皇室問題の論じ方(一)

 今では数少ない皇室問題の専門家でもある小堀桂一郎氏――私にとっては旧クラスメイトなので「氏」ではなく「君」と呼び慣れているが――と昨年の春ごろに次のような対話を交したことがある。

 私が『正論』(4月号)に、皇室には強大な敵がいることをみな忘れている、とくに皇室に近い人に警戒心がない、最大の敵は共産党系の知識人であると述べ、奥平康弘氏を例に挙げたのを小堀氏は読んで、「仰る通り敵が見えないんだよ。今の保守派は甘いんだなァ。君を頼りにしているよ」と言った。丁度そのころ例の有識者会議に幾人かの外部の知識人が招かれて、意見を具申した。小堀氏は会議に招聘された幾人かの保守系の知識人を「今風の小ぶりの保守派」とそのとき不満を漏らしていた。

 たしかに意見具申者は八木秀次氏を除いて必ずしも明確な男系継承の主張者ではなかった。なにかバイアスがかかっていて中途半端な方針を語っている保守派知識人が選ばれていたが、今にして思うとこの人選も有識者会議の意図的戦術の一つだったのかもしれない。

 「強大な敵が見えないだけではなく」と私は言った。「穏健な保守派、ことに皇室崇敬の傾向の強い人は、畏れおおくて皇室のことはみだりに口にしてはいけないと思いこむ余り、主張が内向きになり、日本の広い国民大衆に訴える力がないのではないか。」

 「そうなんだよ。」と小堀氏は即座に応じた。「神社の連中はことにそうなんだ。余りに遠慮しているので彼らの言っていることは世間に通らない。遠慮するな、って僕はいつも言っている。畏れおおくなんて言っているうちに、敵にやられちまうよ」

 それから彼はこうも言った「歴史をちゃんと勉強していないから、いざというとき歴史の細部に目が行って、足を取られてしまう。」

 「いや、歴史は勉強しすぎるほどしているんだよ、彼らは。ただ、歴史を大づかみにする力が弱いのは別の理由だな。いざというときに大づかみにする常識が発動しないのは、勉強の不足ではなく、気力の不足、あるいはつい人間としてのひごろの弱さが露呈してしまうのだよ」と私は答えた。

お知らせ

日比谷野音へ集合!  皇室典範改悪阻止!!
  
平成18年1月14日 12時30分開場 
13時開演(14時30分終演予定) *入場無料
  デモ出発 14時30分

日比谷野音 国民総決起集会

すべての国民は「草莽崛起」して日比谷野音へ集ろう!
  
【場 所】:日比谷野外音楽堂(東京都千代田区日比谷公園1-3)

【登壇者】:井尻千男、伊藤哲夫、伊藤玲子、遠藤浩一、大高未貴、小田村四郎、加瀬英明、河内屋蒼湖堂、小堀桂一郎、田久保忠衛、中西輝政、名越二荒之助、西尾幹二、西村幸祐、萩野貞樹、平田文昭、宮崎正弘、三輪和雄、百地章、八木秀次、渡部昇一(50音順・敬称略)
その他多数の識者の先生方がご登壇予定

【主 催】:「皇室典範改悪阻止」草莽崛起の会

【共 催】:皇室典範の慎重審議を求める全国地方議員の会、神奈川草莽議員の会、日本政策研究センター、日本世論の会、建て直そう日本・女性塾、新日本協議会、英霊にこたえる会、(社)国民文化研究会、チャンネル桜草莽会、日本会議東京本部 他

【後 援】:皇室典範問題研究会、皇室典範を考える会

【報 道】:衛星報道スカパー!767ch「日本文化チャンネル桜」

【連絡先】:皇室典範の慎重審議を求める全国地方議員の会
      TEL&FAX03-3311-7810
E-mail matsuura◎joy.ocn.ne.jp(アットマークを変えています)

「皇室問題の論じ方(一)」への5件のフィードバック

  1. 細かいことで申し訳ありませんが・・・
    「登壇者」にある「荻野貞樹」氏は「萩野貞樹」氏ではありませんか?
    「荻(おぎ)」と「萩(はぎ)」は間違いやすいんですよね。すみやかな訂正をお願いします。
    なお、この投稿は掲載しなくて結構。

  2. >nemoさん
    ご指摘ありがとうございました。
    早速直しました。

    なお、最近では誤字脱字に関しては特に修正月日時間を明記することは省略しております。
    (それ関連で、大変な目にあったことがあります・・・・覚えておいでですか?)

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