宮崎正弘氏を囲む――中国反日暴動の裏側(十)

宮崎:しかしあの独裁政権が倒れなくては、この反日教育はなくならないでしょう。共産党延命の為の舞台装置だから、

西尾:ですから私は、よしんば大破局が起ってもいいから、共産党政権が倒れることが一日も早くこなくちゃいけないと思います。ソフトランディングなんていうのは、その分だけ日本が傷つくことが多くなる。ソフトランディングではなくて、ハードランディングを願っている。

F:宮崎先生におうかがいしたんですが、先生のお話しを最初から最後までうかがって興味深かったのですが、対日、反日デモはやらせだったと、それで、中国は非常にいろいろ問題を抱えているから、いつまでもそういう方向ばかりではやって行けなくなるだろうという感じのお話しだったと思うのですが、そういうことであるとすれば結論的に反日デモの問題は、ほっとけば自然に中国側の中の事情で消えていくという風におっしゃっているようにも聞こえたんですが、どういう感じなんでしょうか。

宮崎:強弱は出るでしょうが、消えることは無いと思います。基本的には中国は反日ですよ。我々は常に反中ですから、それは宿命的な隣人関係じゃないかと思います。

F:やらせの反日デモみたいなものは、今後はなかなかやれなくなるだろうと?

宮崎:いやいやそんなことはないでしょう。やはり日本がかなり得点を挙げてしまえば、またやると思います。半年くらいたてば。今年は5・4の後は、7月7日が盧溝橋事件、8月15日があって、9月3日が抗日勝利60周年で、その後、9・18ずっと永遠にありますから。その時は必ず何かのキャンペーンをやりますから、その前後でね。今度はまた何か違うことをやるのではないかと思いますよ。たとえば、日本の企業がまた集団買春をやったとかいってね、醜い日本人というのとか、アングルはちょっとわかりませんが、常に強弱は別にして、やることは繰り返しやると思います。

西尾:それにひたすら耐えなきゃいけないんですか。

F:それがね、橋本派がいままでいたってことが原因で、日本がこれに対して余りに無神経で、ほったらかしておいたのが、橋本派と関係があるような気がします。橋本派はこういうものに批判する声をあげた人だけど、そういう人たちをしらみつぶしにしていたでしょ。たとえば外務省の事務次官で、高柳さんでしたか、「鄧小平は雲の上の人だ」と言ったら、それだけで更迭されました。

G:柳谷さんですね。

F:ああいうことがね、大事件にならなくてもしょっちゅうあって、それで橋本派は対中ODAの利権を握っていて、日本はお金どんどんやるのに向うは感謝もしない、そういう橋本派がどうも、日本のイメージに対するダメージを与えたんじゃ< ないかと思うのです。

西尾:要するに静かにおとなしく、事柄を回避して、アジア・アフリカ会議で「侵略」と「植民地」でまた例のごとく謝罪して、小泉さんの外交の勝利であるかの如くいわれており、そして、それがあったおかげて日本の企業も安心し、世界から日本は大人だと思われたか、それとも日本は腹黒いところがある、だから演技したとかなにか分りませんけれど、今のところは治まっているように見えるわけですけれど、また繰返されるでしょう。こういうことは、実はずっと繰返されてきているのですが、そんなに遠くない時期にまた同じことがあったら、今度同じ手は使えないですよね。また総理大臣がのこのこ出て行って、ばかなことを言うということは、もう出来ないと思うのです。

F:今回は少なくとも西欧とアメリカに関する限りは日本の立場は非常に強いんですよ。今度の場合は小泉さんをブッシュがかばおうとしたんですね。

G:かばうよりも、せっかくの世界の監視の中でですからね、注視しているところにね、小泉氏がわざわざ、冷静にしろとかわけのわからんことを言ってね、わざわざジャカルタの向うの旅館にまで行ってね、会うなんてもっての他ですよ。

西尾:少なくともセリフの中に、21回目の謝罪であって、日本は十分にやりすぎるぐらいやったと、今日を以て一切を終わりにするという、宣言を世界に言うとか、それぐらいのことは総理大臣はやらなきゃ、おかしい。

G:こうやってねレンガや生卵まで用意して、大使館に石を投げることを公然と認めておったのは、外交常識においても常識外のことですよ。それを敢えてやったのは、これくらいやっても、相変わらず日本は大人しくしているだろうと。そういう風にみたんじゃないですか。

宮崎:ですから条約とか、ウィーン条約違反とかそんなことを言っても、関係ないんですよ。
(笑い)

G:この前、瀋陽の総領事館に侵入したでしょ。あの時も謝罪を求めたにも拘らず、うやむやにしちゃったでしょ。

西尾:潜水艦

宮崎:潜水艦は遺憾の意を表した。

G:潜水艦は遺憾の意を表したことにしてあるけれど、ほんとうかどうか分りません。しかし、今度のやつがまたうやむやになるんじゃないかと、瀋陽の例がありますから、日本はそういう日本に対する見方というのを許しているので、日本を見くびっているんじゃないかという感じがするんですね。

A:私はね、最低限、小泉さんにしろ、町村さんにしろ絶対に言うべきだと思うのは、向うは正しい歴史認識と言っているんですよ。正しいって何ですか?と。正しい歴史認識、賛成です。日本には日本としての正しい歴史認識がありますよと。中国の歴史認識を我々が、鵜呑みにするわけには行きませんと。これははっきりう客観的なものがあって・・・・

西尾:日本がそれに従っていないと・・・・そうすると、われわれの教科書だけが悪者になるんですよ。

A:そうなんですよ。これは最低限小泉さん、町村さんは言うべきだと思います。

西尾:そこまで踏みこんで言ってないから僕はやっぱり町村さんは期待だおれだと思っている。

A:正しい歴史認識って、何をいうかと。それは中国の。

西尾:町村さん、やっぱり予想したとおりラインを越えられない。

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