私と鏑木さんとの交信の中に浜田実さん(元富士通社員)から鏑木さんへの
コメントが入りました。それと、前回の私のメールへの鏑木さんのご返答を掲示します。
浜田さんから鏑木さんへ
鏑木さま
西尾ブログ 拝読。
鏑木さんの問題提起もなかなか面白い。これに対する西尾先生の反応をみると、先生はもう皇室問題は書かないとおっしゃりながら、やはり気になって仕方がない・・・という印象を受けました。
先生は、本当に心底、皇室の将来を気にしているのですよ。
今の皇室は天皇・皇后陛下にしても、東宮御夫妻にしても、何か皇族ファミリー・・・というイメージが強すぎて、昭和天皇・皇后にも似た何とも安定した高貴な重さが感じられない。
本当に平民宣言でもしそうな雰囲気です。
雅子様は、愛子様を毎日学習院へご一緒されているとか。そして授業も参観・・・愛子様が心配だからと・・・・??
そんなことをする皇族、王族がいままでいましたか?!
こうなると、一般国民との「壁」がない。その行動を見過ごす皇太子殿下もおかしい。何も云えない憐れさが伝わってくる。何かトゲがあってそれに触れることもできないのではないか?
その言動のはしばしに、シナの工作が侵入しているのではないかと思う。
小和田 恒が「レーニンの写真」を飾っていた!とんでもないこと。
小林よしのり は、まさにそういう工作めいた動きをこそ描くべきです。
女系・・云々は、小林氏の手に負える問題ではない。
何かおそろしい、日本が溶けてしまうような空おそろしさを感じます。
友人の典型的な保守人までもが、事の本質に気付かない、まるでそうさせるような特別のビルでも飲まされたかのような反応が気になります。
鏑木さんから西尾へ
西尾幹二先生
ご返事ありがとうございました。
テーミスの記事を拝見しましたが、この前の私のメール内容と妙に符合して嬉しいやら恐いやら複雑な気分が致しました。やはり小和田亘氏は共産主義者ですね。今頃こんなこと言っているのは遅れているでしょうか。
お尋ねの旧皇族のスピーチですがその内容は、「朝鮮半島出身の旧日本軍軍人の遺骨が祐天寺に返されずに残っているが、日本はこれらを返さないで拉致された人を返せというから、北朝鮮も応じないのだ。こちらが誠意をもって対応しなければならない・・・」というようなものでした。
この旧皇族の方の経歴をネットで調べたら、「日韓、日朝、日中、中台間に横たわる心の傷跡を真摯に見つめ、日本国・天皇家の立場に立った、過去の因縁解消懺悔滅罪の基本理念のもと、未来に亘っての東洋平和、世界平和を提唱していくことを目的とし、関係修復及び戦没者遺骨霊魂帰還等の活動を現在も続けている。」とあります。
旧皇族の家柄に養子で入った方で皇族とは全く関係が無いようです。以前、週刊誌で詐欺疑惑の記事も載ったようで、今回私が皇室との関連で語ったことは誤りでありました。
しかし、現実に旧皇族を語り保守の集まりに現れ、以前の天皇陛下の御言葉を悪用した主張(「過去の因縁解消懺悔滅罪の基本理念」とは今上天皇の韓国への謝罪【平成10年10月8日〔金大中大統領、訪日〕 「わが国が朝鮮半島の人々に大きな苦しみを与えた時代…深い悲しみ」】と符合します。)を口にしているわけで、工作の疑いが無いとは言えません。
若狭和朋さんの本の件ですが、私が読んだのは「日本人が知ってはならない歴史」(以下、本編)、「続・日本人が知ってはならない歴史」(以下、続編)、「日本人が知ってはならない歴史・戦後編」(以下、戦後編)の3冊です。
まずフランクフルト学派コミンテルンの定義ですが、
プロレタリアート独裁とか権力の暴力的奪取を標榜するのではなく、いわば本心は「隠し」て謀略により権力内部に入り、そして権力を握りその影響力により革命に至ろうとする思想集団(戦後編P118)
とあります。
戦後の天皇制度の存続について、CIA前身のアメリカ戦略情報局(OSS)には、このコミンテルンが多く送りこまれており、そこで決められた「日本計画」が戦後の日本を運命づけたとしています。マッカーサー(GHQ)はこのOSSの指揮下にあって日本占領政策の最高意思決定でなかったとのことです。
天皇制廃止の手順として、
例えば憲法改正の構想のうち天皇制度は残すということが決められた。直接の目標は、天皇をして軍部との対立に導き日本の敗北を早めるという戦略からである。続いて第二段階目には「象徴」としての天皇を「国民主権」の下位に置き「国民の総意」により退位させ、天皇制度を廃絶させるという「二段階革命」を成就させようと構想していた。(戦後編P57)
そしてこの第二段目は現在進行中であると考えられます。これは皇室典範改正の論議があった時、小泉首相が「皇室典範に関する有識者会議」を発足させ、そこが女系天皇の容認を答申し、今日の論争になっているわけですが、この時に天皇を「国民主権の下位に置く」ということがすんなり行われてしまいます。
日本国憲法上は何ら問題ないことですが、それまでは現実に「天皇を国民主権の下位に置く」という行動は躊躇われていたと思います。保守も何かおかしいと思いながらも男系女系の論戦にシフトしていったのではないでしょうか。
私は男系女系のどちらの主張もイデオロギー色が強くて、天皇制反対の共産主義イデオロギーと対立関係という図式で調和して、日本の文化・伝統としての自然な皇室のあり方を語る姿ではないような気がします。その意味合いで共産主義勢力に仕組まれた謀略的パラダイムでなないのかと思ってしまうのです。
そのほか私が若狭さんの本で印象的だった箇所は、
コミンテルンに謀略される日米について、
アメリカのインテリゼンスの狂いこそが、日米両国のみならず世界的な厄災を招いた当の原因なのだ。・・・・・
「赤色ロシア」とコミンテルンの脅威についての判断ミスは、アメリカ政権内部にもコミンテルンの進入を許し、日米衝突と中国の運命を大きくゆがめた。日本政権内部へのコミンテルンの進入は言うまでもない。(本編P47)
日露戦争後の日本の対処について
ハリマン提案という商談のかたちをしたアメリカの国家意思を、三国干渉の再来と理解できなかった日本の痴れが、やがてハル・ノートを招じ入れた。日本人は知の病みを過去形だけで語ってはならない。今日こそが、まさに問題だからである。(本編P212)
振り返れば、日露戦争は世界のユダヤ社会の日本応援で戦い得たのであり、講和仲介のセオドア・ルーズベルト大統領が当然にアメリカとユダヤ社会の利益に立脚していたことは言うまでもない。痴れた日本の文民は桂・ハリマン協定を破棄した。以後、アメリカにはオレンジ計画が発足し、日本は最後はナチスとの同盟に迷い込み今次大戦に至った。アメリカの国家理性のなかで日米の死闘への覚悟は深刻である。ブッシュ大統領がリガでヤルタに不正義を自己批判したのは、単なる思い付きでないことは当然である。(戦後編P145)
「人民」という言葉の説明において、
リンカーンは「・・・ガバーメントオブピープル」(人々を統治する)と言った後に、この統治は「~のための、~による・・・」と言っているのです。南北戦争の激戦地・ゲディスバーグでの演説ですが、アメリカ大統領リンカーンは南部の分離を容認しないと演説しているのです。「分離・独立などは容認しない」、つまりは「われわれはピープルを統治するが、この統治は、~のための、~による統治(ガバネメント)と説いているのであって、政府(政治)は人民の所有するものだ、などと演説しているのではありません。(続編P248)
東京裁判についての
「東京裁判」とはアイデンティティー・ウォーなのである。「東京裁判」は追撃戦なのだがその戦いの本質はアイデンティティー・ウォーである。単なる復讐(その影も濃いが)ではなく周到に準備された「日本人の正義」を消す戦いが「東京裁判」であった。
ルーズベルトもOSSも大敗北したのが今次の大戦であった。勝利者はスターリンであり毛沢東だ。ただ奇妙に日本へのアイデンティティー・ウォーにだけは勝利した。(戦後編P75)
以上の様な所です。
先程サピオ(5/12号)で日本史上最強の女傑第10位「美智子皇后」の西尾先生が書かれた選出文読みました。いつもながら明確な御指摘、納得がいきました。
同サピオの小林よしのり「ゴーマニズム宣言」は、盲目的な天皇崇拝が益々パラノイア的様相を呈してきました。現皇室の方々に対しては全く注意力が働いていません。長年ファンでしたが、カルト信者のような有様と化してしまうのでしょうか、残念です。
愛子様不登校問題では、東宮職の動きがおかしいと思います。雅子妃の反応を利用して、皇室をマイナスイメージのほうへ誘導しているような気がします。外務省出身の野村東宮大夫他は、小和田亘氏かその上部からの陰謀が行われているのではないでしょうか。
返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
納得いく返答になったか心配ですが、お目通しください。
風邪もほぼ完治しました。
お気使いありがとうございました。