郵政民営化法案に反対した票は
法案賛成 33,897,275
法案反対 34,194,372
で賛成した票を上回っていることを教えてくれた人がいる。
この数字の中には無所属や小会派で戦った人がいる。よく頑張ってあれだけの当選者を出したとむしろ褒めてあげたいくらいである。
彼らの中には自民党に戻りたい、あるいは戻れると予期していま運動している人がいる。心の迷いは同情するが、見通しの甘さを恥じるべきだろう。
「日録」に掲げた私の「候補者応援の講演」(六)を見ていただきたい。あれは8月28~29日の演説内容で、まだ公示日前である。私は候補者に、自ら自民党籍を党本部に突き返して、反小泉の旗幟を鮮明にせよ、その方が民主党支援者層に自分のファンを広げるのに有利である、と言った。さっさと腹をくくれと言ったのだ。当選してから「小泉さん、許して下さい、私は郵政賛成派だったんです」はないだろう。縒りを戻せると思うのは甘い。
当然だが、次の選挙でも公認はもらえまい。次の選挙では今回「刺客」として送りこまれた人が再び公認される。自民党はもう昔の自民党ではないのだ。人情なんか糞くらえだ!戒律厳しいファシスタ党に変質しているのである。
それでもまだ野田聖子氏は小泉首相にラブコールを送っている。ようやく腹をくくって、国会の首班指名で小泉の名は書かないと平沼赳夫氏と野呂田芳成氏は宣言した。やっと分ったのである。しかし、それにしても遅すぎた。
もしも解散直後に37人が束になって反対党を結成していたら、比例も入れて50人の当選者を出すことに成功していただろう。そんなことが出来ないのを小泉首相は見越していた。そういう洞察力はたしかである。
37人の中には小泉氏の親しい交わりのあった人もいたようだ。彼は自らの非情さを得意としているところがある。「俺は非情だ」と口ぐせのように言う。非情という言葉に酔っているところもある。
非情冷酷を演技しているのではなく、本当にそうなのである。いつも自分を信長に擬している。知人の臨床心理士は、「非情冷酷の次の段階は残忍非道ですよ。」と言っていた。医学的にはそういう順序になるようである。「いくら何でもと思い、あの『Voice』10月号の図表にはこの四文字は入れませんでした。」
信長はこの四文字を絵に描いたような人物である。
さて、話変るが、モスクワ発の次の時事特電をみてほしい。
2005/09/14-22:17
【モスクワ14日時事】インタファクス通信は14日、北京の北朝鮮外交筋の話として、日本政府は同日の日朝会談で、「日朝国交樹立を引き続き望んでおり、この問題を協議するため平壌を訪問したい」とする小泉純一郎首相のメッセージを口頭で伝えることを計画していたと報じた。時事通信
さあ、お出でなすった。やっぱりそうだった。日朝国交正常化は彼の次なるターゲットである。勿論、北朝鮮の体制転換につながるのなら大歓迎である。相手が何も動かないままの、無条件の国交正常化だけは願い下げにしてもらいたい。
どうなるか、どうするつもりか、静かに見守りたい。
尚上記時事特電については、6カ国協議の日本代表団同行筋は「まったくない」と報道を全面否定もしている。真相は勿論われわれには分らない。
さらにまた平沼赳夫氏は再び態度変更したとの報も伝えられている。こういう局面でぐるぐる姿勢を変えるのがご本人のイメージを損ねる原因になることをどこまでお気づきであろうか。地方応援者への気がねが理由で首班指名選挙で小泉と書き、他方法案にはどこまでも反対する考えという。大変に苦労し、八方に気配りさせられているのである。平沼氏は大人として立派な態度を守っておられる。
追いこまれた人間を心理的にまた追いこむのは首相の非情さのゆえであって、猫が鼠をいたぶっている姿である。大衆はボロ負けするものはどこまでも負けろと喝采する。今の日本はそういう国になった。
参照:(9/16)民営化反対無所属議員、新会派結成の動き
“今日のさざ波” の続きを読む