『GHQ焚書図書開封 3』感想

 「ドイツ大使館公邸にて」(六)がまだ書かれていないのですが、必ず完結させます。少し待って下さい。その前に次を掲示します。

 未知の方から『GHQ焚書図書開封 3』に対してこれまでもたくさんのお手紙をいたゞいています。あの本の中の「空の少年兵と母」に言及されていることが私にはうれしく、ご本人の承諾を得て感謝をこめてご紹介します。

『GHQ焚書図書開封 3』感想

兵庫県芦屋市 山村英稔

 西尾先生はじめまして。

 「GHQ焚書図書開封3」読ませてもらいました。
当シリーズは1、2作目も読ませてもらいましたが、今回の三作目は戦前の我が国の人たちが堂々と生きていた事に非常に感銘を受けました。

 特に第三章の「空の少年兵と母」では、19歳の少年が国のために命懸けで戦っていたのに対し、今の自分は社会の何の役にも立たず何と情けないと、今までの自分の自堕落な生き方に反省しきりでした。

 「侵略」という言葉の使用時期や焚書の実態について書かれた第十章は知らない事ばかりで非常に勉強になりましたが、中でも「国体」についての焚書に関する内容が印象に残りました。

 「国体」という言葉については、自民党政権の森総理の時代に、総理が記者に対し「国体」という言葉を使い発言したところ、朝日新聞が、総理が少し前に「我が国は天皇中心の国」という発言をしていた事と結びつけて「『国体』は戦前の天皇主権の時代に使用されていた言葉で、その言葉を今使うという事は、戦前の天皇主権時代に戻りたいという、総理の復古主義的考え方の現われだ」と激しく非難をしていたのを覚えています。

 GHQが「国体」に関する本を多く没収していた事を考えると、森総理が「国体」という言葉を使っただけで激しく総理を批判した朝日新聞の姿勢は現在もGHQの教えを律儀に守っている事の証明だと思います。

 「あとがきに代えて」で西尾先生は、昨年8月のTVの戦争特集番組が「戦争の悲惨さ」しか言わず、アメリカ軍の非道について全く触れなかった事への不満を書かれていましたが、僕も全くの同感です。

 少し前になりますが、「東京大空襲」で被害に遭われた方が裁判に訴えるというニュースがあったので詳しく内容を調べたところ、訴える相手は空襲を行った加害者のアメリカでなく、当時の我が国政府であったので、この様な訴えをしても加害者のアメリカは全く反省しないので、全く無意味な裁判だと憤慨した事を覚えています。

 訴えた人は自分が経験した被害を公式の場で訴えたかったという様な発言をされていましたが、これでは残虐非道の無差別爆撃で大虐殺を行ったアメリカは悪くなく、悪いのは戦争を起こした我が国の政府であるという広島の原爆碑と全く同じ考え方になってしまいます。

 訴えた方も恐らく、被害に遭われてから暫くはアメリカを憎んだと思いますが、戦後TV・新聞等がアメリカの非道には触れずに、戦争が悪で、その戦争を起こした我が国が悪いという内容の発言を繰り返し見聞きしているうちに、段々と影響を受けて、TV・新聞等と同じ考え方になったのではと思います。

 現在、TV・新聞等の我が国における影響力は絶大で、多くの人々はTV・新聞の発言内容を信用しており、戦争についても、戦争未経験者は戦争についての知識を自分で調べる事なく、TV・新聞のみから得る人も多いと思います。

 そのTV・新聞が戦争について反日、自虐的な発言に終始していれば、世論もその影響で反日、自虐的になる事は避けられません。今のTV・新聞が反日・自虐的なのは、GHQの政策、特に言論の自由を奪った検閲と出版の自由を奪った今回、西尾先生がシリーズで書かれている焚書が大きな影響を与えている事は言うまでもありません。

G HQの検閲・焚書についてはGHQの占領終了後に、その政策の全容や我が国に与えた影響について徹底的に調べあげた上で、我が国の立場から戦争や戦前の諸政策を評価する事が必要不可欠であったと思います。しかしながら、その様な研究を本格的に行ったのは僕が知る限りでは江藤淳氏の「閉ざされた言語空間」が最初で、江藤氏の後を継ぐ様な著作は今まであまり出ておらず、GHQの占領政策については、まだ本格的な研究がなされていないというのが現実だと思います。

 僕は江藤氏の著作を20代前半に読んで大きな衝撃を受けましたが、そのおかげで、その後、TV・新聞等の反日・自虐的な発言を見聞きしても、彼らがGHQの代弁者として発言していると理解できたので、発言に惑わされず反日・自虐的な考え方にならずに済みました。

 今回の西尾先生のシリーズを読んで僕と同様の経験をする人が一人でも増えれば少なくともその人たちに関しては今後、反日・自虐的にならないと思うので、その意味においても、今回、西尾先生がGHQの焚書についてシリーズで書かれたのは非常に価値がある事だと思います。

 今後、我が国が自尊心を取り戻すだめには、我が国の歴史を我が国の視点で書いていく事が必要で、そのためには、GHQの占領政策の全容を明らかにし、我が国のマスコミが今までいかにGHQの立場で発言していたかを明らかにする事が必要不可欠だと僕は思います。

 今回の西尾先生の当シリーズに刺戟されてGHQの占領政策全体についての研究が進み、その実態と我が国に与えた影響が明らかになる事により、GHQの占領政策についての著作がより多く出版され、その事により少しでも多くの人々が、その内容について理解する様になれば、自然と我が国の自尊心も少しずつ回復していく事が出来ると思います。

 今回は、当書の「あとがきに代えて」を読んで、僕も普段からTV等の戦争番組を観るたびに同じ事を考えていたので、どうしても西尾先生に一筆書きたいという気持ちになったので、こうして手紙を書かせてもらいました。長文で乱筆、乱文になってしまいましたが読んでもらえれば幸いです。

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