GHQの思想的犯罪(十)

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西尾 幹二

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◆焚書の実態と準備

 これはチャンネル桜で実際の放送に使ったときのパネルです。また持ってきてみました。ここに書いてある“General Headquarters Supreme Commander for the Allied Powers”の”General Headquaters”とはGHQのことですね。それから“SCAP ”。これも当時よく使われていた言葉で、頭文字をとっています。“Allied Powers”というのは連合軍ですから、「連合軍の総司令部」ということですね。この二つの英単語を覚えていてください。GHQとSCAPとね。

 そして、焚書という言葉をアメリカ人が使うわけがないので、すべて「没収」“Confiscation”を使いました。“Confiscation of the propaganda publications”「宣伝用刊行物の没収」というのが正式に使われた単語ですね。

 「宣伝用刊行物」というのは、日本人が昨日まで語っていた歴史、昨日まで主張していた思想、昨日まで捧げていた道徳、そういうものを、プロパガンダだと敵国が言うのはしょうがない。敵国に対するプロパガンダというか、政府が、戦争指導者が国民に与えていたプロパガンダだと。「そう言え!」とGHQに命令されて、日本政府が直ちに「左様でございますと、あれは私たちの間違いでした、全部プロパガンダでした」と言った。これが話のスタートです。

 ただし、ここで一番初めに理解しておいて欲しいのは、「検閲」と「焚書」は別だということです。検閲は戦後のマスメディアのチェックです。新聞、雑誌、映画、放送、それからその他の出版物、ありとあらゆる戦後のマスメディアをチェックしたのが「検閲」ということです。ですから期間は、1945年から49年の四年間。それを実行した部隊が“Civil Censorship Detachment”通称“CCD”というアメリカ占領進駐軍の機関の“CCD”。江藤淳さんの著した『閉ざされた言語空間』はこの“CCD”の話です。

 その“CCD”の下に「プレス・映像・放送課」、“Press,Pictorial and Broadcast Division”という部局がございまして、それで通称“PRB”といいます。その部局の下に、さらに“RS”、「捜査課」という“Research Section ”というのがあって、その“RS”こそが焚書のリストを作成する作成班でした。これは人数的にいうとわずか六人です。

 したがって戦争前までの本をどう扱うかという問題は、他の部局に人手を割いてしまい人手不足だった。そこで、上級将校が二人、軍属全部合わせてアメリカ人は六人でした。そこに常時九人から二十五人の日本人が参加していた。この“RS”の調査した本の出版期間は1928年1月1日から1945年9月2日までということになるわけです。

 1928年というと、昭和3年ですね。昭和3年1月1日、これは東京裁判で訴状の指定された日にちです。向こうが考えた戦争のスタートということなのかもしれませんね。そして、1945年9月2日というのは正式のアメリカ側の戦争終結日です。したがってこの期間中に出されたすべての本の研究をしてリストを作成し、日本政府にその没収をさせることが焚書ということになるわけですね。

 この昭和3年から、昭和20年までという17年間の間に約22万点の単行本を含む刊行物が日本では出ていました。約22万点。その中から9288点をまず粗選びして、最終的に7769点、それをリストとして確定し、焚書図書として指定しました。つまり「没収図書」です。これがアメリカ側の行った大まかな行動です。今、私は先に荒っぽい全体の構図をお話しております。

 つまり、この“RS”という調査課が日本人を使いながらトータルで22万の本の中から7700の本を確定した。それが大変な作業だったわけですね。膨大な時間が掛かった所以です。確かに大変なことだと思います。特に一番大変だったのは、おそらく22万点の中から約9200、つまり約1万の本を粗選びすることが一番大変だっただろうと思います。事実、選ばれた本は非常に荒っぽい選ばれ方をしていて、本来選ぶべきものが抜けていたり、何でこんなものを選んだのだろうかというようなものも入っていたりするわけです。しかもそこから7700点に絞り込むわけですが、このために、各一冊に対してサマリーを作りました。一冊につき2ページくらいの内容説明です。

日本保守主義研究会7月講演会記録より

つづく

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