GHQの思想的犯罪(十六)

◆焚書の効果

 そろそろ、まとめに入ります。重要なのは、この焚書の効果という問題ですね。私は、今ここへ来て、やはりドカンとこの国に効いているなと思います。というのも、皇室や国体、天皇、皇道とか神道、日本精神といった文字が表題になっている書物がことごとく没収されていますから。本来、占領国がやっちゃいけないことだけども、この信仰破壊ということを、アメリカは承知してやっているということですね。

 現在、日本の天皇家はどうあるべきかという問題で、私が大いに疑問を呈して書いているわけですけれども、しみじみ私はアメリカの占領政策にやられていると思います。旧皇族をなくして天皇ご一家を孤立させる政策とか、あるいは皇室財産を全部奪ってしまうとか、アメリカ人を皇太子の教育係にしたとか、等々すべてそれは先を見越したやり方だったのです。皇室の民主化という名の下で。

 そして皇室を特別なものではなくて、一般国民と同じようなレベルのものにしてしまう。それを民主化と称したわけですが、そのために皇室論、皇室、国体論、そういう関連の本がことごとく消えてしまいました。それで今、皇室に高く聳えた独自の歩み方をせよと言っても、無理かもしれないですね。多くの人はもう皇太子殿下ご夫妻とはどのような存在かということが分からなくなっているのです。歴史教育できちんと教えられていない。だからみんなあれはただのセレブだということで。ご本人たちもただのセレブのようにお振る舞いになっている。

 非常に難しい問題にぶつかっていますね、この国は。

日本保守主義研究会7月講演会記録より

つづく

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