坦々塾(第十四回)報告(二)

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ゲストエッセイ 
石原隆夫
坦々塾会員

西尾先生は鈴木さんの考察を正面から受け止め、反論の形で日本文明の好ましい面として「複眼の必要/日本人への絶望を踏まえて」と題し、「國体の本義」を取り上げられた。その中で「肇国」「聖徳」「臣節」「和とまこと」の概念とそれを具現する意識として神道に通じた「明き心、浄き心、直き心」を挙げ、それが日本人の美点であることは間違いないが、残念ながらそこには「他者=他文明」が無いことを指摘された。

この事は日本人同士には通じても他者には通用しない思考であり、今迄、日本民族の長所と見做されて国民性となってきた概念が実は、他文明との摩擦の原因となるだけではなく、それを躱そうとして「和とまこと」が顔を出し、その結果が妥協と阿りとを生じるという鋭い指摘でもある。

ならば一体日本民族は今後、どう生きたら良いのか。
道徳論的には「明き心、清き心、直き心」のDNAを持った日本民族の誇りは失うべきではないと思うが、お人好しの日本民族はそろそろ卒業しないと未来はない。
国際に通用する「政治論的」な日本民族とは、「一宿一飯」の恩義に無関心になれるかどうかであるが、両方をうまく使い分ける知恵を持った日本民族になれるだろうか。

神であった天皇という絶対的存在を失ってしまった日本民族は、逆境に耐えられる心棒も失ってしまったのではないか。安易な裏切りではなく、矜持を保つ困難をこそ
選択する「明き心、浄き心、直き心」をもう一度取戻さねば未来はない。

石平さんが「日本人の歴史教科書」に書かれた「嵐山で発見した日本と祖国」を読んで
日本に帰化された時の氏の心境が手に取るように解り、興味深いものを感じた。
中国は滅ぶべしと力説する。石平さんが挙げる中国が滅ぶべき理由もよく分る。
が、滅びない中国、世界で真っ先に生き返りつつある中国が目の前にあるのも現実だ。

日本にとって中国は厄災以外の何ものでもない。
どれほどの日本人が銭や利権や女で手込めにされ、日本を裏切ってきたか、死屍累々と言っても良いほどだ。日本民族をダメにしてきた中国が一日でも早く滅びて欲しいが、私は懐疑的だ。「南巡講話」で金儲けの味を知ってしまった中国大衆が今や大国となった祖国中国を手放すわけはない。昔の中国とは違うし彼等はバカではない。

我々が今、心配しなければならないのは、中国が滅びる前に日本が滅びないように考えること。

大陸進出が日本の命取りになったついこの間の事を、国益より金の亡者になった財界に再教育することであり、「日本は日本人だけのものではない」などと言って国民を裏切る売国奴を政界から葬ることであり、お人好しの日本を喰いものにし、特権を享受しながら、いずれは日本を我が物にしようと企む特亜三国兄弟を日本から追出すことである。

「直き心」だけでは邪悪な者たちには対抗出来ないと知るべきだ。

文:石原隆夫

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