GHQの思想的犯罪(十三)

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西尾 幹二

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◆アメリカの恐るべき力

 ただ、私は学生のころたくさんこの手の本は古本屋で見ましたよ。今だってあるわけだから。この手の本はあまり買う人がいなかったけど、要するにあったことは、あった。だんだん時間がたつうちに消えてなくなってしまいますけれども。

 しかし、こういう焚書という事実があったということを議論する人が長い間いなかった。何故でしょう。軍国主義の本は悪魔の本だからという宣伝に効き目があったのでしょうね。

 ここで皆さんに言っておきますが、日本に軍国主義はありません。日本にあったのは軍事体制です。軍事体制が強化されたのは間違いありません。それでも、もし日本に軍国主義があると言うなら、当時のアメリカにも軍国主義があったということになります。しかも向こうが先にやっているわけですからね。

 さて、焚書の効果、結果ということはまたお話しますが、それじゃあ約7000冊の本がそういう形になりまして、そのほか似たようなものが1万冊くらいあるようですけれども、それらの本の行方がどうなったかということをお話しましょう。これを見てください。

 焚書と検閲は別です。戦後のマスコミをチェックした検閲関係の文献はアメリカメリーランド大学のプロフェッサー、ゴードン・プランゲという人の名を挙げてアメリカのメリーランド大学を経てプランゲ文庫となっていて、メリーランド大学に全部移送されているのですが、ものすごい分量ですよ。現在、国立国会図書館はいっせいにこれのマイクロフィルム化をすすめまして、現在大部分のものはこれを見ることが出来ます。

 ところで焚書された本はどうなったかというと、勿論パルプにされてしまったものも多く、これは行方が分からなくてだいぶん苦労したわけですが、基本的にはこれはワシントンドキュメントセンターを経て、アメリカ議会図書館にあるらしいということが分かってきました。インターネットで抽出検索をしましたら、ありましたありました。だから、あの段階でアメリカ議会図書館に運ばれているのだということが分かったのです。

 しかし私はその過程で大変ショックを受けたことがあります。例えば焚書はたかが7000冊です。そのうちのある抽出してAならAという著作を、例えば武藤貞一という人の本を開いてみたら、その問題になっている本があったので、それをインターネットで開けるわけですよ、今、日本から。そのアメリカ議会図書館“Library of Congress”というところですね。

 そしたらその武藤貞一の私が目的としている焚書の一冊のみならず、武藤貞一の全著作が全部アメリカの図書館にあるのです。アメリカの収集能力はおそろしいですね。

 きっと私の本なんかみんな持っていかれている(笑)。あれは反米のとんでもない野郎だと、研究、よく検査する、調べることがあるってことでね。何かあったら私の入国はたちまち禁止ですよ。

 しかし、日本はダメですね。この前ある人から聞いたのですが、そういうことをやる国立公文書館の館員がアメリカに2000人ほどいる。そして韓国でも400人いるとのことです。では日本は何人かというと、20数人です。こういうことをやっているのに、人権擁護委員だけは2万人(笑)。何を考えているのかこの国は、と思います。

日本保守主義研究会7月講演会記録より

つづく

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