続・つくる会顛末記 (六)の5

続・つくる会顛末記

 

(六)の5

 じつは今のシステムも本当は壊れているのかもしれません。あと何年かは保守すれば何とか使えるということでしょう。システムはどんなシステムでも予想できないトラブルが考えられることは常識です。一番の問題はトラブル発生時の即応体制にあります。そのため平時からの情報監視体制が不可欠です。「つくる会」は「保守体制」がまったくコンピュートロニクス社に丸投げの状況で考慮がなかった。つまり宮崎氏があまりにも安易に考えてきたことが問題です。

 新田氏がブログで「トラブルがないではないか・・・・」と書いているそうですが、こういう指摘は本質ではないのです。いまだにファイルメーカーを基本にしているのですが、ファイルメーカーは専門ソフトであり、その技術者が市場にたくさんいていつでも対応可という状況なら心配もありませんが、すでにマイナーなソフトになってきているのが問題なのです。技術者も減る一方です。それだけに、保守契約は大事な問題でしたが、何度も言いますが、実際には本来の保守契約ではなかった・・・・・これこそが最大の問題です。

 エクセルやアクセスなどの、マイクロソフトの汎用製品でつくればそういう心配はなかったでしょう。ある人が言っていましたが、某団体(30万人)会員管理ソフトは、汎用ソフトを使用して、開発に100万もかかっていませんし、保守費用も年20万程度だということです。「つくる会」のケースは知る人が知ったなら常識外なのです。新田氏の指摘「いま問題がないのだから・・・・」は問題の「表層」であり、およそ学者が口にすることばではありません。

 コンピュータ問題の真相を糾すには、Mさんより前に退職した二人の女性オペレーターに本当に新しいソフトに従来の要望、無理な使い方を積み重ねて、長大な時間を要したのか、事情をお訊ねすべきでしょう。それが人件費の加算を生んだ原因だといわれているからです。

 しかしコンピュータ会社の担当役員は「つくる会」の会員で、しかも「つくる会」の仕事を負った損害が原因で重役の職を解かれていると聞きました。コンピュータ調査委員会では、これ以上の追求は慎むべきであろう、争って得られるものはなく、当会のなおざりな対応にも責任がある、と判断されました。そして相手が責任をとっている以上、「つくる会」側がこの件で責任を問われぬまゝはおかしい、という議論になりました。これはしごく当然ではないですか。

 責任をとって理事が辞任するのは簡単ですが、辞任すれば会がなくなってしまうので、八木、藤岡、遠藤、福田、工藤、西尾の六人で100万円を罰金として会に支払い、謝罪の意志を表明することとし、宮崎事務局長は次長降格、給与10%3か月分カット、調査中なので当分の間出勤停止という裁定を会は自らに下したのでした。公明さを示すためにこの裁定を「つくる会」支部にも公表すべき、と言ったのは、八木氏と西尾であり、それに反対し、むしろ内々で辞職勧告とするよう慎重な道を選べ、と言ったのは藤岡氏でした。

 しかるに、新田氏らいわゆる四人組は、お前たちは宮崎に責任を押しつける手前、金を払ってごまかすという汚い手を使った、と居丈高に理事会で発言しました。私はこういうコンテクストの中で、こういう理窟を言い立てる人々とはとても席を同じくすることは出来ないと思って、それが辞任に至った直接の原因でした。

つづく

「続・つくる会顛末記 (六)の5」への10件のフィードバック

  1. Posted by 松田

       コンピューター茶番芝居

    >コンピュータ会社の担当役員は「つくる会」の会員で、しかも「つくる会」の仕事を負った損害が原因で重役の職を解かれていると聞きました。

     でも、相手の会社はボロ儲けしているわけでしょう。FileMakerのソリューション(テンプレート、スクリプト)を組むという素人でもできる実質30万程度の作業で、莫大な報酬をえたわけですから。当初発注されて、受領拒否されたという存在するかしないかわからない自社ソフトについても、見積もりどおり900万以上も受け取っている計算になります。(もちろん、これはコ社が実際に報酬として1000万円を受け取っていると仮定しての話ですが)
     この表向きの話では、担当役員のH氏は社内的にはおいしい仕事をもってきただけで、なんら会社に損害は与えていないはずです。

     それよりもおかしいのは、つくる会側の対応です。当初発注された独自ソフトについて、できそこないのものしか持ってこれなかったようなホームページ会社に、再度その会社が不得意だと言っているFileMakerの開発を頼むというのが理解できません。ソフト会社は日本中にそこしかないのでしょうか?クズソフトしか作れない会社なら、そんなものは契約仕様を満たさずとして受領拒否し、見積もり額の何分の一(100〜200万)かを契約解消費として支払う、取引き関係を切るというのが普通でしょう。再度FileMakerがいいと判断したのなら、それを専門とする他社に頼めばいいはずです。

     それをまた、独自ソフト開発に失敗した当のホームページ会社に委ねてしまう???失敗したソフトについても成功した場合と同じだけ報酬を払ってしまう?まるで狂っているかのような展開ですよね。

     そもそも、つくる会理事レベルにおいて、独自ソフト開発という決定がなされていたのに、納品されたソフトがオペレーターの趣味に合わないからといって、現場の女子事務員がFileMaker再使用を主張し、それがそのまま通ってしまうというのも組織的におかしな話です。会として発注されて、数百万もかけて出来上がってきたものなら、細部がおかしいからここを直してほしいくらいは事務員が言えても、なぜ理事会や上層部での決定を全部覆して、FileMaker再使用なんてところまで進言、口だしできるのか?異様な経過です。

     すべてが、コ社と書かれた封筒に1000万円を突っ込むための茶番芝居としか解釈のしようがありません。このつくる会ソフトを巡っての決定や過程は、すべてが不合理で矛盾に満ち満ちていると思います。

  2. 先日はK氏の28万円について憶測を書きましたが、
    ご迷惑をおかけしたようで恐縮です。
    しばらく投稿を控えようかと思いましたが、
    遠藤報告書などから自分が読み取ったことを書いておいた方が
    皆さんの参考になると思われますので、
    また投稿させていただきます。

    「つくる会」と開発元とのやりとりの内訳:

    (16) H15(2003).1
    構築 300万
    保守 月17万×84カ月=1,428万
    合計 1,728万

    (17) H15(2003).1.14~24
    構築 300万
    保守 月17万×48カ月=816万
    合計 1,116万

    (18) 以降
    構築 300万?
    保守 11万?×42カ月(※)=462万?
    合計 762万?
    うち支払済み分 525万?
    開発元としては238万の入金不足?
    ※2002.10~2006.4: 42カ月

    とりあえず自分の気になった点:
    ・構築の300万について、妥当かどうかは別として、開発元としては直接の設計・製造費の他に
     検討期間の諸費用(いわゆる人件費)を相当に含ませているそうである。その内訳は?
    ・検討期間に仕事をしましたという証拠(要件定義その他の書類、
     開発元と発注側担当者の打ち合わせの記録など)が存在すべき。
    ・月に十数万円の保守費用は、果たして妥当か。
     (システムの必要性・重要性などに勘案して)

  3. 「大岡裁き?」

     西尾陣営・藤岡陣営・新田陣営のそれぞれが相応の痛手を受けたので、「三方一両損」ということで一件落着という訳にはいかないのか?

     それぞれがもっともな発言をするので、なかなか真相が判りにくいし、また、それだけ信憑性がないような気もするなぁ、「知識人」という方の発言は。。。(^へ^ゞ
     西尾先生に関しては、小泉キチガイ宰相発言以来、どんどんおかしな方向に論理をねじ曲げていたので、その印象が強くて今ひとつ信頼を寄せられないのだけど(いちど騙されたしw)、かといって若い人間は「表面を取り繕う」ことが上手いから、これも今ひとつ信用できないんですよね。。。

     今回のコンピューター問題に関する一連の発言については、何らかの「作為」があるようには感じられないですけどね。。。

    (それでも、何か「裏」があっての発言なのだろうか??)

  4. >尊野さん
    発言内容が明確ではなく、印象のみのように思えます。

    西尾先生の論理のねじ曲げとは何をさすのか?
    一度騙されたとは?
    若い人が表面を取り繕うとは具体的に何のこと?
    コンピュータ問題の一連の発言とは、誰の発言?
    何かの作為とはどんな作為?

    以後気をつけてください。

  5. 「一応は元システムエンジニア」

     10年くらい前になりますが、情報処理会社でSEをやっていて、名簿管理システムとかのプログラムを作っていました。。。(仕事は速かったが、リーマン生活に馴染めず1年半で挫折)

     現場を知っているから言えるのですが、コンピューターソフトのプログラムというものは、かなり雑に作っていても動きます。。。
     また、納期があったりするので、やっつけでいい加減に作ったのを、アフターサービスのメンテナンスと称して、少しずつプログラムを修正して誤魔化すということもしばしばあるという話です。。。

     コンピューターソフト自体がけっこう未完成な部分があるので(ウィンドウズだって、上手く動かない時があるでしょ?)、いちど作ったらもう万能ではなく、人間の手であれこれ修正しながら何とか動かしている状態、それが十年前のコンピューターソフトの現状でした。。。
     そして、たまにSEの人の話を聞くと、今でも10年前と大して進歩はしていないらしい。。。

     ちなみに、私はワードやエクセルを使って、「実務レベル」の管理表などのプログラムを作っていましたね。。。(新入社員なのにハイレベルの仕事を任されていたので、かなり使いこなしていた)
     その感覚ですと、会員の名簿を作って住所録を管理する程度なら、ワード・エクセルでも十分だと思いますけどね。。。(宛名書きとかだって、大した手間はかからないはず)

     それを考えるも、もしかするとですが、相手が素人なのでふっかけられた可能性はありますね。。。

    >長谷川様

     持病の自律神経失調が悪化しましてね、いま回復途中で、思考回路がまだ上手く働かないのです。。。(「鬱」の特徴で、夜更けになるとこうやって目が冴えてきたりします)

     また、ちょっとだけ頭を使って、あまり「具体的」に書かない方が、色々と支障が出ないかなという配慮もあったんですけど。。。(^^ゝ

    (私としても、出来るだけ騒がしくはしたくないですから)←だって、「率直」に語ると「過剰反応」が起きるでしょ?

  6. 「ちょっとだけ修正しておきます」

     西尾先生に関しては、小泉キチガイ宰相発言以来、(小泉批判では)どんどんおかしな方向に論理をねじ曲げていた(としか思えない)ので、その印象が強くて今ひとつ信頼を寄せられないのだけど((小林・西部批判の文章では)いちど騙されたしw)、かといって(新田陣営の)若い人間は「表面を取り繕う」ことが上手いから、これも今ひとつ信用できないんですよね。。。

     (この日録における)今回のコンピューター問題に関する一連の発言については、何らかの「作為」があるようには感じられないですけどね。。。

    (それでも、(西尾先生の)何か「裏」があっての発言なのだろうか??)

  7. 事実かもしれない恐ろしい仮説

    けっきょく、コ社はなにもしていないのではありませんか?
    OSとFileMakerのバージョンアップをしただけで?
    女子事務員はFileMakerでの再度開発を主張したのではなく、
    たんに旧システムに戻してほしいと言ったのではないのですか?
    それなら話がよくわかります。

  8. 「ちょっとだけ苦言」

     コンピューターソフト問題は、元を正せばつくる会の理事達が、ネットやソフトの事情にあまりに疎かったこと、そして、何よりもそれを軽視していたことが根本の問題としてあるような気がします。。。(今時、知的職業人ならワードやエクセルを使えて当たり前ですよ?)

     ちょっと関心を持って、ネットやコンピューターに関する意見を聞くとか、そういう積極的な情報収集をしておくべきでしょうね、教養人として。。。(普段からの無関心が無知を招くのですから)

    (情報化社会の時代ですから、書斎に籠もって本を読んでいれば良いというわけにはいかないと思いますね。。。(--)b)

  9. Jyn様、お大事に。
    数少ない若手?のコメント、志を持続して次代の高潔なる
    保守の論考を担って頂きたいと思います。
    今回の騒動の意味が、歴史の中で耐えうるものか、
    ただの下衆の空騒ぎとして埋没してしまうのか、
    今後のの動向を占うものではないでしょうか。

    但し、杉村大蔵を持ち上げる部分の貴殿のメンタリティは、
    全く理解の範疇外です。彼を下衆だと思っていますので。

  10. 「始まりは誰でも下衆」

    >つちのこ様

     生まれた時から聖人君子である人間なんていないでしょう。。。

     杉村議員は、まだ若干26歳の若者、それも凡人です。。。

     しかし、私が見るところ、将来、立派な政治家になる素質を十分に兼ね備えています。。。
     私は、彼の(良くも悪くも)正直で真面目に努力する姿勢を買っているし、将来の成長に期待しているのですよ。。。

     自分の20代を思い出して見て下さい。。。
     彼と同じ立場に置かれて、そんなに立派な行動が出来るでしょうか?

     今の至らない点ばかり、若さ故の失敗だけを見て決めつけるのは早計ではないかと思われます。。。

    (エールを送って頂いて、体も気遣って頂いてありがとう御座います。。。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です