2月7日秋篠宮妃殿下の御懐妊の朗報があって、全国民は湧き立ち、皇室典範改定問題の国会上程はこれで沙汰止みになったのではないかというような希望的観測を誰しもが抱いている。
同日声明文を出した団体の中で皇室典範を考える会の代表の渡部昇一氏は、「男子御誕生がありうるのに典範改正を強行するとすれば、それはもう狂気の沙汰と言うほかない」と声明文中において語っている。
国会議員の中でも慎重派の声が一段と高まり、さしもの小泉首相も一歩退くであろうという観測が7日夜から強まっている。私が8日午前中の国会中継をテレビで見ていたら、首相は強気一点張りの言い方をたしかに少し改めていた。しかし、国会上程を当分見合わせるのかという野党の質問に対して、決してそうは答えなかった。「慎重に審議を進める」という言い方をくりかえすばかりで、法案の審議を打ち切るとは最後まで言わなかった。
国民の中で最も思慮深くあるべき日本国の総理大臣、しかも国家の最高案件に関して最も保守的であることが当然視されている保守政党の党首が、御懐妊の報があって、いぜんとしてこういう姿勢、こういう配慮を欠いた対応を示していること自体がすでにして「狂気の沙汰と言うほかない」であろう。
いったい首相は何を考えているのか。このところ日増しにひとびとの疑念は高まっていた。首相は記者団に1月27日「女系天皇を認めないという議論は、仮に愛子さまが天皇になられた時に、そのお子さんが男でも認めないということをわかっていて反対しているんですかね。」(朝日2月4日記録より)と語って、自ら「女系」と「女性」の決定的違いが良く分っていないことを暴露していた。愛子天皇のお子さまがたとえ男子でも「万世一系」にはならないから認められないのだ、ということはテレビの次元でも、最近は国民に分りかけているというのに、である。
首相は口ぐせのように皇位継承が安定するようにするために「女系」も容認するのだと言い出しているが、話は逆である。「女系」できまって、もはや絶対に「男系」にもどれない、となった段階で取り返しがつかないと判明すれば、30-50年後の話だが、そのとき何が起こるか分らない。「歴史の復讐」と私が呼んだことが起こるだろう。皇位継承は安定するどころではない。「女系」の天皇家は崇敬の対象にならなくなる。権威も神秘性もなくなる。廃絶が必然的になる。
少し考えてほしいのだが、愛子天皇の配偶者が民間人である場合、そのお子様にとって祖父は二人、祖母は二人いるとしても、父方の祖父母は未知の民間人である。母方の祖父が皇太子浩宮であり、祖母が雅子妃である。そこでさらに進めてお子様のお子様にとって、曽祖父母は八人いて、皇太子浩宮は母方の曽祖父にすぎない。
一般の家庭を考えても分るが、母方の祖父母の氏姓は辛うじて知っていても、母方の祖母の実家の氏名は知らない人が大多数ではあるまいか。皇太子浩宮、平成天皇、昭和天皇、大正天皇とさかのぼる皇統の系図はかくしてはるか遠くへ消えてしまうのである。
ここにくるまでに天皇の制度はついに消滅したことを国民は否応なく認識することになるだろう。小泉首相が慌てて、あわたゞしく手を着けようとしてきた改革はこのような国体の破壊にほかならないのだ。
この他にも、永田町では天皇に対する首相の唖然とするような非礼な言動の数々が噂されてきた。『週刊文春』最新号(2006.2.16)は新聞にすでに報道されてきた「小泉首相不敬言行録」をまとめている。 その中の一例は、
皇室も改革だ!
有名な話が「電気をつけろ」事件である。毎年11月23日に行われる新嘗(にいなめ)祭でのことだ。神嘉殿で行うこの神事は、天皇陛下が新穀を皇祖はじめ神々に供えられるもので、数ある宮中祭祀の中で最も重要な儀式の1つである。
神事はしんと静まりかえった真っ暗な中で行われるのだが、参列した小泉首相はこう言い放ったという。
「暗いから見えないじゃないか。電気をつければいいじゃないか」
2月7日の国会中継で秋篠宮妃ご懐妊のニュースを耳打ちされた直後もなお首相は慶賀のことばを述べる前に典範改正案の国会上程に変更のないことをあえて述べ、自己のプランへのこだわりを祝意に先行させた。むしろ慶賀のことばを先に述べたのは野党の質問者だった。
自己へのこだわり、思い詰め、柔軟さの欠如、そして頑迷さを行動力と勘違いする自己錯覚は間違いなく生来のものである。近刊の拙著『「狂気の首相」で日本は大丈夫か』ですでに私は心理分析を終えているので、驚かない。郵政民営化と衆議院解散劇で拍手を送り、皇室典範改定問題でにわかに困惑し、オロオロしている言論界の人士のほうがおかしいのだ。
予算委員会にて一番混乱しているのが小泉であるのは間違いないですね。
私は半分馬鹿馬鹿しく半分怒っています。
こうなったら皇室のワイドショー化もヘッタクレもありません。徹底的に議論すべきです。
野党の「およよ顔」を見ていたら世も末って感じですが、もっと情けないのは、ご懐妊の吉報があった瞬間から肩の荷を下ろそうとする国民に対してです。
天皇の象徴制とか言いますが、現実はそれを拒否する国民ばかりですよ。
重荷ばかり背おわされて国民感情に気遣いばかりさせられ、それでいて現実は実益の伴わない役所を任されているのが今の皇室ではないですかね。
ここで議論を中止するのは国賊ですよ。
充分議論を重ね、皇室の継続に苦心するのが我々の役目ではないですかね。
それこそが象徴制の本来の意味だと思うんですが間違っていますかね。
我々が皇室を下支えする覚悟を問いているのが現憲法だと私は認識しています。皇室お世継ぎ問題は本来なら皇室の問題です。
しかし現憲法はそれを国民に預けたわけです。
その責任を負えないというならこんな憲法はなくしてしまおうじゃないですか。現実はそう述べたのと同等だと私は認識します。
責任が持てないなら典範改正などと口に出すなと言いたい。憲法保持だなんていわせませんよ絶対。
小泉政権の功罪について
女系天皇制 容認の形での 皇室典範法の改正は 今 国会にて
小泉政権は 必ず 提議するとの発言は 既に 掲示板 参集者 各位は ご存知と 思われますが ....
若し 上記の形態にて 法律が成立した場合 下記の 事象は
必ずや 惹起する事を 深く憂慮/懸念する。
結言しますと 日本をして 日本と成らしめる為の 日本国の形が
ほぼ 確実に変わる事 必定である。
換言すると 最終的には 緩やかに 共和制へと移行する。
遠き 将来の 日本国民は 是を 容認するか ?
現時点での 日本国民は 上記の事象に 責任を持てるのか ?
現 天皇より 第参代 乃至は 第四代 ....の
天皇が即位するで在ろう時点 即ち 50年 ~ 100年後の 天皇制は如何になるか ?
上記の 日本国の 遠き将来の 行末を思考しているのである。
勿論 上記の 時点に措いては 現職 国会議員は ほぼ
墓の中である。
又 現在の日本人の 大半も 墓の中である。
若し 仮に 上記の 時点に 一日本人として 存在した場合を
想起すると 何処の 馬の骨か判らぬ 人間を
我が日本国の 天皇として
崇敬/尊崇の念と 敬愛を込めて 果たして 敬うであろうか ?
この様な 状況に 我が日本国が 凋落した場合
反日 自虐を党是とする共産党を筆頭として
公明/社民/ひだりまきども 等々の 最終的な 目論見
であり 更に 反日を 唯一の国是とする
共産党一党独裁国 支那を先頭にして
南鮮/北鮮は 欣喜雀躍して 我が 反日 三国の
共同/連携した謀略/策謀は 完遂/成就せり !!
.... 言々 なる 勝利宣言を発っして雄叫びを
上げるで在ろう。
[注]上記の 反日 三国が その時点で 地球上に存在している ものと 仮定した
上での 話であるが ....
是にて 我が日本国に対して 嘲笑/侮蔑/陵辱の限りを尽くし
我が日本国は 衰退の一途を辿る事 必定である。
小泉政権は 何故に 前記の 皇室典範 改正を 尻に火がついた如くに 急ぐのか ?
罹る 点についての 明確なる回答を 要求すべきである。 !!
小泉政権に まともな 遠大なる 我が日本国に対する
国家観/歴史観は在るのか ?
所で 上記の論は 偏ったものである ....なる
反論を予測し 下記の点を付記する。
小泉政権に措ける 効 について
1)日本国に措ける 諸悪の根源と 見なし得る政治事象に措いて 衆目の一致する
ものとして 国益を害する事 明白な政治屋を ほぼ
駆除/駆逐/放逐した。
[注]ノナカ、ハシモト、 ....等々 賞味期限が
完全に切れた醜悪にして 汚濁に塗れ 腐臭が
充満した政治屋ども
2)不完全な形では在るが ....
反日 三国 支那/南鮮/北鮮が
執拗に内政干渉する 形態にて要求する 所謂 靖国問題を 怯む事 無く
撥ねつけた。
[注]靖国 反対の政治屋である
カトウ、ニシガキ、エロタク、ノダ ツヨシ、 ....
等々は 靖国 参拝を 仮に STOP
した場合に措いても
共産党一党独裁国 支那は 国是として ほぼ 永久に
反日 行動を 続行する事を 承知の上で
恥じる事無く/臆面も無く
媚 支那 発言を マスゴミ T.V 等々に
垂れ流している。
又 同じ穴の むじな である マスゴミ T.V 等々は
この点を追求する事が無いのは 何故か ?
小泉政権の 本質的 側面としては 権力闘争に 極めて強く
長けているが 深遠なる 戦略に元ずく 国家観/歴史観は
欠落していると 断ぜざるを得ない。
― 以上 -
細かいことになりますが、「平成天皇」と書かれるのは、いかがなものかと思います。天皇家の系譜を説明する上で、平成天皇と表記されたと考えますが、崩御されてもいないのに「平成天皇」と書くのは、皇室に対して失敬です。
系譜の説明にて、浩宮皇太子と書いている以上、「平成天皇」ではなく「今上天皇」とするのが、正しい表記ではないでしょうか(当たり前なことですが、これは西尾先生を批判するために、書いたのではありません。語の用い方について「おかしい」と感じたから、指摘したに過ぎません)。
>郵政民営化と衆議院解散劇で拍手を送り、皇室典範改定問題でにわかに困惑し、オロオロしている言論界の人士のほうがおかしいのだ。
郵政民営化は問題ありません。国益には適ってます。構造改革に合致している改革です。しかし、皇室典範改正は構造改革の範疇には入りません。郵政民営化に反対してたのは、利権を守ろうとしていた人たちです。彼らには、正当性はありませんし、自然淘汰されただけです。しかし、皇統を守ることは利権を守るためではありません。2650年間守ってきた日本の伝統、国体を守るためです。政治家にとっての受益などありません。
実際、郵政民営化に反対していた古賀誠などは、今回の皇室典範には名前すらでてきません。利権屋では皇統を守る意味すら理解できていないのでしょう。
政策は是々非々です。よい政策には賛成すべきだし、ダメな政策には反対しなければなりません。小泉だからといって全ての政策に反対などしていては、馬鹿丸出しになってしまいます。郵政政局では小泉総理側に理がありましたが、皇室典範政局では、反対側に理があります。政局になれば小泉首相側に相当不利でしょう。小泉首相が政局の天才であるならば不利な政局は避け、なんらかの修正を加えてくるはずです。そして男系を守れればいいでしょう。
私もコメントしようかと思っていました
天皇諡の件もそうなんですが、浩宮(親王殿下)という書き方自体がおかしいと思います
立太子なさっているのだから、皇太子徳仁親王殿下
いくらなんでも、前後から、皇太子殿下、今上陛下で分かるはずです
失礼ながら、秋篠宮妃紀子殿下に「殿下」という正しい敬称を使ってらっしゃるのであれば、文中の他の個所の皇太子殿下にも「殿下」という敬称をお使いください
とにかく、浩宮(殿下)というのは勘弁してください
なにしろ、敬宮愛子内親王殿下を敬宮(親王殿下)と表記なさってないのですから
何のことか、お分かりになりにくい方へ
現在の天皇を他の天皇と区別するときは、「今上(きんじょう)天皇」と表現します
平成天皇とは呼びませんし、そんな人はまだいません
たとえば「昭和天皇」の「昭和」は、天皇の崩御(死去すること)をもってつけられる「諡号(しごう)」です(または「追号」)
生存している天皇には、諡号は与えられません
天皇は唯一無比の存在だからです
西尾先生の「さかのぼる皇統の系図はかくしてはるか遠くへ消えてしまうのである。」という、先々のことを踏まえた説明はとても分かりやすくていいと思います。
一般のよく知らない人が男系天皇・女系天皇と聞いたら、なんとなく、女系は女系で(それが父方でなく母方というだけの違いで)(男系と同じように)母方がちゃんと皇統を辿るような気がしてしまいがちです。最初はそうでも、その先、だんだん離れていくということを強調すれば、その危険が分かりやすいです。
よく考えたら、今度ご結婚されて黒田家に嫁がれた紀宮さまのお子様が天皇になるようなものですよね。そしてそのお子様がまた天皇に・・・って想像したら、もうほとんど関係ないって感じです。誰でもいいような感じです。ただ家や墓を守るのが目的の一般家庭の婿養子とはわけが違うのです。
コイズミさんは、別に深い意味なくただ単純に今4点セット言われている事で叩かれているからごまかすだけでしていると私は思います。郵政民営化も道路公団民営化も同じ思考回路と思います。あの時も支持率のためだけでしたでしょう。
北朝鮮行くのも支持率だし。構造改革?バカな?アメリカの言いなりじゃないですか?あの国もそういえば皇室ないですよね
国民も冷静になれば分かると思うが・・・
とても興味深いお話で、為になります。
ひとつ分からないことがあります。
>「女系」の天皇家は崇敬の対象にならなくなる。権威も神秘性もなくなる。廃絶が必然的になる。
これは本当ですか。
愛子さんが婿養子をお迎えになれば、皇太子さんが「将来忘れ去られる母方のご先祖様」になることはないと思っていたので、西尾さんのお話を読んで、よく分からなくなってきました。
娘しかいないお家で、それでも○○家というのを残して行きたい場合に婿養子を取るという解決方法があると理解していたのですが、そうではないのですか?
先ほど、皇位継承問題で、婿養子を取るのがなぜだめなのか、と書いたゆみこです。
投稿した後で「この記事に関するトラックバック」というのを見つけて、少し読みましたら、答えがいろいろと書いてあるようでした。もっと読んだら分かると思うので、先ほどの投稿は無視してください。
お手数おかけしました。
あなたの「国民の歴史 」と「西尾幹二の思想と行動」を最近読ませていただいて大きな感銘を受けました。社会の現象を根本的に把握するには深い「哲学的な思索」が必要なのだとやっと気がつきました。
ところで一つ質問があります。
あなたは『小沢一郎』をどう思われますか。
彼の日ごろの主張は「日本人よ、国際的になれ」ということだと思いますが、あなたの考えとは正反対だと思います。
私は『小沢』を評価しています。歴史認識はともかく、「覚悟、心構え」はめったに現れない本物の政治家と思うのですが。
なお私は「小泉、その他多くの政治家たち」は国賊、売国奴だと思っています。企業でたとえれば、私利私欲を図り会社を崩壊にみちびくように努力している役員達です。
大工原さんへ、私が以前宇野正美氏という人の講演のテ-プを聞いた限りでは、湾岸戦争の時の自民党の幹事長は、小沢一郎で、拠出金の内からいくらかネコババしたのをユダヤの諜報機関に知られてしまった。この拠出金には、領収書が無いのです。小沢一郎が時々NEWYORKへ出かけるのは、ユダヤに呼ばれるからで、同じ穴のムジナで、政情のかき回し屋で彼がいる限り民主党は、政権など夢の夢です。