フロンティアの消滅(五)

 その様な意味で、安倍総理の外交政策と防衛問題対応は今のところ正しいと思いますし、支持しておりますが、しかし、段々おかしくなってきています。本当の意味の確信というものがなくて、慰安婦と靖国というものが小さな問題であると思ったら大間違いで、軍人の名誉と国民の信仰の根幹というものは平和より大切なのです。それを総理大臣がやっぱり識らないのではないでしょうか。識っているような顔をなさっているだけに怖いのです。保守が保守を潰すのですから。第一次安倍内閣の時に私は安倍さんに向けて、あなたが保守を潰すことになるのですと書いたことがあります。

 あの時一斉に拉致問題対応が低迷に転じましたが、それは安倍さんが引き受けたようなことを言って、手を引いたからです。加藤紘一などが総理大臣であれば国民の怒りはもっと激しくなりますが、自分が真正保守だと言って、その保守が妥協して後退すると、国民は何も言えなくなってしまいます。保守が保守を潰すということが、もっとも深刻な状態で、再びまた起こる可能性があります。

 今年、間違いなくアメリカの圧力によって韓国大統領と妥協させられました。しかし、あそこでは慰安婦問題に関し政府間の大論争があってよかったのです。今回はぎりぎり一杯検証を行って体面を繕いましたが、河野談話の見直しはしないということを前提にしているわけですから、あれでは不十分で、本当は日韓政府間で大論争をすべきでした。今や論争になりかけてはいますが、日本も慰安婦問題なら出来ると思います。ただ、中国に対し南京問題は果たして大論争ができるでしょうか。日本国内の見解が不統一です。とはいえ、だんだん南京虐殺派は中国のイヌに見え始めてきました。これはいい傾向です。

 さて、安倍さんの内政に対する疑問を大急ぎで述べます。
外国人労働者問題です。7月6日に私はグランドヒル市ヶ谷でシンポジウムを行いましたが、まずこれは国民的な議論を必要とする大問題です。移民の定義は一年以上定住する者と国連がきちんと決めております。安倍さんは「外国人枠を広げる」と国民的な議論を経ないで言っております。移民ではないと弁解していますが、これは移民国家になると言っていることと同じようなことなのです。

 人手不足と言いますが、これは嘘です。だって若い者は大勢遊んでいるではありませんか。日本国民の力で十分労働力は確保できます。女性も中高年も老人も働きたいのです。しかし、10時間働くことは出来ない人もいます。3~4時間なら働きたいという女性や老人は沢山おります。そういうシステムをつくれば良いのです。何故それをやらないのかというと、外国人を入れた方が賃金が安くなるからです。賃金が下がればある種の企業が儲かり、株価が上がるという政策は、さ迷っています。もう成長戦略が行き詰っており、最後に何が出てくるかというと、外国人を入れるということと、女性労働力の活用くらいしかありません。しかもそれが介護と家事労働に外国人を入れる、家事労働にということは特区で女中さんを雇い、暇になった日本の主婦が社会に出て働くということですが、こんなことは日本の社会に馴染まない話です。

つづく

“フロンティアの消滅(五)” への 3 件のフィードバック

  1. 8月はNHK恒例の反日特番の季節、捏造、誇張、曲解、蛇足により、これでもかと戦前の日本を叩く。
    毎年趣向を凝らして新たなテーマに挑んでくるので、さて今年はどんな大法螺が見られるのかが楽しみになっている。

    昨日は東京裁判のドラマ。外人俳優を配してなかなか金のかかった娯楽大作に仕上がっていた。
    むろん内容はいつもどおりのNHKだ。
    南京事件を中国の主張どおりに扱ったり、日本の戦争を侵略戦争と決めつけたり、東條さんを独裁者のように描いたり、まあ東京裁判史観、つまり野蛮で凶悪な独裁国家・日本を正義の味方の連合国が打ち破り、日本の民衆を解放した、というヒーロー伝説がアプリオリな前提になってる時点で噴飯モノであろう。
    パル判事は日本の侵略は許さなかったとか、日本の保守派が敬愛するインドの恩人の姿勢をさらりと捏造してみせる。

    大東亜戦争は軍部独裁政権が暴走し国民を戦争に巻き込んだ、というシナリオが白人連合とその尻馬に乗る支那人にはどうしても必要なのだ。
    何故なら大東亜憲章にある戦争の大儀、すなわち白人植民地の解放を日本が希求していたことが知られては、白人が悪者になってしまうからだ。
    昭和の日本を巡る情報戦はいまだ継続中だが、欧米・支那のお先棒を日本の 「公共放送局」 がかつぎ続けているのは大問題である。
    エンドロールなどを見ればNHKはこの番組をドキュメンタリー映画のように全世界に売り込んで配信させる気満々ではないか。

    民放もひどい。 一見公正中立で人気者の池上某の番組など無意識に洗脳されてしまう視聴者も多いだろう。
    先週は 「北朝鮮は日本に最初にミサイルを撃つことはない」 と断言していて驚いた。
    次回は 「特攻」 を特集するそうで、予告編では生き残り特攻隊員に 「あれは志願でなく、強制だった」 と証言させていたので、内容は推して知るべし、ここでも軍部の暴走が強調されている。

    広島、長崎の慰霊も結構だが、何故だれも 「アメリカが悪い」 と言わないのか?
    これも軍部の暴走が悪くて日本は自業自得、恨むのなら自らの過去を恨めと言わんばかりだ。
    NHKに限らずTV局の電波独占・捏造プロパガンダは今すぐ止めさせなければならない。
    政府与党は今般のマスコミによる森・加計問題のデッチ上げ騒動に懲りないのか?

    8月をことさら慰霊の月にするのはもうやめよう。 こんな狂騒のお盆はもうたくさんだ。
    首相は年4回は靖国参拝してほしい。 8月に参拝するから敵も攻撃を強めるのである。

    ところで小野寺新防衛大臣には失望した。
    オーストラリアでオスプレイが墜落するとさっそく在日米軍に飛行差し止めを要求、
    これでは韓国の文在寅が反対派におもねってTHAAD配備の邪魔をしてるのと同じではないか。

      (西尾先生の記事と関係ない内容ですみません)

  2. いつだったか忘れましたが、先生が桜に出演されて、外国人労働者問題をテーマにした議論の中で、一人女性の方がこうおっしゃっていました。
    「フィリピンなどでは(シンガポールだったかも)、仮に家政婦が雇い主に強姦され、妊娠した場合は、その家政婦が外国人だった場合、強制的に出国を命じられる制度があり、そうした割り切った感覚を日本人ははたして持つことができるだろうか、この問題をクリアしないまま外国人労働者を易々と受け入れることは、危険だと言わざるを得ない」

    端的な意見だと感じました。
    こうした問題は、もしかすると男性よりも女性の方が敏感に反応するのかもしれないとも感じました。

  3. 端的に言えば、日本人にはその裁断は絶対できないということ。
    つまり「脇が甘い」わけです。
    それどころか、自分の罪でもないものを背負う習性だってありますから、根本的に無理がると感じます。

    今から500年前あたりから、船による本格的な輸出入が行われ、日宋貿易が頂点に達した室町時代の日本の在り方が、ここ最近にわかに話題になりつつあります。
    平安時代から始まった外国商業が、室町時代にはそれが今の我々の想像をはるかに超える取引が行われていたと聞きます。

    ですから日本はけして外国に疎い国ではなかったと言うべきで、対外的な諸条件は昔からあったと見るべき。
    しかし問題は、その諸外国に対してどう対応してきたかが一番の問題点で、その点が「疎い」のかもしれない。

    例えば現代人の我々。本当に世界のことを認識しているんだろうか。
    そして、それに対して適切な対応を示せているんだろうか。
    昔は外国人というのはアメリカ人のことであり、今は外国人は中国人のことになり、時代によってこれだけ変化している実態を、案外我々は忘れている。
    それだけ「呑気」だということ、元来が・・・。

    そんな我々が本当の意味で自虐的にならなければならないことはというと、これだけ世界の中の日本にありながら、自分の意思表示がどの国よりも下手だということ。
    元来日本人は二番手でいいじゃないかという本音がある。その意味では蓮舫議員は的を得た発言をしていた。しかしそれが国内だけでは許されても、国外ではそれが通用しないことの認識の甘さが災いになっていると感じる。

    少ない語学力でも、戦う姿勢は示せることを、私は18歳の時に体験した。
    何もしゃべれない状況で私は屈しなかった。
    あの時意地を張った感情が、とても重要だったことを、時を経て知ることとなった。

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