『保守の怒り――天皇・戦争・国家の行方』(草思社)の目次を紹介します。
慣例に従い「まえがき」は平田文昭氏が、「あとがき」は私が書いています。この本の成り立ちの由来と同書にこめた二人の思いが語られています。以下の目次をご覧ください。
保守の怒り 目次
第一章 保守の自滅
はじめに
自民党の自滅史と小沢一郎
中曽根内閣以来の保守の自己欺瞞が、保守の没落をもたらした
レーガン・サッチャーの保守革命、新自由主義とはなんだったのか
「よく教育された土人」
安倍晋三氏への期待で沈黙させられた保守
保守の卑屈
アメリカへの恐怖と文藝春秋文化人の役割
警戒すべきは米中旧味方同士の感情の回復
田母神事件とはなんだったのか
日本を抑え込む左右の壁
「戦後の戦争」とアメリカという異常国家第二章 皇室の危機
誰も指摘しない陛下の重大な発言
天皇の「戦争責任」とは
異様に政治的な天皇発言の意味するもの
皇后陛下のご発言の衝撃
どのような憲法に改正されようとしているのだろうか
血と宗教
距離と時間に恵まれたがゆえの日本文化
アイデンティティーの起源は神武東征か縄文か
平成皇室とはなんなのか
皇室の危機再び
伝統より重いもの
最高の国家機密
カルト化した皇室礼賛派への疑問
平成流への危惧
「美智子様天皇制」崩壊の兆し第三章 保守よ娑婆(しゃば)に出よ
靖國神社危うし
神道・神社・神道指令
恒例の8月15日の戦没者慰霊は靖國神社を危うくしないか
英霊に恥ずかしい靖國神社
戦争の時代が来る
保守はカルト汚染を克服できるか
神社本庁よ、カルトと同席するなかれ
住みにくくなる日本
奪われる国民の自由と独立と権利
誰も気づかない道州制の危険性
医療と水の危機
差別禁止法の恐怖
民主党の最もあぶない点
保守オヤジを叱る
あとがき
タイミングがずれてのコメントお許しください。
この本は今こそ再読されるべきではないかと思います。
ちょうど今「安倍晋三氏への期待で沈黙させられた保守」のところを読んでいます。P.66から抜粋
西尾:…はっきり言って拉致の官僚化を実行しました。西岡力氏たちを巻き込んで、政府の中に拉致問題を取り込むことをやりました。中山恭子を議員にしました…盛り上がっていた拉致問題の熱気は、安倍政権以降一気に冷え込みました。
平田:…なぜなら拉致は北朝鮮だけの犯罪ではないからです。早くから警察は事実を掴んでいました。捜査の発展を阻止したのは政府、つまり自民党です…拉致は左右の協働犯罪なんです…
これ一つをとってもすごいインパクトのある内容です。コメント欄、満杯になって欲しいです。
ここの部分を取り上げたのは、西岡力氏のwikipediaに、自称“現代朝鮮研究者”、救う会会長と有りながら「靖国神社反対や日本の侵略戦争責任追及などの活動を行なっている」と紹介されていて、以前に吃驚したことを思い出したからです。西岡力氏が拉致問題に取り組まれているのは、日朝国交正常化という西岡氏の究極の目的のためであるとしたら、何か違う、拉致問題は拉致被害者の救出とご家族の苦悩の終焉のためにこそ取り組みかつ解決すべきだと思うのです。
平田氏の御発言には「左に…右に…」と協働犯罪の具体的主体者の実体名が続いています。まずP.66だけでも多くの方に議論していただきたくて、書き込みさせていただきました。