全集の最新刊(二)

  目 次

 まえがき 歴史とは何か

1…一文明圏としての日本列島
2…時代区分について
3…世界最古の縄文土器文明
4…稲作文化を担ったのは弥生人ではない
5…日本語確立への苦闘
6…神話と歴史
7…魏志倭人伝は歴史資料に値しない
8…王権の根拠――日本の天皇と中国の皇帝
9…漢の時代におこっていた明治維新
10…奈良の都は長安に似ていなかった
11…平安京の落日と中世ヨーロッパ
12…中国から離れるタイミングのよさ――遣唐使廃止
13…縄文火焔土器、運慶、葛飾北斎
14…「世界史」はモンゴル帝国から始まった
15…西欧の野望・地球分割計画
16…秀吉はなぜ朝鮮に出兵したのか
17…GODを「神」と訳した間違い
18…鎖国は本当にあったのか
19…優越していた東アジアとアヘン戦争
20…トルデシリャス条約、万国公法、国際連盟、ニュルンベルク裁判
21…西洋の革命より革命的であった明治維新
22…教育立国の背景
23…朝鮮はなぜ眠りつづけたのか
24…アメリカが先に日本を仮想敵国にした(その一)
25…アメリカが先に日本を仮想敵国にした(その二)
26…日本の戦争の孤独さ
27…終戦の日
28…日本が敗れたのは「戦後の戦争」である
29…大正教養主義と戦後進歩主義
30…冷戦の推移におどらされた自民党政治
31…現代日本における学問の危機
32…私はいま日韓問題をどう考えているか
33…ホロコーストと戦争犯罪
34…人は自由に耐えられるか

 原書あとがき

 参考文献一覧
文庫版付論1 自画像を描けない日本人――「本来的自己」の発見のために――
文庫版付論2 『国民の歴史』という本の歴史
追補一 『国民の歴史』刊行直後に書かれた一読者の感想…柏原竜一
追補二 古代とは何か――西尾幹二著『国民の歴史』に触れながら…小路田泰直
追補三 あれから二十年――『国民の歴史』の先駆性…田中英道
後 記

「全集の最新刊(二)」への3件のフィードバック

  1. 「後記」に先生は次のやうにお書きになつてゐます。

     私は『国民の歴史』の発刊直後、ベストセラーのフィーバーの只中で
    面識のない永原(慶二)氏から一通の私信をもらった。一度会いたいと
    書いてあった。私は返事をしなかった。歴史学会に属する友人から、「な
    ぜあんな偉い先生が辞を低くして言ってきたのに会わないのか」と尋ねら
    れた。私はこれにも黙っていた。永原氏に対する私の積年の憤りは、心
    の中で冷く凍りついていて、来た手紙に返事を出さないという企図した冷
    徹さ以外に侮蔑の方法を持たなかったのである。

    この「侮蔑の方法」は、私には初耳でした。

  2. (つづき)
    同じ18卷の月報には、元『文藝春秋』編輯長の堤堯氏が、「西尾幹二氏と三島由紀夫」なる一文を寄せてゐる。
    内容は、私などでも知つてゐることが大部分だが、間違つたことは書かれてゐない。結びの

    ・・・三島も西尾氏も、いうなら敗戦による LOST CAUSE(失われた大義)の復権を主張した。 ために「反時代的」と目され忌避されたが、評価の逆転はすでに始まっている。

    といふ一節も、「すでに始まっている」が甘いか事實かを別にして(事實であることを私は願ふが)、平凡ながら、まつたうな記述である。

    ただし、堤氏自身はこの數年、一向に「反時代的」でない。といふより時好に投じることに汲々としてゐる。今の首相の批判となると、それまでの毒舌はどこへやら、途端に、ピタリと口を噤む。

    「やらまいか」とかいふテレビ番組を數度見たが、西尾先生の發言が安倍批判に亙りさうになると、司會の堤氏はさつとはぐらかす。少くとも絶對に、まともには取合はない。
    私はこれに腹を立てた。そして、他のこともあつて、堤氏は私にとつて十分「侮蔑」の對象になつてゐる。「忌避」されることがそんなに怖いのか・・

    ところが、先生はテレビでは、その無禮にお怒りにならないし、 堤氏の邪魔を押しのけて、強引にしやべらうともなさらない。 先生の優しい、穩かな性格の然らしめるところだらう。 相手を必要以上に傷つけまいといふ配慮や、身過ぎ世過ぎなのだからしかたがないといふ同情もあるのかもしれない。

    十數年前、先生と轉向論を交したことがある。戰前、戰後を通じて右⇒左、再び⇒右と立場を變へたやうな言論人何人かを俎上に乘せたが、私が罵つた轉向者の8割がたを先生は擁護された。先生の寛容なのに驚き、私自身の狹量なことを、改めて痛感した。

    堤氏に寄稿させたのも、先生の寛容さ、器の大きさの故だらう。

    その先生にも、永原慶二のやうに絶對に許せない相手といふものがあるのだ。
    私みたいに、永原慶二(噂を聞いたことがある程度なのに)も堤堯も、同じやうに侮蔑してすましてゐるのとは、次元が違ふのだらう。

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