福地惇氏による現下の状況分析を下欄に追加します。 つくる会が決意を求められる重大局面です。(5月26日)
続・つくる会顛末記
(二)
宮崎事務局長の解任勧告が今回の紛争の発端であったことはよく知られています。そしてそれを発議し、最も熱心に推進したのは私だということになっているようですが、まったくの間違いです。
ことは平成17年(2005年)8月に始まっています。私は小泉首相の劇場型選挙にもっぱら関心を向けていて、申し訳ないが「つくる会」のことは玉川学園を訪問した以外にはさしたる採択運動もしていませんし、執行部会にも何ヶ月にわたって(たぶん二年以上)ずっと出ていません。9月25日の年次総会で福地、吉永、勝岡、松浦の4人の新理事が紹介されましたが、その日まで新理事が誰かも知らされていませんでした。4人のうち2人は初めて総会でお目にかゝり、うち1人は失礼ながらお名前もそのとき初めて知った次第でした。
「名誉会長」は完全な閑職だったのです。私は総会が終れば辞めるつもりでした――本当に9月で辞任してしまえばよかった――が、辞めるなどトンデモナイという漠然とした「風圧」に押されてぐずぐずしていたにすぎません。
心が会から離れていました。紛争が起きるまで、関心を失っていました。しかし何か事が起こると「名誉会長」は必ず引っ張り出される宿命にあります。みんなはそのとき私の存在を思い出すのです。
「事務局長更迭問題の経緯(宮崎メモ)」という文書が私の手許にあります。8月の項をみると、宮崎氏は杉並対策会議で藤岡氏とかなりひんぱんに衝突し始めています。
8月7日 本部事務所で杉並対策会議。翌日からの行動計画を決定。事務局も全面協力の体制を確立。
※後日、藤岡副会長は事務局長更迭の理由の一つとして、この際の宮崎の対応を戦う姿勢の欠如と批判、藤岡氏の邪魔をしたと断定。
(中略)
下旬 西尾名誉会長より、携帯電話で「君を守る」との連絡あり。この前後か、藤岡副会長から西尾先生に対し宮崎批判の声があるとの連絡あり。
27日 執行部会。種子島副会長、自らの退任を申し出。事務局長も6年続いたからそろそろ新しい人にと、事務局刷新案を打診するもその場での同調者なし。
事務局長問題は8月に始まったと前に書きましたが、正式に問題としたのは藤岡氏でもなく、私では勿論なく、種子島副会長(当時)であったことが分ります。
27日の執行部会に私は出ていませんが、日ごろの種子島氏の宮崎評はきいていました。氏は宮崎氏を理事に祭り上げて、事務局長にはもっと能動的な若い人物を入れるべきこと、宮崎氏は性格が陰気で、事務局全体があれでは沼にひきこまれるように沈んでしまうこと、若い職員を効果的に働かせることもできないでいること、などを以前からしきりに言っていました。そしてそのころ杉並の採択日(8月12日)の前後に、宮崎氏への不満を爆発させた藤岡氏の訴えが電話で伝えられて来ました。
局長更迭の最初の正式の提案者は種子島氏であることは明らかですが、私は責任を氏に、あるいは藤岡氏に転嫁するつもりはありません。宮崎氏を事務局長に選んだのは私であり、ミスキャストではないかとずっと悩んでいましたから、事務局内部の現場の空気を知っていた種子島氏の言葉にも、杉並の情勢を伝えて来た藤岡氏の言葉にもそれぞれ納得し、同調していました。
「君を守る」という私の電話は、そういう意味では無責任です。これは彼の雇用を守るという意味で、地位を守るという意味ではなかったかと思いますが、そこまで明確であったかどうかも分らず、私もどうしたらよいか当時まだはっきりしていなかった時期だと思います。
他方、八木氏がその頃よく口にしていたのは「宮崎さんは仕事を若い人に任せない。細かいことまで何でも自分が手を出してしまう。若い人が育たない。アポイントメントを取るなどのさして重要でない電話は女性職員にすべて任せればいいのに。人を使えない上司の下ではみんなの仕事はテンデンバラバラになるしかない。」とこぼしていました。
8月31日から2日にかけて私と種子島氏との間に往復メールが交わされました。一部を紹介します。
「『つくる会』人事について」と題して種子島氏から私へ、
西尾幹二様
「つくる会」出直しの好機、所信の一端を述べます。
1.若返り、最強の布陣
支部でも高齢化が一段と進んでおり、これでは4年間保たない。
会員若返りのためには本部若返りが不可欠です。
幸い、八木会長の新体制は、採択専門家藤岡副会長もうまいこと飲み込ん
で、非常にうまく機能しています。この体制を伸ばすこと、副会長は若手
で固めること、が必要でしょう。
会員数のガタ減りは確実で、若い世代獲得のための手をいろいろと打って
行くことが必要です。
2.事務局長、事務局刷新
事務局長は、内にあって事務局運営に当たると同時に、支部を含めた外部
に対しては会の顔で、その人選は重要です。
宮崎さんは頑張っているし、経験も積んでいる。だが、任期が長引くこと
から必然的に生ずるマンネリズムがあるし、内外の若い世代を惹き付ける
には暗すぎる。若くて会長が使いやすい人で代えるべきでしょう。
もし適任者が得られず、彼の続投で行くのなら、理事に就任させるべきで
しょう。年功からいっても、その方が納得性がある。(3、4略) 種子島経
このメールを受けた8月31日の直後から、浜松町貿易センタービルで行われた「路の会」夏の懇親会の前の時間を利用し、同ビル内の喫茶店に八木、藤岡、遠藤の三氏と私の四人で、種子島提案をとり上げ、事務局長問題をめぐって幾つもの重要なポイントを確認し合いました。「理事」案に次いで、「事務総長」案が出されました。次の事務局長に浜田実さんはどうか、という案が出たのもこのときであり、八木氏も間違いなく聞いているはずです。浜松町の会談は他にも重要な提案が出された、今思うととても大きな意味のある会議でした。
私はその夜の遅い時刻に種子島氏にメールで返信しました。
1,3,4点には異論はありません。宮崎事務局長の件では今日藤岡、八木、遠藤諸氏とそうだんしました。理事にすることはできません。理事には給与を払わないのが内規だからです。かれを事務総長にして、新事務局長をかんがえるというのが、4人の相談の結論でした。かれから給与を奪うのは酷です。
西 尾
「事務総長」とは「こんな小さな会には大袈裟すぎる」と私は思いました。後に宮崎氏本人にこの考えを伝えたら、「それなら代りに専務理事の名称はどうですか」と逆に提案されました。あくまでも雇用は守られるという相互了解がありました。
種子島氏からその日のうちに返信メールが来ました。
宮崎さんの件
「理事は無給だから理事にできない」というのは?
高森理事、事務局長は有給でしたよね?
「理事無給」の定めがあるなら変えれば済むことだし。
決して宮崎理事にこだわっているのではなく、給与の有無で決することへの
疑問です。以上
他人の財布の内側に入るような話は書きたくないのですが、ここを書かないと真実は何だったかが分らなくなるので、高森氏にお許しいただきます。
私は同じ日の夜中に返信しました。
高森氏は大学、神社講演、執筆があり、事務局には半分勤務、週の半分出勤で、理事でもあり、理事講演費もとり、事務局長給与30-35万円もあり、しかも事務局長としての勤務は不徹底でした。
そのため八方から不満が寄せられ、私が事務局長は専従にし、40万円をしはらうべき、との、内規をつくりました。
内規をかえることはできますが、一貫性がなくてはこまります。理事で、勤務せず、会から給与をもらうというのでは示しがつきません。
理事は自己収入のある、独立した仕事をもった人でないと、こまります。宮崎さんは自分の経済生活をもってないひとです。生活の半分はたぶん奥さんの実家に依存、他は会からの給与です。理事になれば彼は無給無職の最初の理事になるか、会から給与をもらう外で仕事をしない理事という奇妙な形になります。そういう理事をつくるのはまずいのではないか、とかんがえるのです。
給与がなくなれば彼は明日から生活できなくなるでしょう。
私が何をしきりに問題にしていたかはお分りになるでしょう。宮崎氏の経済生活と、給与をもらう人もらわない人の区別です。そして、宮崎氏への配慮に関しては八木・藤岡両氏の名誉のためにも言っておきますが、両氏ともに私と同じ考え、同じ心配をしていました。しかし、ここが大切ですが、種子島氏は一貫して私どもの憂慮に理解を示しませんでした。
次は八木会長にあてた種子島氏のメールで、私に移送されてきたものの一部です。八木氏に厳しさを説いています。
ただ、宮崎氏の処遇に関しては、次のように考えます。
1.死刑で一番残酷なのは、昔の中国の稜遅処死(りょうちしょし、字は間
違っているかも)の如きSLow Deatghです。処分はバッサリやるほうが
やられる方にとっても人道的なのです。
2.余分なポストを設けて宮崎氏を据え置くのは、新事務局長の業務を阻害
するだけでなく、宮崎氏にも残酷で、その晩節を汚すのみ。
3.宮崎氏の経済面に配慮するなら、精々特別退職金支払いまでで済ますべ
きであり、そのために給与を払い続け、ポストを設ける如きは、事務局
の組織上害を及ぼすだけでなく、宮崎氏にも残酷となる。
そもそも給与、退職金などは人事上の手段に過ぎず、それを先に考え、
ぞのための組織を考えるなど本末転倒。
私たちはバサッと彼からその甘さを叱られてしまったのです。経営者としての種子島氏のこの考えは正論であり、立派です。それならこの厳しさをその後も一貫して取って下さればよかったのです。
ところがこの同じ種子島氏が2月27日に会長になるや、たちまち豹変し、投票数まで書いたつくる会ファクス通信165号の宮崎氏による退任直前の不法差し換え事件に、しっかり厳罰でのぞむということもできませんでした。それどころか、宮崎復帰をも射程の中に入れる八木会長復活案を言い出しました。3月28日の理事会でこれを決し、7月に八木会長を実現し、宮崎氏も復帰させるとの含みで走り出したのですから、あれよあれよという間に変貌した種子島氏の姿には妖怪変化を見るがごとき不可解な思いでした。
いったいどうなっているのでしょう。まことに不思議でなりません。
どなたかが「日録」のコメント欄で、事務組織は給料をもらう以上、規律が要で、理事とは勿論のこと、会員とも同等ではないと書いていましたが、その通りと思います。
種子島氏が言うように、交替した時点で、前事務局長が事務局にがんばっていたら、新しく入って来た事務局長はやりにくくて仕事にならないでしょう。ですから宮崎氏にはスパッと辞めていたゞくのが一番いいのですが、現実にはそうはなりません。八木、藤岡、遠藤諸氏が考えた案は、外部に働きかける積極的能動的事務局長を新たに見つけ出し、内側のデスクワークを宮崎さんにひきつづきやってもらったらどうかという妥協案でした。
宮崎更迭問題は種子島氏が先導し、それは雇用解雇案であり、八木、藤岡、遠藤、福田、西尾などが修正し、それは雇用継続の部署変更案でした。企業でも何処でも普通、これだけの幹部が決定すれば、ことは決まりです。しかも「つくる会」は企業ではなく、資金の乏しい、人材だけが頼りのボランティア団体です。有能な人材にのみ乏しい資金を投入する以外に生きる道はないのです。
コンピューター問題は10月半ば頃まで意識されていません。更迭が本人に打診されたのが9月17日でした。
何度も言うのですが、この段階では彼は会でひきつづき別の仕事をしていたゞくということでした。宮崎氏は何かを予想していたらしく、例の「宮崎メモ」の9月17日の項に、次のように書いています。
17日 今回の採択結果を受けて、事務局長としての責任を痛感し、辞職すべきかどうか悩み、信頼出来る先輩にその旨相談した。その先輩は、その必要はない、と即答されたので、継続して任務遂行することで責任を果していく決意を固めていた。
そして18日の項に
18日 宮崎、西尾名誉会長に電話して事務局長退任の意志無しを告げる。また先輩に電話し、事の顛末を報告。同氏より、西尾、八木両氏に抗議の電話
この先輩とは日本政策研究センター理事長の伊藤哲夫氏であったと思います。あるいは八木氏には別の人から電話があり、私にはその人からなかったのかも知れません。
普通の一般社会、企業や学校その他とはまったく違うルールが別個に存在するという局面が突如姿を現したのでした。宮崎氏は「つくる会」とは別の秩序に組み入れられた、別の組織の人物だったのです。
宮崎氏は自分を有能な人材だと自惚れていて、種子島氏以下われわれがまったく彼を運動家として評価していない事実に気がついていませんでした。知識人の団体であるがゆえに、一般社会とは異った自分たちだけに特有のルールがあるものと思いこみ、しかもそのルールを宮崎氏は自分たちの手でつくったもので、自分の自由になると信じているのでした。
たしかに氏から私に興奮した電話が何度も掛かって来たのを覚えています。私たち会の幹部の総意で「退任」を伝えられた事務局長が、自分の意志で「退任の意志無しを告げる」とはそもそもなにごとでしょう。何という思い上がりでしょう。
私と遠藤氏と福田氏とがいる席で、八木氏が「ここだけの話ですが、宮崎さんは藤岡さんを監視するために神社が派遣した特使だから、簡単に替えられそうもないですよ。」という意味のことを言い出したのは、何月の何日かは思い出せませんが、それからほどなくのことだったのです。
八木氏は私とは別のルートから耳打ちされたに相違ありません。
西尾幹二 様
福地 惇前略 先生も既にご覧になったものと推察しますが、昨晩の21時38分発で東京支部掲示板(キャッシュ表示)に興味深い見解が出た。「でじゃ・ぶ」なる御仁の「タブーを排して膿を出せ」である。
私が日録に載せて頂いた、分ってはいたが先生の「産経新聞への私の対応」等に譲ったため、特には書かなかった重大な箇所を実に鋭く指摘されている。
第一 「産経新聞の変節」にその手駒である八木は下手に踊らされたこと。
第二 3月6日東京ブロック会議の説明会で種子島、藤岡両氏の発言は明らかに異様であったこと。東京説明会は確かにそうだった。私は続く8日の大阪は都合で欠席したが、9日の福岡説明会でも同様であったことは私がこの目で見ている。「でじゃ・ぶ」氏の記事を読んで、この大事な2点は拙文では間違いなく弱かったことを反省させらされた。「八木の支那詣で」は、明らかに重大なポイントであるが、「でじゃ・ぶ」氏が指摘する通り、その深刻さへの厳しい対応ができなかった理由は、フジ産経グループの本会への対応への恐怖心であったと思う。
それゆえに、2月当初から3月中旬まで、確かに藤岡氏は「八木との提携」を模索していたのであろう。だが、2月27日理事会では大きな流れから八木会長解任、種子島会長の登板となる。そして、3月当初に始まる怪情報への怒りから「転向の分岐点」に立たされていたのである。八木復帰論を私が種子島会長、藤岡会長補佐の両氏から突如聞かされたのは、3月9日、福岡のホテルでの打ち合せ会であった。八木の会長解任から僅かに十日ほどであり、その異様さに私は抗議したが、八木の人気・産経・扶桑社の支持を失う可能性高しとの両氏の論拠を崩せる情報を持たなかったが故に沈黙したことを鮮明に覚えている。今になって思えば、藤岡氏の「八木さんは国の宝です」はこの時期において彼の立場が如何に微妙であったかを露呈していた。
「藤岡共産党離党=警察公安」情報から始まる藤岡氏への人身攻撃は、八木の軍門に藤岡氏を屈服させようとする子供じみた戦略ではなかったか。八木―「四人組」の藤岡憎悪は尋常ではない。当然のことながら、彼らの子供じみた犯罪的悪戯は、藤岡氏を「西尾」へ向かわせる作用を果たした。あの怪情報に屈して産経新聞=八木の軍門に下るか、それともそれに抵抗するかの「運命の分岐点」に、藤岡氏は正に3月初旬に立たされていたことを物語ように私には思われる。他方、種子島氏は違う道を選んで4月理事会での八木―「四人組」との連袂辞任に至ったのである。
今回の『つくる騒動』は、八木―宮崎を飽く迄も押し立てようとした「四人組」の執拗で形振り構わぬ異常行動に攪乱され続けた。だが、その背後に介在した重大要因は、八木擁立に執心した産経新聞(社内のどの部分か)の演出である。これが大きな禍となった。
2、3月両理事会に対する偏向報道は十分明らかにされたが、更に重大なポイントは「支那詣で」(昨年12月)そして「日中歴史教科書対話」(5月)の逐次進行である。今、表面に出て泳いでいるのは新田均であるが、相変わらず背後に八木がいる可能性は高い。勿論、その司令塔として産経新聞(経営陣はいざ知らず、内部の八木同盟者)が控えている筈である。
自民党総裁選挙の背後に支那共産党の「謀略工作」が有る事は誰の目にも自明である。それと連動して「つくる会」分断工作が事実かくのごとくあったと考えるのがマトモである。ピエロの八木や新田の終末は近付いているし、社内の八木支持派をそのままにしている産経新聞も危ない局面に入りつつあるように私には感じられる。以上「でじゃ・ぶ」氏の記事を読んで若干の感想まで。草々頓首 福地惇
SAPIO6月14日号(5月25日発売)に「独占手記 西尾幹二(「つくる会」初代会長)
私が「新しい歴史教科書をつくる会」を去った理由」が掲載されています。
【八木氏に「おれが一番だ!」と自信を付けさせた黒幕は?】
誰でしょう? と推理小説さながら犯人を想像していた。
ふと、大分前だが、遠藤浩一氏のブログ【日々雑感】の ≪「つくる会」――内紛の一部始終について ≫を読んだことを思い出して、もう一度読んでみた。
・・・・遠藤浩一氏のブログより・・・・
『諸君!』五月号に、「西岡治秀」なる人物が、つくる会「内紛」の“詳細”について書いてゐる。その見方はかなり一方に偏してゐるのだが、幹部でなければ知らないやうなディテールが書き込まれてゐて、よく取材してゐるなあと、ひとまづ感心した。ただ、不思議なことに、事前に僕のところには一度も取材はなかつた。そのためであらう、直接僕の発言等に言及した箇所はない。 (中略)
西岡氏が「A氏」と名付けた人物は、①つくる会の主要メンバーで、②二年前の会長選びで「藤岡氏よりも八木氏が会長になった方が世間に対する訴求力がある」と述べ、③西尾氏に「扶桑社の編集者が先生を批判していますよ」と「耳打ち」し、④昨年十月、八木氏に対して「つくる会のイメージは西尾、藤岡両氏のキャラクターもあり、あまり良くない。ついては、八木さんが先頭に立ってつくる会による独自の出版、PR活動をして、イメージ向上を図ったらどうか」と勧め、⑤西尾氏に対して「八木氏は、創設者である西尾、藤岡両氏を追い落とそうとしている」と告げたといふ。⑤の教唆を得て西尾氏は、「これは八木氏によるクーデターであると認識し、藤岡氏とともに八木氏への攻撃を開始した」といふのが、西岡氏の見方のである。その通りだとすれば、「A氏」といふのはとんでもない人物である。 (中略)
④にある、昨年十月、八木氏に対して「つくる会のイメージは西尾、藤岡両氏のキャラクターもあり、あまり良くない。ついては、八木さんが先頭に立ってつくる会による独自の出版、PR活動をして、イメージ向上を図ったらどうか」と勧めたのも、僕ではない。別の人物であらう。話は逆で、九月下旬だつたが、八木氏から「ある人から、独自の出版体制を構築することを」と、こちらが聞かされてゐる。そのとき僕は「実現性の高い低いは別として、選択肢としては残しておくべきでせうね」と答へたと思ふ。 (以下略)
・・・ここまでが遠藤浩一氏の ブログ・・・・
私にはこのつくる会による独自の出版という言葉が引っかかった。この言葉の意味を考えてみた。どんな本? やっぱり教科書しかない!
「ある人から提案されてゐる」の、ある人は今横に置いておいて。八木氏は言葉の多い人という印象(この事件の記事を読んだ感想)があるので、「ある人から提案されてゐる」ことをだれかれに話したのだろう。
フジサンケイグループの人の耳に入りか、入れか?分からないが・・・。
耳に挟んだ宮崎氏がフジサンケイグループに「八木会長は教科書の独自出版を考えている。後ろには誰か大物がいるようだ」とご注進したのかも。宮崎氏も自分の生き残りをかけてフジサンケイグループと水面下の握手をして、「つくる会会長中国へ」の橋渡しをした。のかも。
・・・西尾幹二のインターネット日録 「怪メール事件」(三)より・・・
種子島 八木氏をフジサンケイが支持している。
勝岡 そこにフジT Vが入っているのですか。
田久保 誰か支持したと確認しているのですか。つねづね産経 は、第一に「つくる会」の人事に無関心であり、第二に 教科書という大目標だけを支持する。特定の人を支持す るというはずがない。おかしいのでは。
種子島 産経はたしかに人事介入はしないといった。
八木 (色をなして)フジの日枝さんが「あなたを支持する」 と私に言った。
・・・(中略)・・・
私はよほど日枝氏に「八木さんからこんなことを言われていますよ。大丈夫ですか」と電話で聞いてみようと思ったが、「そんなこと私がいうはずないないよ。人事の件で言ったんじゃないよ」とすぐにたしなめられてしまいそうで、迷惑もかかり、失礼なのでやめた。
いったいなんということだろう。八木という人は何を考えて生きているのだろう。
・・・ここまで 西尾幹二のインターネット日録・・・
八木氏は、「つくる会の独自の出版体制」を餌にして、フジサンケイを脅し(宮崎氏がやったのかも)、後ろ盾を貰い、宮崎氏、種子島、勿論4人のコバンザメも引き連れ、独自のビルディングを建てるつもりが、西尾先生の「爆発だ!」の追跡の凄さに、地盤整理の段階で、動きが取れなくなった。 西尾先生にちょっかいを出したのが命取り。「しゃらくさい!」のである。 「ある人」は私の脳味噌では想像できない。 以上。
めい 様
先駆けとしての意義深い役割を山形支部の事務局長として果たされた、貴方の御尽力の軌跡と御述懐を、「ターニングポイント・9.11」の御所信とともに、拝読させていただきました。貴方の想いの深さ、それ故の「つくる会」への御期待の大きさ、御活動のひたむきさに思いを致し、あらためて深く敬意を表し上げます。貴方の御体験の記録と御所見は、東埼玉人様も仰るとおり、全国運動「つくる会」の活動の今後のあり方、本部について、支部について、本部と支部の関係について、あらためて検討する上で、重要な資となり、貴重な教訓となるものと存じます。
また、「9.11」に関連する御所信も、凛然として筋の通ったものであり、大いに共鳴するところです。 日本の役割は「アラブ対ユダヤ・キリスト世界」と云う悲劇の構図を阻止すること、堂々たる御視座であると思います。私流に換言すると、日本の役割は「イスラム教対ユダヤ・キリスト教」と云う「唯一絶対神」を信奉する同根の宗教同士の近親憎悪の本家争いの構図を、神道と云う全く異質な信仰を持つ民族が、「生きとし生けるものに、それぞれ所を得さしめる」と云う信条に立って言向け和す(ことむけやわす)こと、であると考えます。しかし、この古代のミュトスの命脈を保つ吾が大和民族の固有の信仰も、GHQの占領政策によりズタズタに切り裂かれ、左翼勢力から呪詛され続けて、既に数多の日本人の心から消滅しており、現下の吾が国・吾が民族の焦眉の急務は、先ず、これを蘇生させるための思想を確立することであると考えます。(貴方と全く同感です。)
然は然りながら、この「正しい思想を模索・確立する」ことと、「よりよい教科書をつくる」ことと、「その教科書を採択させる」ことは、相互に緊密にリンクする「課題」ではありますが、それらの「課題」をそれぞれに成就させるためには、三者を冷静に峻別し、それぞれの「課題」ごとに別個に方法論を考えて行かなければならないものと存じます。
そのような観点からすれば、「つくる会」と云う「特定の目的を設けた場」においては、前者(思想の模索)に拘り過ぎることは禁物であり、中者(教科書づくり)に関しては、執筆を主務とする本部に対し支部が注文をつけ過ぎることなども不都合であり、(つまり、前者や中者においては、支部は主役ではなく、そこに重点を置き過ぎると活動のバランスが崩れ、無理が生ずるものと思われます。)
他方、後者(採択戦)においては、それぞれの採択区における局地戦に対し本部が統一的な戦略・戦術指導に拘り、過度な統制を行うことも、現場での戦闘に作戦の分裂や混乱を生じさせる要因であり、避けなければならないところであると考えます。(その点、貴方の御指摘のとおりであると存じます。)
この「続・つくる会顛末記」の冒頭において、西尾先生は「つくる会」は、前提のない「この指とまれ」から始まったと述懐しておられます。「子供達に自虐史観による醜悪な虚構を刷り込み、その精神的支柱を捻じ曲げる現行の歴史教科書を排除し是正する」と云う「一点」で、色々な考え方、様々な立場の有志が結集し、出発した「集まり」のはずです。近代保守も、宗教保守も、また、反米保守、是々非々保守、親米保守いずれの立場であっても、その他諸々であっても、この「一点」において心を合わせ、各々その強みを生かしながら、運動を継続、拡大して行かねばならないものと確信し、切望しております。
作る会の一会員として、呆然と経過を見ておりますが、信頼されていた方々に裏切られた先生のご心情に思いをいたし、眞に僭越ですが、心からご同情申し上げております。
なんと言う耐え難く軽い方々でしょう。先生の憤りはその一点に尽きるように思われます。
サンケイが主犯だとすると、
支那詣でを企画したのは正論編集部の小島記者ですが。
大島編集長、斎藤正論調査室長が上司です。
しかし、つくる会をどうするかという問題に
住田社長の指示がないはずがありません。
サンケイぐるみなのでしょうか。
田中助六(ポスケ・ブログ)さんへ
前にお書きになったものよりだいぶ貴方もわかってきたようですが、ひとつだけ見落としています。
私が産経を少しも恐れていないことが、「日録」が軸となって、ここまできた所以ですよ。
その私を恐れなかったのは、理事のなかでは福地淳さんひとりでした。
保守系の新聞も雑誌も、「保守」が一時的に流行(?)している現象があるのを背景にして、自分たちが正義だとばかりに、かなり慢心しているじゃないですかね。。。
思想的にも「増長」した人間が増殖している気がする。。。
布袋和尚様
私が敬慕するある方に「子どもの教育でいちばん大切なことは何でしょうか」とお尋ねして、「祈ってあげることです」という答えをいただいたことがありました。偶々ご縁をいただいた「つくる会」でしたが、今になってみれば、やはり「祈り」に勝るものはないのではないだろうかという思いです。日本人は根底においてそのようにして世を処してきたのではないでしょうか。戦後の教育において欠落していたもの、取り戻すべきものがあるとすれば、まさにそこのところなのかもしれません。実は昨日初めて新田先生のブログを拝見したのですが、西尾先生、藤岡先生の議論にはなかなかついてゆけない私にも、新田先生の言い分には腑におちるところが多かったというのが正直のところです。私も「神社右翼、宗教右翼」に括られることを甘んじなければならないと思ったところでした。今日の種子島先生の文章もよく理解できました。
「ちょっと訂正があります」
ここ2、3日、IPアドレス制限がかかっていて、コメント欄への投稿が出来ませんでした。。。(原因は判らない)←管理人さんに問い合わせたのだが、返事がないまま元に戻っていた??
さっき試してみたら、どうやら投稿できるようになったようなので、以前の投稿に対して修正したいことがあり、すでに別の掲示板(おちょくり塾)に投稿したものをこちらに転載させて頂きます。。。
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>キルドンム様
あえて「きつい」表現にしたのですが、西尾先生の証言では、「一部の理事への負担が大きくて、あまり働かない人が多かった」との言葉があります。。。(^^←(そういう人がいると想定して、あえて厳しい言葉を突きつけたわけですねw)
つくる会の理事全体を揶揄する意図はありません。。。(もともと、たいして関心がないからね(苦笑))
しかし、私の印象としては、西尾先生の「カリスマ」によって会員を惹き付けたとされる功績よりも、全国をつぶさに歩いて、教育委員の実態を調査解明した功労の方が多きいと思うけどね。。。(それなりに働いていたのだろうが、大言壮語してあまり現場の実態を把握していない人が多かった気がする)←それでいて、西尾先生の意見をあまり聞かないで、自分勝手な判断をしている印象もあった
ところで、前回の投稿で、猪口大臣が「共同参画基本法」の文言を修正すると書きましたが、正しくは「共同参画の基本方針」の修正でした。。。
基本法自体は、立法府が正式な手続きで(実際には、ジェンフリ派の策謀があったが)成立させたので、そう簡単に変えることは出来ないわけですね。。。
ただ、基本法を元にして、具体的な「基本方策」を策定するわけですが、これは5年ごとに見直されます。。。
実際には、内閣府の担当室は、「目標とする数値の設定」だけして、実際にはろくに仕事をしていないという話です。。。(無理に「男女平等」を実行されても混乱するだけなので、働かないでもらった方が良い‥のだが、税金は無駄になるな。。。(^へ^ゝ)
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この投稿に対しては、同じ掲示板上で、キルドンムさんから以下のような返答がありました。。。
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尊野様へ
了解しました。こちらは同じくどなたかの「なぜ中西理事を会長に推挙しなかったか」という質問に対する西尾先生の答えが念頭にありましたので、てっきりそれに関することかと・・・。
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これとは別に、以下のような訂正文も投稿してあります。。。
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ところで、前回の投稿で、猪口大臣が「共同参画基本法」の文言を修正すると書きましたが、正しくは「共同参画の基本方針」の修正でした。。。
基本法自体は、立法府が正式な手続きで(実際には、ジェンフリ派の策謀があったが)成立させたので、そう簡単に変えることは出来ないわけですね。。。
ただ、基本法を元にして、具体的な「基本方策」を策定するわけですが、これは5年ごとに見直されます。。。
実際には、内閣府の担当室は、「目標とする数値の設定」だけして、実際にはろくに仕事をしていないという話です。。。(無理に「男女平等」を実行されても混乱するだけなので、働かないでもらった方が良い‥のだが、税金は無駄になるな。。。(^へ^ゝ)
この間の見直しで、少なくても性差を否定するような文言は削除されたと思います。。。(猪口大臣の功績)
ただし、「男女の役割の解消」という方針を改めないと、根本的な解決にはなりません。。。
せめて、「あまりに硬直しすぎた男女役割意識の是正」くらいの文言にするべきでしょう。。。
具体的には、演歌の世界の男女像を押しつけるとか、女は男の後ろを歩くべきとかの、かなり時代錯誤な固定観念は改めるべきだろうということですね。。。(「出しゃばり女」は私も好きではないが(苦笑))←同様に、「出しゃばり男」も好きではない
「専業主婦」も1つの(かなり)立派な女性の役割であり、それはちゃんと重視する政策も必要だし、女もどんどん外に出て働けとけしかけるような今の行政のやり方にはかなり疑問を感じます。。。(外に出て働くだけが能じゃないでしょ?)
(保守派によるジェンフリ批判がかまびすしいですが、批判している人間の中には、女性を蔑視して発言している人間や、主婦の存在を軽視していると思われる人間も含まれています)←だから、私はフェミニズム批判を「専門」としているけれど、保守派とはちょっと距離を置いて、安易なジェンフリ批判には荷担しないようにしています。。。(--)
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さらに、細かい訂正を1つ。。。
「キリストの幕屋」という名前の由来ですが、これを「イエス・キリスト」が幕を張って説教していたと説明しました。。。
しかし、幕屋HPでの説明によれば、正確には、「モーセ」が出エジプトを敢行した時に、「シナイ山において密雲漂う中に神と出会って十戒を授けられたとき、神との出会いを持続せしめんがために、神がモーセに『自分と民、また汝と出会うために幕屋を作れ』と命じられたことに発祥している」とのことです。。。(ちょっと認識不足でした)
(カソリック教徒であって、幕屋の信者ではないから(苦笑))
追伸、
藤岡さんのブログでも、強烈な新田批判が始まっていますね。。。(それに伴って、閉鎖していたコメント欄への投稿も再開されています)←相変わらず「強気の姿勢」を貫く人だな。。。(^へ^ゞ
どちらが正しいとか間違っているとかは、ここまで問題が大きいのだから、やはり徹底的に追及するべきでしょう。。。(行為がどうのじゃなくて(誰でも失敗はする)、人格の問題になっていますからね)
まあ、結果がどうなるかについては、私的にはあまり関心がないのですが、それよりも、今度の採択に向けての教科書作りの方はどうなるのかな?というのが、ちょっと気になります。。。(-3-ゞ
(四人組(+1or2?)との闘いは継続しつつ、会員の動揺を少しでも沈める為に、時期採択に向けた体勢作りの「素案」くらいは出しておいた方がいいかもしれませんね。。。(--))←もっとも、すでに会を離れた西尾先生にとっては、全くあずかり知らない話になりますが。。。
新田ブログに
西尾先生と藤岡氏が「呪い仲間」だという
種子島氏の手記が出ています。
http://tadasukai.blog58.fc2.com/blog-entry-21.html
ここまで来ると、あえて言いにくいことを
言わねばなりません。
キリストの幕屋が謀略に関与している疑いです。
信者である種子島氏があのようなことを書くからには
幕屋本部の了解があるのでしょう。
彼は最初からユダヤの工作員だったのではないでしょうか。
「長い物に巻かれた人だったのか?」
権威(S新聞)に寄りかかっている人間は、頼りにしている他の権威(某団体)の意向に対しても弱腰になりますよね、当然。。。(それで右往左往していたのか?)
「大学教授」という権威に寄りかかっているのが、一番の元凶ですけどね、どなた様も。。。(--ゞ
マックス・ウェーバーが冷徹に分析していますが、大学のポストに就任できる要因は、ただ「僥倖」である、つまりは、たまたま運が良かったというだけで、「実力」によって就任したワケではありません。。。
それに、勉強好きの変わった人間が大学院に進学するわけであり、頭が良くて大学教授になるわけでもない。。。(世間には、もっと優秀な人間がたくさんいる)
「大学教授」の地位に安住しないで、常に自己研鑽を怠らないことが重要ですね。。。
まあ、そういう意味では、どんな権威にも寄り掛からないで、生身の体で、自分の甲斐性だけで勝負している西尾先生の姿勢は見習うべきでしょうね。。。(自力本願が大切)
(福田恒在先生も、最後は1人になっても戦うというくらいの気骨を持った方でした)
西尾先生
コメント欄等を拝見して西尾先生が色んな方と交流されていることを知りました。それでアカデミックな世界と無縁なわたしのイメージする一流の学者の先生とは程遠いのが西尾先生の実像なんだと理解しました。自分からトラックバックをしておいてこう言うのも何ですが、西尾先生がわたしの駄文に目を通されているとは全くの想定外でありまして、次の文章を書くのに緊張してしまいそうです。
>上杉さん
初めましてですが、いきなり質問です。
> 信者である種子島氏があのようなことを書くからには
> 幕屋本部の了解があるのでしょう。
> 彼は最初からユダヤの工作員だったのではないでしょうか。
藤岡さんのブログのコメントでもちらほら同調者が出ているので、ちょっと看過できないと思って発言するのですが、種子島さんが幕屋の信者であることは事実らしいですね。。。(私が購読している幕屋の機関誌『生命の光』に文章を寄稿していた)
しかし、種子島さんの行動に幕屋が関わっている確証はあるのでしょうか?
種子島さんの手記の中で、どの部分の記述が幕屋との関係を示唆しているのか、具体的に教えていただけますか?
さらに、幕屋はイスラエル支持ですが、ユダヤ資本とは無関係だと思いますし、ユダヤ人と「深い関わり」がある証拠でもあるのでしょうか?(イスラエルはユダヤ教の国であり、キリスト教を信仰している幕屋とは全く別の宗教同士ですよ?)
私も、幕屋には好意的ですが、あくまでもカソリックの信者であって、宗派が違うので、幕屋の「意向」に従う義理はありません。。。
しかし、同じ宗教を信仰している者同士という「親近感」や「好意的な態度」はあります。
それで、これは追求するつもりとかではなく、あくまでも素朴な疑問からお尋ねしていることを強調しておきます。。。
(義理はなくても「情」はあるので、その範囲内での弁護はするべきでしょう、人間として)
種子島経氏の手記「狂乱の春――『つくる会』会長職2ヶ月」を読んだ。なるほど名文である。この文章を読んで、「つくる会を『正す会』」が正当と考える人が増えて、「つくる会」の今後の活動が大変つらいものになるかも知れない。
しかし、種子島氏のこの文章は真実ではない。何故ならば、種子島氏は「この騒ぎは一体?」、という結論部分で次のように述べているが、
「西尾、藤岡両天動説巨頭は、/…私を会長に据えておけば、私は西尾さんの『院政』に従い、藤岡さんの傀儡になって、彼等の思う通りに動く、と考えたのだろう。西尾さんがかつて喝破したように、日本の大学、日本の学者は護送船団方式で動くから、その中では、その地位につければ人の後に付いていく。種子島もそうだ、と考えたにちがいない。/だが、どっこい…」
この引用部分が、全く真実に反するからである。(当「日録」の読者にとっては、それは明白であろう。)種子島氏の文章は、上記引用が真実であるかのように、全体を構成し記述しているのである。
種子島氏の会長就任は、過去半年の醜態を収拾するための非常人事だった。種子島氏が就任条件として、①就任については理事全員が支持してくれること、②副会長選任などの人事に関しては一任してくれること、を提示したのは至極当然のことであった。通常、組織構成員が互いに共通利害を考えて行動すれば、事態は収拾に向かう筈である。(より大きな問題が先送りになったとしても、それは新しい秩序のもとで解決されることが予想される。)
しかし、上記2条件の履行が表向きの会議や公式の態度表明だけで、裏面での策謀や情報操作が行われたとしたら、その前提条件が崩れてしまう。
いま、会社の主導権争いを収拾するために、臨時取締役会で臨時社長が選任され、上記2条件が確認された、とする。ところが、裏面で株主の多数派工作が行われたり、マスコミにニセ情報が流されたとしたら、…。種子島氏が、現役時代にこの臨時社長の立場であったなら、きっと、関係者を調べ、然るべき処断をされたであろう。
ところが、この度の種子島氏は、違っていた。
「翌29日産経新聞朝刊の記事について、私は気にも懸けなかった。」「取材源の追求なんぞ『会』とはなんの関係もない。」
先の投稿でも述べたが、種子島氏は現実直視を避け、問題の所在に眼をふさいでいる。福地氏の申し出に対して、「私として許せないのは、第一に人事を任されて任命した副会長に任命後1週間でケチを付けられたこと、第二に内紛中止を決議した舌の根も乾かぬうち、またぞろ内紛を…」と述べているが、あまりにも一方的な決めつけでしかない。
蛇足ながら、種子島氏の言うとおり八木氏に何の問題もないならば、福地氏の申し出を受け入れて事態を明らかにすればすべてが解決していた筈である。(これは、先の投稿で、地方会員C氏に対する反論として書いたことだが、すでに西尾先生が同趣旨のことを記されていたので削除したことである。)
種子島氏の会長就任後、西尾先生から、
「ご苦労だが、2,3年やって、福地さんに譲るんだな」
と、電話がかかってきたことをもって、氏は「西尾院政」の証拠のように言っている。
だが、これは、西尾先生の、引退を目前にし健康にも悩んでいる同僚が、思いもかけず突然重責を負うことになったことに対する労りと見るのが自然でる。申し訳ない、といった負い目もあるかも知れない。2~3年のことだから辛抱してくれ、後任には福地氏がいるではないか、といったところであろう。
勿論、2~3年もできないしするつもりもない、と言えるし、福地氏を会長適任と考えないこともできる。それに対して、西尾先生が自説に固執したわけでも強制したわけでもないだろう。つまり、こんなことが「院政」になどなり得ないことは、冷静に考えれば明らかなことだ。
種子島氏が、こんな単純な思いこみをしていること自体、現実直視の回避に止まらず、情報操作に惑わされた証であろう。
種子島氏を前にビジネス云々を語るのは畏れ多いことであるが、敢えて言わせて頂く。
種子島氏のビジネス生活は、如何に困難の克服や創意に富んでいたとしても、所詮は「合理」の世界・常識の支配する世界のことでである。ビジネスにも勿論非合理な面も存在するが、それは原則として合理の枠内に統制される。
それに対して、思想や政治の運動には、非合理の混沌を乗り越えてしか合理的な運動や組織に至れない場合がある。(政治自体、日常を越えた非合理が多くの場合避けられない。)「つくる会」の運動は、まさにそのようなものと言える。
単純化して言えば、この度はビジネス社会での良識や経験が「つくる会」の混乱収拾に通用しなかった、ということに他ならない。それは、種子島氏の立場、条件からいって、やむを得ない、同情されるべき事態である。だが、その「事態」を認識することができず、安易にビジネス社会での常識に寄りかかり、情報操作を受け入れて、一方的に「天動説論者」を仕立て上げて辻褄を合わせているのではないか。
「つくる会」の運動は、西尾・藤岡両氏の出会いと接触によって、その間の化学反応(核反応?)から生じた高温のエネルギーによって成立し発展してきた。不幸にも、その高熱エネルギーを収めるに十分安全な器が未完成のまま走り続けてきたため、周囲を傷つけ内紛を繰り返す結果となった。では、完全な器ができるまで運動開始を待つべきだったのだろうか。そんなことは言えないだろう。そこが、先に述べた「非合理」なところであり、この運動の宿命でもある。
藤岡信勝氏は、多くの人のいうこと、特に西尾先生の語られるところを聞いていると、どうやら火の玉のような人である。例えてみれば、宮本武蔵になる以前のタケゾウのような人に思えてくる。今後、偉大な剣豪に成長する人かも知れない。ただし、目指すべきは剣豪ではなく、然るべき組織の然るべき司令官または参謀としての役割を果たしうるようになること、そうなりうるような運動を、これから互いに形成することを目指すべきではないだろうか。
わたしは、つくる会の活動を関心を持って見守ってきましたが、最近の一連のどたばた劇には失望しています。個人に対する中傷攻撃などやっている場合か、と思います。どんな組織でも性格、心情の異なる人たちの寄り合い所帯です。それを踏まえた上で、運営していかねばならないものと思います。お互いに相手の欠点をあげつらい、ここが悪いとか矛盾しているとか指摘し合っている暇はないと思います。そんな話を聞かせてもらっても、一部のシンパの人たち以外が皆去っていきますよ。それくらいわからないのでしょうか。
以前こちらで、「西尾先生の著作から感銘を受けているけど、ドイツ語をやった学者らしい観念論に走る傾向がおありだ」と申したことがありました。さっそく西尾ファンの人からカウンターパンチを頂きましたが、わたしの意見は変わりません。それどころか、最近ますますその傾向が強まって独走しているように思います。
わたしにはまだクライン孝子氏がサイトでおっしゃっていることのほうが納得できます。西尾ファンの皆様には申し訳ないけれど、先生はやはり書斎で翻訳・著述に専念し、たまに公演をおやりになることが、最も先生にふさわしい晩年のすごし方ではないでしょうか。余計なおせっかいですが、かつて先生の著作から教えていただいた者としてそう進言させていただきます。
アッシュさまへ
ドタバタ劇といいますが「幼児性退行症候群」の人たちが、そのようなドタバタ劇を演じてきたわけです。そのままに放置していてよいとお考えですか?
西尾先生はつくる会を立ち上げた当事者でしょう。あなたやクライン孝子さんのように無責任な立場ではありません。単なる傍観者たりえないのですよ。
クライン孝子さんの話も出ました。彼女は当事者でもなんでもないのに、まるで見当違いの八木、新田氏応援をしています。彼女の「限界」が垣間見えるようで、今まであるところで彼女を評価してきた小生は、そのバカさ加減に愛想をつかしています。彼女もブログでつくる会問題を書くたびに、愚かさを露呈していますね。教えてあげてください。
彼女、つい最近まで「女帝、女系でいいじゃないの」と主張してきたお方ですが、少々新情報(八木氏?)が入ってきてから、急に態度を変えました。つまりおよそ「直感」の乏しいお方のようです。
あなたがクラインさんに擦り寄っているということは、同じレベルだと解釈できますね。
福地氏の文章のなかで、産経新聞に関するくだりがありますが面白いですね。なんだかつくる会っていうのはいつのまにか産経新聞の飼い犬になっていたのですか。最初は〝同士〟だったんでしょうがね。結局、偉そうなことをいっても産経がバックアップしてくれなければ何もできないのですか?日本の歴史を語る方々が信じられないけつの穴の小ささですね。八木氏の後ろ盾というのは、正論担当の斎藤氏でしょうか?それとも編集長の大島氏でしょうか。さらには編集部員か。斎藤氏はおっちょこちょいで「住田命」といわれてますから、やはり住田氏なんでしょうか?だとすると住田氏って何者なんでしょうか。教科書取材班を解散したとか、そのせいか産経新聞には種子島氏の辞任すら報じられていですよね。いかにも恣意的な報道としかいいようがない。講談社の「メディアの支配」によると住田氏は鹿内追放にあたって鹿内氏の見張り役だって書かれていますが、そのことだけで社長に上り詰めたもともと陰謀体質の人なのでしょう。それに最近、北朝鮮に物見遊山で出かけるなどお笑いですね。拉致事件を追及してきた産経新聞の社長として信じられない軽薄さだと断罪しておきます。いずれにしても産経が八木氏と組んで教科書をやるというなら、最早産経とは手を切ったらどうですか。読売があるではないですか。産経は日本に不可欠な新聞であることは認めますが、いまの経営者はホリエモンにフジサンケイビジネスアイを売りうつけようと接近したことを隠して、フジ買収騒動で一転ホリエ叩きに走ったりする軽薄さ。しかも、世間の拝金主義を批判してもテレビ局でホリエをもっとも使ったフジについてはまったく批判できないでしょう。100%フジの子会社だからです。そう考えると八木氏のいう日枝氏が支持しているというのも本当かも知れませんね。扶桑社もフジの子会社ですしね。私は西尾氏がここまで
仲間をこき下ろすのはやりすぎだと思っていますし、度し難いなという印象も持っています。しかし、西尾氏や藤岡氏の書かれていること、やってこられたことについては心から敬意を表します。本当は藤岡氏がいいと思うのですが、のろいがあるというなら、田久保氏や高橋氏など手垢がついていない方になんとか出馬願って、ほかにも保守で表にたっていない方は星の数ですよ。この指とまれでなくて少しスカウトしてみてください。産経との関係も維持しながら、読売や新潮、文春など幅広く提携を模索してください。保守といえばフジサンケイなんてワロシマスよ。誠に失礼ですが、西尾氏もこのまま仲間をこき下ろしただけなら晩節を汚すことになりますよ。
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