『日本人はアメリカを許していない』(その四)

株式日記と経済展望より、『日本人はアメリカを許していない 』 西尾幹二(著) の書評を転載させていただきます。

 

西尾幹二著の「日本人はアメリカを許していない」は刺激的な題名ですが、歴史カードを中国や韓国のみならずアメリカが切り始めたことが問題だ。西尾氏は新版のまえがきで次のように述べている。

◆まえがき

 内閣が小泉氏から安倍氏に替わる直前にアメリカから雷鳴のようなニュースが届いた。平成十八年(二〇〇六年)九月十三日、米下院国際関係委員会(共和党のハイド委員長)が慰安婦問題に関する対日決議を行ったというニュースだった。靖国ではなく、ことあらためて慰安婦であることにわれわれは驚いた。すでに清算ずみの話だからである。

 法的拘束力を伴わない決議形式にすぎないが、慰安婦問題(強制連行説)は存在しないとしてきた日本側の議論への公式反論もあり、「学校教育での指導」まで言い出していて、これは歴史教科書の内容へのアメリカからの新たな干渉であるから、いったいこの間に何が起こったのか、日本側は不可解と不安の念に捉われた。

 次いでアメリカ下院外交委員会のハイド委員長は、同年九月十四日、靖国神社の遊就館の展示内容の変更を求める見解を公聴会で陳述した。民主党のラントス筆頭委員は、小泉前首相の靖国参拝を非難して、「次期首相はこのしきたりを止めなければいけない」と参拝中止を求めた。新首相誕生の直前に、さながら機先を制するかのごとき、タイミングを測ったアメリカからの素早い牽制であった。

 いったいアメリカはにわかにどうして中韓並みの反日政策に転じたのだろうか。中間選挙で民主党が議会の過半を占めたせいもあるといわれるが、下院外交委員会に、民主党マイク.ホンダ議員によって従軍慰安婦に関する対日非難決議案が上程されて、局面はさらに悪化した。十二月にいったん廃案になったが、平成十九年(二〇〇七年)一月に再上程され、三月まで議論は沸騰し、米国時間六月二十六日に採択された。本会議でも採択される可能性は高い(六月二十九日現在)。

 非難の内容は、二十万人の強制連行による性奴隷の制度を旧日本軍が管理したという荒唐無稽な暴論に蔽われている。アメリカ議会の中に、過去にどの国もが犯罪を冒し、アメリカを含めすべての国が十分に謝罪しているわけではない、とホンダ提案をたしなめる良識的見解を述べる議員もいて、反日色ですべてが塗りこめられているわけではない。

 しかし、その間に、「狭義の強制はなかった」とする安倍新首相の国会発言が出るや、たちまち議会は反日感情に傾き、シェーファー駐日大使のきつい安倍批判の言葉もあった。また、靖国問題については、ブッシュ元大統領(父)による日本の首相の靖国参拝反対発言があった。いったいなぜアメリカの論調はかくも変容したのであろう。

 歴史カードがアメリカからきたのだということが問題である。これが日本人に衝撃と不安を与えている新しい局面である。(P8~P9)

《私(株式日記と経済展望の著)のコメント》

「株式日記」では以前にも書きましたが、大東亜戦争は今でも終わってはいない。武力による戦闘は終わりましたが、思想戦、言論戦による戦闘はまだ終わってはいない。東京裁判で徹底的な思想改造が行なわれて、日本は侵略戦争を行った犯罪国家とされてしまいましたが、アメリカは勝手に戦争のルールを変えて日本を罰してきたのだ。

日本は今までのような限定戦争のつもりで開戦しましたが、アメリカは中国からの無条件即時撤退を求めてきた。しかしそれがいかに困難であるか、アメリカがイラクから撤退できない事からもわかるはずだ。つまりアメリカは無理難題を吹っかけてきて日本を戦争に追い込んできたのだ。まさに本土でアメリカインディアンを追い込んで絶滅させたのと同じ方法だ。アメリカはミスを重ねると何をやるか分からない恐ろしさを持っている。

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