現在西尾幹二先生自身の筆による「西尾幹二のインターネット日録」は休載中ですが、許可を得て、管理人(長谷川)が西尾先生関連のエントリーを挙げています。
今回は新刊の紹介です。コメントは現在受け付けていません。
次の新刊が8月1日に店頭に出ました。
日本人はアメリカを許していない (WAC BUNKO 67) 西尾 幹二 (2007/08) ワック |
この本は『沈黙する歴史』(1998年)の改題新版です。「新版まえがき」がついており、高山氏のユニークな解説が付せられました。
「新版まえがき」の冒頭部分を紹介します。
アメリカは20世紀の歴史にとってつねに問題でありつづけた。この国は力であり、富であり、希望であり、悪魔でもあった。アメリカを理解し、抑止することに各国は政治力を振りしぼり、アメリカの方針を誤算したばかりに手ひどい傷を負う国も稀ではなかった。それでもアメリカを愛する人は少なくない。寛大で包容力のあるときのアメリカは魅力的だからだ。しかし利己的で判断ミスを重ねるときのアメリカはいくら警戒してもしすぎることのないほどに、恐ろしい。
日本は隣国であり、アメリカとほぼ同じ1920年代に一等国として世界に名乗りをあげた競争国であることを忘れないでおきたい。史上において対等であったというこの観点をわれわれは見失ってはならない。アメリカがもて余すほどの力をもって安定しているときには、わが国は弱小国の振りをしていてもいいかもしれない。依存心理に甘えて居眠りをしていても許されるかもしれない。しかし国際社会におけるアメリカの政治力が麻痺しかけ、経済力にも翳(かげ)りがみえ始めている昨今、アメリカは手負いの獅子になって何をするか分からない可能性があり、そういう情勢に対して、わが国は十全の気力と対抗心をもって警戒に当たらなければならない。
そのためには自国の歴史が劣弱だという意識を抱いていては到底やっていけない。本書はそのことを知っていただくために書かれた本である。