近況報告

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 Voice 10月号 (9月10日発売)に、ご覧のように、「時計の針が止まった小沢一郎」(32枚)を書きました。これを書いているときにはまだ福田内閣総辞職にはいたっていませんでした。

 政変は秋になるので、それとは関係なく、早手回しの民主党特集だと編集部は言っていました。

 ところがそれから間もなく総辞職となり、私の小沢論は偶然にもタイムリーな論文となりました。

 1989-91年の海部内閣の幹事長の時代と、1993年の細川政権の成立時(自民党長期政権の終焉のとき)が、小沢一郎が世間の脚光を浴びたピーク時であって、あとは発想が固定化して、国際的な現実の動きを見ていない、国民に有害な政治家になっているということを論及しました。

 吉田茂と鳩山一郎とを合同させて自由民主党をつくりだした1955年の保守合同(政界再編)の影の舞台回しに、三木武吉という戦略政治家がいました。小沢一郎をこの三木になぞらえる見方がよくありますが、似ているのは国会対策の戦略家というだけで、三木には岸信介という保守の巨魁がついていましたが、小沢には左翼がついているだけで、小沢自身が保守ではありません。

 小沢も政界再編を目論むでしょうが、目的も理念も彼にはなく、「ぶっこわす」ことだけが彼の狙いで、合同を目指すとしても「左翼全体主義」以外のなにももたらさないだろう、ということを当時と今の政局から占いました。国連中心主義、外国人参政権、移民国家論など、いずれを見ても危険な存在です。

 話変わりますが、新刊『皇太子さまへの御忠言』は発売一週間目で、増刷ときまりました。

 もうひとつついでにご報告しておきますと、10月7日発売で、『真贋の洞察』という360ページの評論集の整理が完了し、私の手を離れて、すでに校了となりました。この本の副題は「保守・思想・情報・経済・政治」となっており、14本の評論がおさめられております。文芸春秋刊、税込み¥2000 です。

 これらの仕事で夏は瞬くまに終わりそうです。しかし基本的に夏男で、体調はすこぶるよいです。以上ご報告申しあげます。

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