宮崎正弘氏を囲む――中国反日暴動の裏側(六)

● 中国は何を反日ですり替えようとしたのか?(2) 宮崎正弘

 不良債権、これもやはり隠していますが、おおよそ日本円で90兆円くらいの不良債権がある。国有4大銀行だけで、4大銀行とは中国銀行、中国建設銀行、中国工商銀行、中国農業銀行。

 対GDP比で、中国の不良債権は50パーセントあるだろうと米国などの金融機関のシンクタンクが指摘しています。

 すると、この不良債権をどう誤魔化すかということは、日本と同様に債権買取会社を作って、そこに移管させる、帳簿上そういう操作をやっているんですね。

 また中国はさかんに赤字国債を出しています。

 赤字国債と不良債権と全部合わせると、今のところGDPの140パーセントぐらいになっているはずです。

 中国は大掛かりな詐欺を平気でやります。中国銀行と中国建設銀行を香港とニューヨークと、もうひとつどこかで上場してね、それで1千億ドルそこで集めて穴埋めをしようとした。そうしたところ、事前審査でニューヨークはこれはちょっと受付けられない、ということで、香港あたりに、上場を移行すると言われております。

 赤字を補填する為に、外貨準備高から一昨年450億ドル、追加で700億ドル外貨準備から入れる、これまた不思議な操作をやろうとしております。不良債権の爆発というのは、そのうちに成長率が止まって、外国からの投資が半減するようなことがあった場合には表面化するでしょう。

 現実に台湾の中国への投資はことし第一四半期に48パーセント激減しております。台湾に対する「反国家分裂法」の制定が原因です。

 ですからこれは、日本も進出を考えているところは遅らせたり、実際にお金を振り込むのを1ヶ月、2ヶ月遅らせて様子をみるというようなことになると、もっと表面化してくる。銀行の不良債権がすぐ出るか、或は今バブルのピークを作っている北京や上海の不動産に出るか、その辺のところはちょっと読みにくいところではあります。

 あれだけ愛国を言っている連中の、汚職と腐敗が全く絶えないという問題があります。非常に深刻な問題です。

 党の最高幹部はどれだけの汚職をやってもつかまりませんけれども、相当の幹部がつかまっている。

 たとえば中国銀行の前の頭取、それから今年の3月だったとおもいますけれども中国建設銀行の頭取が逮捕、なぜこの人たちが逮捕されるのかというと、みんな朱容基派なんですね。上海閥はそうやって、どんどんどんどん胡錦濤は影響力を削いでいく。みせしめのために逮捕したというような意味もあるかと思います。

 こういう社会的経済現象のみならず、基礎的な問題で環境汚染と水不足が深刻で、特に水に至っては四百数十の都市で飲料水がもはや飲めない、という検査結果が出ています。

 辛うじて北京、天津あたりの水は飲めるけれども、ミネラルウォーターを家庭では使いなさいという通達が出ている。

 黄河の下流流域では汚染された水を飲もうにも、水が来ていないんですね。断水しておりますから、そうすると水の汚染と水不足により、とくに人間は水がないと生きていけませんから、過去十年間の改革開放のなかで、中国は農村から都市部に1億4千万人が移動したわけですが、今度は水不足で新たに就職ではなくて、水不足が原因で長江方面に、向う5年か10年の間に1億数千万の民族移動が起る可能性があるのではないか。

 それを一生懸命対策を講じるには、長江の水を黄河までひっぱって、という非常に乱暴なプロジェクトをやっている。

 三本の運河を引く。隋の煬帝でもこういうことは出来なかったんですが、工事は2年前から始まっています。総予算680億ドル、しかし、あと20年くらいかかりますから華北の水不足に間に合うかどうか。

 江沢民派と胡錦濤派のせめぎあいですが、胡錦濤さんはどうもまだ三権を掌握していない。軍が特にそうです。軍はまだ江沢民が任命した高級軍人が、あの人が軍事委員会の主席を勤めたのは10年くらいですけれど、その間に69名の上将・大将を任命しております。その中で引退した人が20人ぐらいです。胡錦濤になってから、任命した上将はまだ3人。そうしますと、軍の中のバランスはまだ胡錦濤派には完全になびいていない。

 今、胡錦濤がやっていることは、自派から、地方の省長クラス、副省長クラス、書記クラスをどんどん自分の派閥で固めて、いずれ折江省、安徽省にも及ぶでしょう。あと一年くらいの時間を要するでしょうが、胡派が殆どの地域のトップも抑える。

 今の段階で申し上げられることは、反日デモというのは、胡錦濤派達が、外交的に日本に強く出ることによって、国内のイメージを高めようとしてやらせ始めたけれども、途中から上海閥のいやがらせが入って、上海で暴動を起して、国際的イメージを損壊させるまでの事態に至ったのです。

 そうすると胡錦濤としては今、この状況は一刻も早く静めなければならない状況に追いこまれたことになるわけです。

 これまで共産党は自分達の悪政への抗議を回避する為に、反日を利用していたんですけれど、その反日が逆のブーメランとして、跳ね返ってきて、自分達に歯向かおうとしている。

 アメリカのマスコミの分析なんかを見ておりますと、そういう視点からの日本への同情論が多いようです。

 彼らがどれだけ、中国の実状を掴んでいるかはわかりませんけれど、そういうところが今の状況ではないかと思います。以上でアウトラインを終わります。

「宮崎正弘氏を囲む――中国反日暴動の裏側(六)」への1件のフィードバック

  1. +++++++++++++++++++++++++++++++++
     支那中共政権を転覆させるために、支那で政変を起こさせるためには、日本政府は「謝罪」などせずに、どんどん支那の反日勢力を挑発してやればいいのですけどね。

     二大勢力同士が「内乱」を起こしてくれるのが理想的です。

     その混乱に乗じて、支那の民主化勢力が隆起してくれて、「民主臨時共和国」でも建設してくれるといいのですけどね。

     ただし、支那に「民主政府」が誕生したとしても、それはそのまま「反日政権」となり、日本との「歴史認識」における対立はそのまま継続しますが。

     今度は、「外交カード」ではなく、相手は「本気」になって日本を攻撃してきます。
     場合によっては「武力衝突」に発展する可能性も否定できませんね。

     ようやく、日本でも「核武装論」が本格的に議論されることになるのでしょうか。
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