日本よ、今…闘論!倒論!討論!2014(350回目)
アメリカはいったいどうなっているのか?
放送予定日時:4月5日(土)スカパー217ch 20時~23時およびインターネット放送「So‐TV」
パネリスト
片桐勇治 (政治アナリスト)
関岡英之 (ノンフィクション作家)
田村秀男 (産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員)
西尾幹二 (評論家)
馬淵睦夫 (元駐ウクライナ兼モルドバ大使)
三橋貴明 (経世論研究所 所長・中小企業診断士)
渡邊哲也 (経済評論家)
司 会 水島 総 (日本文化チャンネル桜 代表)
ロシアのクリミア併合により、皮肉なことですが中国が領土拡張の攻撃はやりづらくなったのではないでしょうか。共産党独裁の中国がなんとか命脈を保てたのも政治力で過去に築いた虚構の国際的信用がすべてですから、ロシアの二の舞は避けるでしょう。ちまたの中国人も最近そのように言っています。とはいえ中国大陸で極端な政治的混乱が起こったら何が起こるか予断を許さないことも事実です。
正論4月号の「『天皇』と『人類』の対決―大東亜戦争の文明論的動因(後編)」を熟読しました。反米論争に辟易していた10年前の自分であれば批判的に読んだかもしれないと思いますが、現時点で読んで深く納得しました。戦後日本では、米国は自由や民主主義の価値観を共有する同盟国であるという建前があったので、米国の善意に焦点があてられ過ぎて、米国の悪意を解剖することがおざなりになってきたと思います。それは左翼の言論も同様で、日本の悪意をよりきわだたせて悪魔化したいがために他国の悪意を作為的にうすめられました。GHQ焚書以来、米国の歴史的悪意を解剖してきた西尾先生の到達点がこの論文であると感じました。しかも「人類の正義」を西洋が体現しているという偏狭な善意の裏に隠れた悪意を透視しているのですから批判は本格的です。米国に住みキリスト教の洗礼を受けるまで影響を受けた松岡洋右がなぜ反米になったか。外交にしろ歴史認識にしろ、世界の善意と悪意の両面を理解してこそリアリズムであると思います。
それと最近気になったことがあります。図書館で正論の置かれる比率が下がっています。多くの市民の目にふれるように読者が図書館に働きかける運動をしてほしいと願います。たとえば週刊金曜日を置いて正論を置かないなどという地域がありましたら、まさか思想的色分け(WILLが置いてあるから同種の正論は置かないといったような思想的色分け)をしてないかどうか監視していただきたいと思います。日本のマスコミは実に狂っています。以前に船橋の図書館の司書数人が権力を利用して西尾先生などグループの書籍を焚書をしたことは完全に黙殺されています。そのくせ変質者がアンネ日記を破ったことについては右翼が組織的に行ったのではないかとくだらぬ妄想を働かせて大騒ぎをしていました。
西尾先生
チャンネル桜さんの討論番組を見せていただきました。いつも有益なご意見を聞かせていただき、大変感謝申し上げております。シンプルに、ファンの一人です。
さて、ウクライナの政変について、アメリカ政府の対応の「ミス」ではないかとさかんにおっしゃられていましたが、ミスといえばミスでしょうが、そのミスは最後の段階のミスではなく、関わり方がおかしい、または、危険だという時点のミスだろうというのが、三橋さんなどがおっしゃていたことであり、現在の世界のネット環境で読めるものでいえば、実は主流派と言って差し支えないかと思います。
アメリカ政府は、今回の問題を、(1-1)革命支援、(1-2)政変、(2)ロシアのクリミア編入のうちの(2)に絞って話を進めてロシア非難に続けています。ですので、日本の報道はどうしてもこのテーマに沿ったものとなります。
しかし、現実にはNYT等のアメリカの新聞が(1-1)を、自由と民主主義を求めるキエフ革命として大々的に報道していましたので、隠すことができません。(その頃日本ではあまり興味を持たれていませんでした)
せいぜい隠せて、介入したがそれは穏当な介入だったといいたいところでしょうが、それもだんだん難しくなってきています。それは、既に「極右」という人たちに見当がついている人が多かたっため、インターネット上にビデオも含めて大量に出回っていたからです。なぜ有名かといえば、2004年にオレンジ革命があったからです。その際に、オレンジ革命の主体グループが過激なグループ(実は、根っこは本物のナチスの問題にかかわるウクライナ民族主義者で、在米、在カナダのグループ)と密接であることがあきらかになって、一部の人たちはさーっと引いていった経緯があったためです。
アメリカ政府は危ない動きを見過ごしたともいえません。なぜなら、米国務省国務次官補のビクトリア・ヌーランド氏が、政変グループを支援していたからです。支援という語がきついなら、関与でもいいですが、現在の暫定政権の主要な人物はヌーランド氏が電話(盗聴されたもの)で話している人物でもあります。
悪いことには、こうした動きを、欧州及び米国、そしてその他世界も同様に、たくさんの人が知っているのです。つまり、アメリカ政府は衆人環視の中で嘘をついているという危うい状況にあるのです。
もしよろしければ拙ブログのこのへんをご覧ください。
アメリカがソ連に見えた日
http://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/6d432feb324f576eb30261652097670c
イギリスでは、マイナーな党ですがUKIP(英国独立党)の党首が、欧州選挙を睨んだ党首会談(BBC放映)で、ねぇ、欧州連合に入らない?、だったらほらNATOにも加盟しない?という詐欺めいた調子でウクライナ(グルジア、モルドバも)を誘い込んだEU拡大方針に責任があると語って、大騒ぎになっていますが、庶民はむしろその見解を支持しているような感じです。
もしよろしければこのへんをご覧ください。
EU不拡大で一致しちゃうイギリス保守系とプーチン
http://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/95a1e0fd90560483c59569409c61b80c
アメリカの共和党系孤立派(特にパット・ブキャナン)及び米・英の元ソ連大使たちは、NATO東方拡大こそ誤りの元だったという論陣を張っています。対ソ封じ込めで有名なジョージ・ケナンは1997年のNATOの東方拡大に大反対していたそうです。
ウクライナ動乱:NATO東方拡大問題(1)
http://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/ec752bb60c2e33d0749a67a1c7099510
日本の報道だけを見ていると、世界中で注目されている問題と違う問題を見ているような報道になっているように見えます。普通のことならそれでいいのでしょうが、これは間違いなく日本にも関係がある話だと私は考えています。ロシアに対する過剰なバッシングが何を意味するのかが、今後の日本、ひいては世界にとって重要な問題を秘めていると思うからです。
長々と書いてしまいましたが、もしどなたかのご理解に少しでもお役にたてればと思い書かせていただきました。