸田外相は「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」と語り、安倍首相は「日本国の首相として改めて、慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」とした。
    70年談話では「満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした『新しい国際秩序』への『挑戦者』となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました」「何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです」と語った事実は消えない。この程度の歴史認識なのかと言わなければならない。

    河野洋平を指弾しておきながら、安倍晋三を全面的に擁護するのはどういう論理なのか。
    安倍が、保守の衣を纏いつつ「漸進主義」により日本を掘り崩してゆく恐れはないのか。
    北岡伸一を繰り返し重用し、今また皇室問題で御厨貴を起用するのが保守政権なのだろうか。
    「日本を取り戻す」とは一体何だったのか、少なくとも国会で正面から問われなければならない。

  2. コメント承認をいただきましてうれしく思います。
    さて、今回の記事の文末に「茶化すような・・・」とありますが、この現象は今までにもありましたでしょうか?おそらくあったとしても年末以降から増えたのではないかと察しています。
    おそらくch桜ややらまいかの影響かと思います。私はこの動画に感動すら覚えましたが、気に食わない層がいるのです。そうです、安倍信三支持者です。これは桜井誠のツイッターでも同様です。彼は左翼の批判がメインでありますが、次いで安倍信三・政権批判を論理的にしています。すると左翼同様に心情で食って掛かってくる安倍支持者が後を絶たないようです。
    これからも分かるように、自称保守と語ってきた人物こそが批判されると左翼と何ら変わらない本性を持ち合わせているのです。上記の動画でも筋違いな反論をしてきた元自衛官及び産経記者がいましたね。結局のところ保守=親米保守という紛い物が多数を占めているのが現状です。
    ところでそのやらまいかですが、現在youtubeで上がっている動画の説明文には西尾さんの名前だけがありません。やらまいかのURLを記載しておきます。うっかりなのか?意図的なのか?DHCは都知事選で桜井誠の名前を意図的に消した前科がありますし、基本安倍政権批判はしませんので、私は後者だと思っています。今後、西尾さんの出演が減っていくと危惧すらしています。
    私は知識も乏しく、文才も演説力もありません。人を惹きつけるなどもってのほかです。現状私に出来ることは、日本第一党という唯一の保守政党が存在することを広め、理解を得ることかと思っています。
    「政治は思想ではなく数、西尾は政治家でなく思想家だ!」この気概こそが保守を語るに相応しいとは思いますが、しかし民主主義である以上数で押し切られているのが現実です。トランプの対等により、ナショナリズムの流れが起きようとしている今こそ、真正保守が団結することが必要かと思っています。

    長文失礼いたしました。

  3.  月刊誌『正論』2月号で、「歴史問題はなぜ置き去りにされているのか」と題して、西尾幹二先生と中西輝政先生の豪華対談が掲載され、新聞でその広告を目にしたときすぐに書店に走りました。表題と同じようなじりじりとした焦燥も感じていたので。
    12頁に渡って記された対談は全て興味深く談論風発で多くの論点がありましたが、その中から表題のなぜ歴史認識問題は置き去りにされているかについて絞って吟味し考えてみました。

     まず、その中心課題に沿って対談を大胆に整理させて頂くと―
    現象としては、日本の歴史戦での劣勢の根本は、外国の干渉に反論しない・できない国内問題であり、安倍政権の裏切りへの保守の甘さ=宿痾(安倍問題)として露呈し、歴史認識問題が霞んでいる。
     その原因は、国内が歴史左派・東京裁判史観の事なかれの多数派にしめられていること、保守言論人の政治主義の誤りで多数派に妥協していること、その妥協の結果が皇室・日本の崩壊への道であることに思い至らないこと、さらにその背景にグローバリズムがあること、としていると思われます。
     そして、この打開策として中西先生は30年の覚悟で若い世代に受け渡してゆくこととされ、西尾先生はやや匙を投げられておられるようでトランプ大統領などによるショック・激動で日本人が目を覚ますことに期待されているご様子です。

     私もどちらかと言うと西尾先生のやや絶望的な感覚に近い現状認識です。
    言論人の政治主義による妥協で思い起こすのは、故岡崎久彦氏門下?の宮家邦彦氏や宮本雄二氏らの外務省系の発言からみえる彼らの本音、「かつての敗者が過去を蒸し返しても国際環境が整わない中では外交的勝ち目は無いし得策ではなく、歴史戦など行うべきではない。国際政治では歴史の役割は小さい。そして日本の今後の敵は民族主義であり、今後も勝ち馬であり続ける米国とともに民族主義に打ち勝ってゆくこと。過去の事実を過去の価値基準で議論したければ、国際政治の場ではなく教室でやれ。」です。
     外務省や安倍政権の中では東京裁判史観の人も多いのでしょうが、そうでない人も上記の思考で政治・外交を行い、それに多くの言論人がそして多くの一般人も引きずられていると思います。 これでは歴史問題は置き去りです。

     米中露が必死に突いてくる現実を見れば自明と思うのですが、国際政治での歴史の役割は小さくはなく、歴史問題は国際政治と日本の存立の核心と思います。 確かに敗者が過去を蒸し返す難しさは相当なものがあると思いますが、トルコのアルメニア問題での奮闘をなぜ日本が同様にできないのかと思います。 
     いじめに屈していてはいじめられるだけです。

     絶望的状況ですが、トランプ大統領による国際環境の変化・混乱を利用して、なんとか30年かけてこの状況を打開するためには若い世代を意識して下記4点を何とかしなければと思うのですが・・・・

    (1)真の日本の敵の本丸はグローバリズム(共産主義含む)だと思うのですが、その問題点と反対概念(ナショナリズム国際主義?八紘一宇?)が明確でないこと。学問的解明と一般化周知が理想。

    (2)真の近現代史のポイントと証拠に関する初級中級上級の日本語と英語のテキストを揃えること。

    (3)歴史戦の意義と戦況と戦略戦術の周知

    (4)守るべき日本の中身(日本語、文化、歴史、皇室、国土、など)の明確化

  4. じっくり文章を綴る時間がありませんので思いつくまま簡単に記します。楽秋庵主様の、「いじめに屈していてはいじめられるだけです」が、端的に、現下の日本政府、安倍政権のへたくそな外交の本質を一言で表現していると思います。先の長くない私たち年寄りが日本の若者や子供たちに誇れる祖国を残したいというのが西尾先生以下共通の願いであり、庵主様が「若い世代を意識」されるのも当然と思います。

    そのために的確な手段を講じるのが政治であり、西尾先生はしかし政治と言論を峻別されているようですが、言論活動の目的が現実の変革を志向する以上、言論は政治的有効性がなければ無意味と考えます。事実、西尾諸論文は心ある保守層の理論的支柱となり日本の現実政治に多少とも影響力をもち始めているのではないでしょうか。

    三島由紀夫は「有効性は問題ではない」と宣言し、現にあの死を賭した行動で自衛隊を変えることうを期待しませんでした。しかし劇的な行動や口先だけの言論で世間が実際に変わらなければ無意味であり(三島の行動は別の意味で高く評価されますが)、日本の現状を変える実際の「結果」を出す有効性こそが問題ではないでしょうか。

    「なんとか30年かけてこの状況を打開する」ため庵主様が常々プラグマチックに考案される建設的具体策には注目しています。このコメントに挙げられた4点全てに賛同しますが、取り分け、「真の日本の敵の本丸」は端的に中国に生き残っている共産主義だと私も思います。慰安婦問題その他反日の根源は中共の策謀であり、その恐ろしさは三島由紀夫の反革命宣言と文化防衛論に明快です。戦前の日本が賢明にも取り組んだように、共産党政権を地球から抹殺するのが世界の安寧にベストの方策で、レーガンがソ連を潰したようにトランプが中共を転覆することを期待しますが、出来ないし、遣らないでしょう。となれば日本にできることは不本意ながら平和的手段しかなく、庵主様の思考につながります。
    (1)「反対概念(ナショナリズム国際主義?八紘一宇?)」と言われるのは要するに真正保守の依って立つべき哲学を指すようですが、これは将に西尾先生が諸論文で、例えば「国民の歴史」「江戸のダイナミズム」で、目指されたものではないかと思います。戦前の京都学派の「大東亜戦争の世界史的意義」のようなより体系的、総括的な論考やあらゆる反革命活動、反反日活動の思想的根拠になるようなものが欲しいところです。否、私が知らないだけかもしれません。どなたか教えて頂きたいものです。
    (2)「真の近現代史のポイントと証拠に関する初級中級上級の日本語と英語のテキストを揃える」試みは、私の知る限り、「史実を世界に発信する会」の茂木氏ら民間の散発的活動がありますが体系化されていない嫌いがあり、本来は政府の仕事ですが、外務省には当分期待できませんから、このような活動を統括する司令塔や大本営になる存在が不可欠と思います。
    更に言えば、民間保守憂国の多数の有志を糾合しその活動をもっとも効果的に世界規模でリードする、中国共産党や現代版コミンテルンに匹敵する救国民族統一戦線が必要です。例えば最近知りましたが山岡鉄秀氏はオーストラリアで、目良浩一氏、藤井厳喜氏や西鋭夫氏は米国で、青山繁晴氏は日本の国会で、素晴らしい仕事をなさっていますが、これまでそうであったように、これからも、個別撃破の憂き目に会うのではないでしょうか。コメントを寄せられたJIN氏の政党の実体は知りませんが保守政党であれば、幸福実現党、日本の心などと小異を捨てて大同団結できないものかと考えます。但し、「つくる会」で炙り出されたような偽物は注意深く排除しなければならないでしょう。
    (4)「守るべき日本の価値とはなにか?」についても様々な方が様々な表現を与えておられます。いま思いつくだけでも、草津珍彦、岡潔、福田恒存、三島由紀夫、佐伯啓思の論文を分類整理し体系化して、現代版教育勅語に文書化できればと思います。西尾先生の憲法前文私案で提案された、「森と岩清水の文化、寛容な文明、尚武の気風と正義の感覚」「国際社会で指導的大国を目指す立国」はヒントになるのではないでしょうか。

    国民が歴史の真実を知らない、ネットでこれほど広範な情報が得られるにも拘わらず、日本人の知的レベルは相対的に相当高いにも拘わらず、驚くほど無知であり、知友の複数の弁護士らもWGIPで完全にやられています。腐った日本が、このまま腐り果ててしまっては死んでも死に切れません。以下、私案を3点掲げます。
    A. 単純に彼ら、日本国民、投票権を持つ大衆が本当の事実を「知る」ことで日本は変わります。「知らせる」つまり、共産党得意の教宣に保守が実践し成功すれば日本は立ち直れます。ソーシャルメディアが有効なツールですが、エコーチェインバーとなりがちで仲間内の憂さ晴らし、「居酒屋の宴会」になっています。真の意味で拡散し、情報共有できる工夫はあるはずです。
    B. もう一つは、日本人に名を惜しむ廉恥心を取り戻させることです。武士道を持ち出すまでもなく、古代以来、他国に侮られない気概を日本人は失っていることが現状の悲惨を招いています。侮られれば恥であり、名誉は命懸けで守る精神が、政権担当者にも官僚にも、まして左翼にもありません。グローバリストは国境は要らないと言いながら自国に向けては抜け目なく愛国心を煽っています。
    C. 生前国政に絶大な影響力をもった瀬島龍三は誓約抑留者という名のソ連の工作員でした。戦前の法制下でさえゾルゲなどのスパイが暗躍していました。戦後の日本はスパイ天国であり、工作員があらゆる分野に巣食い、日本を駄目にしていると想定すべきであり、公安が摘発し処罰し排除することが最も手っ取り早い戦後レジームの超克になると思われます。

  5. 西尾先生

    (1)世界の「韓国化」とトランプの逆襲(Hanada)
    (2)歴史問題はなぜ置き去りにされているのか・中西輝政氏との対談(正論)
    この二つの記事を読んだ感想を申し述べたいと思います。
    年末に届いた先生の全集第16巻「沈黙する歴史」を読み終えてすぐに、雑誌の記事を読みました。両者

    には共通する部分が多く、特に「歴史問題はなぜ置き去りにされているのか」で述べられていることのほ

    とんどが、「沈黙する歴史」の中に詳しく書かれていました。また、「異なる悲劇 日本とドイツ」によっ

    て明快に、そして徹底的に戦後ドイツの巧みな世渡りのレトリックが解明されたにも関わらず、日本は未

    だにドイツと同じ犯罪国家であるとの烙印を押されたままです。
    そんな情況にあって先生は、上記対談の中で「どれだけ言っても理解しない人が多すぎて、もう疲れてき

    た」「私が生きてるうちには太陽は輝かない」と嘆いておられます。
    教育、マスコミ、政界、官界が、事なかれ主義やいい人と思われたい症候群としての偽善にとっぷり浸か

    っていることも苛立たしいのですが、根本に横たわっている問題は、国民の主体性のなさ、自分で考える

    ことができず、人の言うことをそのまま受け入れて疑わない、ナイーブな国民性にあるのではないかと思

    っています。
    少し左で、権力はすべて悪で、自国の近代史を暗黒史として見るというような考え方が、クールで格好良

    くて、プチインテリに見えるという風潮が未だに支配的です。戦前のことは何でも否定して、その時代に

    生きた日本人の思考形態や行動様式まで否定することで、あたかも自己が優位に立っているかのごとき勘

    違いをしていまる日本人が溢れています。こういう人たちは、戦前・戦中の日本人のことを、軍部ファシ

    ストに洗脳された哀れで愚かな人だったと内心で蔑んでいるのだと思います。
    でも本当は、今、自分はリベラル派で平和と民主主義をこころから尊重すると思っているような人こそ、

    戦前に生まれていれば、間違いなく熱烈な愛国者になっていたと思います。先生は「Hanada」の論文の中

    で、御自身が若い頃に体験された下宿のおばさんがゲーテを見てきたことを自慢するスノビズムの例を引

    き合いに出されて、ドイツ人大衆の観念に踊らされる愚衆振りをユーモラスに書かれていますが、民衆レ

    ベルにおける愚衆っぷりに関していえば、我が国もドイツ人のことを哀れんでもいられないのではないか

    と思いました。こうしたことは個人のの頭の善し悪しとはほとんど関係がないのではないかと思います。
    味覚(舌の記憶)や信仰が、生涯に渡ってその人の肉体や精神の基底に澱のように沈殿して嗜好や思考を

    支配するように、一度教育や時代精神(時代病といった方がいいかもしれません)によって洗脳された情

    緒というものを覆すことは、ほとんど不可能なのではないかと思います。

    英国のEU離脱とアメリカのトランプショックが起きたとき、「貧しい学歴の低い白人労働者の反乱」だ

    というヒステリーじみた言葉がメディアを通して夥しく発信されましたが、先生は端的に、これこそ重大

    な差別であり、ヘイトそのものであり、人権侵害であると喝破されました。これもひとつの劣等感と一体

    になったルサンチマンだったのだということが、先生の指摘で理解できたのでした。
    以下、印象に残った言葉をいくつか引用してみます。

    世界は「韓国化」しつつあり、世界の「韓国化」の大本が、どうやらドイツにある。ヒトラーの名を出せ

    ばそこですべてが思考停止してしまう非暴力の正義、ナチスというのは極右ではなく、極右を突き抜けて

    極左なのだ。

    英国と米国はこうした情況に「No」と言いました。そして、日本には残念ながら自分で自分を変える力

    がない、と先生は言います。頼みは外圧だけでしょうか。
    そんな情動的で、理非を弁えない日本人なら、ひょっとしたら全体主義の魔手にもあっという間に絡め取られてしまうのではないかとの妄想が頭をかすめました。

    平成の御代があと二年で幕を降ろすことが確実となりました。思えば、我が国の没落はこの御代代わりを期に一気に加速した感があります。それは決して、バブル崩壊がもたらした経済だけの問題ではありませんでした。二年後に迫った新しい元号の下、不安は杞憂であってほしいのですが、私も先生と同じ言葉をつぶやかずにはいられない思いがしています。
    「私が生きてるうちにも太陽は輝かない」だろうと。

  6. 日本を代表する街といえば東京の銀座。銀ブラ好きにはそれぞれ贔屓の通りがおありと思いますが、ぼくの意見では並木通りを歩いていただきたい。
    横須賀線で上京して、新橋から八丁目の資生堂パーラーで甘いものを食べ、その横を入って並木通りを右に曲がり、舶来品の並ぶ商店の展示と通りの並木を楽しみながら、ずっと歩いて並木座で黒澤明を見る、というのがぼくの学生時代からの銀ブラでした。
    その並木通りの様子が80年代から90年代にかけて華やかだが冷たい雰囲気に変わって行きました。つまり日本の商会が欧米で買い付けた舶来品を売っていたのが、向こうのブランドが銀座に直営店を開くのです。店の入れ替わりです。新しい店は総じて非日常的な印象で華やかで敷居が高くてよそよそしい。一方で消えて行ったお店、おそらく日本人の商人が仕切っていたお店は、今にして思えば上品で明るくて気配りがあって、舶来品を扱いながら大和撫子のようでありました。邦画専門の名画座であった並木座もひっそりと閉じました。
    その時期は日本の各地方に工場を誘致して就職先として栄えた時代の終わりでもあったと思います。東海道線沿いの巨大な松下の工場が確か冷蔵庫だかエアコンだかを作っていましたが、松下はパナソニックに名前を変え、工場の塀沿いの桜並木は切られ、工場そのものが更地になりました。
    日本各地の製造拠点は人を減らし、賃金も安くなり、非正規雇用とか新しい呼ばれ方をされ、あるいは日系ブラジル人。なにか恐ろしい変化が日本社会に起きていて、給食費も払えない発展途上国みたいな地域が出来ていると聞きます。
    この不安な変化はアメリカでも起きていて、出来てしまった発展途上地域の状況は日本のそれより絶望的で、白人達は健康を害して平均寿命まで短くなってしまったらしい。
    新大統領候補のドナルド・トランプは、父親が貧民地区の再開発、つまり家賃が安くて質実剛健のアパート建設を手がけたドイツ系移民らしい。レンガや窓枠に至るまで品質と原価を熟知して、無駄な贅沢や粗悪品を許さなかった。毎朝六時に建築現場に入って睨みをきかせて下請け業者の手抜きを許さなかった。その飾り気のない再開発地区にトランプの父の会社の事務所もあり、息子ドナルドは子供の頃から出入りして、大学を出てそこで働いたようです。
    アメリカの中に発展途上国みたいな地域が広がっていくのを、そういう育ち方をした彼がどういう思いで眺めていたか。ぼくは理解できる気がします。
    去年の夏、泡沫と思われていたトランプ候補が共和党内を制しました。自由貿易に対して否定的なトランプ候補を、事もあろうに共和党が認めてしまった。
    ぼくは先立つ春の時点でトランプの主張はリンカーン政権と共通すると分析しておりました。奴隷解放つまり南部の奴隷に依存する経済の否定は、安価な労働力としての不法移民を否定する政策として再現したと。また関税による国内産業の振興と国内インフラ整備は、ハミルトンやクレイからリンカーンが継承したアメリカ・システム政策の焼き直しと見ました。つまりインフラも何もないアメリカをグレートなアメリカにした政策こそが、発展途上国みたいになってしまった現代アメリカの処方箋だとの認識がトランプ候補にあるのではないかと。
    奴隷解放は、当時の保守本流のホイッグ党はうまく対応できずに、ホイッグ党から分かれて奴隷解放のワンイシューで勝利した新興の共和党によって達成されました。同様に、不法移民問題は共和党はうまく対応できず、共和党から分かれた新興の党がワンイシューで勝利して達成できるのではないかとも。
    しかし現実に不法移民経済を否定したり、関税で国境に壁を築いたら、南部連合の連邦離脱、内戦、大統領の暗殺のエピソードまで再現されるかも知れないねと。
    そんなわけで「現代に甦ったリンカーン」が再び共和党の候補になる事態は、現実には考えにくかったのですが、実際になってしまったわけです。それからぼくは毎日のようにリアル・クリア・ポリティックスを覗いて、何が起きているのか知ろうとしました。
    夏から秋にかけてトランプとペンス組の勝率は5%と言われていました。確かに、民主党寄りの州、中間の州、共和党寄りの州とあって、トランプが勝つには中間の州が全部共和党寄りにならないといけません。それはあり得ないでしょうよと。
    しかし州ごとの世論調査の方式、精度を眺めると、ぼくは素人ですが、中間州がどっちに転ぶか本当に分からないと思いました。トランプとペンスの勝率は30-40%はあるのではないかと。
    選挙戦の終盤、ある日のリアル・クリア・ポリィックスの更新で、雪崩のように中間州が共和党寄りになる現象、民主党寄り州が中間に変わる現象が見られました。流れは勝負あった感じでしたが、ギリギリ誤差の範囲でやっぱりクリントンが勝っても不思議ではないと見ました。
    結果的にはトランプとペンスの勝利で、トランプの選挙対策チームの資金管理を担当していたゴールドマンサックス出身の男が、新しい財務長官に任ぜられると聞きました。またトランプの女婿が重要な手伝いをしており、娘はユダヤ教に改宗したそうですね。
    ところで最近にゾンバルドの「ユダヤ人と経済生活」を読んでいるところなのですが、ユダヤ人は国際的なヒト・モノ・カネのネットワークを形成して、各国の王侯貴族に食い込んで行ったとあります。つまり銀座に店を構えて舶来品を並べた商人は、ユダヤ人の真似をしていたのです。それが直営店によって、企業自身のグローバル経済活動によって、銀座の街頭から消えて行きました。
    ゴールドマンサックスは国際金融の担い手であって、いわゆるグローバル経済の代表選手の印象ですが、それはどこか一面的な認識ではないか。ユダヤ商人の伝統的領域を「企業の直営店」に侵食されていないか。多国籍企業とユダヤは常に相互補完の関係とは限らない。トランプ政権が多国籍企業に影響を及ぼす時、ユダヤはユダヤの利益を最大化するように政権に干渉するのではないか。
    というのが、最近のぼくの関心事であります。
    以上、話があっちこっちに飛びましたが、 西尾先生の「世界の韓国化とトランプの逆襲」を読みながら、ここ最近の自分の考えを述べました。お目通しありがとうございます。

  7. 西尾先生

    二つの記事を読ませていただきました。私は、世界の「韓国化」とトランプの逆襲(Hanada)について感想を述べさせていただきます。

    西尾先生は記事の中で、言葉がその置かれた環境と条件次第で悪魔の言葉にもなりえることを指摘されています。平和や人権という誰も文句を言えない言葉で、自主防衛のための軍事力を持つことを否定したり、大量の移民受入れを強要したりする。最近でいうと、「ポリティカル・コレクトネス」という作られた条件を武器に、政治家や言論人などに言っていい事や言ってはいけない事を押し付ける。

    現在のアメリカも、この「ポリティカル・コレクトネス」に支配されており、トランプがこれに逆襲をしようとしておりますが、西尾先生は、この淵源がドイツにあることを指摘されてます。すなわち、ヒトラーの名前を出せばそこですべて思考停止してしまう、ナチズムを絶対悪として、ホロコーストについて現在定義されている内容に少しでも疑いをもった発言をすると制裁をうけるような社会。

    こうした、創られた理不尽な条件を人々に強制する、なんとも馬鹿げた社会のありかたは、一体いつからはじまったののでしょうか。私は学者や研究者ではなので、かなり飛躍した発想となり恐縮ですが、ヘロドトスの歴史の中に記載された次のエピソードから、既に2500年も前の人間社会に、同様のことが姿を現していたと考えます。ヘロドトスの歴史の中で、巨大ペルシャ帝国がギリシャとの決戦を前にペルシャと同盟を結んでいたギリシャ人たちと酒を飲み交わしてた話が書かれています。その中で、一人のペルシャ人がギリシャ人に向かって涙ながらに、ギリシャ軍との戦がはじまれば、ここにいる大勢のペルシャ軍のうち生き残れるのは少数であろうと述べたと書かれており、それを聞いたギリシャ人は、そのことをペルシャ人の間で議論したどうかと問うと、そのペルシャ人は、多くのペルシャ人が同様の考え方を持っているが、しかし皆、「必然」の力に金縛りにされ、成り行きに従わざるをえず、実際は色々なことを知りながら、無力の為にそれをどうにもできぬことほど悲しいことはないと述べたエピソードが記載されてます。

    ここで述べられた「必然」こそ、現代の「ポリティカル・コレクトネス」と同様の機能をもった社会にゆがんだ統治をもたらす武器で、それは、現代の日本の社会をゆがめている「空気」というものと同じことであると考えます。空気が肯定するものを肯定し、否定するものを否定する政治家や学者やマスメディアで活躍する言論人たちは、TPPに賛成し、移民受け入れを賛成し、従軍慰安婦や南京大虐殺のような日本人を貶めるウソでたらめへの賛同までしてしまう。このエリートといわれる人たちが、そのような振舞いをするのは、そうすることで、よりよい仕事がもらえるようになり、収入も増えて得をし、逆に、それに逆らうと無視をされたり、制裁を受けるような社会が形成されているからだ。

    私たちは、この理不尽な条件を、誰が、どのような思想で押し付けてくるのか、その根本を探求する必要があるように思います。

  8. こんばんわ
    花田、も正論も読んでいない者にはコメントの資格は無いのでしょうが、敢えて愚痴を申し上げたいと思います。端的に云えば、USAは既に19世紀から、いやそれ以前からユダヤ系の金融財閥に支配操作されてきました。元来、USAの民主党とは共和党に比べてユダヤ財閥の影響が強い政党でした。勿論、共和党も影響を受けている。その圧力を受けない団体など存在しない。雑誌・新聞・テレビ・法曹・警察・情報局・軍・製造企業・銀行・行政府の各部門・大学・など、それは、キリスト教の団体よりも強力なのではないか?、考えられる限りの社会や民衆に影響を及ぼすもの全部です。いうことを聴かない政治家は、選挙で落とすぞというユダヤ勢力の圧力団体と、金によるロビーストの活動を通じて議員と議会に対する影響力は強力です。まったく、選挙で落とすぞと云う脅迫は、どんな議員にも有効ですから。ゆえに金の力は言論よりも現実的ですので、どんな国でもそんな風に成っている。USAは今回トランプ大統領が誕生すると言う事で、本当に何かの変化が有るのでしょうか?それは少しの変化はあるでしょう。ある一部の勢力をの利益を最大限にする政治から、プワーホワイトを含めて、今まで下積に置かれて来たアメリカ人全体の利益に貢献すると宣言しているのですから、天秤の支点は、実行されれば、幾らかは変わるでしょう。変わって貰わなければ、むしろ困る。それが日本にどう影響するかは、いまの所未知ですが、日本に関係が有るのはTPPと安保、憲法、軍事関係、というところでしょうか。

    日本は真の意味で早く独立国に成らなければと誰もが思う。でも、政府機関、特に外務省はそう思わないらしい。21世紀の日本は、真の文化・文明を創造し、世界に発信する気概で、300年、500年の遠い未来を、国民の1人々が思わなければ、日本の世界史上の貢献は無い。おそらく誇大妄想と嗤う方が多いでしょうが、西洋が最早教師としても資格を失った以上、これからは日本文明の真の力で新たな価値を自ら打ち立てる以外に、日本の真の目標は見当たらない。我々が生きているうちには陽の目を見ることが出来ないかも知れぬが、500年はアッという間に過ぎてしまうものだ。

  9. 置き去りにされている歴史問題についてもう少し・・・・・・・
     高い支持率を有する安倍政権のプラス面(中国包囲網など)を一応評価していますが、現状の歴史戦での劣勢や移民問題など国家基盤の毀損の進行については座視し難く感じています。  
    国家基盤に関わる歴史戦の戦略立案のうえで重要と思われる「置き去りにされている歴史問題」の核心(置き去り原因)について、もう少し考えてみました。

     まずこの件に関して最近の本日録のコメント欄などを見ると、様々な考察が載っていて、その「置き去りにされる原因」を私なりに幅広に改めて整理してみると、『正論』誌での西尾-中西対談における指摘を含め、下記の様な構図が浮かび上がってきている様に思われます。

    置き去りにされている歴史問題=(日本政府、安倍政権のへたくそな外交)=(日本の毀損)
    ↑①外務省の敗戦国諦念と歴史戦の重要性・致命性の認識不足=劣位戦
    ↑②国内が歴史左派・東京裁判史観の事なかれの多数派に占められていること
    ↑③多くの保守言論人の政治主義による安倍政権の裏切りへの保守の甘さ(安倍問題)
    ↑④歴史戦の中核・司令塔・組織(政党、団体、結社、機関など)がない
    ↑⑤工作員・利敵行為の放置=公安警察の無力
     ↑⑥一般人の歴史戦の重要性・致命性の認識不足
       ↑⑦日本人の大勢順応・非主体性的・ナイーブな特性、弱点でWGIPが解けていない
       ↑⑧根本原因のグローバリズム(共産主義含む)の真の問題点と反対概念が不明確
       ↑⑨真の近現代史のポイントと証拠に関するテキストが不明確
       ↑⑩歴史戦の意義と戦況と戦略戦術が不明確
       ↑⑪守るべき日本の中身(日本語、文化、歴史、皇室、国土、など?)が不明確

     こうしてみると、歴史戦の劣勢を打開する本筋としては、③④⑧⑨⑩⑪が重要と直観されます。 
    ①②⑤⑥⑦は従属事象的であり、③④⑧⑨⑩⑪の本筋問題を解決してゆけば自ずと好転ないしは迂回できると思われます。 
     例えば、⑤に関して今急に工作員摘発を行っても、本筋問題を解決しないと世論やメディアの猛烈な反発を受けると思われ、歴史戦は後退すると考えられます。 ここは我慢して慎重な準備と実行が必要と思います。 
    また⑦の日本人の欠点を言っても愚痴になるだけでしょう。

    ここで、本筋の事項③④⑧に関してさらにもう少し考えてみると・・・・

    ③多くの保守言論人の政治主義による安倍政権の裏切りへの保守の甘さ(安倍問題)
     シアターネットTVDHCシアターの放談番組 「やらまいか」(堤 堯氏司会)1月5日(木)の「安倍外交で世界はこうなる!迫るチャイナリスク」
     https://www.youtube.com/watch?v=Tx3XKu9XKS4 
    を見て、政治主義の蔓延を如実に感じる思いがしました。
     番組の中で、この③の政治主義の問題点を指摘する西尾先生に対して、堤氏や志方氏など多くの保守論客から安倍の代わりがいないとの、まさに政治主義からの反論で西尾先生は四面楚歌の状態でした。
     歴史戦の思想的バックボーンとなるべき保守言論人の方々は、政治の問題と歴史の問題を峻別して発言頂かないと全てが始まらない。 思想ポリシーを明確にして戦略戦術があるのですから。 
    これは保守言論人に自戒して頂くようお願いするしかないようです。 そして、④⑧⑨⑩⑪に関する議論を深めて広めて頂きたいと思います。

    ④歴史戦の中核・司令塔・組織(政党、団体、結社、機関など)がない
     この問題が最も大きいと思われます。  本来は外務省に歴史外交局でも組織して、その下に種々の審議会、調査課、交渉課、広報課、調整課、編纂課など実行組織を配して歴史戦を戦う覚悟と戦略と実績を示して欲しいところですが、それは最終目標として、次のようなアプローチを考えます。
     まず、保守言論界が「居酒屋の宴会」に近い状況を打破するために、目的とルールを明確にした歴史戦統一戦線サイトを立ち上げる。 次に歴史戦統一戦線結社を立ち上げる。 次に政党化する。 最終的に政権をとる・・・・・といけばなあ~

    ⑧根本原因のグローバリズム(共産主義含む)の真の問題点と反対概念が不明確
     就任式でのトランプ大統領は、他国の立場を尊重しつつも自国益を優先するとの当たり前な国民国家協調国際主義の主張をしたと思いますが、グローバリズムを称揚する人士・メディアは、トランプは極右だポピュリズムだと糞味噌です。
     それから、1/18の桜チャンネルで 『優位戦思考と暗黙智~日本人が守るべきもの』と題して、
        https://www.youtube.com/watch?v=I6ZRXDWlOhc&t=104s  
    キャスターの上島嘉郎氏と髙清水有子氏が非常に良い対談をしていましたが、国民国家が尊重する国柄の良さをいくら称揚しても、それだけではグローバリズムのより高尚な?人類愛の理想に燃える人士・メディアの前では説得性が無く、そんな主張はナルシズム・我田引水・偏狭なナショナリズムととられるだけです。
     ここは、なぜその高尚な人類愛のグローバリズムの理想が人間の本性から虚妄であり厄災を招くか、なぜ最善の国際システムは人間の本性から国民国家協調国際主義に基づかざるを得ないかを説明し、納得させないと、根本問題は解決しないと思われます。

  10.  置き去りにされている歴史問題から、さらに視点を広げて、日本が(中国に飲み込まれずに米露を味方につけて)日本らしく悠然と生きていくための方策・ポイントを考えてみました。 簡便に箇条書きでまとめてみると、以下の9点が浮かびました。

    1.普遍的哲学・主張を明確にすること
    (1)グローバリズムの虚妄を明確にして国民国家協調国際主義の最善性を解明・周知し、優位戦に持ち込むこと。
    ⇔国民国家を虚妄・諸悪の根源として蔑視し、グローバリズムを称揚する人士・メディアが大勢を占めている世界の中で優位戦を戦うためには、論敵を折伏しうる普遍的論拠に基づく主張をすべき。    
    トランプ大統領やルペン党首などの国民国家協調国際主義の主張を、極右だポピュリズムだと揶揄する多くのメディアを沈黙させる、あるいは改心させる、より大きな構図の哲学の開示が必須。それにはなるべく平易で明確な根拠(人間の本性や心理や歴史的事実)を示して国民国家協調国際主義の最善性を説明できるようにする必要がある。

    (2)守るべき日本の中身(日本語、文化、歴史、皇室、国土、など?)と価値を明確にすること
      それを失うと日本でなくなるもの。二千年・一万年かけて積み上げてきたもの。長所と可能性。

    (とりあえず(1)に関する図解として、以下の様に考えてみましたがどうでしょうか。
       http://rakuaki.blog.fc2.com/blog-entry-88.html
        キーワードは中庸だと思います。 後日解説を弊ブログで書いてみようかと思います。)

    2.歴史戦の優勢を勝ち取ること
    (1)歴史戦の意義と戦況と戦略戦術を明確にすること
        歴史戦敗北の亡国性を明らかにして味方を固め、優位戦思考の戦略で相手を圧倒するように。  
    (2)真の近現代史のポイントと証拠に関するテキストを確定すること
    (3)保守言論人の政治主義を排すこと
    (4)歴史戦の中核・司令塔・組織(政党、団体、結社、機関など)を整えること

    3.軍備
     防衛費を国際標準のGDP比2%(米国3.3%、英国2%、フランス2.1%、ロシア5.4%、ドイツ1.2%、韓国2.6%、日本現状1%)に倍増させて、飽和攻撃に堪え得る対核盾兵器(レールガン、レーザー砲、迎撃ミサイル、など)の複数の体系を早急に開発整備して実戦配備させること。そのために産官学が一致協力すること。 また、人工知能暴走防止策を探求確立しておく。

    4.入国管理
     観光商用入国の簡素化は一応図るが、難民以外の移民受け入れを禁止し、3か月以上の永住外国人の人口比を1%以下(難民含む)に制限する。 離島などを活用した段階的難民受け入れ(送還)態勢を整える。 現状の在日特権は停止し、帰化帰国を平和裏に促す。

    5.外交および情報戦
     米露と同盟を結び、中国を協調可能な普通の国民国家(群)にするような外交と情報戦を展開する。そのために、情報機関を設置し、かつ外務省改革を行う。

    6.教育
     特に上記1.と2.を小中高で平易に根拠をよく示してしっかりと教える。

    7.経済
     意外と低い日本の輸出依存度(対GDP比15%)を維持し、少子高齢化を克服するロボットや人工知能などの技術開発、国内産業振興を中心に経済戦略を立てる。 輸出産業振興については、世界市場を席捲できる素材や中間材や部品や生産財やソフトウエア産業に集中する。 それらの中でエネルギーと食糧のセキュリティーを90%以上まで高める。 非正規雇用を解消し合理的日本型雇用の復活を図り、人工知能発展の中での良好な労働環境を工夫確立する。

    8.皇統(男系)の安定化   戦後GHQに臣籍降下させられた旧皇族の皇族復帰を行う。

    9.憲法と放送法とNHK法の改正
     憲法9条の改正による自衛隊の国軍化(ネガティブリスト規制へ)、放送法厳格化かNHKの国営化を行う。 後者については、放送法4条を強化して偏向報道には電波認可取り消しなど厳罰化するか、またはNHKを国営化して国策報道機関とし、その代わりに民放の政治主張報道は自由とする。

  11. 幹二先生、こんばんは!!

    *

    米帝は、北朝鮮に関わらない。

    利益の無い戦争は仕掛けない。

    北朝鮮 如きの為に海兵隊は出さない。

    朝鮮半島を、北が飲み込むか・南が飲み込むか、

    今頃、武器でも売り付けて殺し合うのを眺めている。

    17/02/03 , 19:29 子路 .

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