5月と6月の活動報告 (三)

6月28日産経の一面下に、「新・地球日本史」の告知記事がのっていたのにお気づきになったであろうか。
 
 この企画は私の責任編集で7月5日から約10ヶ月にわたり、日曜を除いて毎日、産経新聞に連載される大型企画である。私自身の担当執筆は、最初の第一回とあと中ほどで一回あるかないかである。誰かが事情で書けなくなった場合、私は責任上穴埋めしなければならない。その可能性も覚悟はしている。
 
 私が同企画を産経新聞社住田専務(現社長)から申し渡されたのは平成15年の2月だった。1年かけて特別の準備をしたわけでもない。書いてもらいたい人の名前が少しづつ心の中に浮かぶようになった。同年秋に新聞の編集局長と特集部長との打ち合わせ会が開かれ、私にテーマと人選が任された。しかし自分の仕事が忙しくて、テーマごとに執筆者を自分できめ、電話をかけまくったのは今年の3月であった。
 
 4月に私から執筆者諸氏に次のような挨拶文とともに、決定した39項目のタイトルと執筆者名の一覧表を送った。同企画の目的と内容が示されているので、ご参考までに掲げておく。
 
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                 平成16年4月
 
 地球日本史 
  執筆者各位
                    西尾幹二
 
        ご 挨 拶
 
 「新・地球日本史」という新しいシリーズを産経新聞が7月5日より連載いたします。この企画にご参加くださいますことをご諒承いただき、有難うございます。
 
 「地球日本史」はすでに平成9年11月3日から、翌10年12月25日まで長期連載を行い、16世紀から明治初年までの日本の問題をユニークな角度から抉り出し、好評を博したことがあります。連載後、扶桑社より3冊の単行本(各副題は第1巻「日本とヨーロッパの同時勃興」、第2巻「鎖国は本当にあったのか」、第3巻「江戸時代が可能にした明治維新」)として出版され、さらに扶桑社文庫ともなり比較的よく読まれました。
 
 このたび本年7月5日より、来年4月9日までの期間で、「新・地球日本史」20世紀前半篇を、産経新聞にて連載することになり、私は前回に引き続きコーディネーターを任されましたので、ここに39回(1回1週単位)の内容プログラムを作成し、提出させていただきます。皆様のご協力を得て、プログラムはようやく同封別紙のようにまとまりましたことにあらためて感謝申し上げます。
 
 「地球日本史」は題名が示すとおり、地球的視野で日本の歴史を見直すという狙いがあり、さらにまた今日的必要から、今の時代の問題に引き据えて各テーマを再検討するという目的をも担っております。地球的視野といっても、国際化という甘い感傷語の示す方向を目指すのではなく、日本人が気がつかない世界の現実の中に日本を置いて、あらためて問題を見直し、既成の歴史の見方をこわすというほどの意味であります。一つの角度から鋭い、衝撃力のある光を照射していただければまことに幸いです。
 
 また、歴史を語るといっても、過去の一時代の話題に限定する必要はなく、現代の新聞紙上を賑わしているさまざまな関連テーマを取り上げ、並べて論じていただくのも一興かと存じます。できるだけ広い世界の話題の中で、しかも今の人の身近な題材にも言及していただければありがたいのです。しかし、テーマによっては、短い紙幅に歴史事実を語ることで精一杯で、余計な話題にまで手をひろげようがないという場合もございましょう。その場合には、当該テーマを過去の一時代に限定して語っていただくことで勿論十分でございます。
 
 すべて制約はなく、フリースタイルです。どうかよろしくお願い致します。
 
 原稿ご執筆の詳細な規定と事前催促予定、原稿受け渡しの方法等につきましては、担当の産経新聞特集部より同封書にてご報告いたさせます。
 
 なお連載は平成17年前半に扶桑社より上下2冊の単行本として出版される予定です。
 
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 39回の連載は36人によって執筆される。第1回目の私の「日本人の自尊心の試練の物語」だけは総論で、それ以後はしばらく明治時代が扱われる。韓国併合が9月末から10月初旬、日中戦争のテーマはやっと年末から年初に登場する。
 
 私が信頼している書き手が続々と姿を見せる。テーマもかなりひねって工夫してある。御期待ください。

「5月と6月の活動報告 (三)」への1件のフィードバック

  1. この記事へのコメント
    地球に関心があるのは、やはり滅亡が近い?どっかの企業が酸素売るという。水は買うのは当たり前だが、酸素も買うとなると、予測した通りに事態進行であるか?あくまでも唯物論で行くのだが、19%で鈍くなる。18になるとあかん。排気ガスは蓄積されておるんか、どっかの生物が旨い旨いと食うておるんか?

    俄づくりの映画館(公民館なのだが)で、カーテンを閉めて真っ暗にして、南極観測船宗谷を見たとき、酸素不足になった。映画館はそれいらい嫌ひじゃね。

    唯物論は、間違ひやというのに同調はするんだが、唯物論が専門だったし、それで食うて来たてまえ、どうしたもんかね。

    話変わるが、物書きは、人を誘う事が出来るが、政治家は、殆ど文章で出来る奴は皆無だね。やっぱり芸術なんでしょうな。浅田なんかは旨いもんだ。吉川英治は、小学生でも引き込んだね。西尾先生も一気に読ませる。コツがありますのやな。
    てなことで。
    Posted by 閑人 at 2004年06月29日 20:10

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