9月16日頃から22日までの間、うち別件で一日使えなかった日があったが、自己集中して、次の二論文を書いた。
(1) 最後の警告!郵貯解体は財政破綻・ハイパーインフレへの道だ
「諸君!」11月号(40枚)
(2) ハイジャックされた漂流国家・日本
「正論」11月号(23枚)
(1)は経済論、(2)は政治論である。どちらも、いうまでもなく現政権批判である。
私の一連の関係論文はまとめてPHP研究所より単行本化される予定で、作業が開始されている。昨夜書名をどうしようかと担当者と話し合ったが、私は誰にでもすぐ分る簡潔なのがいいなァ、と呟やき、こんなのはどうかなと提案した。そうなるかどうかはまだ分らないが・・・・・『小泉純一郎は間違っている』。
そのものズバリの、あけすけで分り易いこんな題の本を出したことはまだないが、私が言いつづけてきたことは、この題に尽きている。
日本は戦後60年目にして、この政権で一大変質し、破局に近づいている。権力の頂点が頼りにならない、崩壊が上から始まっているこんな不安定は、私には初めての経験である。国民の大半が明日の自分の財布を心配していないのが不思議でならない。財務省や金融庁の幹部はじつは真蒼になっているのではないかと思う。
尤も、彼らは破局ですべてを清算したいのかもしれない。
私は郵政民営化は最終的には実行できないと思っている。法案が成立しても、執行されないうちに財政が行き詰まってしまうからである。4年間で240兆円もの、戦後政権で最大の借金を増やした小泉政権に責任は帰せられる。
間もなくみんなが本当に困る時代がくるのである。
破局、、ああなんてロマンチックな響き。
そう、戦争でも起ってくれないかな、
天変地異がきてすべてが終わればいいのに
こころの底でそう思ってるひとは少なくないはずだ。
小泉首相はまちがっている。
そう、まちがっているにはちがいない。
でも問題は間違っているかどうかではなく
しあわせってなにかってこと。
もちろんふつうにやっててもしあわせになれない大勢を含めてだよ!!
彼には誰よりも覚悟がある。
天変地異を一人で起こす覚悟が。
拍手喝さい送らないのはむしろ不自然な日本の現実である。
どうせろくな死に方しないってどこかで思ってる。
それならはでに夢みてみたい。
さあ、このカタストロフィーに代わるみそぎをあなたは起こせるかい?
それが問題だい!
たまたま機会があって西尾先生の「自由と宿命・西尾幹二との対話」という本を読みました。
薄い新書だったんで、一気に読みました。
とりわけ、今の私の目に止まったのが216ページのゲーテのアフォリズムに続くこの一節
一部分だけ引用したので誤解の元になるかもしれませんが、なんか、現在の我が国を思いました。
で、さらに誤解を招きかねないことを書きます。
内田樹さんがブログの中の『階層化=大衆社会の到来』というエントリーで、苅谷剛彦さんの『階層化日本と教育危機-不平等再生産から意欲格差社会へ-』を引用して、メリトクラシーの陥穽から「意欲格差」(インセンティヴ・ディバイド)という問題について考察しています。
ニーチェの「畜群論」の中の「貴族」をオルテガ言うところの「大衆」に結びつける強引さや、内田氏のニーチェ解釈について西尾先生から見れば噴飯物なのかもしれませんが、私は妙に気になります。
ここで内田さんがニーチェを持ち出してきた理由は、ニーチェ言うところの「貴族」の特質が「勝ち誇った自己肯定」である、って言葉が必要だったからにすぎず、そしてかなり傲慢な匂いのするこの「勝ち誇った自己肯定」という言葉を、「降りた者たちを自己満足・自己肯定へと誘うメカニズム」に重ね合わせてオルテガの大衆論に持っていってるわけですが・・・
要するに聞く耳を持たない、傲慢で自分勝手なものとして「自己肯定」する存在を論じています。
内田さんのブログの最後のこのくだりを読んで、私は別の意味で寒くなりました。
西尾先生は
「実効的な革命が成立するときには、自分を統御できないような人間は指導者になれませんよね。」
とおっしゃっています。
ただ、『自分を統御できないような人間』が半端な革命を起こす危険が迫っているように思うのは私の考えすぎなのでしょうか。
ご興味のある方は・・・
内田さん別エントリ
ニーチェとオルテガ 「貴族」と「市民」
メリトクラシーについては・・・ちょっと左でフェミっぽい・・・
経済産業研究所
ハイパー・メリトクラシー化社会についての考察
変な法案の提出の動きが・・・
この状態で憲法改正なんてしたら、9条廃止という悲願にまぎれて、恐ろしい余禄がついてきそうです。
時事通信の記事です
衆院に憲法常任委設置=国民投票法案を審査-与党と民主合意
http://news.goo.ne.jp/news/jiji/seiji/20050914/050914X744.html
国民投票法案提出で一致 与党幹事長、特別国会へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050921-00000065-kyodo-pol
衆院、憲法特別委を設置…国民投票法案調整へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050922-00000214-yom-pol
泉 あい氏のブログ
憲法改正国民投票法案を追う~民主党代表への取材申込み
http://www.surusuru.com/news/archives/Entry/2005/09/23_1653.php
国民投票法案(自民・民主 議連案) 全文
http://yorisan.jp/kaikvote/kaikvote.pdf
何が問題か
「憲法改正国民投票法案」の問題点
専修大学教授 隅野 隆徳(※左派の学者さんです)
まとめブログ
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(各記事のタイトルをクリックするとエントリが読めます)
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/c/0835052a782a4b113efbd08862560270
北海道新聞の高田昌幸氏のブログ
http://newsnews.exblog.jp/1761609
表現の自由に関しては、上のヤメ記者弁護士ブログにもあるように、第二東京弁護士会意見書に書かれています
http://niben.jp/01whatnew/pdfs/20050415.pdf