11月に出版した『日本人は何に躓いていたのか』(青春出版社)は初版1万2000部でスタートして、2月に入って3000部増刷した。遅すぎたともいえるが、今の時代には結構なことなのだそうである。増刷部数も悪くないとの由。この後が期待できる動きだそうである。そうかなァ。
正月明けの1月13日頃に店頭に出た共著『新・国民の油断』(PHP研究所)は初版1万部で、2月にならぬうちに増刷がきまったが、わずか1500部。もっと勢い良く伸びるだろうと私も八木さんも期待していたのに、まだ出たばかりもあって今のところ動きが分らない。よく動いているようだが、今後を注意深く見守る必要がある。
上記の2冊について批評や反響が寄せられているので、後日私の感想をまじえて報告する。
2月末~3月初の私の仕事で注目していただきたいのは次の二つである。
(1)「中国領土問題と女帝問題の見えざる敵」42枚
『正論』4月号、短期集中連載「歴史と民族への責任」第二回
論文の後半で私は初めて皇位継承問題について踏みこんだ発言をした。今まで誰も予想しなかった「敵」の所在を指摘し、首相諮問機関有識者会議の迂闊さと呑気さと無自覚ぶりを指弾した。『文藝春秋』3月号の皇室問題特集を読んでも、「敵」が何であるかを誰も見ようとしないし、見えていない。国民が皇室を守ろうとする意思を示し、今しっかり用意する機会をもたなければ、20-30年後に天皇制度はなし崩しになくなるだろう。私はそう書いた。大切な論文なので注意していただきたい。
(2)西尾幹二責任編集『新・地球日本史』1
――明治中期から第二次世界大戦まで――産経新聞社刊、発売扶桑社。
¥1800――2月28日店頭発売
以下に目次を掲げておく
第一巻「明治中期から第二次世界大戦まで」
まえがき 西尾幹二
① 日本人の自尊心の試練の物語 西尾幹二
② 明治憲法とグリム童話 八木秀次
③ 「教育勅語」とは何か 加地伸行
④ フェノロサと岡倉天心 田中英道
⑤ 西洋人の見た文明開化の日本 鳥海 靖
⑥ 大津事件―政治からの司法の独立 高池勝彦
⑦ 日本の大陸政策は正攻法だった 福地 惇
⑧ 日露戦争―西洋中心史観への挑戦 平間洋一
⑨ 明治大帝の世界史的位置 三浦朱門
⑩ 日清日露の戦後に日本が直面したもの 入江隆則
⑪ ボーア戦争と日英同盟 田久保忠衛
⑫ 韓国併合 勝岡寛次
⑬ 韓国人の反日民族史観のウソ 呉 善花
⑭ 昭和天皇の近代的帝王学 所 功
⑮ 中華秩序と破壊とその帰結 北村 稔
⑯ 米国に始まる戦争観の変質 大澤正道
⑰ 大正外交の萎縮と迷走 中西輝政
⑱ 歴史破壊者の走り―津田左右吉 萩野貞樹
⑲ 日本に共産主義はどう忍び込んだか 藤岡信勝
⑳ 徳富蘇峰の英米路線への愛憎 杉原志啓
第二巻は6月刊の予定である。
『日本人は何に躓いていたのか』はどこから読んでも理解が進むという大変貴重で便利な本でありました。機会あるごとに読み返し、脳に染み込むまで読もうと思っております。
しかし、混み合う通勤電車や、職場の休み時間に読むには嵩張るので厄介であります。出版社は儲からないかもしれませんが、一冊380円ぐらいの新書版にして、電車の中で片手で読めるようにたらキオスクでも売れます。
「つくる会」が新しく出された「親の知らないこどもの教科書」は大変評判が良いです。是非ダウンロード版をこしらえてください。
共産主義者には助平が多いので増殖は早いようです。ですから女性の多い「市民運動」には繁殖率が高いように思います。
「日本:幼年期のおわり」
新書版での出版を夢見ていたら、こんな署名を思いつきました。マッカーサーが「日本人は12歳だ」と言ったとか。それを卒業するという意味で面白いのではないでしょうか。