坦々塾(第十四回)報告(四)

このエントリーは坦々塾ブログに掲載されているものと同じものです。

ゲストエッセイ 
河内 隆彌(こうち たかや)
坦々塾会員

○「逆境に生きた日本人」― 鈴木敏明さん

 独特のユーモラスな語り口で、きびしいお話をされましたが、面白くうかがいました。「自虐史観」のルーツを日本人の資質に求めるという大変な勉強をされて、いくつかのケース・スタディで実証されました。 挙げられた日本人のひとつの特質、「裏切り」については、言葉どおりであれば、陰険、卑怯というマイナスのイメージもあり、やや納得しがたいところでしたが、それが「変節しやすい」「迎合的」というようなニュアンスであれば分かりやすいところだと思いました。 「スターリン大元帥への感謝状」、早速インターネットで調べました。この話は聞いたことがありませんでした。 「自衛隊の左翼方向でのクーデター」の話、ドキッとしました。日ごろサヨクが「力」(物理的な意味での)を持つ、ということは考えたことがなかったので、それもそうだな、と目が開かれました。(生憎予約しそこなったので、ご著書はまだ読んでいない時点での感想です。)

○「複眼の必要―日本人への絶望を踏まえて」―西尾塾長           

 塾長のお話は、鈴木さんのお話をちょうど受けた格好で、ここまでのテーマは「日本人論」になっていた、と思います。 塾長は、「国体の本義」を取り上げられ、そのなかの、和と「まこと」の心、に潜む危険性に話を及ぼされました。小生は、このお話を伺いながら、唐突に「わが国の振り込め詐欺」のことを思い出していました。オレオレ詐欺の時代から、この犯罪は流行り出してからもう何年経ったろうか?あれだけ警戒信号が発せられながらいまだに騙されている人があとを絶たないようです。(警視庁統計:20年度、7836件、被害額112億 21年4月まで、3023件 被害額36億)この犯罪は外国でもあるのでしょうか?多分あまりないのではないか、と思います。ある意味で、こういう善意の日本人のなかで暮らせること、幸せではあるのですが、憲法前文は日常の暮しにも充分生きているようです。ここまで考えていたら、塾長が「騙され易い日本人」というご本を紹介しておられました。 ちょっと文脈から外れますが、最近とんと目にしない「国体」という言葉、「日本人の歴史教科書」「特別寄稿・天皇と日本」の末尾で、寛仁親王殿下がさり気なく使っておられることが印象的でした。 引用:・・・全く他国に見られない行いを神話の時代から連綿と続けてきました。国民一人一人の、国体を守る、「民族の知恵」を感じざるを得ません。

○「中国の崩壊と日本の備え」―石平さん

 先生は、熱情を以ていまの中国共産党を弾劾 されました。 「権貴資本主義」という言葉を知りました。なるほどなあ、権力と貴族が結びついている、まるきり古代ではありませんか?貧富の格差といったレベルではなく、奴隷制ですね。当日サインを頂いた「中国大逆流」も読みました。8%成長率がいかに大事な数字かよくわかりました。 日本の将来は中国共産党がつぶれるか、つぶれないかに、かかっている、というメイン・テーマですが、つぶれれば、勿論つぶれ方にもよりますが、おとなしくつぶれてくれるわけではないので大問題だし、つぶれなくても いまの世界経済構造(アメリカの消費ー中国の輸出超過ー米国債保有)が破綻しかかっているので、どちらにしても大変化が予想されるわけです。・・・ということを確認させていただいた講演でした。「日本の備え」?果たして間に合うのでしょうか?まもなく行われる総選挙で、だれがどう舵取りをして行くのかわかりませんが、「外交」は間違いなく今後の一大イシューになることでしょう。

     文責: 河内隆彌

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