『日本がアメリカから見捨てられる日』の刊行(一)

8月31日徳間書店より私の新しい評論集『日本がアメリカから見捨てられる日』が上梓された。(¥1600)

 この本の新しい特徴は目次面に現れている。目次は本の顔なのだが、今までは論文の題名を無造作に並べるだけで余り工夫してこなかった。今回は新しい試みをした。

 「まえがき」に代えて9ページものアフォリズムを掲げた。

 また、各論の表題に、それぞれ追加説明ともなる、少しひねった文言を小さな字で添え書きしてみた。くどいと思われる方は無視して下さってもよい。添え書きのほうを面白いと思って読んで下さる方もきっといるだろう。

 短い標題には長い添え書き、長い標題にはうんと短い添え書きを書いてみた。区別は文字の大きさだが、インターネットでは色で区別する。目次面を想像してみていただきたい。

 目次をこうして仕上げるの随分多くの時間を要したが、そういう時間は案外に楽しい。他方、表紙は私が関与しなかった。できあがってきたのを見て愕然とした。余りに奇抜で、大丈夫かなと心配だった。白地が大きく、文字が小さいのである。これについては管理人の長谷川さんが早々に次のような手紙をくれている。

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 本が届きました。意表をつくデザイン!?でとてもよいと思います。本屋の店先に我が一番とあらゆるデザインが競争して目立ちたがっています。空白の部分を大きくし、日本の孤独と不安をもよく表し、しかし華美な装丁で他を出し抜こうとするのでもなく、品よく文字のみで・・・・そして結果としては平積みされた段階ではとても「目立つ」ものとなっています。

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本当にそうならば良いのだが、出るまでは出産前の子供を待つように不安である。

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日本がアメリカから見捨てられる日(全5章)

【目次】

アフォリズム――「まえがき」に代えて  1

第一章 他人の運命にも国家にも無関心なあぶない宰相
冷え冷えとした日本の夏 16
朝鮮総聯、少子化、皇室の危機、イラクの自衛隊、個と平等

やってはならぬ禁じ手――小泉再訪朝  34
このままの日朝国交正常化に反対する

小泉純一郎“坊ちゃんの冷血”――ある臨床心理士との対話  38
情感を持たない機械みたいな人間

東アジアの激動に耐えられる器の宰相を  55
無血のまま星条旗が北朝鮮に立つかもしれない

拉致問題の新しい見方  67
被害者は立場を変えれば加害者

第二章 日本がアメリカから見捨てられる日

いざというとき軍事意志の片鱗も示せない国  76
戦争さえなければ何でもありが許される「奴隷の平和」は最後に戦争になる

国家なら他国に頼る前に自分に頼れ  79
アメリカに見捨てられるとはアメリカに「再占領」されるという意味である

「対中戦略」以外にアメリカが日本を気にかける理由はない  98
片岡鉄哉氏の談話から

第三章 やがて日本は香港化する

生活レベルは高いが、個人主義だけが跋扈する虚栄の市  108
日本の悪夢

日本の国防を内向きにしているのは憲法が原因ではない  131
私の愛国リアリズム

鉄道は輸出になじまない  158
JR東海社長・葛西敬之氏の談話から

脱字修正(9/3 16:38)