「株式日記と経済展望」からの書評(五)の三

 現在西尾幹二先生自身の筆による「西尾幹二のインターネット日録」は休載中ですが、許可を得て、管理人(長谷川)が西尾先生関連のエントリーを挙げています。
 
 今回は、ブログ「株式日記と経済展望」から、西尾先生の本の書評を、許可を得て転載します。今回はベストセラーになった『国民の歴史』の書評ですが、本の引用が長いので数回に分けて、転載します。一からお読み下さい。

◆有色人種の希望の星

 第一次大戦の戦後処理をしたパリ講和会議において、日本政府代表が人種平等に関する提案、いわゆる人種差別撤廃法案を提出した背景は、以上に詳細に述べ立てた推移に基づくのである。

 同じ頃アメリカの黒人たちも、国際会議において人種問題が初めて採り上げられることに色めき立った。黒人たちはパリ講和会議ヘアピールする準備に取りかかり、日本政府をサポートする考えだった。四人の著名な黒人が会議に先立って日本使節団を訪ね、世界中のあらゆる人種差別と偏見をなくすことに尽力をしてほしいという嘆願書を提出した。

 国際連盟にではなく、日本政府に嘆願書を出すという点において、興味深い注目すべき時代の性格が表現されている。全米平等権利同盟は、さらに代表をパリに送り込もうとしたが、しかしアメリカ政府に妨害され、わずかに日本の代表にインタビューすることが可能になっただけだった。ウィルソン大統領にも面会を求めたがあっさり断られた。

文:西尾幹二『国民の歴史』より(P566~P571)

(私のコメント)注:私とは株式日記と経済展望の著者2005tora氏のことです。

大東亜戦争の歴史的な評価については、未だに定まってはいませんが、東京裁判史観に洗脳された人にとっては日本は戦争犯罪を犯した犯罪国家であると学校などで教え込まれてしまった。しかし明治維新以来からの流れを分析すれば、日露戦争と大東亜戦争は白人対黄色人種の戦争であり、二つの戦争はよく似ている。

戦前のアメリカは白人優先国家であり、世界一人種差別的な国家であった。「株式日記」でも以前に「優生学」について書きましたが、アメリカはその優生学の本場であった。ナチスドイツはアメリカの優生学を手本にしたに過ぎない。

文・株式日記と経済展望:2005tora氏

◆優生学 ウィキペディアより

《 ドイツと共に、優生学思想を積極的に推し進めた国はアメリカである。優生学に基づく非人道的な政策を採っていた、と来れば、一番に想起されるのはやはりナチスだが、実は、アメリカの方が優生学的な政策を実施していた期間は長い。また、そのような政策を始めたのも、アメリカの方が早い。優生政策の老舗は、アメリカだと理解した方が事実に沿っているのである。断種法は全米30州で制定され、計12000件の断種手術が行われた。また絶対移民制限法(1924年)は、「劣等人種の移民が増大することによるアメリカ社会の血の劣等化を防ぐ」ことを目的として制定された。この人種差別思想をもつ法は、公民権運動が盛んになった1965年になってやっと改正された。 》

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