教科書展示会に出かけて

お知らせ

つくる会のホームページでは、文部科学省の許可を受けて、教科書採択の透明化の一環として教科書の一部を公開しています。(約100ページ)

 なお、市販本については、現在扶桑社が諸手続きをしているところであり、時期については未定です。

《テレビ出演》 
TVタックル「靖国問題を徹底討論する」(仮題)
7月11日(月)21時~22時テレビ朝日

《講演》
 「これでよいのか!日本の姿勢」
7月9日(土)午後2時~4時30分
鎌倉市 鶴岡八幡宮境内 直会殿
(JR鎌倉駅下車 徒歩10分、Tel 0467-22-0315)
参加費:  ¥1000
主 催: 教育を考える湘南地区連合会・鎌倉市の学校教育を考える会
      教科書を良くする神奈川県民の会
代表連絡先: Tel 0467-43-2895(木上)

==========================

長谷川真美
banner-s.gif
 

 今話題になっている教科書問題とは、科目ごとにいくつもある教科書会社の15社の中に、中学校の歴史・公民の教科書としてたった1社が参入したことに対する大騒ぎをさしている。

 4年前の教科書採択で、私はその決定権限が法律的にあるとされる教育委員であった。自分で調査し、歴史教科書では扶桑社を推薦する結論を提示したが、選定委員会が答申したものを覆すことはできなかった。その時の経緯については『正論』(2005・5月号)に「今だから明かす、私が教育委員を辞めさせられた理由」で詳しく書いた。あの時の無念をはらすためにも、今年こそは常識的な教科書が日本の中学生の手に渡ることを願っている。この4年の間に、教科書会社は常識を取り戻してきたのだろうか。

 6月中頃から、教科書展示が日本全国で行われた。私の住んでいる市では、7月1日まで展示していると広報に載っていた。つくる会に反対している人のブログでは、扶桑社の教科書は恐ろしいと、根拠のない印象操作で、ありもしない恐怖を煽りたてている。私は真偽を確かめるためにもと、会場に出かけて行った。

 市役所の6階、602会議室が展示場だ。8畳位の大きさの部屋の真ん中に大きなテーブルがあり机の対角線に1m50cmくらい、本がズラッと立てて並べてあった。その他には「本市の使用教科書一覧」「教科別教科用図書採択対象発行者一覧(平成18年~21年度使用)」と裏表に書いてある紙と、アンケート用紙が置いてあった。

 30代くらいの係りの女性――市が雇ったアルバイトだそうである――が一人、静かに机について何かをしていた。一日目は最初から最後まで、他の誰も入ってこなかったので、私と彼女の二人だけ。二日目は60代の男性が入って来た。教育委員会に県の選定資料について、コピーしていいかどうかを聞いてくると言って、出て行ったきり、帰ってこなかったので、両日とも、開いたドアの向こうを市役所の人が通りすぎる気配のほかは、本をめくる音だけが聞えていた。

 今回は中学校の教科書なので学年別も分けて数えると134冊ある。国語にも家庭科にも音楽にも、そして英語にも問題があることが言われているが、これら全部に目を通すわけにはいかない。私は歴史教科書の中で、自分が住んでいる市が採択しており、日本全体のシェアの半分以上を取っている東京書籍を調べることにした。

 幸い、三浦朱門氏編著の「全『歴史教科書』を徹底検証する」や、東京都教育委員会の資料、広島県の選定資料(教育委員会から借りてきた)他、多くの調査資料が手元にあったので、実物をこの目で対比しながら、その指摘している問題点の真偽を確かめることから始めようと思った。その中でもまた、私は歴史上の人物に的を絞ることにした。

 私自身は高校の時には世界史を選択したので、実は日本史は余り詳しいわけではない。そんな私でも知っている人物、私程度の一般的な人間が知っている人物に注目してみればいいのではないかと思った。他の教科書では大体取り上げられているのに、東京書籍には一字も取り上げられていない人物で、特に気になった人物をピックアップしてみたのが以下である。

 明智光秀、新井白石、石田光成、柿本人麻呂、行基、勝海舟、小村寿太郎、、昭和天皇、高杉晋作、東郷平八郎、北条時宗、明治天皇、野口英世、吉田松陰

 小学校の学習指導要領で、必ず学習するようにと指定されている人物も7人いる。明智光秀は、東京書籍以外には全部掲載されている。吉田松陰は、他の教科書会社は一社を除いて全部扱っているが、東京書籍は取り上げていない。どうやって明治維新を説明するのかと思って、その時代のページをめくると、「安政の大獄」が載っていない。索引にもない。小学生では勉強しなくても、中学校では勉強すべき人物達ではないか。

 柳宗悦という人は、朝鮮半島の陶磁器を見直し、それらを作った半島の人々を敬愛した人である、と写真入りで半ページ割いて書いてあった。石井十次という人は他の教科書には全くでてこないが、これも肖像画と関連写真を使い丁寧に説明してある。私は展示場で教科書を読むまで、これらの人物が何をした人か知らなかった。有名な人を省き、無名の人を載せる、このバランスの喪失は近隣諸国への配慮から来ているのだろうか。

 正直いって、本当にがっかりした。従軍慰安婦という言葉は消えたが、それ以外は以前とほとんど変わっていない。

 中学校の歴史の勉強で、その後一生歴史を勉強しない人はたくさんいるはずだ。最小限度の日本の歴史常識のはずなのに、肝心の人物達を教科書に載せないのは犯罪的だとさえ思う。教科書会社最大手の東京書籍が今までと同じように採択されるとなると、日本の半数以上の中学生に歴史常識を養う機会が奪われることにもなる。

 私は
「現在話題になっている歴史教科書を調べてみました。本市が今まで採用している会社の教科書には、明智光秀、新井白石、石田光成、柿本人麻呂、勝海舟、昭和天皇、高杉晋作、東郷平八郎、明治天皇、吉田松陰が載っていません。

 歴史常識を教えることの出来ない、この会社の教科書の採択には反対します。」
とアンケートに書いて帰った。

 どんなに図版が美しくても、どんなに課題学習の提示が豊富でも、歴史常識を教えることが出来なくては、歴史教科書とはいえないのではないか。

新刊『民族への責任』について(十一)

お知らせ

 つくる会のホームページでは、文部科学省の許可を受けて、教科書採択の透明化の一環として明朝より教科書の一部を公開します。(約100ページ)

 なお、市販本については、現在扶桑社が諸手続きをしているところであり、時期については未定です。

==========================

 本日は三氏からいたゞいた拙著の書評と感想を紹介する。

(1) 力石幸一氏(産経新聞平成17年6月11日)
 

 本書が取り扱う問題は多岐にわたる。扶桑社版の『新しい歴史教科書』に対する中国、韓国のヒステリックな反応、ジェンダーフリーという歪(いびつ)なフェミニズムの存在など、何年も前から顕在化していたテーマもあれば、日中中間線付近での中国のガス田開発や竹島問題、そしてホリエモンによる敵対的企業買収と新会社法への疑義など、この半年あまりの間に急激に浮上してきた問題もある。内と外から日本を揺るがすこれら一連の出来事は、一見すると相互に関連がないように見える。しかし、その背後には「日本人の弱さ」が見え隠れしてはいないだろうか。

 対立を避けようとソフトでつつましい性格は、日本人の美質と言っていい。日本の住みやすさはこの性格に大きく依存している。しかしその美質は、外国からの攻撃の前には自我の弱さとして現れてしまう。敵は外だけとはかぎらない。国家を内側から食い荒らすシロアリのような勢力の跋扈(ばっこ)を許してきたのもこの日本人の弱さではなかったか。敵を見ようとしない弱さこそが、戦後60年の空白の中心に横たわる問題なのだと説く本書の指摘は鋭い。

 じつは本書の企画は4年前に遡(さかのぼ)る。当時、西尾先生からタイトルを聞いたとき、「民族」という言葉にどこかどぎつい印象を感じて、反対した覚えがある。しかしいまその印象はなくなった。そのことがこの4年間の危機の深まりをよりいっそう強く感じさせる。問題はさまざまである。しかしそれを受け止める民族の性根は変らない。そこを見据えることからしか、民族の再生はありえないはずだ。本書のテーマは深く重い。

                    徳間書店 一般書籍編集長 力石幸一

(2) 小堀桂一郎氏(私信)
 

 『民族への責任』御恵興にあづかり御芳志忝く、厚く御禮申し上げます。今回はその標題からして、文字通りの並々ならぬ責任感を讀み取って、襟を正す思ひでした。就中、皇位継承問題にも立言して頂けたこと甚だ嬉しく存じます。保守を自称する小粒の言論人達は「敵」の手強さを知らないのです。その他の諸々の問題にしても、小生から見て、これだけ言はれてもまだわからないのか―と言はずにゐられない現在の亡状に憮然とするばかり、とにかく頼りにしてゐます。

(3) 大西裕氏(7月9日の私の鎌倉講演の主催者)
 

 民族への責任 読まさせていただきました。話題が直近の反日運動、領土問題、人権擁護法案から、皇位継承、アメリカとの経済戦争など、深みのあるテーマ、また、先般の教科書採択の生々しい実相など多岐にわたり、かつ、余計な遠慮のないタッチであるため、じつに迫真ある力に圧倒される思いです。
 
 最近いくつかの、活字にはふれておりますが、本書からはある感動が伝わってまいりました。

 勿論事象についての深いご理解があっての事でしょうが、いわば、論理的予言性とでもいうべき、将来への示唆を含みひさしぶりにある興奮を覚えています。
(歴史的証言の書として保存さるべきものですね)

 7月9日には、ぜひこれに基づき講演をお願いいたします。

 ついでに講演の日時をお知らせする。

 7月9日(土)午後2:00~4:30
 鎌倉鶴岡八幡境内 直会殿

新刊『民族への責任』について(十)

 この本の中から、あまり人の気がつかない、しかし本人は気が利いたことを言ったと少しだけ得意に思っている文章をひとつ引用させていただく。

 

戦闘において無類に強いアメリカは、イラクで戦術の甘さを露呈した。戦闘の終了後、50万人の大軍を派遣して国境封鎖と武装解除を徹底すれば、イラクの今の不始末はない。そう進言した武官の提案を退けたラムズフェルドの誤算である。

 「次第に明らかになってきた事実だが、米国はフセイン政権を倒した後のイラクをどうするかについて、明快な青写真を描いていなかった」(江畑謙介『日本防衛のあり方』KKベストセラーズ)

 戦後のイラクに第二次世界大戦後の日独方式が当てはまるだろうとの幻想を脱していなかったからである。アメリカのような用意周到な国も過去のイドラにとらわれている。アメリカだけでなく、どの国も過去の幻想に生きている。北朝鮮が半世紀前のソ連製の武器と地下壕だけで重武装のつもりでいるのも、イラクがアメリカ軍との開戦でフセインに勝ち目はないのに、湾岸で生き残った「フセイン政権自身は生き残れると考えていた」(江畑前掲書)のも、みんな過去のイドラにとらわれている自己幻想の姿である。ソ連消滅後に日米安保はもう日本防衛用ではなくなっているのに、北朝鮮問題がある限り、あたかも安保が有効であるかのように信じている日本も、過去のイドラを抱えて生きている。

 今の世界はどことなく箍(たが)が外れて、いささか滑稽である。そういう言い方は流血の犠牲者には相済まぬが、各国は互いに尻尾を出し、腹を見せ、間が抜けている。アメリカといえども例外でないのは今見た通りである。

 物事を少しばかり斜めから見ると、喜劇に見える。こんな風にも見えるではないかと、書いた本人は少し得意になっている。笑いながら読んでいただきたい。しかし笑わせておいて、ヒヤッとさせようと、私はすぐつづけて次のように書いた。

 

であるとすれば、北朝鮮に対してもアメリカは「明快な青写真」なしで、いきなり軍事行動に走らないとはいえない。海兵隊の上陸作戦と平壌の占領がない限り、空爆を始めてもらったら困る。日本が一番困る。

 アメリカが海兵隊を上陸させて平壌を占領してくれないと、本当になにも解決しない。空爆だけされたら、半島は反米一色になり、おいしいご馳走は全部中国の頂きである。日本は困ったことになる。

 結局、中国の体制が崩壊し、ソウルに軍事クーデターが起こらない限り、何も当分動かない。

 私の目にはだから今のところはすべてが喜劇的に見える。喜劇と悲劇は紙一重である。

 私の本にはこんな観察もあるということをお伝えしておく。

中国からの圧力

guestbunner2.gif

中村与志也

『男、三十代、東京在住・・・。お嫁さん募集中・・・。
田中真紀子のように、よく通る、ある意味「うるさい」文章表現能力を持つ・・・^^; だが、その思想は、田中真紀子の「浅はかなアカ主義」と全く反対のベクトルである!
現在の、保守的に攻しつつも、共産主義の亜種・左翼に侵され続ける日本の現状に歯軋りし続けている。
そのおかげで、奥歯がボロボロだ。
一人になっても、戦い続ける所存だ。
自サイトでは、プライベートなことも書いてるのだが、書けば書くほど、謎が深まる「ミステリーボーイ」である。
それは、饒舌でありつつも、けして言わないことがあるからだろう・・・。
それは、「非合法」な問題などではなく、「愛」と言う<業>の問題か・・・。』

中国からの圧力

『俺を好きにならなかったら殺す』という、究極の社会通念破壊発言で名をはせた、少女監禁魔・露天商手伝いの鄭隆之・・・。
凄まじきは、暴力をもってして、好意を持った相手の心を支配しようとする精神性だ。・・・この男、在日だそうだ。
が、その犯罪の性質に、在日朝鮮人としての民族的特質を見るよりも、私は、昨今の中国人民の、政府主導による反日活動を重ねて見てしまう。
中国が日本に突きつけているものは何か?
狂人国家の北朝鮮はさておき、韓国は曲がりなりにも、それが事実認定において間違っていようとも、信念に沿った日本への強硬な態度を示しているようだ。
だが、中国は違った。
鷹揚な大国と思われた中国が、崖っぷちの、なりふり構わぬ、内実スポンジ的国家と言うことが、日本の大衆レベルでも分かってきた。
その「反日」には、日本と衝突に値する具体的事例などは、もはやない。
靖国参拝問題も、歴史認識問題も、領土問題も、東シナ海ガス田開発問題も、そして、常任理事国入り問題さえも、私には関係ないと思えるのだ。
いや、ある意味、その全てをひっくるめて、中国は、「日本の精神を屈服させる」ために、一連の「反日」行動に出ているのだと考えられる。
そう、上記の在日犯罪者が、女の子にとって最も大切な恋愛感情を暴力で支配しようとしたように、だ。
日本の精神を服従させた時、日本の全てが手に入るって寸法だ。
中国は、韓国の扱い方などは慣れていよう。「<属国>としての兄貴格」を与えればいいのだから・・・。それで、韓国は満足するだろう。・・・その程度の国体だ。
しかし、大陸の歴代王朝は、その半島の先の島国・日本の扱いに通算二千年以上も悩まされてきている。
「日本への<洗脳>は、何故、完遂できないのだろうか・・・」 中国の首脳は思い続けてきたことだろう。
中国共産党自体も、ここにきて、我が儘にも堪忍袋の緒が切れ始めたのだ。具体的事例一つ一つづつ解決していくのに疲れたのだろう、十把一絡げの解決法としての「暴動」を扇動したのだな。
あまりにも無法で、国際常識を蔑ろにした中国の対日外交だ。無理を通せば道理が引っ込むと言ったゴリ押しのダメ押しだ。←こうして、言葉にしてしまうことで、文字に表現出来ない、馬鹿げた中国共産党政府の、あまりにもの稚拙さ・杜撰さを伝えられなくて口惜しい。
・・・しかし、別に世界各国が何と言おうと関係ないのだろう。中国13億人・・・、それこそが「世界」になってしまうような大きな人口なのだから・・・。

中国は、実質は他国を属国、建前上は東アジア共同体の宗主国を目指すのだろうが、日本の左翼どもが参考にしているEU共同体は、その共通憲法の制定に際し、さっそく御フランスが国民投票にて否決したぞ! ほころび始めたぞ、案の定^^;

宮崎正弘氏を囲む――中国反日暴動の裏側(十九)

D:面白い見方があるんですが、ベルリンオリンピックが盛大に盛り上がって、丁度9年後にナチスが崩壊する。それからモスクワオリンピックの9年後にソ連が・・・・・(笑い)・・・・北京オリンピックの9年後まで長生きしたいという先輩がいるんですよ。(笑い)それは冗談ですけれどね。

宮崎:それは2017年ですね。

C:東京オリンピックのあとはどうなったんです?

D:東京オリンピックは民主主義国家だから、そうではなくて、独裁国家がオリンピックをやると9年後に崩壊すると。

西尾:まぁ今のこの新聞にも、日本歴史教科書って出ているね。

B:大躍進の時に餓死者が2000万と3000万とも出ていますね。あの時内乱が起こらなかったのはどういうことですか?

宮崎:やはり軍事力ですよね。それに鎖国していましたから、外国からバイキンというか、自由思想が入っていませんでしたから。

西尾:今でも私は鎖国だと思うのですけれども。携帯電話というのは鎖国をやぶる力になるんですか。

宮崎:なると思いますね。海外ともかかりますから。一部のGPSとか、ただこの間の上海デモの時に、あらゆる携帯電話にまで、当局から通知が入ったというあの恐さ、みんな登録番号をどこかが控えているんですよね。文字通信で入っていて、声では入らないけれど、声の通信がどこまで統御されているか、ちょっと疑問です。

 今日言い忘れたのですが、反日といっていても、本気の反日の人は少ないと言いましたけれど、反日というのは、これが記号でこれを反日=反共産党と置き換えますと、彼らはそれで通信をやっている形跡があるんです。若者達が。それだと当局にはキーワードには入っていないから、それで自由な通信をしているんです。

西尾:一字置き換えて読み直せと。

宮崎:そうそう、そういうことあると思いますよ。それは複雑な思考回路を持っている民族ですから。

西尾:それは法輪功の中のメディアとも違うと?

宮崎:そうとうダブっているんです。法輪功がこれだけの力を持ったということは、今までの民主人戦とか、中国民主党とか、北京の春、中国の春、その外世界中の反体制派が結局ここに、収斂しているんです。コメントはみんなここに出す。自分達の機関紙はまあせいぜい・・・・

西尾:じゃあ、アルカイダなんかとも繋がっているの?

宮崎:アルカイダとは繋がっていないでしょう。

C:大紀元はいつから出ているのですか?

宮崎:これは去年あたり、おととしに池袋に撒いていたのが最初で、えっと思って取ったんですね。

西尾:資金は何かというさっきからの質問ですが。

宮崎:資金は法輪功です。

C:法輪功はそんな資金があるんですか?身銭ですか。

宮崎:話半分、3000万単位だって、創価学会600万であれぐらいの金があるんだから、そりゃ3000万というと相当あるでしょうね。

A:その情報が出回るのは在外の人たちに向けてなんですか。

宮崎:在外です。内部には一切入りません。

西尾:だから弱いね、内部に入らない限り。携帯でどうなのか、というところですね。えっと、三好さんどうぞ。

M:ちょっとひとつお聞きしたいのですが、今回の中国の反日の引き金、韓国の反日がありましたけれど、それが引き金になったのではないかと言われましたが、韓国の反日と中国の反日は、何かつながりがあると見た方がいいのでしょうか。

宮崎:情緒的な部分の反日感情は近接していると思いますけれど、韓国の場合は盧武鉉の延命が第一でしょ。そのために、昔日本に協力したやつをとっつかまえて、罰金を課すとかいう法律を作ったり、いろんなことをやっていますね。

 それから反日グループは殆どプロですからね。戦争中に抗日分子であったということを言えば、年金をもらえるんですよ、ずーっと。強盗やった犯人も刑務所から出てきて、みんな私は抗日分子だと言って、金を貰っているんですから。その団体が大きなメジャーで、三つか四つあって、彼らは会費をとっていますから、常に日本大使館に行って、何かをやらないと、レゾンデートルにならないんですよ。そうやってやってきたら、今度はたまたま竹島でぶつかったでしょ。島根県が竹島の日を制定した、それでまた燃えていると思います。中国の場合は反国家分裂法と2プラス2があったけれど、韓国の場合はやはり竹島問題で火がついたんでしょう。

C:呉善花さんは、中国の反日デモも韓国が作ったんだと言っておられましたけれどね。

宮崎:世界中に文化を発信したのは韓国だと言いたくなるのでしょう。

C:韓国に触発されたんだろうと。

西尾:少しはあるけれど、中国は中国で別です。あとの方、いかがでしょうか。

L:中国から日本にたくさん留学生が来ているわけですけれど、あの人たちは日本の中で学生生活を送りながら、中国の政治的立場というものを日本の学生の中で言わないように、ひっそりしているということはあると思うのです。この間テレビを見ていましたら、日本に来ている優秀な中国の留学生達は今度の反日暴動をどう考えるかということで、アンケートに答えていましたけれど、日本を相当理解しているはずの学生達が、大体半分ぐらいは反日暴動賛成だと、答えていたんですよね。ちょっと質問するとすぐに、大虐殺だとか、侵略だとか、簡単にそういうことを言うんですよ。

 つまり、歴史の知識というものがないので、つくる会が矯正しようとした反日の歴史知識のまんまで見るんですね。だから、それを教育する手段が日本側にあればいいものだと思うのですが、まさか留学生に入国前に日本史の試験をやるわけにもいかないでしょうし、考えてみると、つくる会の歴史教科書が大きく普及することが鍵だなというふうに、思います。どうにもならないんだなと、閉じられた気分になりました。

西尾:それでは最後に今のことについて感想を述べますと、基本的には悲観しておりましてね、要するにレッテル張りですね、余り深い意味もなく。つくる会というものも世界で有名なレッテル張りをされているわけですよね。アメリカやヨーロッパの世界まで、歴史修正主義が悪いことをしているから、それは一部除いて、小泉初め政府は謝罪して、それで、中国が収まった、結構なことだというような言い方になっていますね。こういう構造でことが収まるのは、ものすごく嫌なんですよ。

 むしろ逆に大混乱が起きてですね、中国は野蛮な滅茶苦茶な国なんだよと、我々の主張しているのは、結局正しいんだよと、言うことが日本国民が肝に銘じるためには、中国の国民が自滅するくらいのことが起らないとだめなんじゃないかと思っているんですね。大躍進のころのことがまた起って、それが海外に今度は広く知られて、日本も外国もそれで初めて眼が覚めるじゃないかと、こう思っています。これで本日の会の最初の山口先生のお話と逆で、大混乱、大波局を期待しているという私の最初のテーマに戻ります。小泉さんがなんか謝罪めいた変なことを言って、収束してしまうのは、結局負債がこっちに残るだけと思っています。

 
 
 過激な発言をしたのは、私だけでしたが、今日はどうも有難う御座いました。

日本会議へのメッセージ

 日本会議から私に「みんなで靖国神社に参拝する国民の会」の発起人に就任し、国民に呼びかけるメッセージを書き送って欲しいとの依頼があったので、就任を承諾し、次のメッセージを認めた。

  弁解、釈明、反論などの

「罪」を前提にした議論をすべて止めよう。

日清戦争以来の日本の戦争が中国を一国として保全し、

韓国と台湾その他に現代文明を与えた

アジアの歴史の母であることを前提にした議論を、

政治家が国際舞台で当然のごとくに語るように導こう。

宮崎正弘氏を囲む――中国反日暴動の裏側(十八)

西尾:そのとき武器は返すの?その辺の管理はどうなっているんですか。

宮崎:これはちょっとわかりません。管理はあってないようなものかもしれません。ともかくね、モラルがないでしょ。私ね、海南島の山奥の五師団、昔日本の監視所があったところに行ったんですよ。突然山の中にピンクのビルがあってね、何だこれと思うと、それが兵舎なんですよね。私が泊ったのがなんとか賓館というんですが、一泊2万1500円ぐらいで、値段はともかく、外人はこっち側、あっち側に違う旅館があるんですよ。それで朝みていましたら、皆軍人が女と出てくるんですよ。なんだこの腐敗ぶりは・・・と、そういう印象を持ちました。

 チベットへ行く時に、西都から320人乗りのエアバスだったのですが、310人が兵隊なんです。今兵隊が勤務の移動を飛行機でやっているんですけれど、たまたま30分ぐらい飛行機が遅れた時にね、ロビーのソファにふんぞりかえって寝ているのはみんな軍人でね、日本の自衛隊ならあんなこと絶対にしないでしょ。一般乗客が立って待っているのにね。それで若い兵士に、いろいろ話し掛けて、「おまえ等何処へ行くんだ?」「ラサに行く」「何年勤務だ?」「1年勤務だ」と。それでね、バリバリ、バリバリ食べてました。「ところで、隊長は何処に居るんだ」と聞きましたら「隊長はあそこで飲んでいる」と。

 一事が万事そうではないと思いますけれど、「台湾向けに700基のミサイルといっていますけれど、使えるのはおそらく200基くらいだろう、その中で台湾に飛んでくるのは75基ぐらいしかないだろう」と佐藤守さんが言っておられましたけれど、それに近いのではないでしょうか。

東中野:どうなんでしょう?200年大体国家が治まって、200年天下大動乱あって、この繰り返しがチャイナの大陸でしたけれど、1840年のアヘン戦争からまだ200年経っていないんですよ。1840年からずっと内乱が続いていると考えていいのか。年表を作ってみますと、そうなる。

西尾:共産党政権も内乱のひとつと?

東中野:そうです。大躍進政策の3000万も内乱の一つ、毛沢東の文革も内乱の一つ、年表を作っていきますと、私はこれはチャイナの内乱はまだ終わっていないんではないかと思います。ひょっとして内乱の原因は、いっぱい下に隠れているわけですから、天下大乱が起きてきても不思議ではないと思います。

西尾:2040年に別の政権が生まれると?

東中野:そうかもしれませんね。

西尾:それは群雄割拠ですか?

東中野:それはわかりませんけれど、今の中国共産党の磐石の独裁というのは、クェスチョンマークがつくんだなと、お話をうかがっていて思いました。

宮崎:法輪功は会員数を7000万人と言っていますが、話半分にしたって3500万。

東中野:共産党員は何人くらいですか?

宮崎:6400万くらいですから、今100万人脱党したといっています。法輪功がアメリカに行って、英字新聞を出して、それから香港、台湾、日本、アメリカで漢字の新聞を出しているんですよ。日刊ですよ。この軍資金はどうしているのかということですが、すでにそれだけの反政府運動が広がっているんですよ。

東中野:これはインターネットですか?

宮崎:インターネットも出しています。英語版、日本語版、支那版。

C:資金源は?

宮崎:ですから法輪功。会員がみんなで身銭を出す。

東中野:すごい反政府運動ですね。

宮崎:統一教会が世界日報を出していて、アメリカに行っても世界日報がありますけれど、ワシントンタイムズは完全に統一教会ですからね。

東中野:え?ワシントンポストじゃなくて。

宮崎:ものすごくいい新聞があるんです。原理色、統一教会色はぜんぜん出していない。で、申し上げたいことは、そこまでの反政府運動が巨大な組織として、世界に散らばっている。そしてテレビ局もアメリカに一個作りましたから、毎日反共、反政府です。

お知らせ

 6月末~7月の私の公開活動

《評論》
「靖国で譲れば次は『天皇制廃止』だ」
(特集・中国に譲る勿れ)『Will』8月号

《出版》 
編著『新・地球日本史2』
扶桑社刊  ¥1800

 周知の産経新聞好評連載の後半部で、現代史の中で最も重大かつ議論を呼ぶテーマを18氏が論じる。

 巻頭に三浦朱門氏と私との対談があり、新聞掲載時の対談の約3倍の分量。また巻末で私は書き下ろし新稿「日本人は運命の振子を自ら動かせたか――あとがきにかえて――」を掲載し、責めを果した。

《増刷》
民族への責任』増刷決定!

《講演筆録》 
「ヨーロッパ人の世界進出」
藤岡信勝+新しい歴史教科書をつくる会編
『歴史教科書10の争点』の中の第三章。
徳間書店刊  ¥1500

《テレビ出演》 
TVタックル「靖国問題を徹底討論する」(仮題)
7月11日(月)21時~22時テレビ朝日

《記者会見》
船橋西図書館焚書事件・最高裁判決を受けて
7月14日(木)10時30分の判決以後、
時間未定  法務省記者クラブ

《講演》
 「これでよいのか!日本の姿勢」
7月9日(土)午後2時~4時30分
鎌倉市 鶴岡八幡宮境内 直会殿
(JR鎌倉駅下車 徒歩10分、Tel 0467-22-0315)
参加費:  ¥1000
主 催: 教育を考える湘南地区連合会・鎌倉市の学校教育を考える会
      教科書を良くする神奈川県民の会
代表連絡先: Tel 0467-43-2895(木上)

《シンポジウム》
サマーコンファレンス2005道徳力創造セミナー
7月23日(土)15時30分~18時
名古屋国際会議場(名古屋市熱田区西町1-1、Tel 052-583-7711)
基調講演: 西尾幹二
パネリスト: 兼松秀行、陰山英男、水野彌一
参加費: 入場無料  
主 催: 日本青年会議所
代表連絡先: Tel 090-8991-7123(宮崎修)

『新・国民の油断』の改版について
 

 『新・国民の油断』の128ページ後半部分に誤解を招きかねない記述があり、129ページの写真の無断使用にも遺憾の意を表し、同書は店頭からいったん回収された。しかし問題の個所を修復して、あらためて店頭に出すことになっている。ご迷惑をかけた関係各位にお詫びする。本全体の内容には格別の影響はないので、今後も読み継がれ、社会批判の一書として重要な役割を果たしつづけることを疑っていない。

宮崎正弘氏を囲む――中国反日暴動の裏側(十七)

西尾:ご発言いただいていない方、東中野先生いかがでしょうか。中国問題をに携わっていたお立場から。往時の中国大陸の研究をなさっていて、今の中国はあんまり変わらないと思いますか・・・・

東中野:ちっとも変らないですね。結局腐敗と、汚職と、水滸伝の昔からそれですし、史記の昔からそれですし、皇帝専制が今は共産党独裁。今日のお話で驚きましたのは、農民の叛乱が20万件、しかしながら中央集権国家の軍事力というのは、月とスッポンですから、農民反乱は太刀討ち出来ない、近代軍隊に対しては。しかしながら、常にどの時代も農民反乱で、社会が大混乱に陥り、農民反乱のリーダーが二回も皇帝になり、これからまた同じような近代版の、21世紀版のそういった社会変動というのが、中国を襲うのかなぁと。

 しばらく小康状態が続いても、ネタはつきないわけでしょ。ぜんぜんネタはつきない。原因はぜんぜん消えていないわけです。金融問題だ、水問題だ、そして農民の不払い問題だ、すべてがそろっている。中国に向かって、アメリカは選挙をやってくれといいましたよね。中国のリーダーが農民は字が読めないんだ、字が読めないから選挙は出来ないんだと言ったら、アメリカはいや、インドネシア方式でちゃんと書いたものを配って、丸をつけさせたらいいじゃないかと、そこまで言ったんです。

 結局私たち日本にとって、非常に大きな不安というのは、常に中国人民の感情を傷付けたといわれますけれど、世論のない、言論の自由のない国ですから、大きな問題はそこにありまして、中国が民主化するということ。選挙をやって、そして自分達のリーダーを選ぶという、民主化するということがはたして可能か、そこが非常に大きな問題だろうと思います。そういう意味で、海外のメディアの反応として、21世紀の問題はもう日本問題じゃないんだ、中国問題だと、言っている。私はそうだろうと思いました。

 その意味では1930年代に、中国国民党が世界の問題は日本だと日本を問題視して言いましたが、それが20世紀まで続いて来て、21世紀に入ってようやく世界が日本を見る目を変えてきた。そしてアジアの問題は中国問題だと、こういう所に到達したところが、私としては非常に嬉しいと思います。

 あわせて、今度は日本がどういう政策を取るのか。相変わらずアメリカとは足して2で割った政策を行っている。したがって台湾問題に関してはアメリカと妥協する。今度は北京に対しても、足して2で割った対応を取るのか。「すみませんでした、私がいたりませんでした、どうかよりを戻してください」こういった、足して2で割る発想で外交を行っていて、それでいいのか。日本人が南京の問題で今までこれだけもめてるというのは、あの時にきちんとした記録を政府が残さなかったからなんだと思います。

 今回のバンドンの問題でも、政府はきちっとした記録を残してほしい。私たちはこういう発言をしたということを記録に残してもらいたい。やはり言葉だけでもいいので、先ほど西尾先生がおっしゃられたように、謝罪はする、しかしこれまで何度謝罪をしました、これが最後でございますと。そういう形で記録をきちっと残していかないと、50年たったときに、2005年のバンドン会議を歴史家が研究する時に、研究する資料がなくなるわけですね。政府がそういうものを用意してくれないと困る。

 70年代の南京はそういう、資料を政府が用意していないから、ものすごく今苦労しているわけです。あまつさえ、敗戦の時に全部焼きましたから、日本陸軍、海軍は、とんでもないことをやっているわけですよ。あれが残っていれば非常に楽なわけです。私たちは外交交渉というのは、二国間交渉であると同時に、その二国間交渉を世界に向けて発信するというような、発想をしなければいけない。

 合わせて、二国間交渉というのは50年後の日本民族に対して我々はこういうことをしたんだという記録を残す、そういう形でやってほしいなと思うのですが、ところが依然として村社会の発想で、足して2で割ることをいろいろなところでやっている。そういう気持ちで聞いておりました。

宮崎:一点だけね、今の中国の人民解放軍というのは、あれは国家の軍ではないんですよ。共産党に従属するもので、そういう意味ではプライベートアーミーなんです。それで第二軍、つまり人民武装警察、これが国に依存しているんです。そうしますと、近代国家の中央軍というのは、今の人民武装警察、これは機動隊の役目しかないんですが、ややとって代わりつつあるんです。そうすると、これからどうなるか。プライベートアーミーと、国家に属する軍隊というのがこうなる可能性がありますよ。人民解放軍はまた人数を減らすと言っていますから、240万今度、200万人になるのかな。

東中野:減らされた人民解放軍というのは、また私兵化するんでしょ?中国大陸では。

宮崎:それが皆盗賊をやるんですがね、それが危ないので、第二軍にいれているわけですよ。放っておいたら、この4月10日に北京でデモがあったように、やるんですよ。退役軍人は、暴動予備軍ですから、職がないしね。軍人恩給というものは
・・・・

東中野:退役軍人のデモがあったんですね。

宮崎正弘氏を囲む――中国反日暴動の裏側(十六)

宮崎:まず、鉄鋼から言いますと、新日鉄もJFも高炉を持っていくんです。しかしこれは大変なんですよ。この高炉で特殊鋼を作られたら、戦車から大砲からみんな向うの精度があがるんでね。この問題があるんですよ。

西尾:禁輸にはできないの、日本は政治的に。

宮崎:いや、もうこれは決めちゃっていて、向うで作っていますよ。

西尾:そういうのは、たとえばアメリカだったら防衛上のストップをかけると思う。

宮崎:日本にはその条項はありません。

西尾:だけども、それじゃ自分が自分を殺すような話ですね。

C:製鐵の投資はストップはかからない。もう少しハイテクのものになってくれば、ちがうんでしょうが。

宮崎:クルマの問題でしょ。クルマは全社でていて、しかもトヨタは、天津、広州、長春、三つ工場を作るんです。これみんな合弁でしょ。合弁というのは危ないですよ。ただ、それほどいいものは作りませんから。

 問題は日産ですよ。日産は武漢の――武漢は上海から600キロあるでしょ――その武漢から200キロ山奥のところなんです。なんであんなところに行ったのかというのは、非常に不思議なんですけれど、ただあそこでつぶれかけの(とうふう汽車)というのがあって、頼むからそこと合弁してくれと、カルロスゴーンは出遅れたのを一気に挽回するためにたのみこんで、あそこと合弁して、年間30万台作るそうです。日産は、それ以前の基本の商業として、クェスチョンマークですね。

西尾:どういうクェスチョンマークなの?

宮崎:つまり、そんな山奥に作って、どこに売るんですかね。作った自動車を全国に輸送するだけでも、コストがかかりますよ。それから原料を上げるのに、船でえっちらおっちら持って行って、それから武漢の山奥まで運ぶんですかね。

西尾:そこは計算してやっているんでしょ。

宮崎:いや、もちろんやっているんですが、ただ、現地に行っている人から聞くと、なにしろど田舎で、カラオケもない、週末に200キロ運転して武漢まで行ってカラオケをしに行くっていうんですからね。それぐらいひどい所だっていうのは、分ると思うんですよね。

C:80年代の話になりますけれど、中国は松下とかトヨタに是非中国に来て、工場を作ってくれと言ったんです。松下は割りあい素直にしたがって、北京の近くにテレビの工場なんかを作ったんですが、トヨタは非常に慎重な会社ですから、これはアメリカに行くときもそうですし、ヨーロッパに行くときもそうですが、他より遅れるんですよ。いつも遅れて、あとで追い越してしまうというそれがトヨタの特徴なんですが、中国では慎重の上に慎重に、80年代は受けなかったんです。

 それでヨーロッパのフォルクスワーゲンなんかがその時受けて出て、結果としてフォルクスワーゲンが中国の中では今一番大きなシェア―を取っていると思います。日本の企業もホンダあたりが出て行って、初めて、10年くらい前に、私トヨタといろいろ話しをしていた事があったんですけれども、トヨタの人もやっぱり中国に出遅れたなと、意識があって、それでダイハツに出て行ってもらったものをダイハツと一緒にやろうと、いまおっしゃったようになったんです。それでトヨタとしては、今他のマーケットと同じように、三番手、四番手だけれどもいつかは一番手になってやる、という格好でやろうとしているんじゃないかと思います。

宮崎:ただ、日本車がデモ隊に壊されましたからね。

西尾:なんで中国に進出してやりたがるんだろうかなァ。

C:それはマーケットが大きいからですよ。

西尾:いやぁ僕はそんなに目の色を変えてやらなくってもいいと思うんだけどな。

B:中国で中国向けの品物を売るというのは、比較的いいけれども、製造工場を中国へ作ると、設備投資もこれは非常に危険だから、考えてやったほうがいい。

C:作って向うで売るのは、今でも難しいと思いますよ。作ってそれをどんどん世界に売っていくほうがむしろいい。

西尾:中国向けで売るとなると、金を取れないということ?

宮崎:自動車が一昨年440万台作って、去年500万台作ったんですね。今50万台ぐらい在庫があるはずなんです。それは結局自動車ローンを組んだけれど、二回目くらい払って、そのままドロンというのが相当いるからなんですよね。金融子会社が今までなかったんですが、日本信販みたいなものをじゃあ中国が作れるかというと、作れないんで、それをつくることまでまたメーカーに頼んでいるわけですよ。

 トヨタは金融子会社を出して、クレジットカードみたいに割賦を受付けるわけです。受付けているんですけれど、3回、4回くらい払ったら、そのあとドロンというのが相変わらず多い。今取りっぱぐれが非常に多いので、今度頭金を20%、30%にして、それで今売行きがガタっと落ちたんです。中間層が買い出したからこういうことになっている。

 特権階級は自動車買うにせよ、マンション買うにせよ、全部キャッシュを持ってきていますからね。消費人口が変ったことで、資料を読み違えた。やはり基本的に中国人は、金は返さない。払うのは最後の土壇場で払うけれど、ただひたすらまけろっていう民族ですから・・・・

西尾:痛い目に会うんじゃないですか、日本の企業は。

D:すでに相当痛い目にあっていると思いますよ。